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エルフの国
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ハーバール草原、ちょっと手慣れたプレイヤーが行く場所。
少し行った先にはエルフが住む滝の泉があり、レベルダンジョンという経験値アップの洞窟もある。
そして一見幻想的に蛍が輝く森はレベル制限30の強い敵がいる森があるが、真面目に冒険していなかった俺はその森がどんな森か知らない。
適当に外をぶらついてレベルが上がっただけだからな。
魔法陣で10分くらい移動するとハーバール草原に到着する。
この草原は基本狼モンスターがいる。
ゲーム画面より凶悪で血肉に飢えている顔をしていた。
いつもなら襲ってくるのに、今日は子犬のように大人しい。
原因は分かってる、隣の男だろう。
「ゼロさん、御使いついでに素材集めしたいんでちょっと離れてくれませんか?」
「じゃあ俺も手伝う」
こういう機会がないといかないからちょうどいいと思っていたが、ゼロのせいで台無しだ。
ゼロが狼モンスターに狙いを定めて目を見開いた。
目が白く赤毛が逆立っている厳つい顔のモンスターが狼モンスターの特徴だ。
キャウッ!と可愛く鳴いたのを初めて聞いた。
まるで天敵が現れたように一目散に走り去ってしまった。
他のモンスター達も釣られるように居なくなっていた。
草原が一気に平和となった。
…そりゃあ狼モンスターのレベル12だし、10倍以上の奴が現れたら逃げるよな…俺も逃げたい。
「追いかけようか?」
「可哀想だからやめてあげて!」
ゼロの方が肉食獣だ…と思いながら師匠からもらったメモ書きを見る。
御使いの品をエルフの長老に渡すのがクエストだ。
エルフの滝の泉はプレイヤーがエルフを選んだらスタート地点になる場所だ。
滝の泉は行った事ないから楽しみだ、可愛い子が多いって聞くし!
自然と足が浮ついてしまいゼロにジッと見られた。
無言で見るなよ、怖いだろ。
「…な、何?」
「別に…」
本当に何なんだよ、いったい。
気になりつつもゼロは話す気がないのかエルフの滝の泉前に到着した。
下を見たら川で前には滝、距離は数メートルか。
どうやって入るのか、直接滝に飛び込めば入れるのか?
…魔法陣に乗ったら水圧で川に流されるだろこれ…
滝の前をウロウロして他の入り口はないか探し回る。
何の変哲も無い普通の滝だ、他の入り口なんて何処にも見当たらなかった。
「ツカサ、水を割ればいい」
「おー、なるほど…」
風や土の攻撃で水を人が通れるほどに割れば水圧を気にせず入れるな。
…とはいえ俺、闇属性なんだけど…こんな事なら各属性が使えるアイテム魔法瓶を買っとけば良かった。
ゼロは腰に下げている剣を鞘から抜き飛び降りた。
川に剣を突き立てて立ってられないほどの地響きが鳴り、滝が割れた。
立ち上がりゼロを見たら親指を立てていた。
何というか、川が死んだんだけどどうすんだこれ…
滝が割れたどころか、滝の水が全部飛び散り消えてなくなったんだが…
「何事だ!」
滝で隠れていた水がなくなり、壁の穴から次々と誰かが出てきて俺とゼロを囲んだ。
弓矢を向けられて手を上げる。
ゼロを囲んでる人達は若干腰が引けてるがゼロは暴れるより俺の安全を考えてくれて剣を鞘に納めて大人しくしていた。
それを見てホッとした顔の人達はさらに距離を詰めてくる。
見るからに美人な顔をしている、耳が尖っているからエルフか?
美人が怒るととても迫力があり冷や汗が出ていた。
「くそっ、賊め…とうとう滝の泉を荒らしやがって」
「いや…それは事故といいますか」
ゼロは水を割れない俺の代わりにやってくれたから怒る事は出来ない。
ちょっと加減を間違えてしまっただけだと説明してもこの怒りようを見ると素直に聞いてくれそうにない。
賊じゃない事を分かってもらわないと最悪殺されてしまう。
そうだ、この御使いの品を見せれば分かってくれるかも…
長老に用があると分かれば会わせてくれるかもしれないし、長老だったら話を聞いてくれる可能性がある。
ローブの下に入れていた御使いの品を探そうとガサゴソしてたらエルフ達はギョッとしていた。
「こいつ、武器を忍ばせてやがるぞ!」
「ひっ捕らえろ!!」
「えっ、ちょっ、違っ」
少し行った先にはエルフが住む滝の泉があり、レベルダンジョンという経験値アップの洞窟もある。
そして一見幻想的に蛍が輝く森はレベル制限30の強い敵がいる森があるが、真面目に冒険していなかった俺はその森がどんな森か知らない。
適当に外をぶらついてレベルが上がっただけだからな。
魔法陣で10分くらい移動するとハーバール草原に到着する。
この草原は基本狼モンスターがいる。
ゲーム画面より凶悪で血肉に飢えている顔をしていた。
いつもなら襲ってくるのに、今日は子犬のように大人しい。
原因は分かってる、隣の男だろう。
「ゼロさん、御使いついでに素材集めしたいんでちょっと離れてくれませんか?」
「じゃあ俺も手伝う」
こういう機会がないといかないからちょうどいいと思っていたが、ゼロのせいで台無しだ。
ゼロが狼モンスターに狙いを定めて目を見開いた。
目が白く赤毛が逆立っている厳つい顔のモンスターが狼モンスターの特徴だ。
キャウッ!と可愛く鳴いたのを初めて聞いた。
まるで天敵が現れたように一目散に走り去ってしまった。
他のモンスター達も釣られるように居なくなっていた。
草原が一気に平和となった。
…そりゃあ狼モンスターのレベル12だし、10倍以上の奴が現れたら逃げるよな…俺も逃げたい。
「追いかけようか?」
「可哀想だからやめてあげて!」
ゼロの方が肉食獣だ…と思いながら師匠からもらったメモ書きを見る。
御使いの品をエルフの長老に渡すのがクエストだ。
エルフの滝の泉はプレイヤーがエルフを選んだらスタート地点になる場所だ。
滝の泉は行った事ないから楽しみだ、可愛い子が多いって聞くし!
自然と足が浮ついてしまいゼロにジッと見られた。
無言で見るなよ、怖いだろ。
「…な、何?」
「別に…」
本当に何なんだよ、いったい。
気になりつつもゼロは話す気がないのかエルフの滝の泉前に到着した。
下を見たら川で前には滝、距離は数メートルか。
どうやって入るのか、直接滝に飛び込めば入れるのか?
…魔法陣に乗ったら水圧で川に流されるだろこれ…
滝の前をウロウロして他の入り口はないか探し回る。
何の変哲も無い普通の滝だ、他の入り口なんて何処にも見当たらなかった。
「ツカサ、水を割ればいい」
「おー、なるほど…」
風や土の攻撃で水を人が通れるほどに割れば水圧を気にせず入れるな。
…とはいえ俺、闇属性なんだけど…こんな事なら各属性が使えるアイテム魔法瓶を買っとけば良かった。
ゼロは腰に下げている剣を鞘から抜き飛び降りた。
川に剣を突き立てて立ってられないほどの地響きが鳴り、滝が割れた。
立ち上がりゼロを見たら親指を立てていた。
何というか、川が死んだんだけどどうすんだこれ…
滝が割れたどころか、滝の水が全部飛び散り消えてなくなったんだが…
「何事だ!」
滝で隠れていた水がなくなり、壁の穴から次々と誰かが出てきて俺とゼロを囲んだ。
弓矢を向けられて手を上げる。
ゼロを囲んでる人達は若干腰が引けてるがゼロは暴れるより俺の安全を考えてくれて剣を鞘に納めて大人しくしていた。
それを見てホッとした顔の人達はさらに距離を詰めてくる。
見るからに美人な顔をしている、耳が尖っているからエルフか?
美人が怒るととても迫力があり冷や汗が出ていた。
「くそっ、賊め…とうとう滝の泉を荒らしやがって」
「いや…それは事故といいますか」
ゼロは水を割れない俺の代わりにやってくれたから怒る事は出来ない。
ちょっと加減を間違えてしまっただけだと説明してもこの怒りようを見ると素直に聞いてくれそうにない。
賊じゃない事を分かってもらわないと最悪殺されてしまう。
そうだ、この御使いの品を見せれば分かってくれるかも…
長老に用があると分かれば会わせてくれるかもしれないし、長老だったら話を聞いてくれる可能性がある。
ローブの下に入れていた御使いの品を探そうとガサゴソしてたらエルフ達はギョッとしていた。
「こいつ、武器を忍ばせてやがるぞ!」
「ひっ捕らえろ!!」
「えっ、ちょっ、違っ」
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