NPCのストーカーの件について

草薙翼

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ゼロの行動・中編

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※ゼロ視点

2日目の朝、ツカサを起こそうと添い寝をしていたら驚かれた。
いつまでもウブなツカサも可愛いが、慣れてもらわないと毎朝添い寝をしていたらツカサが疲れてしまう。
焼き魚をツカサに渡し、すぐに出かけた。

もう酒場の事は解決したから、次はツカサに喜んでもらえたら少しは好きになってもらえるかもしれない。
胃袋の掴みはバッチリだし、あとは…

「おっ!ゼロじゃん!こんなところで何してんだ?」

「…誰だ?」

「おいおい同じ騎士団なのに忘れちまったのか?」

忘れたもなにも知らない。
随分馴れ馴れしい男だと不快になる。
オレンジ頭を立たせたそばかすのモブ顔はぶつくさ何かを言っている。

…こんなのに構ってる暇なんてない、俺は忙しい。

無視して歩き出す。
追いかけては来なくてホッとした。
確か、初日に祭の参加者を見た時にドワーフ族がいたのが見えた。

ドワーフ族に会いに行った。

数人固まって穴を掘ってるドワーフ族を見つけて降りる。

「…族長」

「おや、これはこれは騎士団長殿ではございませんか」

小柄なドワーフ族には珍しい大柄な男が穴掘りをやめてこちらを見た。
何度かドワーフ族は騎士団に協力していて顔見知り程度には知り合いだった。
その中でも何かと打ち合わせが多い族長とはそれなりに話す仲だった。
とはいえツカサの事を話すほどの仲ではないからほんの少しの仲とも言う。

ニコニコ笑い友好的な族長はフレンドリーに接してきた。
握手を軽く交わす。

「騎士団長殿もスノーホワイト祭に?」

「…いや、違う…教えてほしい事がある、スノー石のありかだ」

ツカサがスノーホワイト祭に参加するのを聞き雪山の下調べをしていた時に情報で聞いた。
スノー石とは銀に近い白く丸い石の事。
大切な人に送るお守りの石とも呼ばれている。
噂では身代わりにもなるらしい。

しかし貴重な石だから誰も場所は知らない。
ドワーフ族ならいろんな鉱山を知ってるから分かるかと思ったが、難しい顔で考えてるのを見ると期待は出来なさそうだ。

「…うーん、さすがにあそこまでレアな石だとなかなか…確かとても危険な場所にあると聞いた事があるが」

「そうか…」

危険な場所…崖の下とかか?
白い地面から白い石を探すのは楽じゃない…いや、もしかしたら別の場所にくっついてる可能性もある。
…全てはツカサのために俺は見つける事を決意した。

それからツカサに内緒でスノー石を探すために歩き出した。

3日もツカサの朝食を用意してスノー石を探した。
崖とかを念入りに調べても何も出て来ない。
…本当に雪山にあるのか疑わしくなってきた。

ほとんど伝説の石みたいなものだし、スノー石の話は嘘なのかもしれない。
崖から上がり帰ろうかと思っていた時、足を止めた。
…急に視界が暗くなった。

ずっと意識は影と繋がりツカサを見ていたのに、ツカサが見えなくなった。
なにかあったのだろうとすぐに分かりツカサの元に帰ろうとした。
しかし思うように足が動かず、足を掴まれ身動きが取れなくなった。
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