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―― 第八章 ――
【第六十六話】理由(★)
しおりを挟む寝室のベッドへと移動した直後、昼斗は押し倒された。後頭部を軽く枕にぶつけながら、昴の事を見上げる。目を丸くしている昼斗は、純粋な子供のような顔で尋ねる。
「昴……お前は俺を、好きなのか?」
「本当に、自分でも『まさか』って思ってるけど、愛してるよ」
「っ」
「昼斗は、もう俺の事を嫌いになった?」
「――好きだ」
「知ってる」
そう告げると、昴が昼斗の唇を奪った。最初は触れるだけだったキスが、どんどん深く変わっていく。服を開け、昼斗の旨の突起を、昴が指先で挟んだ。
「っ」
「声、聞かせてよ」
こうして二人の夜が始まった。繊細な手つきで、昴が昼斗の旨を愛撫し、その肌を撫でる。昼斗は震えながら、涙ぐむ。その黒い瞳に劣情を抱き、昴は舌打ちした。オブジェと化していたローションのボトルを手繰り寄せ、指を濡らした昴が、昼斗の後孔を暴いていく。
「ぁ、あ……」
指を受け入れた昼斗が身震いする。二本、三本と指を増やした昴は、指先をバラバラに動かして、昼斗の内部を解していく。ギュッと目を閉じ睫毛を震わせ、昼斗はその甘い衝撃に耐える。だいぶスムーズに動くようになったところで、昴は指を引き抜いた。名残り惜しく感じながら、昼斗が涙で濡れた瞳を向ける。
「ああっ」
昴が陰茎の先端を挿入する。喉を逸らせて震わせた昼斗は、そのまま奥深くまで穿たれた。愛する相手と一つになる感覚に、眩暈がする。ぐっと根元まで挿入し、昴が荒く吐息した。
「ねぇ、昼斗。なんで俺が、こうしてるか分かる? 同情かとか聞いたら、怒るからね」
「昴、ぁ、昴……っ、ああ! 気持ちいい」
「なんで俺は、昼斗を気持ち良くしてると思う?」
昼斗は涙ぐんでから、それから瞳を揺らし、そして不思議そうな顔をした。どうやら同情ではないらしいというのは分かったから――幸せな空想を述べる。
「昴も俺の事が好きだから」
「正解」
「え?」
「なんで驚くかな……もっと分からせないとならないみたいだね」
「ああああああ!」
昴が激しく腰を動かし始める。すぐに昼斗は理性を飛ばしてしまった。
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