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五日目・前編
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とうとうスノーホワイト祭も残り僅かになってきた。
相変わらずゼロはいなくて、補充した非常食を食べていた。
ポイントも増えないし、このままではイベントもランキング圏外だろう。
そう思っても、今からポイント稼ぎに行く気は起きなかった。
…もう、ゼロはこの雪山にいないのかもしれない。
こんなに探しても見つからないという事はそうなのだろう。
…今日探していなかったら諦めよう。
ゼロは俺なんかよりずっと強いんだ、きっと大丈夫…
…そう思っていないと不安で押しつぶされそうだった。
俺の気持ちに連動しているのか、ミュミュも不安げに見つめている。
ミュミュの頭を撫でて、立ち上がる。
洞窟を出て魔法陣に乗る。
探してない場所は何処だったっけと周りを見渡しながら進んでいく。
もう少し山の上の方に行こうかな。
普通の人なら二日以上雪の中に居たら凍えて死んでしまうかもしれないが、相手はゼロだからその心配はない。
何処で降りようか考えていたら山の中からなにかキラッと光っているものが見えた。
普段なら見逃すほどの小さな光だが、人探しをしている俺には見つける事が出来た。
何だろうと不思議に思い、近付く。
ゼロではないだろうが、手がかりになるかもしれない。
魔法陣から降りて光ったものを探す。
…確かここら辺じゃなかっただろうか。
周りを見るとキラキラ光っているものを見つけた。
そこは薄暗い洞窟の中だった。
なにかが光ってるが、中が見えずあまり行きたいような場所ではなかった。
…嫌な予感というか、良くないものがいるような…
引き返そうとして、目に入ったものをつい見つけてしまい驚き背筋がゾクッとした。
洞窟の側に置かれたものに駆け寄る。
それを震える手で拾うと、よりなにかが分かった。
黒の騎士服…ゼロ…の?
今回の参加者に騎士はいなかった筈だし、まだ…そんな経ってない…血が…
騎士服には血がべったりついていて所々引き裂かれていた。
…もしかしてゼロ、この洞窟の中に入ったのか?
服からして無事な感じがしなかった。
ギュッと騎士服を握り締め、確かめるために洞窟の中に入った。
…俺の考えが外れてますように…
暗い洞窟の中をキラキラ光る場所を頼りに歩く。
長いような道をひたすら歩きながら、最悪な事ばかり考えてしまう。
俺のせいだ、影が俺を庇ったりしたから…ゼロは…
そして広い場所に出て目を見開いた。
キラキラしていたのは壁に埋め込まれていた無数の宝石だった。
普段なら神秘的な場所だと思うが、俺はそんな事よりゼロを探す事に専念した。
床には血があるが、誰もいない…
ここじゃなかったかとため息を吐き帰ろうとすると入り口に不自然に置かれた銅像の瞳が動いた気がする。
…そんなわけ、ないよな。
気にせず向かおうとすると、今度は確かに目が光り悪魔のような身体は動いた。
…まさかこいつら、ガーゴイル!?
最悪だ、スノーマンでさえ倒せない俺が、ガーゴイルなんて…倒せるわけない。
しかも左右にいて二体なんて…
相変わらずゼロはいなくて、補充した非常食を食べていた。
ポイントも増えないし、このままではイベントもランキング圏外だろう。
そう思っても、今からポイント稼ぎに行く気は起きなかった。
…もう、ゼロはこの雪山にいないのかもしれない。
こんなに探しても見つからないという事はそうなのだろう。
…今日探していなかったら諦めよう。
ゼロは俺なんかよりずっと強いんだ、きっと大丈夫…
…そう思っていないと不安で押しつぶされそうだった。
俺の気持ちに連動しているのか、ミュミュも不安げに見つめている。
ミュミュの頭を撫でて、立ち上がる。
洞窟を出て魔法陣に乗る。
探してない場所は何処だったっけと周りを見渡しながら進んでいく。
もう少し山の上の方に行こうかな。
普通の人なら二日以上雪の中に居たら凍えて死んでしまうかもしれないが、相手はゼロだからその心配はない。
何処で降りようか考えていたら山の中からなにかキラッと光っているものが見えた。
普段なら見逃すほどの小さな光だが、人探しをしている俺には見つける事が出来た。
何だろうと不思議に思い、近付く。
ゼロではないだろうが、手がかりになるかもしれない。
魔法陣から降りて光ったものを探す。
…確かここら辺じゃなかっただろうか。
周りを見るとキラキラ光っているものを見つけた。
そこは薄暗い洞窟の中だった。
なにかが光ってるが、中が見えずあまり行きたいような場所ではなかった。
…嫌な予感というか、良くないものがいるような…
引き返そうとして、目に入ったものをつい見つけてしまい驚き背筋がゾクッとした。
洞窟の側に置かれたものに駆け寄る。
それを震える手で拾うと、よりなにかが分かった。
黒の騎士服…ゼロ…の?
今回の参加者に騎士はいなかった筈だし、まだ…そんな経ってない…血が…
騎士服には血がべったりついていて所々引き裂かれていた。
…もしかしてゼロ、この洞窟の中に入ったのか?
服からして無事な感じがしなかった。
ギュッと騎士服を握り締め、確かめるために洞窟の中に入った。
…俺の考えが外れてますように…
暗い洞窟の中をキラキラ光る場所を頼りに歩く。
長いような道をひたすら歩きながら、最悪な事ばかり考えてしまう。
俺のせいだ、影が俺を庇ったりしたから…ゼロは…
そして広い場所に出て目を見開いた。
キラキラしていたのは壁に埋め込まれていた無数の宝石だった。
普段なら神秘的な場所だと思うが、俺はそんな事よりゼロを探す事に専念した。
床には血があるが、誰もいない…
ここじゃなかったかとため息を吐き帰ろうとすると入り口に不自然に置かれた銅像の瞳が動いた気がする。
…そんなわけ、ないよな。
気にせず向かおうとすると、今度は確かに目が光り悪魔のような身体は動いた。
…まさかこいつら、ガーゴイル!?
最悪だ、スノーマンでさえ倒せない俺が、ガーゴイルなんて…倒せるわけない。
しかも左右にいて二体なんて…
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