ギルドの受付の誤想

猫宮乾

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「あ、ァ……」

 じっくりと香油で慣らされた後、僕はシオンの楔を受け入れた。ゆっくりと挿ってくる陰茎は巨大で、指とは全然異なる。熱く脈動するシオンの陰茎が進んでくる度に、僕は息を詰めた。ギュッとシーツを握りながら、僕は正面にあるシオンの顔を見る。

「辛いか?」
「平気……ぁ……ぁァ……ん!」

 根元まで挿ってきた時、僕は思わず目を閉じた。睫毛が震えたのが自分でも分かる。生理的な涙がこみ上げてきた。結合部分が熱くて、全身が蕩けそうだ。じわりじわりと熱で炙られるように、僕の体は昂められていく。

 シオンは一度荒く吐息すると、僕の頬を撫でた。

「少し力を抜いてくれ」
「で、出来な……ああ! あ、ア」
「きついな――初めてか?」
「う、うん……っ、ひぁ……ん、ぅ」
「馴染むまで待つから、ゆっくりと息をしてみろ」
「あ、あ……っく」

 言われた通りに、僕はゆっくりと呼吸した。動きを止めたシオンは、指先で僕の涙を拭ってくれた。全身が汗ばんできて、僕のこめかみに髪の毛が張り付いているのが分かる。その内に、体を熱が絡め取った。

「あ、あ、あ……んッ、う……ああ、ア……」
「もう動いても平気そうだな」
「う、うん……あああ!」

 シオンが抽挿を始めた。最初は緩慢に、そして次第に動きが早くなっていく。香油が立てるグチュリという音が恥ずかしくて、僕は耳を押さえたくなった。しかしそれ以上に初めての快楽のせいで、訳が分からなくなってしまいそうで、それが怖くて――シオンの首に抱きついてしまった。だから両手は使えない。

「そのまま掴まっていてくれ」
「あ、ア――……っ、うあ、ああア、ん!」
「絡み付いてくる」
「ひゃ、っ、ぁ……あ、あ、ああ! あ!!」

 激しく打ち付け始めたシオンに、僕は必死でしがみつく。気づけば僕の陰茎も反応していて、先走りの液が零れ始めていた。

「!!」

 その時、シオンの巨大な先端が、僕の内部の感じる場所を強く貫いた。その瞬間、僕の頭が真っ白に染まった。

「あ、いやあああ! あ、あ、出る、あ――ッ!!」
「俺も出すぞ」
「ん――!!」

 激しく前立腺を突き上げられて、僕は放った。ほぼ同時に、シオンも僕の中で果てた。僕はぐったりとして、必死で呼吸をした。シオンは一度体を引き抜くと、僕の隣に寝転んだ。そして微笑した。

「初めて、か。別にこだわりがあるわけではないが、嬉しい。お前の初めてが俺で」
「あ……はぁ……ッ、うん……僕も、シオンで嬉しい。ずっと好きだったから」
「本当か?」
「うん。うん……好き」
「お前の口から、ずっとその言葉が聞きたかったんだ。俺も好きだぞ。いいや、俺こそ好きだ。愛してる、ロイスの事を」

 シオンはそう言って僕の頬に口づけてから、僕の体を優しく反転させた。

「もっとお前が欲しい」
「え、あ……待って、僕、もう……」
「優しくする」

 ――? そういう問題なのだろうか? 僕は動揺しながら、猫のような体勢でシーツを握る。シオンは、今度は後ろから僕に挿入してきた。

「う、ァ……ああ、あ!!」

 先程とは違う角度で――今度は最初から前立腺を的確に突き上げられた。僕は思わず、大きく喘いだ。体が変だ。どんどん気持ち良さが増していく。先程シオンが放った白液と香油のせいで、スムーズにシオンの陰茎が動いている。その脈打つ硬い質量に、僕はむせび泣いた。快楽が強すぎる。

「あ、あ、ああ、ッ……ん――……んン!! う、うあ、あああ!」

 シオンは僕の腰を掴むと、先程よりも荒々しく動く。肌と肌がぶつかる音が、静かな室内に響く。前を触られたわけではないのに、僕の陰茎は再び硬度を取り戻した。

「ひ、ぁ……あ、ああ!」

 感じる場所を激しく貫かれ、僕はシオンの熱に翻弄されるしかない。次第により奥深くまで暴かれ、僕は全身を震わせた。体が熱い。シオンが体を揺らし、激しく打ち付ける度に、僕は快楽からポロポロと涙を零した。まるで自分の体ではなくなってしまったかのように、統制権が離れてしまったかのようになる。

「ああああああ!」

 一際強く、グッと押し上げるように穿たれた瞬間、バチバチと全身を稲妻のような刺激が駆け巡った。快楽が強すぎて、息が上手く出来無い。何も考えられない。

「あ、ああ――!!」

 そのまま僕は、再び果てた。しかしシオンの動きは止まらない。

「待って、まだ、あああああ! やあああ! あ、ア、ぁ、ああ!」
「今日は存分に俺の事を教えてやる」
「ひ、ゃ、ぁ……ん、ン!! うああ、あ、アああ!!」

 僕が上半身を寝台に預けると、今度は太ももを持ち上げて、寝バックの体勢からシオンが貫いてきた。僕は髪を振り乱して、ボロボロと泣いた。気持ちの良い場所に、また違う角度から、シオンの陰茎が当たる。いくつもの快楽の本流に、僕の理性が霞んでいく。

「いやああ、あ、あ、あああ!」
「――嫌か?」
「気持ち良すぎておかしくなる、あ、あ、うあああ!!」

 露骨にシオンの陰茎の形を感じながら、僕は嬌声を上げた。
 その日――僕はシオンに抱き潰された。
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