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―― 第六章 ――
【八十一】プレイルームでの幕開け(☆)
しおりを挟む「《脱いでくれ、服を》」
「うん……」
僕は首元の布に手をかけ、ゆっくりと服を脱いだ。室内には一人掛けのソファがあって、クライブはそこに座って、じっくりとそんな僕を眺めている。僕はその視線を感じるだけで、肌が熱くなる気がしていた。緊張から手が震えて、たまにボタンをはずす手がおぼつかなかったけれど、なんとか言われた通りに脱ぎ終わる。
「《いい子だ》。そうだな――まずは、そちらの拘束台に《座ってくれ》」
いよいよドキリとしながらも、僕は寝台の隣にある黒い椅子へと座った。すると立ち上がったクライヴが歩み寄ってきて、天井から鎖を引き寄せる。
「手を頭上に」
僕は唾液を嚥下してから、言われた通りに両手を持ち上げた。
するとガチャリと音がし、それからすぐに手首に冷ややかな鉄製の手枷の感触を覚えた。
「《脚を折り曲げて》」
「う、うん」
続いて僕は両足を曲げた。それから椅子の高さをクライヴが調整した。
続いてクライヴは鎖の付いた足枷を手に取ると、僕の左右の足首に嵌めて、僕の姿勢を固定する。僕は脚をM字に開いた状態で、身動きが出来なくなった。室内は魔導具で一定に温度が保たれているようで、肌寒さはない。クライヴはそれからまた、一人掛けのソファへと戻ると、長い脚を組んで、じっと僕を見た。そうして、傍らの卓上にあったロックグラスに丸い氷を入れると、続いて瓶からウイスキーを注ぐ。それを片手に、改めて僕をじっと見据えた。
「凄艶だな」
「は、恥ずかしいよ……あんまり見ないで……」
「どうして?」
「クライヴに見られていると、それだけで、その……」
僕の下腹部には、既に熱が集まり始めている。僕は反応しそうになっている陰茎を自覚していた。クライヴの視線は、僕にとって、それだけで情欲を煽る。
「だが、俺は見ていたいんだ。今夜は、じっくりと見せてくれ」
「……クライヴが喜んでくれるなら、いいけど……」
「ああ」
そのままクライヴは、拘束されている僕を、じっと見ていた。時折氷が高く啼く。その強い酒を舐めながら、クライヴはまじまじと僕を視線で嬲る。僕はクライヴの眼差しに体を炙られているような心地になり、思わず自由になる腰を僅かに揺らした。その内に、全身が熱くなってきて、思わず太ももをすり合わせたくなったのだけれど、拘束具のせいでそれは叶わない。僕の陰茎は、そのまま持ち上がった。見られているだけなのに、ただそれだけなのに、僕の体は熱を帯びた。
「クライヴ……欲しい……」
「俺もルイスが欲しい。今日は、存分に支配させてもらおうかな」
「うん……」
僕はクライヴの声に、恍惚としてしまい、瞳を歓喜の涙で潤ませた。
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