79 / 101
【SeasonⅡ】―― 第四章:テケテケ ――
【078】資料の整理
しおりを挟む
家に帰ってから、ぼくは『学校のお化け図鑑』のPDFを作ることにした。
リビングで家族みんなで使うノートパソコンを起動して、ソフトを開く。
そこに学校の七不思議や、生首ドリブル、テケテケのことなどを打っていき、解決方法をまとめる。
「何をしてるんだ?」
すると亮にいちゃんがリビングにきて、不思議そうに言った。夕ご飯を作り終わったところみたいだ。そしてノートパソコンの画面をのぞきこんだ。
「へぇ、こんなに都市伝説ってあるんだな。学習発表会の資料か? すごいな」
亮にいちゃんの言葉を聞いて、ぼくはひらめいた。
――資料として配付したら、自然だと思いたった。
「うん」
それならば、共有のアプリにアップしても、説明がしやすい。
いい考えだなと思いながら、その日はずっと資料を作っていた。
翌日の放課後は、今度は班での発表用の資料のまとめをすることになった。イラストをつけたり写真をつけたりするので、さまざまなものを模造紙にはりつけたり、はりつける位置を決めたり、マジックでタイトルを書いたりした。
「ここはこの色のマジックがいいと思う」
道家くんのていあんに、椿ちゃんが笑顔でうなずいている。
意外と道家くんも楽しそうだ。ぼくは安心した。
道家くんもクラスになじんで、本当によかった。だれも道家くんが図書室ピエロだって知らない。泰我先生は知っているみたいだけど。
この日は道家くんと一緒に帰ることにした。
校門を出てから、ぼくは聞いた。
「学校、楽しい?」
「まぁまぁ」
そう答えた道家くんは笑顔だ。
「寂しくはなくなったかな。瑛っていう友達がいるし」
それを聞いたら、哀名を見ていて感じるむねの温かさとはまたちがう、なんだかぽかぽかした気持ちになった。友達になれたのがうれしい。
友達ができて笑顔が増えた哀名も同じかもしれないけど、友達がいると、一人とはぜんぜんちがう。
ぼくも道家くんと友達になって、いろいろ一緒に経験して、本当に楽しいからわかる。
「これからもずっと友達でいたいね」
すると道家くんが照れたように頷いた。
「そうだね。ボクも瑛と友達でいたい」
リビングで家族みんなで使うノートパソコンを起動して、ソフトを開く。
そこに学校の七不思議や、生首ドリブル、テケテケのことなどを打っていき、解決方法をまとめる。
「何をしてるんだ?」
すると亮にいちゃんがリビングにきて、不思議そうに言った。夕ご飯を作り終わったところみたいだ。そしてノートパソコンの画面をのぞきこんだ。
「へぇ、こんなに都市伝説ってあるんだな。学習発表会の資料か? すごいな」
亮にいちゃんの言葉を聞いて、ぼくはひらめいた。
――資料として配付したら、自然だと思いたった。
「うん」
それならば、共有のアプリにアップしても、説明がしやすい。
いい考えだなと思いながら、その日はずっと資料を作っていた。
翌日の放課後は、今度は班での発表用の資料のまとめをすることになった。イラストをつけたり写真をつけたりするので、さまざまなものを模造紙にはりつけたり、はりつける位置を決めたり、マジックでタイトルを書いたりした。
「ここはこの色のマジックがいいと思う」
道家くんのていあんに、椿ちゃんが笑顔でうなずいている。
意外と道家くんも楽しそうだ。ぼくは安心した。
道家くんもクラスになじんで、本当によかった。だれも道家くんが図書室ピエロだって知らない。泰我先生は知っているみたいだけど。
この日は道家くんと一緒に帰ることにした。
校門を出てから、ぼくは聞いた。
「学校、楽しい?」
「まぁまぁ」
そう答えた道家くんは笑顔だ。
「寂しくはなくなったかな。瑛っていう友達がいるし」
それを聞いたら、哀名を見ていて感じるむねの温かさとはまたちがう、なんだかぽかぽかした気持ちになった。友達になれたのがうれしい。
友達ができて笑顔が増えた哀名も同じかもしれないけど、友達がいると、一人とはぜんぜんちがう。
ぼくも道家くんと友達になって、いろいろ一緒に経験して、本当に楽しいからわかる。
「これからもずっと友達でいたいね」
すると道家くんが照れたように頷いた。
「そうだね。ボクも瑛と友達でいたい」
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
お仕事はテストエンジニア!?
とらじゃむ
経済・企業
乙女ゲームの個人開発で生計を立てていた早乙女美月。
だが個人開発で食っていくことに限界を感じていた。
意を決して就活、お祈りの荒らしを潜り抜けようやく開発者に……と思ったらテストエンジニア!?
聞いたこともない職種に回されてしまった美月は……!
異色のITシステム開発現場の生々しい奮闘ストーリー!
『ハタオト!~働くオトナの保健室~(産業医と保健師のカルテ)』→“走るオトナの保健室、あなたの会社にもお伺いします。”
かまくらはじめ
経済・企業
現代日本で、今日も一生懸命働いている、「働く大人」の皆様へ。
こちらの小説作品は、働く人の健康を守る医療職、「産業保健師」の足立里菜を主人公にしたヒューマンドラマ小説です。
働いている人の「あるある」や、働くうえでお役に立つかもしれない知識、そして何より、健康や命の大切さを知ってほしくて書きました。恋愛要素もちょっとアリ。基本的には各Episodeで読み切りです。
☆★☆★☆【Episode① 産業保健ってなあに】26歳の看護師、足立里菜。勤め先の病院からクビを宣告されて意気消沈していたところで、地下鉄内で急病人に遭遇……! その人を助けたことがきっかけで、エリートサラリーマン風の医師・産業医の鈴木風寿とペアになって働き始める。初めての出動先は『サクラマス化学株式会社』。ところが訪問初日に、労災と社員のクーデターが発生!?
☆★☆★☆【Episode② 港区ラプソディ】友人のトモコに誘われて、六本木の超高級カラオケに行った里菜。そこで出会ったメンズは、国会議員、会社社長、成功した投資家という豪華メンバー。その後、投資ファンド『ジュリー・マリー・キャピタル』社員のメンタル不調について相談依頼を受け、会社に向かうことに……!
☆★☆★☆【Episode③ 魂の居場所】産業保健師足立里菜、初めての保健指導! でも鈴木先生と訪れた『エイチアイ石鹸株式会社』では、過去に何か事件があったようで……??
☆★☆★☆【Episode④ 最後の一滴】ハウスメーカー『シューシンハウス株式会社』で、アルコール依存症の社員に生活指導とサポートを行うことになった新人産業保健師、足立里菜。でも、思わぬ大失敗をしてしまって、鈴木先生と初めてのケンカに……!!?
できるだけ定期的に更新するよう心掛けます。ご意見・ご感想などがございましたら、是非お気軽にコメント下さい。Twitterもやっています(https://twitter.com/@Goto_Kamakura)。もしもこの作品を好きになって下さったら、「ブックマーク」「レビュー」頂けると泣いて喜びます。
※この物語は完全なるフィクションです。
「カクヨム」「小説家になろう」と重複投稿しています。
各Episodeでいったん完結しますが、連作として【Episode⑩】くらいまで書き続ける予定です。
日本ボカシ話
昆布海胆
児童書・童話
むか~しむかし、あるところにお爺さんとお婆さんが暮らしておりました。
「また都に鬼が出たそうじゃ」
「あら怖いですね~」
仲の良いお爺さんとお婆さんはいつもの世間話をした後、支度をして出発しました。
お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ選択に行きました。
お婆さんが川で選択をしていると上流から大きな昆布が・・・
こんぶらこ・・・ひっきこもり・・・こんぶらこ・・・ひっきこもり・・・
と流れてきました。
お婆さんは目に装着していた装置のボタンを押します。
ピピピピピ・・・ピー!
「戦闘能力たったの5か・・・ゴミめ」
昆布はそのまま川を流れて行きました。
昆布が川を下っていると一緒に1つのお椀が流れているのに気が付きます。
良く見るとお椀の中には身の丈1寸程の男の子が入っていました。
「この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます」
昆布は喰われてなるものかと逃げるように川を更に下流へと流れていきました。
やがて昆布は海へと辿り着き海岸へ流れ着きました。
するとそこには海を眺めながら唖然と立ち尽くす青年の姿があります。
青年は脇に抱えた玉手箱をゆっくりと下へ降ろしてその封を切ります。
するとその玉手箱からは突如白い煙が発生し青年の体を包み込みます。
「ばけらった!」
その白い煙に包まれた青年は叫び声と共にその姿を老人へと変貌させました。
老人はプルプルした手付きで海岸に打ち上げられた昆布を手にし家へと帰りました。
そしてお爺さんはそのまま帰らぬ人となりました。
昆布がその家で乾燥させられている間に夫婦と兄妹がその家に住み着きました。
ですがその家族は貧乏で明日食べる食料にも困る生活を送っておりました。
ある日、子供たちが寝静まった頃に母親は言いました。
「二人を山へ捨てましょう・・・」
翌日、兄妹を連れて山へ出かけた家族。
兄は母親の言動に違和感を覚えていました。
その為に兄は帰り道が分からなくならない様に家にあった昆布を持ち出して少しずつ千切って道標に残していきました。
その昆布の欠片を道標に兄妹は無事に家へと帰宅します。
その兄妹の名前は・・・
「その妹があの歌手なのさ」
テレビに映るグレイと言うグループの歌手を指差して王子様は姫に教えます。
どう見ても男にしか見えないその人物とは・・・
グレイのテルであったとさ・・・
めでたしめでたし・・・
【完】ことうの怪物いっか ~夏休みに親子で漂流したのは怪物島!? 吸血鬼と人造人間に育てられた女の子を救出せよ! ~
丹斗大巴
児童書・童話
どきどきヒヤヒヤの夏休み!小学生とその両親が流れ着いたのは、モンスターの住む孤島!?
*☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆*
夏休み、家族で出掛けた先でクルーザーが転覆し、漂流した青山親子の3人。とある島に流れ着くと、古風で顔色の悪い外国人と、大怪我を負ったという気味の悪い執事、そしてあどけない少女が住んでいた。なんと、彼らの正体は吸血鬼と、その吸血鬼に作られた人造人間! 人間の少女を救い出し、無事に島から脱出できるのか……!?
*☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆*
家族のきずなと種を超えた友情の物語。
釣りガールレッドブルマ(一般作)
ヒロイン小説研究所
児童書・童話
高校2年生の美咲は釣りが好きで、磯釣りでは、大会ユニホームのレーシングブルマをはいていく。ブルーブルマとホワイトブルマーと出会い、釣りを楽しんでいたある日、海の魔を狩る戦士になったのだ。海魔を人知れず退治していくが、弱点は自分の履いているブルマだった。レッドブルマを履いている時だけ、力を発揮出きるのだ!
トウシューズにはキャラメルひとつぶ
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
児童書・童話
白鳥 莉瀬(しらとり りぜ)はバレエが大好きな中学一年生。
小学四年生からバレエを習いはじめたのでほかの子よりずいぶん遅いスタートであったが、持ち前の前向きさと努力で同い年の子たちより下のクラスであるものの、着実に実力をつけていっている。
あるとき、ひょんなことからバレエ教室の先生である、乙津(おつ)先生の息子で中学二年生の乙津 隼斗(おつ はやと)と知り合いになる。
隼斗は陸上部に所属しており、一位を取ることより自分の実力を磨くことのほうが好きな性格。
莉瀬は自分と似ている部分を見いだして、隼斗と仲良くなると共に、だんだん惹かれていく。
バレエと陸上、打ちこむことは違っても、頑張る姿が好きだから。
おねしょゆうれい
ケンタシノリ
児童書・童話
べんじょの中にいるゆうれいは、ぼうやをこわがらせておねしょをさせるのが大すきです。今日も、夜中にやってきたのは……。
※この作品で使用する漢字は、小学2年生までに習う漢字を使用しています。
少年騎士
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」ポーウィス王国という辺境の小国には、12歳になるとダンジョンか魔境で一定の強さになるまで自分を鍛えなければいけないと言う全国民に対する法律があった。周囲の小国群の中で生き残るため、小国を狙う大国から自国を守るために作られた法律、義務だった。領地持ち騎士家の嫡男ハリー・グリフィスも、その義務に従い1人王都にあるダンジョンに向かって村をでた。だが、両親祖父母の計らいで平民の幼馴染2人も一緒に12歳の義務に同行する事になった。将来救国の英雄となるハリーの物語が始まった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる