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公式でもゼロはシャドウを操るしか書かれてなかったし、呪いだとは知らなかった。
だからミュミュがあんなに怖がっていたのか。
クエスト進めればいろいろと明かされるのか?
…この世界で暮らすなら理解するために少しはストーリークエストを進めようかな。
そう考えていたら師匠がさらに話を進めていく。
師匠がこんなにゼロに詳しいのは正直驚いた。
いつも森に引きこもっていて交流なさそうなのに…
「アイツは元は呪いの森の住人でな、森で捨てられていたところをワシが拾って育てた」
…そんなエピソードがあったのか、だからこの森に入れたのか。
ん?じゃあなんで剣士なんだ?グリモワール独特の根暗っぽさもないし…
職業の掛け持ちは出来ないからまさか、いやでも…うーん。
あの影…シャドウはゼロの使い魔か?それとも術?
あんなチートの術があったら俺が使いたいよ、使いこなせるかは別だけど…
いろいろ謎が深まり頭にハテナが浮かんで首を傾げた。
「影の力は生まれもってゼロが持っていた能力だ、ゼロは10歳までいたんだが…職業を変えて剣士になり旅立った」
は?え?ちょっと待て、確かにグリモワールから剣士に変える事は出来る。
でも確かジョブチェンジはグリモワールレベルを100にして全てマスターしないと無理な筈だし、剣士になったらまたレベルが初めからになるし初期で選べるジョブだから滅多にジョブチェンジするプレイヤーはいない。
シャドウナイトは特殊なジョブがないから変える必要がない。
NPCはどうだか分からない、元々決まっている職業が気に入らない場合もある…のか?
10歳でマスターして、剣士のレベルも俺より明らかに上だろう…もしかしたらもう100かも…
この世界の時間はよく分からないが、かなりやり込まないと無理だろう。
「ば、化け物だ…想像以上に」
「確かに力を持ちすぎたのかもしれん…しかし、何故ゼロが馬鹿弟子を誘拐するんじゃ?」
ゼロの事をなんと言えばいいのか悩む…俺にもよく分からないからだ。
明らかに好感度のせいだが、師匠に言っても分からないだろう。
俺は不自然にならない程度にすっとぼける事にした。
俺に向けられる師匠の白い冷たい目から目を逸らした。
…そうだ、師匠ならなにか知ってるかもしれない。
あのアイテムさえあれば俺の生活は永遠に安泰だ!
「師匠!嫌われる薬売ってる場所知らない?」
「…なんじゃ、いきなり」
「いや…なんかストーカーに遭っててさ、困ってんだよ」
「馬鹿弟子がか?」
師匠は馬鹿にしたような顔をして見ている。
むっ…俺だって信じられねぇよ…なんであんなに焦げた炭で執着するのか。
実はチートにしか効かないチートアイテムなんじゃないかとまだ思っている。
あーあ、レイチェルちゃんが良かったよー…
頬を膨らませて拗ねると師匠はため息を吐いた。
そんなどうしようもない奴を見る目で見ないでよー…俺には師匠だけなんだから!
「…確か、旅商人の男がそんな怪しい薬を売ってるのを見た事あるのぅ」
「旅商人!何処にいるんだ!?」
「旅をしているから現在地まで分からない、いつかまたこの地にも商売をしに来るじゃろう」
いつか…その間に襲われたらどうすんだよ。
あの変態ゼロの事だ、身の危険をヒシヒシと感じるんだよ。
旅商人って確かイベントになるとイベント説明してたアイツか?
なんか胡散臭い無精髭のオヤジだったよな…確か。
じゃあイベントになったら来るんじゃないのか!?
此処はゲームの世界そのままだし、イベントだってある筈だよな!
「師匠!イベントってなんかないの?」
「お前はコロコロと話題を変えるなぁ…イベントならもうすぐスノーホワイト祭が始まるのぅ」
スノーホワイト祭、どんな祭だ?
シャドウナイトは大きく分けて二種類のイベントがある。
戦闘系のイベントか恋愛イベントを楽しむイベントか。
俺は恋愛イベントの方だけやっていたから戦闘系はさっぱり分からない。
恋愛イベントは仲を深めつつ、料理や釣りなんかで得点を競うものだ。
スノーホワイト祭は初めて聞いたから新しいイベントだろうな。
しかし、どっちかいまいち分からない。
「師匠、どんなイベント?」
「スノーホワイト祭は極寒の島でのサバイバルじゃよ、スノーホワイトという魔物を狩り得点を競うものじゃ」
戦闘系のイベントか…恋愛イベントならレイチェルちゃんの限定会話が聞けるからやったんだけどな…しかし親密な会話は好感度50%以上じゃなきゃ聞けず、レイチェルちゃんは毎回のイベントであれほしいこれほしいとしか言わない。
それに俺は喜んで応えていた。
…それでいいんだ、レイチェルちゃんの笑顔が見れるなら…
師匠からスノーホワイト祭のチラシをもらった。
内容はさっき師匠が言っていた内容と、一週間泊まり込みの命がけのサバイバルだと書いてある。
寒いの苦手なんだよなぁ…とチラッと景品を見た。
ガチャ券とURの武器と…こ、これは…
俺は目を輝かせていた。
URのあったか毛布のプレゼント…!!
二人用にちょっと大きめサイズ。
あったかマフラーのリベンジだ!
それにスノーホワイトという魔物は見た目雪だるまで落とすスノー結晶はひんやり料理によく使われる。
公式発表でレイチェルちゃんは冷たい食べ物が好物だと聞いていたが材料に欠かせないスノー結晶はSR食材でなかなか手に入らない。
俺はやらない理由が思いつかなかった。
旅商人はいろいろイベントが終わってからでいいよな、イベント期間中はいるだろうし。
「師匠!俺、参加する!」
「そうか、面倒な運動はやらないと思っていたが…なら頑張ってきなさい」
俺は力強く頷いた。
寒そうだからいろいろ装備を強化してと考えていたら師匠に肩を叩かれた。
なんだろうと師匠を見ると師匠はニコニコと笑う。
笑っている筈なのに全然笑顔に見えないのはなんでだろう。
俺も笑う、あ…嫌な予感。
「ゆっくりしていって」
「いや、俺帰るんで!」
「…なら送る」
「いいよ!…その、じゃあな」
これ以上ゼロといたくなくて気まずくなり部屋を出た。
廊下にはまだ猫の俺を探す騎士達がうろうろと歩いていて見つからないようにコソコソと離れる。
もう猫じゃないからバレる心配はないだろうか何となく追いかけられるのがトラウマになっていた。
俺の影にはいつの間にかゼロの影がくっついていて離れ離れになっていた恋人の再会のように俺の影とイチャついている。
なんかぐねぐね動いていて、いつもに増して気持ち悪い。
だからミュミュがあんなに怖がっていたのか。
クエスト進めればいろいろと明かされるのか?
…この世界で暮らすなら理解するために少しはストーリークエストを進めようかな。
そう考えていたら師匠がさらに話を進めていく。
師匠がこんなにゼロに詳しいのは正直驚いた。
いつも森に引きこもっていて交流なさそうなのに…
「アイツは元は呪いの森の住人でな、森で捨てられていたところをワシが拾って育てた」
…そんなエピソードがあったのか、だからこの森に入れたのか。
ん?じゃあなんで剣士なんだ?グリモワール独特の根暗っぽさもないし…
職業の掛け持ちは出来ないからまさか、いやでも…うーん。
あの影…シャドウはゼロの使い魔か?それとも術?
あんなチートの術があったら俺が使いたいよ、使いこなせるかは別だけど…
いろいろ謎が深まり頭にハテナが浮かんで首を傾げた。
「影の力は生まれもってゼロが持っていた能力だ、ゼロは10歳までいたんだが…職業を変えて剣士になり旅立った」
は?え?ちょっと待て、確かにグリモワールから剣士に変える事は出来る。
でも確かジョブチェンジはグリモワールレベルを100にして全てマスターしないと無理な筈だし、剣士になったらまたレベルが初めからになるし初期で選べるジョブだから滅多にジョブチェンジするプレイヤーはいない。
シャドウナイトは特殊なジョブがないから変える必要がない。
NPCはどうだか分からない、元々決まっている職業が気に入らない場合もある…のか?
10歳でマスターして、剣士のレベルも俺より明らかに上だろう…もしかしたらもう100かも…
この世界の時間はよく分からないが、かなりやり込まないと無理だろう。
「ば、化け物だ…想像以上に」
「確かに力を持ちすぎたのかもしれん…しかし、何故ゼロが馬鹿弟子を誘拐するんじゃ?」
ゼロの事をなんと言えばいいのか悩む…俺にもよく分からないからだ。
明らかに好感度のせいだが、師匠に言っても分からないだろう。
俺は不自然にならない程度にすっとぼける事にした。
俺に向けられる師匠の白い冷たい目から目を逸らした。
…そうだ、師匠ならなにか知ってるかもしれない。
あのアイテムさえあれば俺の生活は永遠に安泰だ!
「師匠!嫌われる薬売ってる場所知らない?」
「…なんじゃ、いきなり」
「いや…なんかストーカーに遭っててさ、困ってんだよ」
「馬鹿弟子がか?」
師匠は馬鹿にしたような顔をして見ている。
むっ…俺だって信じられねぇよ…なんであんなに焦げた炭で執着するのか。
実はチートにしか効かないチートアイテムなんじゃないかとまだ思っている。
あーあ、レイチェルちゃんが良かったよー…
頬を膨らませて拗ねると師匠はため息を吐いた。
そんなどうしようもない奴を見る目で見ないでよー…俺には師匠だけなんだから!
「…確か、旅商人の男がそんな怪しい薬を売ってるのを見た事あるのぅ」
「旅商人!何処にいるんだ!?」
「旅をしているから現在地まで分からない、いつかまたこの地にも商売をしに来るじゃろう」
いつか…その間に襲われたらどうすんだよ。
あの変態ゼロの事だ、身の危険をヒシヒシと感じるんだよ。
旅商人って確かイベントになるとイベント説明してたアイツか?
なんか胡散臭い無精髭のオヤジだったよな…確か。
じゃあイベントになったら来るんじゃないのか!?
此処はゲームの世界そのままだし、イベントだってある筈だよな!
「師匠!イベントってなんかないの?」
「お前はコロコロと話題を変えるなぁ…イベントならもうすぐスノーホワイト祭が始まるのぅ」
スノーホワイト祭、どんな祭だ?
シャドウナイトは大きく分けて二種類のイベントがある。
戦闘系のイベントか恋愛イベントを楽しむイベントか。
俺は恋愛イベントの方だけやっていたから戦闘系はさっぱり分からない。
恋愛イベントは仲を深めつつ、料理や釣りなんかで得点を競うものだ。
スノーホワイト祭は初めて聞いたから新しいイベントだろうな。
しかし、どっちかいまいち分からない。
「師匠、どんなイベント?」
「スノーホワイト祭は極寒の島でのサバイバルじゃよ、スノーホワイトという魔物を狩り得点を競うものじゃ」
戦闘系のイベントか…恋愛イベントならレイチェルちゃんの限定会話が聞けるからやったんだけどな…しかし親密な会話は好感度50%以上じゃなきゃ聞けず、レイチェルちゃんは毎回のイベントであれほしいこれほしいとしか言わない。
それに俺は喜んで応えていた。
…それでいいんだ、レイチェルちゃんの笑顔が見れるなら…
師匠からスノーホワイト祭のチラシをもらった。
内容はさっき師匠が言っていた内容と、一週間泊まり込みの命がけのサバイバルだと書いてある。
寒いの苦手なんだよなぁ…とチラッと景品を見た。
ガチャ券とURの武器と…こ、これは…
俺は目を輝かせていた。
URのあったか毛布のプレゼント…!!
二人用にちょっと大きめサイズ。
あったかマフラーのリベンジだ!
それにスノーホワイトという魔物は見た目雪だるまで落とすスノー結晶はひんやり料理によく使われる。
公式発表でレイチェルちゃんは冷たい食べ物が好物だと聞いていたが材料に欠かせないスノー結晶はSR食材でなかなか手に入らない。
俺はやらない理由が思いつかなかった。
旅商人はいろいろイベントが終わってからでいいよな、イベント期間中はいるだろうし。
「師匠!俺、参加する!」
「そうか、面倒な運動はやらないと思っていたが…なら頑張ってきなさい」
俺は力強く頷いた。
寒そうだからいろいろ装備を強化してと考えていたら師匠に肩を叩かれた。
なんだろうと師匠を見ると師匠はニコニコと笑う。
笑っている筈なのに全然笑顔に見えないのはなんでだろう。
俺も笑う、あ…嫌な予感。
「ゆっくりしていって」
「いや、俺帰るんで!」
「…なら送る」
「いいよ!…その、じゃあな」
これ以上ゼロといたくなくて気まずくなり部屋を出た。
廊下にはまだ猫の俺を探す騎士達がうろうろと歩いていて見つからないようにコソコソと離れる。
もう猫じゃないからバレる心配はないだろうか何となく追いかけられるのがトラウマになっていた。
俺の影にはいつの間にかゼロの影がくっついていて離れ離れになっていた恋人の再会のように俺の影とイチャついている。
なんかぐねぐね動いていて、いつもに増して気持ち悪い。
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