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ゼロを倒し隊ギルド
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32お腹も心も満たされたところで酒場を後にした。
本物のレイチェルちゃんはゲームの何倍も可愛かったなぁー…皆美人だって言うが俺は可愛いと思う!うん!
このまま家に帰ると師匠のお説教タイムだろうし、イベントに向けて装備でも買おうかな?
さすがに猫耳フードだけだと心許ない。
とりあえず質屋に向かった。
質屋はゲームでいらないアイテムを売ったり買ったりする事が出来る。
薄暗い店内の中で怪しげなものが沢山並んでいた。
こぽこぽと変な沸騰する音が聞こえる。
真っ黒なローブを深く頭から被った寡黙な店主がカウンターの向こう側に立っている。
俺はネコ型ロボットのポケットみたいにいろいろ入ってるフードからいらないアイテムを売る。
Nランクのプレゼントとかいらないし、売っても大したお金にならないがちょっとはマシだろう。
なんか影の方から変な視線を感じて、急いで質屋を出た。
武器や防具が揃っている道具屋に向かい、防寒ブーツや一週間の非常食…回復アイテムなどを買った。
質屋にもあるが、やっぱり性能がいいのは道具屋だ。
よし、これで準備万端だ。
帰ろうと魔法陣を出そうとすると、派手な格好の三人組が目に入った。
あれはプレイヤー専用の服を着てるからプレイヤーだろうな。
…俺がそうだから俺以外も異世界トリップした人が居ても不思議ではない。
ゲームみたいにプレイヤーの上に名前が書いてあったら分かりやすいんだけどな。
金髪に茶髪に赤髪、見事にカラフルだな。
ニヤニヤしながら楽しげに話している。
まぁ、俺には関係ないけどな。
プレイヤーでも、NPCでもどっちでもいい。
「なぁ、本当にやるのか?」
「当たり前だろ!何のためにこの武器を作ったと思ってんだ!」
「あのゼロの敗北した顔カメラに写してやんよ」
なるほど、ゼロを倒す奴らか…
ゼロは強いから鍛錬にもいいし、珍しい事ではない。
まぁ頑張れー…誰にも倒せないと思うが…
そこでリーダーのような金髪の剣士の服装を見た。
確かアレ、レベル100になったらもらえる黄金の甲冑服じゃなかったか?
同じギルドの剣士の友人と「強いけどダサいから装備したくねぇ!」と笑ってたっけ。
実際見ると太陽の光で目がやられるほどに眩しくて迷惑な服だなと思っていた。
そうか、それが強い理由だったのか…なんという防具だ。
…そりゃあゼロに挑むぐらいだし100くらいないと無理だろうな。
もしかしてアイツらゼロを倒し隊ギルド?
ゼロの倒し方というものをゲーム内のチャットで見た事があった。
実際はガセだったけど、かなり研究している事は分かる。
秘策があるみたいだし、ゼロも多分同じレベルだろうし…ちょっと心配になってきた…いや、本当にちょっとだよ!?
知ってる奴がやられたら目覚めが悪いだけだし!
ゲームでは難攻不落に設定してあるだろうけど、これは現実だけど…
しかし影は欠伸をしていた、なんか気が抜けるなぁ…
お前の主人の話だっていうのに…余裕という事か?
「あれ?ゼロのお嫁さん?」
「違います」
ゼロを倒し隊ギルドの奴らに気を取られていたら、後ろから声が聞こえて驚いた。
条件反射で声がした方を振り向き、否定すると笑われた。
あの人は確かゼロの部屋に来た…同僚?
なんかキャラクターでチラッと見た事あるような気がするが、正直興味がなくて名前は忘れた。
ここでは俺達は初対面の筈だから名前を知らなくても当たり前だ。
まぁ第一印象で呼べばいいか。
人懐っこい男は非番なのか私服だった。
しかし何故俺がゼロの嫁になったのか小一時間問いたい。
まさか広まったりしてないよな。
「ねぇちょっと話そうよ、あのゼロを落としたエピソードとか聞きたい!」
炭のエピソードを聞きたいなんて変わってるなと他人事のように思っていたら、ゼロ並みの強引さで引っ張られた。
長話を聞くために、俺は強制的に酒場に連れて行かれた。
俺は長話をするつもりはないんだけど…
レイチェルちゃんの酒場じゃなきゃ即帰ってた。
特等席のようにカウンター席に座る。
カウンター越しでレイチェルちゃんをジッと眺めていたら朝っぱらからビールを飲む人懐っこい男に「浮気はダメだよ」と言われた。
浮気じゃないし!と不満気に水を飲む…さっきちょっと高いの買ってお金があまりない。
ゲームとはいえ未成年だから酒を奢られそうになったから断った。
「でさ、ゼロの馴れ初めなんだけど」
「あっ!そうだ!さっきゼロに戦いを挑もうとしてた人が居てですね!」
馴れ初めなんてないし、話したくないから話題を変えた。
何故そんなに馴れ初めが聞きたいんだ、攻略不可男だからか?
俺だってなんであんなもので好きになったのか知りたい。
同じゼロの話題だからいいだろ?と目を丸くして驚く男を見る。
人懐っこい男は八重歯を見せて笑いながらビールを一口飲む。
彼もゼロを知ってるからか余裕そうな顔だった。
しかし、嫌な笑みだな…本当になんか嫌だ。
「ゼロは愛されてるね、恋人に心配してもらえるなんてな」
「あ?」
おっと、つい柄が悪くなってしまった。
何度も言うが心配してるわけではなくてな…べ、別にツンデレじゃないよ!
とにかく「何言ってんですか貴方、はぁ?」という顔をした。
人懐っこい男は人の話を聞かない男でもあり「いいなぁー、俺も彼女欲しいなー」とレイチェルちゃんを口説こうとしたから椅子の足を一本折ってやった。
どうだ!座れないだろ!俺の前でレイチェルちゃんを口説こうとするからだ!
その後、レイチェルちゃんに怒られたのは察して下さい。
本物のレイチェルちゃんはゲームの何倍も可愛かったなぁー…皆美人だって言うが俺は可愛いと思う!うん!
このまま家に帰ると師匠のお説教タイムだろうし、イベントに向けて装備でも買おうかな?
さすがに猫耳フードだけだと心許ない。
とりあえず質屋に向かった。
質屋はゲームでいらないアイテムを売ったり買ったりする事が出来る。
薄暗い店内の中で怪しげなものが沢山並んでいた。
こぽこぽと変な沸騰する音が聞こえる。
真っ黒なローブを深く頭から被った寡黙な店主がカウンターの向こう側に立っている。
俺はネコ型ロボットのポケットみたいにいろいろ入ってるフードからいらないアイテムを売る。
Nランクのプレゼントとかいらないし、売っても大したお金にならないがちょっとはマシだろう。
なんか影の方から変な視線を感じて、急いで質屋を出た。
武器や防具が揃っている道具屋に向かい、防寒ブーツや一週間の非常食…回復アイテムなどを買った。
質屋にもあるが、やっぱり性能がいいのは道具屋だ。
よし、これで準備万端だ。
帰ろうと魔法陣を出そうとすると、派手な格好の三人組が目に入った。
あれはプレイヤー専用の服を着てるからプレイヤーだろうな。
…俺がそうだから俺以外も異世界トリップした人が居ても不思議ではない。
ゲームみたいにプレイヤーの上に名前が書いてあったら分かりやすいんだけどな。
金髪に茶髪に赤髪、見事にカラフルだな。
ニヤニヤしながら楽しげに話している。
まぁ、俺には関係ないけどな。
プレイヤーでも、NPCでもどっちでもいい。
「なぁ、本当にやるのか?」
「当たり前だろ!何のためにこの武器を作ったと思ってんだ!」
「あのゼロの敗北した顔カメラに写してやんよ」
なるほど、ゼロを倒す奴らか…
ゼロは強いから鍛錬にもいいし、珍しい事ではない。
まぁ頑張れー…誰にも倒せないと思うが…
そこでリーダーのような金髪の剣士の服装を見た。
確かアレ、レベル100になったらもらえる黄金の甲冑服じゃなかったか?
同じギルドの剣士の友人と「強いけどダサいから装備したくねぇ!」と笑ってたっけ。
実際見ると太陽の光で目がやられるほどに眩しくて迷惑な服だなと思っていた。
そうか、それが強い理由だったのか…なんという防具だ。
…そりゃあゼロに挑むぐらいだし100くらいないと無理だろうな。
もしかしてアイツらゼロを倒し隊ギルド?
ゼロの倒し方というものをゲーム内のチャットで見た事があった。
実際はガセだったけど、かなり研究している事は分かる。
秘策があるみたいだし、ゼロも多分同じレベルだろうし…ちょっと心配になってきた…いや、本当にちょっとだよ!?
知ってる奴がやられたら目覚めが悪いだけだし!
ゲームでは難攻不落に設定してあるだろうけど、これは現実だけど…
しかし影は欠伸をしていた、なんか気が抜けるなぁ…
お前の主人の話だっていうのに…余裕という事か?
「あれ?ゼロのお嫁さん?」
「違います」
ゼロを倒し隊ギルドの奴らに気を取られていたら、後ろから声が聞こえて驚いた。
条件反射で声がした方を振り向き、否定すると笑われた。
あの人は確かゼロの部屋に来た…同僚?
なんかキャラクターでチラッと見た事あるような気がするが、正直興味がなくて名前は忘れた。
ここでは俺達は初対面の筈だから名前を知らなくても当たり前だ。
まぁ第一印象で呼べばいいか。
人懐っこい男は非番なのか私服だった。
しかし何故俺がゼロの嫁になったのか小一時間問いたい。
まさか広まったりしてないよな。
「ねぇちょっと話そうよ、あのゼロを落としたエピソードとか聞きたい!」
炭のエピソードを聞きたいなんて変わってるなと他人事のように思っていたら、ゼロ並みの強引さで引っ張られた。
長話を聞くために、俺は強制的に酒場に連れて行かれた。
俺は長話をするつもりはないんだけど…
レイチェルちゃんの酒場じゃなきゃ即帰ってた。
特等席のようにカウンター席に座る。
カウンター越しでレイチェルちゃんをジッと眺めていたら朝っぱらからビールを飲む人懐っこい男に「浮気はダメだよ」と言われた。
浮気じゃないし!と不満気に水を飲む…さっきちょっと高いの買ってお金があまりない。
ゲームとはいえ未成年だから酒を奢られそうになったから断った。
「でさ、ゼロの馴れ初めなんだけど」
「あっ!そうだ!さっきゼロに戦いを挑もうとしてた人が居てですね!」
馴れ初めなんてないし、話したくないから話題を変えた。
何故そんなに馴れ初めが聞きたいんだ、攻略不可男だからか?
俺だってなんであんなもので好きになったのか知りたい。
同じゼロの話題だからいいだろ?と目を丸くして驚く男を見る。
人懐っこい男は八重歯を見せて笑いながらビールを一口飲む。
彼もゼロを知ってるからか余裕そうな顔だった。
しかし、嫌な笑みだな…本当になんか嫌だ。
「ゼロは愛されてるね、恋人に心配してもらえるなんてな」
「あ?」
おっと、つい柄が悪くなってしまった。
何度も言うが心配してるわけではなくてな…べ、別にツンデレじゃないよ!
とにかく「何言ってんですか貴方、はぁ?」という顔をした。
人懐っこい男は人の話を聞かない男でもあり「いいなぁー、俺も彼女欲しいなー」とレイチェルちゃんを口説こうとしたから椅子の足を一本折ってやった。
どうだ!座れないだろ!俺の前でレイチェルちゃんを口説こうとするからだ!
その後、レイチェルちゃんに怒られたのは察して下さい。
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