39 / 67
周りから勘違いされていく
しおりを挟む
名前が分からない人はとりあえずほっとこう、大した用事でもなさそうだし…
「ゼロに会いにきたなら闘技場にいるぞ?」
「……え」
歩き出した足を止めて青年に近付く、ゼロは部屋にいないのか…馴れ馴れしいし俺の知り合いならゼロの場所まで連れて行ってもらえるかもしれない。
無駄足を踏まずに良かったとホッとする。
機嫌を損ねないように誰だか分かってるフリをする。
本当に思い出せない、何故だ…ゼロのキャラが強烈だからか?
また青年を締めようとする影ゼロを踏みつける。
なんでこんなに影ゼロが絡むんだ?嫌いなのか?
「えーっと、ゼロの場所まで案内してくれますか?場所が分からなくて」
「勿論だよ!ゼロも羨ましい奴だな、恋人が会いにくるなんて」
「違います、真っ赤な他人です」
真顔でそう言うとケラケラ笑われた。
本気にしてるのか冗談なのかいまいち分からない男だな。
青年が歩き出したから着いて行く。
もうちょっとで名前が思い出せるんだけどなぁ…確か名前は、えーっと…ア…なんとかさん?
思い出せそうで思い出せない、モヤモヤする。
なんで俺がこの人の名前を真剣に考えなきゃいけないんだと投げやりになってきた。
「ゼロはもうすぐ開催される黒騎士団と白騎士団の闘技戦の練習してるんだよ、とはいえゼロの一人無双してるだけだけどな」
城の中だけの小イベントか、そんなのあるんだなぁ…レイチェルちゃん以外に興味なかったから基本そういうのはゲームでも見てない。
どうせ勝負は決まってるし、見る必要ないし…俺は忙しいし…
城の地下に降りて観客席はこっちと大きな扉の横を通り階段を上り扉を開けた。
地下闘技場か、普段はここでNPCと稽古したりしてるんだろうな。
ガンッと金属が思いっきりぶつかる音が響き呻き声が聞こえた。
よく見ると床には数十人の死体…じゃなかった、重軽傷者が倒れていた。
その真ん中には黒の騎士服を見に纏った無傷の男が血で濡れた剣を振る。
「弱い…よくそんなんで俺に勝てるとか一ミリも思ったな」
「いやいやお前を倒せるのなんて、恐怖の魔王くらっ…ひ!」
観客席に座って話しかけていたらいきなり剣が飛んできて顔すれすれで後ろの壁に突き刺さった。
俺達の会話が聞こえていたのか?凄い地獄耳だな。
冷や汗をだらだら流す青年に、下から物凄い眼光で睨むゼロ。
ゼロに会いにきたのに、すぐに帰りたくなってきた…
正直バトルフィールドと観客席とはかなり離れているが、ひとっ飛びで飛んできて青年の顔面を鷲掴みしていた。
俺は腰を抜かしていた。
「おいアルベール、なんでお前がツカサと一緒にいるんだ…理由によってはアイツらの仲間入りをするぞ」
ゼロはバトルフィールドで倒れている屍達を指差した。
あの中には絶対に入りたくないな。
そして俺は名前を思い出した、そうか…アルベールだ!すっきりした。
……特に思い出したからなんだという気持ちになった。
必死なアルベールは早口になっていた。
何だか可哀想だが俺がこの間に入る勇気があるわけない。
「ゼロに会いにきたって言うから案内しただけだよ!!」
それを聞くなりアルベールを放り投げて、俺に近付く。
無意識に後退るが壁に背中が当たり逃げ場がなくなったところでゼロに抱きしめられた。
周りが拍手をしている、やめろ…マジでやめて下さいお願いします。
数年ぶりの感動の再会みたいだけど、3日しか経ってないよ!?
ヒューヒュー煽っている奴、本気で殴っていいか?
俺達は本当にそういう関係じゃないんだ!
「俺も会いたかった、ツカサ」
「…いや、そういう意味の会いたかったじゃないんで」
ゼロは顔を上げて意味が分からないという顔をしていた。
意味が分からないのはこっちの方だ。
なんでゼロは意味もなく俺が会いにきたと思っているんだ…あり得ない。
スノーホワイト祭で距離が少し、本当に少しだけ縮まっただけでそこまで仲良くはない。
ゼロから抜け出して立ち上がる。
用件の元凶である影ゼロを蹴って転がしたらさっきまでずっと踏んでいたからか、何かに目覚めたのかはぁはぁ言って足に絡みついてくるからドン引きした。
何故か知らないけど、影のくせにヌルヌルしていて気持ちが悪い。
ゼロはやっと理解したのか影ゼロを見て俺を見た。
「SM?」
「なんでそうなるんだよ!」
「俺、どんなプレイでもツカサのためなら頑張るよ」
「その美形顔でキモい事言ってんな!」
ゼロの頭をチョップした。
小さな声で「…いい」と言っていたからしばらくゼロと距離を置く事を決意した。
俺にはゼロの相手は荷が重すぎる。
距離を置きたいがゼロが再び抱きついてくるから全く離れやしない。
力が強いとMにでもなるのか?とんだ無駄知識だな。
「ゼロに会いにきたなら闘技場にいるぞ?」
「……え」
歩き出した足を止めて青年に近付く、ゼロは部屋にいないのか…馴れ馴れしいし俺の知り合いならゼロの場所まで連れて行ってもらえるかもしれない。
無駄足を踏まずに良かったとホッとする。
機嫌を損ねないように誰だか分かってるフリをする。
本当に思い出せない、何故だ…ゼロのキャラが強烈だからか?
また青年を締めようとする影ゼロを踏みつける。
なんでこんなに影ゼロが絡むんだ?嫌いなのか?
「えーっと、ゼロの場所まで案内してくれますか?場所が分からなくて」
「勿論だよ!ゼロも羨ましい奴だな、恋人が会いにくるなんて」
「違います、真っ赤な他人です」
真顔でそう言うとケラケラ笑われた。
本気にしてるのか冗談なのかいまいち分からない男だな。
青年が歩き出したから着いて行く。
もうちょっとで名前が思い出せるんだけどなぁ…確か名前は、えーっと…ア…なんとかさん?
思い出せそうで思い出せない、モヤモヤする。
なんで俺がこの人の名前を真剣に考えなきゃいけないんだと投げやりになってきた。
「ゼロはもうすぐ開催される黒騎士団と白騎士団の闘技戦の練習してるんだよ、とはいえゼロの一人無双してるだけだけどな」
城の中だけの小イベントか、そんなのあるんだなぁ…レイチェルちゃん以外に興味なかったから基本そういうのはゲームでも見てない。
どうせ勝負は決まってるし、見る必要ないし…俺は忙しいし…
城の地下に降りて観客席はこっちと大きな扉の横を通り階段を上り扉を開けた。
地下闘技場か、普段はここでNPCと稽古したりしてるんだろうな。
ガンッと金属が思いっきりぶつかる音が響き呻き声が聞こえた。
よく見ると床には数十人の死体…じゃなかった、重軽傷者が倒れていた。
その真ん中には黒の騎士服を見に纏った無傷の男が血で濡れた剣を振る。
「弱い…よくそんなんで俺に勝てるとか一ミリも思ったな」
「いやいやお前を倒せるのなんて、恐怖の魔王くらっ…ひ!」
観客席に座って話しかけていたらいきなり剣が飛んできて顔すれすれで後ろの壁に突き刺さった。
俺達の会話が聞こえていたのか?凄い地獄耳だな。
冷や汗をだらだら流す青年に、下から物凄い眼光で睨むゼロ。
ゼロに会いにきたのに、すぐに帰りたくなってきた…
正直バトルフィールドと観客席とはかなり離れているが、ひとっ飛びで飛んできて青年の顔面を鷲掴みしていた。
俺は腰を抜かしていた。
「おいアルベール、なんでお前がツカサと一緒にいるんだ…理由によってはアイツらの仲間入りをするぞ」
ゼロはバトルフィールドで倒れている屍達を指差した。
あの中には絶対に入りたくないな。
そして俺は名前を思い出した、そうか…アルベールだ!すっきりした。
……特に思い出したからなんだという気持ちになった。
必死なアルベールは早口になっていた。
何だか可哀想だが俺がこの間に入る勇気があるわけない。
「ゼロに会いにきたって言うから案内しただけだよ!!」
それを聞くなりアルベールを放り投げて、俺に近付く。
無意識に後退るが壁に背中が当たり逃げ場がなくなったところでゼロに抱きしめられた。
周りが拍手をしている、やめろ…マジでやめて下さいお願いします。
数年ぶりの感動の再会みたいだけど、3日しか経ってないよ!?
ヒューヒュー煽っている奴、本気で殴っていいか?
俺達は本当にそういう関係じゃないんだ!
「俺も会いたかった、ツカサ」
「…いや、そういう意味の会いたかったじゃないんで」
ゼロは顔を上げて意味が分からないという顔をしていた。
意味が分からないのはこっちの方だ。
なんでゼロは意味もなく俺が会いにきたと思っているんだ…あり得ない。
スノーホワイト祭で距離が少し、本当に少しだけ縮まっただけでそこまで仲良くはない。
ゼロから抜け出して立ち上がる。
用件の元凶である影ゼロを蹴って転がしたらさっきまでずっと踏んでいたからか、何かに目覚めたのかはぁはぁ言って足に絡みついてくるからドン引きした。
何故か知らないけど、影のくせにヌルヌルしていて気持ちが悪い。
ゼロはやっと理解したのか影ゼロを見て俺を見た。
「SM?」
「なんでそうなるんだよ!」
「俺、どんなプレイでもツカサのためなら頑張るよ」
「その美形顔でキモい事言ってんな!」
ゼロの頭をチョップした。
小さな声で「…いい」と言っていたからしばらくゼロと距離を置く事を決意した。
俺にはゼロの相手は荷が重すぎる。
距離を置きたいがゼロが再び抱きついてくるから全く離れやしない。
力が強いとMにでもなるのか?とんだ無駄知識だな。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
814
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる