不憫な侯爵令嬢は、王子様に溺愛される。

猫宮乾

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―― 本編 ――

【十】王都への外出

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「失礼するよ」

 その時、ノックの音と同時に声がかかった。
 見ればフェンネル様が入ってきた所だった。

「やぁやぁ、フェンネル殿下」
「ごきげんよう、ソレル師」
「今丁度、殿下の話をしていたんだよ。ねぇ、マリーローズ嬢?」
「は、はい!」
「マリーローズを気にかけて下さるのは光栄ですが、私の婚約者です。正直、あまり男性と親しくされると気分が良くありません」
「おやおや嫉妬かな?」
「率直に言って、その通りです」
「怖いねぇ。私は精霊に仕える身だから、不埒な気持ちは無いんだけれど」
「だとしても。マリーローズは、俺のものです」

 フェンネル様が私に歩み寄ってくる。
 その言葉に、いちいちドキリとしてしまう。

「あんまりにも束縛が激しい男は嫌われるよ?」
「何とでも仰って下さい」
「うーん」

 ソレル様がニヤニヤと笑っている。
 フェンネル様は私の腰を抱き寄せた。

「ごちそうさまというしかないかな。フェンネル殿下の愛情はちょっと深すぎる気もするけどねぇ」
「俺はマリーローズを愛していますから。それにマリーローズも俺を愛してくれます」
「惚気かな?」
「惚気ですよ」
「お幸せにとしか言い様がないなぁ。良かったね、相思相愛で」

 ソレル様が吹き出した。
 心なしか、苦笑が滲んでいるような気もする。

「それでは邪魔者はそろそろ退散しようかな」
「邪魔だとは思いませんが、マリーローズとお茶をするのは、俺もいる時でお願いします。それと必要時以外は――」
「分かった、分かったよ。まったく、嫉妬深いなぁ」
「では、失礼するよ、マリーローズ嬢。またねぇ!」

 そう言うと、ソレル様が部屋を出て行った。
 ソレル様が出て行った直後、フェンネル様が私を抱きしめた。

「俺、思ったよりも嫉妬深かったと今気がついたよ」
「フェンネル様……」
「嫉妬深い俺は嫌い?」
「どんなフェンネル様も好きです」

 本心からそう述べると、フェンネル様が優しい目をした。

「俺も、どんなマリーローズも好きだよ。愛せる自信しかない」

 フェンネル様はそれから私を、腕から解放した。
 その時、クレソンが紅茶を運んできてくれた。

「座ろうか」
「はい!」

 それから私達はソファに座った。

「ソレル様とは何を話していたの?」
「ええと……そ、その……愛は偉大だと言われました」
「そうだったんだね。まぁ、それは俺も感じるよ。マリーローズが、俺に愛を教えてくれたから」
「フェンネル様こそ、私に愛情を教えてくれました」
「本当? それならば嬉しいな」
「本当です!」
「これからも俺は、全力でマリーローズを愛するよ」
「私こそ!」

 クレソンがそこに、微苦笑しながら茶菓子を運んできた。

「仲が本当に睦まじいですね。配下の者としても、お二人を見ていると嬉しいです」
「有難う、君は信頼が置けるから辛うじてマリーローズと二人でも許せる」
「辛うじて?」
「だって、本当は俺がずっと傍に居たいんだからね」
「フェンネル様がこんなに溺愛してる姿を見ると、甘すぎて砂を吐きそうになります」
「何とでも言ってくれ」

「あ、俺少し、厨房に夕食の話をしに行くので、下がりますね。存分にお二人きりで」
「気遣いだと理解している。よく出来た部下がいて有難い限りだよ」

 フェンネル様が吹き出した。
 クレソンがそれから部屋を出て行く。
 二人きりになった室内で、不意にフェンネル様が片手で私の頬に触れた。

「愛しているよ、マリーローズ」
「わ、私もフェンネル様が好きです」
「キスをしても良い?」
「! は、はい……」

 真っ赤になりながら私が頷くと、フェンネル様が今度は両手で私の頬に触れた。
 それから、私の頬に口づけをした。

「真っ赤だよ」
「だ、だって……」
「可愛いな」
「からかわないで下さい」
「からかってないさ。本心だよ。もっとキスをしても良い?」
「は、はい!」
「緊張してるみたいだけど?」
「……照れてしまって」
「やっぱり可愛いなぁ。見た目は麗人なのに、中身が本当に愛らしい。純粋で。どうして俺の愛しい人は、こんなに可愛いんだろうなぁ」
「私の愛しい人は、ちょっと優しすぎます」
「優しい俺は嫌い?」
「……大好きですよ」
「知ってる。知ってはいるけど、俺はいつだって不安になる。だからいつも、言葉にして欲しい」

「わかりました!」

 それからクレソンが帰ってくる前の間、フェンネル様は何度も私の頬や額にキスをしたのだった。



 ◆◇◆



 それから数日が経った。

「もうすぐ、風の精霊の聖夜ね」

 この国の第二代の国王陛下は、風の精霊と姫君のご子息で、その生誕祭でもある。
 風の精霊の聖夜は、国中に広く根付いた記念日だ。

「恋人同士が、プレゼントを交換しあう事が多いんだよね」

 昔、家庭教師の先生に勉強の合間に教わった。

「私もフェンネル様に、何か贈り物が出来たら良いのに」

 フェンネル様は色々なものを私に与えて下さったから、私も気持ちを返したい。
 それに愛し合っているという気持ちを言葉で確認し合ってから、最初の聖夜だ。

「私もおとぎ話の、風の精霊とお姫様みたいに、フェンネル様と幸せに過ごしたいなぁ」

 何より、少しでもフェンネル様に喜んで貰いたい。

「誰かを好きになるって、こういう事なのかな。フェンネル様に喜んで欲しいし、幸せだと感じて欲しい。こんな気持ち、知らなかった」

 フェンネル様の顔が脳裏に浮かんでくる。
 柔和な笑顔が、私は大好きでたまらない。

「フェンネル様が教えてくれた大切な気持ち」

 私は、相思相愛になった現在が幸せすぎて怖い。
 嬉しさをかみしめながら、私はその後身支度をした。

 そして寝室から出た。

「おはようございます、マリーローズ様」
「おはよう、クレソン」
「どうぞ」

 紅茶を差し出してくれたクレソンを見る。

「有難う。クレソンは、フェンネル様の事をよく知っているんだったよね?」
「はい。そのつもりですが」
「フェンネル様が、欲しいものを知らない?」
「マリーローズ様と、国の平穏では?」

 クレソンの言葉に、私は思わず赤面した。
 気恥ずかしくなってしまう。
 フェンネル様は優しい方だから、国の平穏はよく分かるけれど。

「そ、そういう事ではなくて、品物」
「品物ですか? また、どうして?」

 不思議そうな声を出したクレソンに、私は苦笑した。

「もうすぐ聖夜でしょう?」
「ああ、なるほど」

 納得したように、クレソンが何度か頷いた。

「できたら、フェンネル様に、何かプレゼントしたいの」
「きっとフェンネル様、喜びますよ。何を貰っても嬉しいんじゃないですかね」
「そ、そうかな? 迷ってるの」
「ここは一つ、マリーローズ様のセンスで!」
「センス?」
「フェンネル様に相応しいと思う品を選んでみては? 値段とかではなく、似合いそうな品なんてどうでしょうか?」
「出来たら、普段から身に付けられて邪魔にならないものをお渡ししたいの。小物が良いかなぁ」
「なるほど」
「できたら直接見て選びたいのだけど」」
「では、商人を呼びますか? それとも街に直接出てみます?」
「街に出られるの?」

 私は考えていなかったので、驚いた。
 まだ後宮の外出規則などを、私は詳しく知らない。
 出ようとも考えていなかったからだ。

「俺が護衛をするので大丈夫ですよ。王都は治安も良いですしね」
「お願いしても良い?」
「勿論です!」
「有難う、クレソン」
「問題は、何をプレゼントするかだなぁ」
「うーん」

 私はフェンネル様の姿を思い浮かべた。
 装飾具だと……ボタンカフスなどが身に付けやすいかもしれない。

「ボタンカフスはどう思う?」
「素敵だと思いますよ!」
「有難う。では装飾具のお店まで護衛をお願いします」
「畏まりました。侍女長達に、外出予定の報告をしてきます。何時頃行きます?」
「私はいつでも大丈夫」
「承知しました。では、昼食後に出かけましょうか」

 こうして、私は王都の街に、買い物をしに出かける事になった。



 馬車で移動し、王都の商業区画の手前で降りた。
 クレソンと並んで立つ。

「こちらです」

 全く道もお店も私は分からない。
 けれどクレソンが先導してくれた。
 空がよく晴れている。

「ここが王都で一番人気のお店ですよ」
「有難う。見てみる」

 店内に入り、並んでいる装飾具を見渡した。
 様々な種類があったが、私の目的はボタンカフスだ。

 フェンネル様の姿を改めて思い浮かべる。
 笑顔のフェンネル様が浮かんできた。

「喜んで欲しいなぁ」

 一人そう呟いてから、私はじっくりとボタンカフスを選んだ。
 すると一つ、とても気に入った品が見つかった。

「これ……フェンネル様に似合いそう」
「決まりましたか?」
「ええ。これにしようと思うの」
「素敵ですね。会計をしますね」

 自分で買い物をした経験がほとんど無い私に代わり、クレソンが店の主人のもとへと向かった。

 代金の事を半ば失念していた為、私は申し訳なくなってしまった。
 慌ててクレソンの後を追いかける。

「――はい。では、この通り」
「有難うございます」

 私が追いついた時には、既に支払いが終わっていた。

「包装致しますので、品物をこの台へ」
「は、はい!」

 言われた通りにボタンカフスを台に置く。
 すると他の店員が訪れて、包装を開始した。

「無事に用意出来て良かったですね」
「クレソンのおかげだよ。有難う」
「そんな事は無いですよ。マリーローズ様のご希望を実現するのも従者の務めですからね。俺に出来る事なら、頼って下さい」

 クレソンがいてくれて、本当に良かった。
 その後、私達は品物を受け取ってから、店を出た。

 外に出ると、空の色が少し変わっていた。

「ん? 馬車がいませんね。馬車を呼んできますね。ここでお待ち下さいね」

 商業区画の街路の出入り口で、クレソンが言った。
 私は頷き、歩き始めたクレソンの背中を見る。

「マリーローズ」
「!」

 その時、唐突に声をかけられた。
 驚いて振り返ると、立っていたルフが私を見ていた。

「迷いが晴れた顔をしてるね」
「……」
「迷い……」

 先日、庭園で話をした時の事を思い出す。
 あの時は、『迷っているなら止めろ』と言われたんだっけ。

「私は、フェンネル様が好きだから、迷わない」
「そう」
「マリーローズの幸せが、僕にとっての一番だから。マリーローズが決めたのなら、そしてそれが幸せだと思うなら、僕は応援するよ。君は幸せになるべき人だからね」
「幸せに……? 私は今、十分すぎるほど、幸せです」
「何が君に幸せを与えてくれたのかな」
「それは――」
「愚問かな」
「――フェンネル様です。それに、周りにいるみんなが。狭い世界しか知らなかった私を、連れ出してくれました」
「良かったね。マリーローズが明るい顔をしていると、僕も嬉しい」

 ルフの声は穏やかだ。
 だけど、どうして?
 どうして私が幸せだと、ルフは喜んでくれるんだろう?

「貴方は一体――」
「マリーローズ様!」
「!」

 クレソンの声に、驚いて振り返る。
 見れば、馬車が停まっていて、クレソンがこちらに歩いてくる所だった。

 それから私は、ルフに向き直ろうとして――目を見開いた。
 先程までルフが居たはずの場所には、もう誰も居ない。

「ルフ……?」

 ぽつりと呟いてみるが、どこにもルフの姿は無い。

 私は狐につままれた気持ちになった。
 そこへ、クレソンが歩み寄ってきた。

「馬車が来ましたよ。さぁ、帰りましょう」
「え、ええ……」

 キョロキョロと周囲を見渡してから、私はクレソンを見る。

「ねぇ、クレソン」
「はい?」
「今の人知ってる?」
「通行人ですか?」
「え、っと……」

 通行人……と、言えば、そうなのだろうか。
  街路には立っていたけれど、偶然通りかかったのかな?
 本当に?

「……」

 とてもそうとは思えない。何せ王宮の庭園にも居たのだし。
 後宮の回廊でも顔を合わせたのだし。

「……」

 ルフは何者なんだろう?
 悪い人には見えないけれど、とても不思議。

「……ごめんなさい、なんでもありません」
「御者に声をかけに行く最中も気を配ってたけど、不審な人はいなかった気がします。何かご不安でも?」
「ううん。なんでもないの――馬車が来たのね」
「ええ。さ、行きましょう!」
「分かりました。本当に今日は、有難う」

 その後は、クレソンに先導してもらい、私は馬車まで歩いた。
 ルフの事は気にかかったけれど、不思議と誰かに話す気にはならない。

 ルフは、私の幸せを願ってくれる人――。
 そう思うと、ううん、何故なのか言葉を交わしていると、護られている気になる。

 こうして、私はクレソンと共に馬車に乗り込んだ。


 兎に角、無事にプレゼントが買えて良かった!
 馬車から降りて後宮の部屋へと戻り、私は購入したプレゼントをしまった。

「聖夜当日まで、フェンネル様には秘密。喜んでくれるといいなぁ」

 その後、私は夕食に備えた。

「マリーローズ様、今日はフェンネル様も一緒に夕食を食べたいそうですよ!」

「本当? 嬉しい!」

 思わず私の頬が持ち上がる。
 それから夕食まで、クレソンが淹れてくれた紅茶を飲んで過ごした。

 そうして、フェンネル様と合流し、夕食をとる事になった。

「今日は街に出かけていたらしいね」
「はい」
「後宮に越してきてから、初めて自発的に外に出たみたいだけど、制限したいわけじゃないから、気軽にね」
「有難うございます」
「ただ、心配だから護衛にクレソンは連れて行って欲しいかな」
「はい」
「王都は治安が良いけれど、マリーローズに何かあったら、俺の心臓が持たない。所で、何をしに出かけたの?」
「ちょっと、買い物に」
「商人の事も気軽に呼びよせていいんだよ?」
「自分の目で、その場に並ぶ商品を見て、選びたかったんです」
「そう。マリーローズがそれを希望するなら、それでも当然良い。好きなように、不自由が無いようにね」

 フェンネル様の声は、楽しそうでもあり、優しくもある。
 私は頷きながら、フェンネル様を見た。
 本当に大好きで、仕方が無い。

「フェンネル様は、今日はどんな一日でした?」
「マリーローズの事を考えながら――公務をしていたよ。空き時間が出来ると、君の事が浮かんでくるから困ってしまうんだ」
「私も、フェンネル様の事が浮かんできます」
「俺達は、一緒なんだね」

 クスクスとフェンネル様が笑った。

「俺達も似たもの夫婦と呼ばれるようになったりするのかな」
「どうでしょう。私の方が、フェンネル様を愛してると思うんです」
「ん? 負けた記憶は無いけどな?」
「絶対私が勝ってます!」
「俺こそ負けないよ――って、こんな風に張り合うところも、俺達は似ているかもしれないね」

 そのようにして、和やかに夕食の時は流れていった。



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