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第2章 マラッカ争奪戦
第14話 黄色の女王
しおりを挟む葛城美奈子は幸せな一夜を過ごした。
とうとう、バージンをアキラに捧げることができたのだ。
素股で、散々気分を高められた時には、中年教師の悪魔の囁きに
「このまま、セックスしてしまってもいいのではないか」という思いがよぎったことが、
ないわけではなかった。
そこはアキラの顔を思い浮かべ、この日のために耐えた。
その果てに、このクリスマスイブがあった。
本当によかった。
アキラの愛撫は稚拙で、身体の解され具合は不十分なまま、性急に貫かれた。
濡れの足りない膣孔は挿入時の引き攣れで悲鳴をあげ、痛みが恐らくは倍化した。
それを我慢し、コンドームに包まれてではあるが、
彼のペニスを膣内に確かに感じることができ、幸せだった。
自分を貫いてきた痛みも、純潔を捧げた証として納得のいくものだった。
貫かれたまま交わした彼とのキスは素晴らしかった。
その気持ちのまま、「好き」を伝えたくて、更に自ら舌を絡めてディープなキスまでしてしまったくらいだ。
上と下で彼とつながっている、その感覚は美奈子の気持ちを最高潮に高めてくれた。
「うれしい。しあわせよ」
(わたし、アキラくんとひとつになっているんだ……)
その状態を、できるだけ長く味わいたかった美奈子だが、残念ながら、
彼はそこから少し動いただけで、すぐに放出してしまった。
少しあっけなさは感じたものの、ドクドクとした放出の脈動の実感は、心に刻み込まれた……
(初めてだし、こんなもんなのかな……次は、もう少し長く彼を感じていたいな……)
ところが、その後は、疲れたのか、彼はすぐに寝入ってしまった。
二回目を挑んで来ることを期待していた美奈子としては、肩透かしを食らった形だが、
その整った顔の寝顔を見つめているだけでも、美奈子は飽きることはなかった。
(男の人は、一度出すと結構疲れると聞いたことがあるわ。
だから、寝ちゃったのね。
そもそも、浜田先生が、何度も出すのがおかしいだけ。異常ね)
一度出しただけでは飽き足らず、何度も求めてくる中年男の性欲の強さを、
なぜか思い出してまう。
(あそこの大きさとかも影響あるのかな。
先生のは太くて、先っちょが大きくて、なんかゴツゴツしてる。
それに比べて、アキラくんのは、ほっそりしていて、象さんの鼻みたいで、安心できたわ。
ただ、うっかり、じっと見てしまたのは。はしたなかったなぁ。恥ずかしい……
アキラくんが「大きくて、びっくりした?」「怖くないよ」とか勘違いしてくれたから、
ホッとしたけど……
ダメね、こんな時まで先生のを思い出すなんて……ごめんなさい)
中年教師の、威嚇的に反り返ったペニスを思い出すと、痛みはあるが満足したわけではない
下腹部が少し疼く気もする。
それもアキラの顔を見ていれば安心できて、何とか忘れられた。
そのまま、少し眠って三時過ぎには起き、暫く自分の初めての人となった男の子の顔を堪能した後、
シャワーを浴びて食事の用意を行い、四時半にアキラを起こした。
「アキラさん……起きて、朝よ。」
そっと肩を揺すって、声をかける。
(こういうのって、憧れてた。新婚さんみたい……キャッ!)
自分で考えて照れながら、愛しい人を呼んだ。
「う....うーん」
ぱちりとアキラが目を開けた。
「おはよっ!」
「きゃっ!」
目覚めたアキラが、美奈子を抱き寄せた。
鼻筋が通ったアキラの顔が間近に迫り、そのまま
「起こしてくれて、ありがとう」
チュッ! おはようのキスをされた。
チュッチュッと、キスを交わすと、
「もう、びっくりしたわ。さあ、起きてください」
アキラが寝ぼけ眼でトイレに行っている隙に、昨夜の証が残ったシーツは
慌ただしく抜き取り、洗濯機に回した。
そして、
朝食は、トーストと目玉焼き・サラダとコーンスープ・コーヒーを用意した。
昨夜に続いて、二人で食卓を囲むと、あらためて幸福感が沁みわたる。
しかし、時間は限られている。
「五時半には、帰らないといけないんでしょ」
「うん、コンビニの夜勤は五時までだから、その時間に合わせて家に帰らないと……」
「.....ずっと、一緒にいたいな……今日だけでも」
「ぼ、僕もそうしたいよ!
だけど、昨日も嘘ついて来ちゃったから、二日続けては……ごめんね」
「えっ、やっ……いっ、いいのよ。
あまりに幸せだから、ちょっぴり我がまま言いたくなっちゃったの。ごめんなさい」
「それじゃ、いってらっしゃい」
チュッ!
美奈子から、いってらっしゃいのキスをした。
「えっ、それって……」
「あっ、ちが……間違えたわ……まっ、またね」
美奈子の顔と耳が瞬時に赤らむ。
心はすっかり新婚気どりになってしまっていたのだ。
「また、お邪魔するよ。それじゃあ」
「ばいばい」
手を振って見送った。
パタリ、ドアが閉まった。
「ふぅ」
美奈子は、ダイニングに戻り椅子に座って、昨夜からの一連の出来事を思い出して反芻した.....
何と言っても、初体験の思い出は強烈だ。
まだ、軽く痛みは残っている。
「痛くて、翌日は歩くのも大変だった」という経験談を聞いたこともある。
個人差があるのだろう、自分は平気そうだ。
ふたりで、いつも自分が使っているベッドで眠れたのも、よく考えたら、凄い経験だ。
これから、眠る度に思い出すかもしれない。
(アキラくんは、まつ毛長いし、鼻筋も通っているし、
肌も綺麗だったなぁ……それに……臭くなかった! )
「さぁて、いつまでもボーッとしてちゃダメね。お片づけして、少し眠ろうかしら。昨夜はあまり寝れてないし」
と、美奈子が立ち上がったとき
「ピンポーン!」
チャイムが鳴った。時間を見れば、五時半過ぎだ。
(いたずらかしら?)
「ピンポーン!」
また鳴り響く。
(なんだろう、もしかしてアキラくんが忘れもの? それなら電話で……)
ププププ……スマホが鳴り出した。
「やっぱり、アキラくんね。意外とうっかりさんだわ」
苦笑しながら、美奈子はスマホを取り上げる。
幸福なクリスマスイブの続きの終焉だった……
とうとう、バージンをアキラに捧げることができたのだ。
素股で、散々気分を高められた時には、中年教師の悪魔の囁きに
「このまま、セックスしてしまってもいいのではないか」という思いがよぎったことが、
ないわけではなかった。
そこはアキラの顔を思い浮かべ、この日のために耐えた。
その果てに、このクリスマスイブがあった。
本当によかった。
アキラの愛撫は稚拙で、身体の解され具合は不十分なまま、性急に貫かれた。
濡れの足りない膣孔は挿入時の引き攣れで悲鳴をあげ、痛みが恐らくは倍化した。
それを我慢し、コンドームに包まれてではあるが、
彼のペニスを膣内に確かに感じることができ、幸せだった。
自分を貫いてきた痛みも、純潔を捧げた証として納得のいくものだった。
貫かれたまま交わした彼とのキスは素晴らしかった。
その気持ちのまま、「好き」を伝えたくて、更に自ら舌を絡めてディープなキスまでしてしまったくらいだ。
上と下で彼とつながっている、その感覚は美奈子の気持ちを最高潮に高めてくれた。
「うれしい。しあわせよ」
(わたし、アキラくんとひとつになっているんだ……)
その状態を、できるだけ長く味わいたかった美奈子だが、残念ながら、
彼はそこから少し動いただけで、すぐに放出してしまった。
少しあっけなさは感じたものの、ドクドクとした放出の脈動の実感は、心に刻み込まれた……
(初めてだし、こんなもんなのかな……次は、もう少し長く彼を感じていたいな……)
ところが、その後は、疲れたのか、彼はすぐに寝入ってしまった。
二回目を挑んで来ることを期待していた美奈子としては、肩透かしを食らった形だが、
その整った顔の寝顔を見つめているだけでも、美奈子は飽きることはなかった。
(男の人は、一度出すと結構疲れると聞いたことがあるわ。
だから、寝ちゃったのね。
そもそも、浜田先生が、何度も出すのがおかしいだけ。異常ね)
一度出しただけでは飽き足らず、何度も求めてくる中年男の性欲の強さを、
なぜか思い出してまう。
(あそこの大きさとかも影響あるのかな。
先生のは太くて、先っちょが大きくて、なんかゴツゴツしてる。
それに比べて、アキラくんのは、ほっそりしていて、象さんの鼻みたいで、安心できたわ。
ただ、うっかり、じっと見てしまたのは。はしたなかったなぁ。恥ずかしい……
アキラくんが「大きくて、びっくりした?」「怖くないよ」とか勘違いしてくれたから、
ホッとしたけど……
ダメね、こんな時まで先生のを思い出すなんて……ごめんなさい)
中年教師の、威嚇的に反り返ったペニスを思い出すと、痛みはあるが満足したわけではない
下腹部が少し疼く気もする。
それもアキラの顔を見ていれば安心できて、何とか忘れられた。
そのまま、少し眠って三時過ぎには起き、暫く自分の初めての人となった男の子の顔を堪能した後、
シャワーを浴びて食事の用意を行い、四時半にアキラを起こした。
「アキラさん……起きて、朝よ。」
そっと肩を揺すって、声をかける。
(こういうのって、憧れてた。新婚さんみたい……キャッ!)
自分で考えて照れながら、愛しい人を呼んだ。
「う....うーん」
ぱちりとアキラが目を開けた。
「おはよっ!」
「きゃっ!」
目覚めたアキラが、美奈子を抱き寄せた。
鼻筋が通ったアキラの顔が間近に迫り、そのまま
「起こしてくれて、ありがとう」
チュッ! おはようのキスをされた。
チュッチュッと、キスを交わすと、
「もう、びっくりしたわ。さあ、起きてください」
アキラが寝ぼけ眼でトイレに行っている隙に、昨夜の証が残ったシーツは
慌ただしく抜き取り、洗濯機に回した。
そして、
朝食は、トーストと目玉焼き・サラダとコーンスープ・コーヒーを用意した。
昨夜に続いて、二人で食卓を囲むと、あらためて幸福感が沁みわたる。
しかし、時間は限られている。
「五時半には、帰らないといけないんでしょ」
「うん、コンビニの夜勤は五時までだから、その時間に合わせて家に帰らないと……」
「.....ずっと、一緒にいたいな……今日だけでも」
「ぼ、僕もそうしたいよ!
だけど、昨日も嘘ついて来ちゃったから、二日続けては……ごめんね」
「えっ、やっ……いっ、いいのよ。
あまりに幸せだから、ちょっぴり我がまま言いたくなっちゃったの。ごめんなさい」
「それじゃ、いってらっしゃい」
チュッ!
美奈子から、いってらっしゃいのキスをした。
「えっ、それって……」
「あっ、ちが……間違えたわ……まっ、またね」
美奈子の顔と耳が瞬時に赤らむ。
心はすっかり新婚気どりになってしまっていたのだ。
「また、お邪魔するよ。それじゃあ」
「ばいばい」
手を振って見送った。
パタリ、ドアが閉まった。
「ふぅ」
美奈子は、ダイニングに戻り椅子に座って、昨夜からの一連の出来事を思い出して反芻した.....
何と言っても、初体験の思い出は強烈だ。
まだ、軽く痛みは残っている。
「痛くて、翌日は歩くのも大変だった」という経験談を聞いたこともある。
個人差があるのだろう、自分は平気そうだ。
ふたりで、いつも自分が使っているベッドで眠れたのも、よく考えたら、凄い経験だ。
これから、眠る度に思い出すかもしれない。
(アキラくんは、まつ毛長いし、鼻筋も通っているし、
肌も綺麗だったなぁ……それに……臭くなかった! )
「さぁて、いつまでもボーッとしてちゃダメね。お片づけして、少し眠ろうかしら。昨夜はあまり寝れてないし」
と、美奈子が立ち上がったとき
「ピンポーン!」
チャイムが鳴った。時間を見れば、五時半過ぎだ。
(いたずらかしら?)
「ピンポーン!」
また鳴り響く。
(なんだろう、もしかしてアキラくんが忘れもの? それなら電話で……)
ププププ……スマホが鳴り出した。
「やっぱり、アキラくんね。意外とうっかりさんだわ」
苦笑しながら、美奈子はスマホを取り上げる。
幸福なクリスマスイブの続きの終焉だった……
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