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エルフの王様
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今日泊まる部屋を案内された。
和室だ、なんかばあちゃん家に来たみたいで落ち着くな。
せっかく用意してくれたから文句なんて言えない。
けど、これだけはどうしても疑問だった。
…なんでゼロと同じ部屋なんだ、一緒に同じ部屋で寝た事あるがなんか納得出来ない。
ゼロは物珍しそうに周りを見渡していた。
「変わった部屋だな」
「ゼロは和室知らないのか?」
「ヒューマン族の国は行った事がない、エルフはあるがだいぶ昔だからこんなじゃなかった」
へぇ、ゼロも知らない事あるんだな。
俺が知っててゼロかわ知らないのか、ふーん。
ちょっと優越感で部屋の大きな窓を開けてバルコニーに出る。
エルフが数人見える、見回りをしてる者、雑談してる者それぞれいた。
爽やかな風が髪を撫でる。
そして違和感に気付いた。
「なぁゼロ、俺の見間違いか?エルフって男しかいないの?」
そうだ、俺達を拘束した奴とか玉座の部屋にいたエルフは皆男だった。
でもプレイヤー選択ではエルフは男女選択出来るから女の子もいると思うんだが…
キョロキョロ見渡しても女の子らしい人はいない、エルフは皆美人だから見落としてるとか?
でもエルフの服はだいたい胸元が開いた服だから見落としてる筈はないんだけどな。
ゼロは俺に呼ばれてバルコニーにやってきた。
エルフの国に行った事があるならなにか分かるかもしれない。
「昔はいたと思うが、別に男だけでも困らないんじゃないか?」
「…え、だってエルフ同士の恋愛とか結婚とか出来な…」
「エルフは男でも妊娠出来ると聞いた事がある」
「!?」
エルフってそんなとんでも設定があったのかと口を開けて驚く。
その時、エルフが食事の用意が出来たとタイミングよく呼びに来たから行く事にした。
移動中ずっと考えていた。
男でも妊娠…じゃあ目の前のこの人も?
あっちで弓矢の訓練してる人も?掃除してる人も?
王様も!?
「どうかしたか?お客人」
「ハッ!…いえ、ははは」
王様の声に我に返った。
いつの間にか宴の席に座っていたみたいだ、いかんいかんいろいろ考え過ぎてエルフ達をガン見してしまっていた。
どうやってここに来たのか正直覚えていない。
ちょっと男で妊娠ってなんだろうと気になってしまっただけだ。
目の前の料理はとても美味しそうで、ステーキの肉をナイフで切る。
んー!とろけるっ!!
「エルフは男しかいないんだな」
俺が聞きづらい疑問をゼロが代わりに聞いてくれた。
ゼロは男でも妊娠出来ると言っていたが女はいないとは言っていない。
つまり昔はいたという事だ。
ゼロも何故女がいないのか分からないのだろう。
ゼロに感謝しつつリーフリード様を見ると酒が入った盃を見ていた。
…というかゼロは王様にも敬語なしなんだな、下手したら自分の国の王様にもタメ口かもしれない。
「女達は一時的に遠い地に避難している、最近エルフを狙った賊が多いからな…エルフは皆見目がいいから闇市場では高値で取引されてるようでな」
「だから最初の時、俺達を賊だって言ったんですね」
「それは、本当にすまなかった」
王様に頭を下げられたら土下座するしかないじゃんか!
お互い頭を下げていると奇妙な光景となった。
こんないい思いさせてくれたんだからお互い水に流そう。
疑われる事をした俺達も悪いんだし…
顔がいいのも苦労するんだな。
食事も終わりデザートのゼリーをちまちま食べていたらリーフリード様が俺達の前にやってきた。
「それで、川の件なんだが」
この宴の本来の目的だろう川の事を話し出した。
修復しなきゃいけないよな、水魔法?俺…闇属性だから最悪スコップで温泉掘るか?…ダメだ、滝がさらに崩壊しそうだ。
魔法瓶を買っても滝を復活させるほどの水となると大量に必要だ。
クエストしていない俺にそんな金はない。
ゼロは水魔法使えるよな?ゼロの方をチラッと見たら顔が近付いてきた。
頬を押さえて止めた。
「何してんだ」
「物欲しそうに見つめるからキスしてほしいのかと思って」
「そんなわけあるか!」
「…仲がいいのは結構だが、話を進めても?」
和室だ、なんかばあちゃん家に来たみたいで落ち着くな。
せっかく用意してくれたから文句なんて言えない。
けど、これだけはどうしても疑問だった。
…なんでゼロと同じ部屋なんだ、一緒に同じ部屋で寝た事あるがなんか納得出来ない。
ゼロは物珍しそうに周りを見渡していた。
「変わった部屋だな」
「ゼロは和室知らないのか?」
「ヒューマン族の国は行った事がない、エルフはあるがだいぶ昔だからこんなじゃなかった」
へぇ、ゼロも知らない事あるんだな。
俺が知っててゼロかわ知らないのか、ふーん。
ちょっと優越感で部屋の大きな窓を開けてバルコニーに出る。
エルフが数人見える、見回りをしてる者、雑談してる者それぞれいた。
爽やかな風が髪を撫でる。
そして違和感に気付いた。
「なぁゼロ、俺の見間違いか?エルフって男しかいないの?」
そうだ、俺達を拘束した奴とか玉座の部屋にいたエルフは皆男だった。
でもプレイヤー選択ではエルフは男女選択出来るから女の子もいると思うんだが…
キョロキョロ見渡しても女の子らしい人はいない、エルフは皆美人だから見落としてるとか?
でもエルフの服はだいたい胸元が開いた服だから見落としてる筈はないんだけどな。
ゼロは俺に呼ばれてバルコニーにやってきた。
エルフの国に行った事があるならなにか分かるかもしれない。
「昔はいたと思うが、別に男だけでも困らないんじゃないか?」
「…え、だってエルフ同士の恋愛とか結婚とか出来な…」
「エルフは男でも妊娠出来ると聞いた事がある」
「!?」
エルフってそんなとんでも設定があったのかと口を開けて驚く。
その時、エルフが食事の用意が出来たとタイミングよく呼びに来たから行く事にした。
移動中ずっと考えていた。
男でも妊娠…じゃあ目の前のこの人も?
あっちで弓矢の訓練してる人も?掃除してる人も?
王様も!?
「どうかしたか?お客人」
「ハッ!…いえ、ははは」
王様の声に我に返った。
いつの間にか宴の席に座っていたみたいだ、いかんいかんいろいろ考え過ぎてエルフ達をガン見してしまっていた。
どうやってここに来たのか正直覚えていない。
ちょっと男で妊娠ってなんだろうと気になってしまっただけだ。
目の前の料理はとても美味しそうで、ステーキの肉をナイフで切る。
んー!とろけるっ!!
「エルフは男しかいないんだな」
俺が聞きづらい疑問をゼロが代わりに聞いてくれた。
ゼロは男でも妊娠出来ると言っていたが女はいないとは言っていない。
つまり昔はいたという事だ。
ゼロも何故女がいないのか分からないのだろう。
ゼロに感謝しつつリーフリード様を見ると酒が入った盃を見ていた。
…というかゼロは王様にも敬語なしなんだな、下手したら自分の国の王様にもタメ口かもしれない。
「女達は一時的に遠い地に避難している、最近エルフを狙った賊が多いからな…エルフは皆見目がいいから闇市場では高値で取引されてるようでな」
「だから最初の時、俺達を賊だって言ったんですね」
「それは、本当にすまなかった」
王様に頭を下げられたら土下座するしかないじゃんか!
お互い頭を下げていると奇妙な光景となった。
こんないい思いさせてくれたんだからお互い水に流そう。
疑われる事をした俺達も悪いんだし…
顔がいいのも苦労するんだな。
食事も終わりデザートのゼリーをちまちま食べていたらリーフリード様が俺達の前にやってきた。
「それで、川の件なんだが」
この宴の本来の目的だろう川の事を話し出した。
修復しなきゃいけないよな、水魔法?俺…闇属性だから最悪スコップで温泉掘るか?…ダメだ、滝がさらに崩壊しそうだ。
魔法瓶を買っても滝を復活させるほどの水となると大量に必要だ。
クエストしていない俺にそんな金はない。
ゼロは水魔法使えるよな?ゼロの方をチラッと見たら顔が近付いてきた。
頬を押さえて止めた。
「何してんだ」
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「…仲がいいのは結構だが、話を進めても?」
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