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―― 第一章 ――
【十七】夜のキス(★)
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「《おいで》」
寝室に入ると、既にクライヴ殿下がそこにいた。そして両腕を伸ばしながら、僕に向かって《命令》を放った。耳触りの良い声音に、僕の体はフワフワした心地になる。その腕の中に収まった僕の耳の後ろを撫でながら、クライヴ殿下が囁いた。
「《こっちを見てくれ》」
その声音に、僕は惹きつけられるようにして、クライヴ殿下の紫色の瞳を覗き込む。すると本日は、獰猛な目をしていたクライヴ殿下が、僕の唇を奪った。
「んン」
口腔に入ってきたクライヴ殿下の舌が、僕の舌を絡めとる。まだ僕は、深いキスの感覚に慣れない。息継ぎの仕方も曖昧で、舌を追い詰められて絡めとられる頃には、呼吸が上がりそうになり、体から力が抜けてしまった。
「っ、ン」
引き摺りだされた舌を甘く噛まれると、僕の肩がピクンと跳ねる。しかしクライヴ殿下は離してはくれず、より深々と僕の口を貪った。濃厚なキスをされる内に、僕は思わずクライヴ殿下の胸板に倒れ込んだ。すると強く強く抱きしめられ、再び耳元で囁かれた。
「次は、ルイスからだ。《キスしてくれ》」
「ぁ……」
僕の瞳は蕩けて潤んでいる。うっとりとした心地で、僕はクライヴ殿下の首に両腕を回し、啄むようにキスを繰り返す。そんな僕の首の筋を指先で撫でてから、クライヴ殿下は口角を持ち上げた。
「《いい子だ》」
「……ん」
褒められた瞬間、僕の全身が歓喜した。そんな僕の鎖骨の少し上に口づけて、クライヴ殿下がキスマークを残す。そのまま僕は、押し倒された。ガウンの紐を解かれ、服を乱される。
「ぁ、っ」
僕の右胸の突起をクライヴ殿下が唇で挟んでチロチロと舐めながら、左手の指先ではきゅっと僕の左胸の乳首を摘まんだ。優しい刺激に、ゾクゾクとしたものが、僕の背筋を這いあがっていく。それが、気持ち良いという事だと、僕はこの二週間と少しの間に教えられた。だが、こちらにもまだ慣れない。けれど、クライヴ殿下の体温が、僕は嫌いではない。
「ぁァ……っ、あ」
乳頭を甘く噛まれて、今度は少し強めに乳首を左手で弾かれた。すぐに僕の体は熱を帯び、陰茎に熱が集まり始める。僕の体は汗ばみ、僕の髪が肌に張り付き始める。丹念に丹念にクライヴ殿下は僕の体を愛撫するのだが、それがもどかしくすらある。優しい手つきと舌先の感触に、僕は身悶えた。
「ルイス、気持ちいいか? 《教えてくれ》」
「ぅぁ……気持ちいいです、っ……恥ずかしい。聞かないで……ぁア!!」
その時、ダイレクトに陰茎を撫で上げられ、緩く握られた。そして僕の陰茎を擦りながら、クライヴ殿下が吐息に笑みを載せた。
「今日はバックからしようか。《四つん這いに》」
熱い体で、僕はその《命令》に従った。
体を起こして、寝台の上に膝をつく。すると僕の菊門を指先でつついてから、後孔へとクライヴ殿下が、香油をまぶした人差し指を一本差し込んだ。すると僕の陰茎がより一層張りつめた。まだ受け入れる時の違和に僕は慣れていないけれど、この後に快楽が待ち受けている事を、もう知っている。
「う、ぅ……」
根元まで差し込まれた人差し指で、内部をかき混ぜるように動かされ、僕はギュッとシーツを握りしめた。ぐちゅりとローションが立てる水音が響いている。
「ぁ、ぁァ」
その後二本に増えた指が、僕の内部の前立腺を刺激した。そこばかりをクライヴ殿下に責め立てられて、僕はギュッと目を閉じ体を震わせる。内部から、ジンっと甘い快楽が響き始める。次第に全身が蕩け始めた。たっぷりと香油をつけた指で、クライヴ殿下は僕の気持ちの良い場所ばかりを嬲る。堪えきれないと感じて、僕は涙ぐんだ。
「ルイス、どうして欲しい? 《言ってごらん》」
「あ、あ、挿れて……っ、ぁ」
敬語を使う余裕が消えた僕は、涙交じりの声を出す。
すると指を引き抜き、クライヴ殿下が屹立した先端を僕の菊門にあてがった。
そしてグッと押し入ってくる。
「ああ、あっ!」
再びギュッと目を閉じた僕の眦からは、涙が零れていく。辛いからではない。頭が真っ白になるくらい、気持ちが良いからだ。僕の両方の腰骨の少し上を掴み、一気に根元まで挿入したクライヴ殿下は、一度荒々しく吐息すると、動きを止めた。
「ひ、ぁ、ァぁ!!」
前立腺を擦り上げるようにして貫かれた僕は、シーツを握りしめながらすすり泣く。
「《伏せろ》」
「んン――!!」
快楽に飲まれている状態での《命令》に、僕は必死に従う。すると僕の背中に体重をかけて、僕の首筋を甘く噛んでから、クライヴ殿下が笑った。
「今夜はずっと繋がっていようか?」
「いや、あ、ダメ、死んじゃう……っ、んア! 気持ちいい、あ、あ、動いて、でも、あ」
「それがルイスの頼みなら、そうするか」
「あああああ!」
クライヴ殿下は体を起こすと、荒々しく動き始めた。激しく打ち付けられる内に、僕は何も考えられなくなっていく。目を閉じて睫毛を震わせながら、ただ喘ぐ事しか出来なくなった。最奥を探り出すように、クライヴ殿下が抽挿する。思わず僕が体に力をこめると、クライヴ殿下がまた荒く吐息した。
「絡みついてくる」
「んア――!!」
いつもとは異なる角度から感じる場所を存分に突き上げられ、僕は背を撓らせる。
快楽がこみ上げてきて、どんどん募っていく。
「あああ、あア――!!」
そのまま僕は、一際激しく打ち付けられた瞬間に放った。必死で息をしていると、一度クライヴ殿下が動きを止め、そして僕の体を気遣うようにしてくれた。
「俺はまだまだ足りない」
「ん、ぁ……っ、ッ」
ゆっくりとクライヴ殿下が腰を揺さぶり、僕の呼吸が落ち着いてきたところで動きを再開する。再びその動きは、早くなっていく。硬いクライヴ殿下の肉茎が、僕の感じる最奥を激しく刺激し、僕の体は再び熱を帯びた。
「あ、あ、息が出来な、っ、ンん――!!」
「出すぞ」
クライヴ殿下がそう口にした頃には、僕の理性は霧散していた。
「あああああ!」
内部に飛び散る白濁とした液の感触を覚えた直後、僕は今度は内部だけで果てた。
この夜、僕は何度も何度も体を貪られ、いつの間にか意識を飛ばしていた。
寝室に入ると、既にクライヴ殿下がそこにいた。そして両腕を伸ばしながら、僕に向かって《命令》を放った。耳触りの良い声音に、僕の体はフワフワした心地になる。その腕の中に収まった僕の耳の後ろを撫でながら、クライヴ殿下が囁いた。
「《こっちを見てくれ》」
その声音に、僕は惹きつけられるようにして、クライヴ殿下の紫色の瞳を覗き込む。すると本日は、獰猛な目をしていたクライヴ殿下が、僕の唇を奪った。
「んン」
口腔に入ってきたクライヴ殿下の舌が、僕の舌を絡めとる。まだ僕は、深いキスの感覚に慣れない。息継ぎの仕方も曖昧で、舌を追い詰められて絡めとられる頃には、呼吸が上がりそうになり、体から力が抜けてしまった。
「っ、ン」
引き摺りだされた舌を甘く噛まれると、僕の肩がピクンと跳ねる。しかしクライヴ殿下は離してはくれず、より深々と僕の口を貪った。濃厚なキスをされる内に、僕は思わずクライヴ殿下の胸板に倒れ込んだ。すると強く強く抱きしめられ、再び耳元で囁かれた。
「次は、ルイスからだ。《キスしてくれ》」
「ぁ……」
僕の瞳は蕩けて潤んでいる。うっとりとした心地で、僕はクライヴ殿下の首に両腕を回し、啄むようにキスを繰り返す。そんな僕の首の筋を指先で撫でてから、クライヴ殿下は口角を持ち上げた。
「《いい子だ》」
「……ん」
褒められた瞬間、僕の全身が歓喜した。そんな僕の鎖骨の少し上に口づけて、クライヴ殿下がキスマークを残す。そのまま僕は、押し倒された。ガウンの紐を解かれ、服を乱される。
「ぁ、っ」
僕の右胸の突起をクライヴ殿下が唇で挟んでチロチロと舐めながら、左手の指先ではきゅっと僕の左胸の乳首を摘まんだ。優しい刺激に、ゾクゾクとしたものが、僕の背筋を這いあがっていく。それが、気持ち良いという事だと、僕はこの二週間と少しの間に教えられた。だが、こちらにもまだ慣れない。けれど、クライヴ殿下の体温が、僕は嫌いではない。
「ぁァ……っ、あ」
乳頭を甘く噛まれて、今度は少し強めに乳首を左手で弾かれた。すぐに僕の体は熱を帯び、陰茎に熱が集まり始める。僕の体は汗ばみ、僕の髪が肌に張り付き始める。丹念に丹念にクライヴ殿下は僕の体を愛撫するのだが、それがもどかしくすらある。優しい手つきと舌先の感触に、僕は身悶えた。
「ルイス、気持ちいいか? 《教えてくれ》」
「ぅぁ……気持ちいいです、っ……恥ずかしい。聞かないで……ぁア!!」
その時、ダイレクトに陰茎を撫で上げられ、緩く握られた。そして僕の陰茎を擦りながら、クライヴ殿下が吐息に笑みを載せた。
「今日はバックからしようか。《四つん這いに》」
熱い体で、僕はその《命令》に従った。
体を起こして、寝台の上に膝をつく。すると僕の菊門を指先でつついてから、後孔へとクライヴ殿下が、香油をまぶした人差し指を一本差し込んだ。すると僕の陰茎がより一層張りつめた。まだ受け入れる時の違和に僕は慣れていないけれど、この後に快楽が待ち受けている事を、もう知っている。
「う、ぅ……」
根元まで差し込まれた人差し指で、内部をかき混ぜるように動かされ、僕はギュッとシーツを握りしめた。ぐちゅりとローションが立てる水音が響いている。
「ぁ、ぁァ」
その後二本に増えた指が、僕の内部の前立腺を刺激した。そこばかりをクライヴ殿下に責め立てられて、僕はギュッと目を閉じ体を震わせる。内部から、ジンっと甘い快楽が響き始める。次第に全身が蕩け始めた。たっぷりと香油をつけた指で、クライヴ殿下は僕の気持ちの良い場所ばかりを嬲る。堪えきれないと感じて、僕は涙ぐんだ。
「ルイス、どうして欲しい? 《言ってごらん》」
「あ、あ、挿れて……っ、ぁ」
敬語を使う余裕が消えた僕は、涙交じりの声を出す。
すると指を引き抜き、クライヴ殿下が屹立した先端を僕の菊門にあてがった。
そしてグッと押し入ってくる。
「ああ、あっ!」
再びギュッと目を閉じた僕の眦からは、涙が零れていく。辛いからではない。頭が真っ白になるくらい、気持ちが良いからだ。僕の両方の腰骨の少し上を掴み、一気に根元まで挿入したクライヴ殿下は、一度荒々しく吐息すると、動きを止めた。
「ひ、ぁ、ァぁ!!」
前立腺を擦り上げるようにして貫かれた僕は、シーツを握りしめながらすすり泣く。
「《伏せろ》」
「んン――!!」
快楽に飲まれている状態での《命令》に、僕は必死に従う。すると僕の背中に体重をかけて、僕の首筋を甘く噛んでから、クライヴ殿下が笑った。
「今夜はずっと繋がっていようか?」
「いや、あ、ダメ、死んじゃう……っ、んア! 気持ちいい、あ、あ、動いて、でも、あ」
「それがルイスの頼みなら、そうするか」
「あああああ!」
クライヴ殿下は体を起こすと、荒々しく動き始めた。激しく打ち付けられる内に、僕は何も考えられなくなっていく。目を閉じて睫毛を震わせながら、ただ喘ぐ事しか出来なくなった。最奥を探り出すように、クライヴ殿下が抽挿する。思わず僕が体に力をこめると、クライヴ殿下がまた荒く吐息した。
「絡みついてくる」
「んア――!!」
いつもとは異なる角度から感じる場所を存分に突き上げられ、僕は背を撓らせる。
快楽がこみ上げてきて、どんどん募っていく。
「あああ、あア――!!」
そのまま僕は、一際激しく打ち付けられた瞬間に放った。必死で息をしていると、一度クライヴ殿下が動きを止め、そして僕の体を気遣うようにしてくれた。
「俺はまだまだ足りない」
「ん、ぁ……っ、ッ」
ゆっくりとクライヴ殿下が腰を揺さぶり、僕の呼吸が落ち着いてきたところで動きを再開する。再びその動きは、早くなっていく。硬いクライヴ殿下の肉茎が、僕の感じる最奥を激しく刺激し、僕の体は再び熱を帯びた。
「あ、あ、息が出来な、っ、ンん――!!」
「出すぞ」
クライヴ殿下がそう口にした頃には、僕の理性は霧散していた。
「あああああ!」
内部に飛び散る白濁とした液の感触を覚えた直後、僕は今度は内部だけで果てた。
この夜、僕は何度も何度も体を貪られ、いつの間にか意識を飛ばしていた。
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