5 / 6
5
しおりを挟む「あ、ァ……」
じっくりと香油で慣らされた後、僕はシオンの楔を受け入れた。ゆっくりと挿ってくる陰茎は巨大で、指とは全然異なる。熱く脈動するシオンの陰茎が進んでくる度に、僕は息を詰めた。ギュッとシーツを握りながら、僕は正面にあるシオンの顔を見る。
「辛いか?」
「平気……ぁ……ぁァ……ん!」
根元まで挿ってきた時、僕は思わず目を閉じた。睫毛が震えたのが自分でも分かる。生理的な涙がこみ上げてきた。結合部分が熱くて、全身が蕩けそうだ。じわりじわりと熱で炙られるように、僕の体は昂められていく。
シオンは一度荒く吐息すると、僕の頬を撫でた。
「少し力を抜いてくれ」
「で、出来な……ああ! あ、ア」
「きついな――初めてか?」
「う、うん……っ、ひぁ……ん、ぅ」
「馴染むまで待つから、ゆっくりと息をしてみろ」
「あ、あ……っく」
言われた通りに、僕はゆっくりと呼吸した。動きを止めたシオンは、指先で僕の涙を拭ってくれた。全身が汗ばんできて、僕のこめかみに髪の毛が張り付いているのが分かる。その内に、体を熱が絡め取った。
「あ、あ、あ……んッ、う……ああ、ア……」
「もう動いても平気そうだな」
「う、うん……あああ!」
シオンが抽挿を始めた。最初は緩慢に、そして次第に動きが早くなっていく。香油が立てるグチュリという音が恥ずかしくて、僕は耳を押さえたくなった。しかしそれ以上に初めての快楽のせいで、訳が分からなくなってしまいそうで、それが怖くて――シオンの首に抱きついてしまった。だから両手は使えない。
「そのまま掴まっていてくれ」
「あ、ア――……っ、うあ、ああア、ん!」
「絡み付いてくる」
「ひゃ、っ、ぁ……あ、あ、ああ! あ!!」
激しく打ち付け始めたシオンに、僕は必死でしがみつく。気づけば僕の陰茎も反応していて、先走りの液が零れ始めていた。
「!!」
その時、シオンの巨大な先端が、僕の内部の感じる場所を強く貫いた。その瞬間、僕の頭が真っ白に染まった。
「あ、いやあああ! あ、あ、出る、あ――ッ!!」
「俺も出すぞ」
「ん――!!」
激しく前立腺を突き上げられて、僕は放った。ほぼ同時に、シオンも僕の中で果てた。僕はぐったりとして、必死で呼吸をした。シオンは一度体を引き抜くと、僕の隣に寝転んだ。そして微笑した。
「初めて、か。別にこだわりがあるわけではないが、嬉しい。お前の初めてが俺で」
「あ……はぁ……ッ、うん……僕も、シオンで嬉しい。ずっと好きだったから」
「本当か?」
「うん。うん……好き」
「お前の口から、ずっとその言葉が聞きたかったんだ。俺も好きだぞ。いいや、俺こそ好きだ。愛してる、ロイスの事を」
シオンはそう言って僕の頬に口づけてから、僕の体を優しく反転させた。
「もっとお前が欲しい」
「え、あ……待って、僕、もう……」
「優しくする」
――? そういう問題なのだろうか? 僕は動揺しながら、猫のような体勢でシーツを握る。シオンは、今度は後ろから僕に挿入してきた。
「う、ァ……ああ、あ!!」
先程とは違う角度で――今度は最初から前立腺を的確に突き上げられた。僕は思わず、大きく喘いだ。体が変だ。どんどん気持ち良さが増していく。先程シオンが放った白液と香油のせいで、スムーズにシオンの陰茎が動いている。その脈打つ硬い質量に、僕はむせび泣いた。快楽が強すぎる。
「あ、あ、ああ、ッ……ん――……んン!! う、うあ、あああ!」
シオンは僕の腰を掴むと、先程よりも荒々しく動く。肌と肌がぶつかる音が、静かな室内に響く。前を触られたわけではないのに、僕の陰茎は再び硬度を取り戻した。
「ひ、ぁ……あ、ああ!」
感じる場所を激しく貫かれ、僕はシオンの熱に翻弄されるしかない。次第により奥深くまで暴かれ、僕は全身を震わせた。体が熱い。シオンが体を揺らし、激しく打ち付ける度に、僕は快楽からポロポロと涙を零した。まるで自分の体ではなくなってしまったかのように、統制権が離れてしまったかのようになる。
「ああああああ!」
一際強く、グッと押し上げるように穿たれた瞬間、バチバチと全身を稲妻のような刺激が駆け巡った。快楽が強すぎて、息が上手く出来無い。何も考えられない。
「あ、ああ――!!」
そのまま僕は、再び果てた。しかしシオンの動きは止まらない。
「待って、まだ、あああああ! やあああ! あ、ア、ぁ、ああ!」
「今日は存分に俺の事を教えてやる」
「ひ、ゃ、ぁ……ん、ン!! うああ、あ、アああ!!」
僕が上半身を寝台に預けると、今度は太ももを持ち上げて、寝バックの体勢からシオンが貫いてきた。僕は髪を振り乱して、ボロボロと泣いた。気持ちの良い場所に、また違う角度から、シオンの陰茎が当たる。いくつもの快楽の本流に、僕の理性が霞んでいく。
「いやああ、あ、あ、あああ!」
「――嫌か?」
「気持ち良すぎておかしくなる、あ、あ、うあああ!!」
露骨にシオンの陰茎の形を感じながら、僕は嬌声を上げた。
その日――僕はシオンに抱き潰された。
41
お気に入りに追加
471
あなたにおすすめの小説
神獣の僕、ついに人化できることがバレました。
猫いちご
BL
神獣フェンリルのハクです!
片思いの皇子に人化できるとバレました!
突然思いついた作品なので軽い気持ちで読んでくださると幸いです。
好評だった場合、番外編やエロエロを書こうかなと考えています!
本編二話完結。以降番外編。
真面目クンに罰ゲームで告白したら本気にされてめちゃめちゃ抱かれた話
ずー子
BL
※たくさん読んでいただいてありがとうございます!嬉しいです♡
BLです。タイトル通りです。高校生×高校生。主人公くんは罰ゲームでクラス1真面目な相手に告白することになりました。当然本気にするはずない!そう思っていたのに、なんと答えはOKで。今更嘘とは言えないまま、付き合うことになってしまい…
初エッチが気持ち良すぎて抜けられなくなってしまった主人公くんと、実は虎視眈々と狙っていた攻くんのはのぼのラブコメです。
私がネコチャン大好きなので受になる子大体ネコチャンみたいなイメージで作ってます。ふわふわかわいい。
アインくん→受くん。要領の良いタイプ。お調子者だけどちゃんと情はある。押しに弱い。可愛くて気まぐれ。
トワくん→攻くん。心機一転真面目になろうと頑張る不器用優等生。ポテンシャルは高い。見た目は切れ長クールイケメン。
1は受ちゃん視点、2は攻くん視点です。2の方がエロいです。お楽しみください♡
何をされても起きない僕は弟の友達の美形くんに食われちゃいました
霧乃ふー 短編
BL
ベッドで寝るのが大好きな僕。
いつものようにぐうぐう寝ていると、だんだんと身体にいやらしい感覚がやって来て、、、
弟の友達の美形くん×寝るのが大好きな主人公
文官Aは王子に美味しく食べられました
東院さち
BL
リンドは姉ミリアの代わりに第三王子シリウスに会いに行った。シリウスは優しくて、格好良くて、リンドは恋してしまった。けれど彼は姉の婚約者で。自覚した途端にやってきた成長期で泣く泣く別れたリンドは文官として王城にあがる。
転載になりまさ
会社を辞めて騎士団長を拾う
あかべこ
BL
社会生活に疲れて早期リタイアした元社畜は、亡き祖父から譲り受けた一軒家に引っ越した。
その新生活一日目、自宅の前に現れたのは足の引きちぎれた自称・帝国の騎士団長だった……!え、この人俺が面倒見るんですか?
女装趣味のギリギリFIREおじさん×ガチムチ元騎士団長、になるはず。
【BL-R18】魔王の性奴隷になった勇者
ぬお
BL
※ほぼ性的描写です。
魔王に敗北し、勇者の力を封印されて性奴隷にされてしまった勇者。しかし、勇者は魔王の討伐を諦めていなかった。そんな勇者の心を見透かしていた魔王は逆にそれを利用して、勇者を淫乱に調教する策を思いついたのだった。
※【BL-R18】敗北勇者への快楽調教 の続編という設定です。読まなくても問題ありませんが、読んでください。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/17913308/134446860/
※この話の続編はこちらです。
↓ ↓ ↓
https://www.alphapolis.co.jp/novel/17913308/974452211
こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件
神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。
僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。
だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。
子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。
ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。
指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。
あれから10年近く。
ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。
だけど想いを隠すのは苦しくて――。
こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。
なのにどうして――。
『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』
えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる