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【SeasonⅠ】―― 第七章:夏休みとお化け屋敷 ――
【040】お化け屋敷
しおりを挟むこうして翌日、ぼく達はテーマパークに来た。
チケットは買ってあったみたいで、一枚貰ってゲートをくぐる。
三人で中に入り、ぼく達はパンフレットを見る。すると亮にいちゃんがぼくを見た。
「何にのる?」
「亮にいちゃんは何に乗りたい?」
「俺は……んー、ここはお化け屋敷が怖いらしいから、そこが気になる」
よかった、ジェットコースターじゃなかった。ぼくはほっとしながら、頷く。するとお父さんが、ぼく達をスマホで撮影した。パシャリと音がした。それを聞いてぼくはお父さんを見た。
「三人で撮ろうよ!」
「そうだな」
今度はぼく達三人で、自撮りをした。家族サービスなのだから、家族写真は大切だ。
「お父さんは何に乗りたい?」
「お父さんは、乗り物のそばで待ってるよ。亮といっておいで」
優しい顔で笑っているお父さんに、ぼくはうなずいた。亮にいちゃんにはいつもいっぱいお世話になっているから、今日はぼくが付き合ってあげよう。
「お化け屋敷、行く?」
「ああ、そうだな」
こうしてぼく達は、お化け屋敷にむかって歩きはじめた。
まだ混んでいなかったので、すぐに入ることが出来た。洋風のお化け屋敷で、プロジェクションマッピングで様々なお化けが出てくる。だけど本物を見ているから、全然怖くない――けど、急に出てきたり、おどろかされると、ビクってしてしまい、ぼくは思わず亮にいちゃんの腕を抱きしめた。
「大丈夫だよ。俺が守ってやるからさ」
よゆうありそうに笑った亮にいちゃんは、おどろくことなく、出口までぼくを連れて行ってくれた。さすがだ!
そんな風にして、大観覧車にのったり、各地を回った。お父さんは何度も写真を撮っていた。そして一通り回り終えてから、ぼく達は、薺におみやげを買うことにした。お父さんは職場にも買うらしい。亮にいちゃんがトイレにいってくるというので、ぼくとお父さんで、先におみやげもの屋さんに入った。
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