図書室ピエロの噂

猫宮乾

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【SeasonⅡ】―― 第四章:テケテケ ――

【078】資料の整理

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 家に帰ってから、ぼくは『学校のお化け図鑑』のPDFを作ることにした。
 リビングで家族みんなで使うノートパソコンを起動して、ソフトを開く。
 そこに学校の七不思議や、生首ドリブル、テケテケのことなどを打っていき、解決方法をまとめる。

「何をしてるんだ?」

 すると亮にいちゃんがリビングにきて、不思議そうに言った。夕ご飯を作り終わったところみたいだ。そしてノートパソコンの画面をのぞきこんだ。

「へぇ、こんなに都市伝説ってあるんだな。学習発表会の資料か? すごいな」

 亮にいちゃんの言葉を聞いて、ぼくはひらめいた。
 ――資料として配付したら、自然だと思いたった。

「うん」

 それならば、共有のアプリにアップしても、説明がしやすい。
 いい考えだなと思いながら、その日はずっと資料を作っていた。

 翌日の放課後は、今度は班での発表用の資料のまとめをすることになった。イラストをつけたり写真をつけたりするので、さまざまなものを模造紙にはりつけたり、はりつける位置を決めたり、マジックでタイトルを書いたりした。

「ここはこの色のマジックがいいと思う」

 道家くんのていあんに、椿ちゃんが笑顔でうなずいている。
 意外と道家くんも楽しそうだ。ぼくは安心した。
 道家くんもクラスになじんで、本当によかった。だれも道家くんが図書室ピエロだって知らない。泰我先生は知っているみたいだけど。

 この日は道家くんと一緒に帰ることにした。
 校門を出てから、ぼくは聞いた。

「学校、楽しい?」
「まぁまぁ」

 そう答えた道家くんは笑顔だ。

「寂しくはなくなったかな。瑛っていう友達がいるし」

 それを聞いたら、哀名を見ていて感じるむねの温かさとはまたちがう、なんだかぽかぽかした気持ちになった。友達になれたのがうれしい。

 友達ができて笑顔が増えた哀名も同じかもしれないけど、友達がいると、一人とはぜんぜんちがう。

 ぼくも道家くんと友達になって、いろいろ一緒に経験して、本当に楽しいからわかる。

「これからもずっと友達でいたいね」

 すると道家くんが照れたように頷いた。

「そうだね。ボクも瑛と友達でいたい」

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