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ゼロに抗議
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11ゼロは俺の肩に手を置いてキラキラモーションで微笑んだ。
なんか生で見るの初めてだ、というか生でキラキラモーションがあるんだなと変な感心をしてしまった。
今俺を救えるのはゼロ、お前だけなんだ!
……お前のせいだけどな。
「影のように素直になって嫁に来れば気にならなくなる」
「分かった、素直になるよ!…全力でお断りします」
最後は真顔で言うと、ゼロも真顔になる。
お互い真顔になり変な空気が流れたところでゼロは部屋を出た。
ちなみにこのやりとりはずっとゼロが扉を開けた状態でやっていた。
…普通に部屋に入るわけないんで、当然だな。
というか影から助かるために人生捧げろとか可笑しいだろ。
俺自身を犠牲にする事以外なら聞いてやる、それ以外は却下だ。
「じゃあ俺、行くから」
「ちょっ…お前の影だろ!?放置すんなよ!」
「俺は解決策を言った、もう俺に出来る事は何もない」
嘘つけっ!!お前の影を戻せば簡単だろ!?
しかも解決策にもなってない事しか言われてねぇっ!!
ゼロはそのまま廊下を歩いていってしまった。
一人じゃどうする事も出来ず廊下に座り込む。
…くそぅ…覚えとけよ…
影のイチャイチャをなるべく見ないようにしながらトボトボと城を出た。
レイチェルちゃんの酒場に行って癒されよう、そうしよう。
酒場に行き、扉の前で立っていた。
ー休業日ーと書かれている張り紙を見て、目から雫が溢れた。
そりゃないぜ…
※影視点
暗い暗い、生まれた時から世界は暗かった。
それは当たり前の事だと思ってた、普通で何も感じなかった。
でも…いつからかざわざわと感情が芽生え始めた。
…可笑しい事だって分かってるのに、急に暗闇が怖くなり泣いた。
暖かな温もりが僕の手に触れ、それはしっかりと握られた。
頬にも暖かな温もりが触れ、涙を拭いてくれた。
「…君は、誰?僕はツカサ…」
「………」
「?」
自己紹介しても全然答えてくれない、僕が泣き虫だから?
やっと一人じゃないって分かったのにまた一人ぼっちにするの?
えっぐ、ひっくと泣くとその人は慌てたように姿を見せた。
そこには黒髪のカッコイイ人がいた。
あまりの美しさに涙が引っ込んでしまった。
ジッとお互い見つめ合いカッコイイ人が口を開いた。
「俺が、怖くないのか?」
「…怖い?なんで?」
「俺は人間達に恐れられているから」
人間…感情が芽生え始めたばかりの僕には外の世界は分からない。
確かにちょっと怖くなるほど目の前の人はカッコイイ。
でもそれで怯える事はない。
だってこんなに触れられた手が暖かいんだから…
それに僕の前に現れてくれた。
きっとこの人は優しい人なんだ。
「怖くないよ、僕は貴方と友達になりたいな」
「…ツカサ」
ギュッと抱きしめられた。
いきなりで驚いてドキドキして顔が赤くなる。
手だけじゃない、全身が暖かい。
僕の身体も熱くなる。
耳元で「俺の名前はゼロだ」と囁かれ耳を舐められた。
ゾクゾクした感覚が腰に響きびっくりする。
「ひゃうっ」
「俺は、友達より…恋人になりたい」
ゼロさんは僕を真剣な顔で見つめる。
吸い込まれそうなほど黒い瞳に見つめられる。
恋人…それって友達とどう違うのか分からない。
でも、僕になれるのかな?
生まれたばかりの僕は無知だ。
だからゼロさんに教えてもらいたい、いろいろと…
「俺達の本体はもう結婚の約束をしている、だから俺達もそうする…不思議な事じゃない」
そうだったんだ、全然知らなかった…
本体とかいう僕でも恋人になれるのなら僕も…彼の、恋人に…
身長差で上目遣いでゼロさんを見る、なんかゼロさん…目が獲物を狙う肉食獣みたい?
怖いというよりゾクッと気持ちが高鳴った。
この感情の名前は何?
ゼロさんの服をギュッと握る。
「ぼ、僕で良かったら…もらってくれますか?」
「あぁ、末長く幸せになろう…俺のツカサ」
ゼロさんに口付けられて初めての気持ちを感じた。
これは、嬉しいという気持ち…
もっと彼を知りたいという気持ち…
きっと、これが恋なのだろう。
僕はまだよく分からない。
…でも、時間は長くゆっくり過ぎて行くから焦らなくてもいい。
唇が離れて名残惜しかったから、今度は僕から口付けた。
ゼロさんは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに僕の腰に腕を回しギュッと抱きしめながら応えてくれた。
舌を入れられピクッと身体が反応してしまい恥ずかしかった。
でもゼロさんに抱きしめられたら逃げる事も出来ない。
ちゅっちゅっとどれくらいの時間唇を合わせていたのか分からない時間は過ぎていき、唇が離れた。
「ツカサ、俺のツカサ…かわいい」
「…っあ」
首筋に舌が這い、立ってるのがやっとなくらい足に力が入らなくなる。
ゼロさんは頭を撫でてくれてふわふわしたいい気持ちになりながら眠りについた。
なんか生で見るの初めてだ、というか生でキラキラモーションがあるんだなと変な感心をしてしまった。
今俺を救えるのはゼロ、お前だけなんだ!
……お前のせいだけどな。
「影のように素直になって嫁に来れば気にならなくなる」
「分かった、素直になるよ!…全力でお断りします」
最後は真顔で言うと、ゼロも真顔になる。
お互い真顔になり変な空気が流れたところでゼロは部屋を出た。
ちなみにこのやりとりはずっとゼロが扉を開けた状態でやっていた。
…普通に部屋に入るわけないんで、当然だな。
というか影から助かるために人生捧げろとか可笑しいだろ。
俺自身を犠牲にする事以外なら聞いてやる、それ以外は却下だ。
「じゃあ俺、行くから」
「ちょっ…お前の影だろ!?放置すんなよ!」
「俺は解決策を言った、もう俺に出来る事は何もない」
嘘つけっ!!お前の影を戻せば簡単だろ!?
しかも解決策にもなってない事しか言われてねぇっ!!
ゼロはそのまま廊下を歩いていってしまった。
一人じゃどうする事も出来ず廊下に座り込む。
…くそぅ…覚えとけよ…
影のイチャイチャをなるべく見ないようにしながらトボトボと城を出た。
レイチェルちゃんの酒場に行って癒されよう、そうしよう。
酒場に行き、扉の前で立っていた。
ー休業日ーと書かれている張り紙を見て、目から雫が溢れた。
そりゃないぜ…
※影視点
暗い暗い、生まれた時から世界は暗かった。
それは当たり前の事だと思ってた、普通で何も感じなかった。
でも…いつからかざわざわと感情が芽生え始めた。
…可笑しい事だって分かってるのに、急に暗闇が怖くなり泣いた。
暖かな温もりが僕の手に触れ、それはしっかりと握られた。
頬にも暖かな温もりが触れ、涙を拭いてくれた。
「…君は、誰?僕はツカサ…」
「………」
「?」
自己紹介しても全然答えてくれない、僕が泣き虫だから?
やっと一人じゃないって分かったのにまた一人ぼっちにするの?
えっぐ、ひっくと泣くとその人は慌てたように姿を見せた。
そこには黒髪のカッコイイ人がいた。
あまりの美しさに涙が引っ込んでしまった。
ジッとお互い見つめ合いカッコイイ人が口を開いた。
「俺が、怖くないのか?」
「…怖い?なんで?」
「俺は人間達に恐れられているから」
人間…感情が芽生え始めたばかりの僕には外の世界は分からない。
確かにちょっと怖くなるほど目の前の人はカッコイイ。
でもそれで怯える事はない。
だってこんなに触れられた手が暖かいんだから…
それに僕の前に現れてくれた。
きっとこの人は優しい人なんだ。
「怖くないよ、僕は貴方と友達になりたいな」
「…ツカサ」
ギュッと抱きしめられた。
いきなりで驚いてドキドキして顔が赤くなる。
手だけじゃない、全身が暖かい。
僕の身体も熱くなる。
耳元で「俺の名前はゼロだ」と囁かれ耳を舐められた。
ゾクゾクした感覚が腰に響きびっくりする。
「ひゃうっ」
「俺は、友達より…恋人になりたい」
ゼロさんは僕を真剣な顔で見つめる。
吸い込まれそうなほど黒い瞳に見つめられる。
恋人…それって友達とどう違うのか分からない。
でも、僕になれるのかな?
生まれたばかりの僕は無知だ。
だからゼロさんに教えてもらいたい、いろいろと…
「俺達の本体はもう結婚の約束をしている、だから俺達もそうする…不思議な事じゃない」
そうだったんだ、全然知らなかった…
本体とかいう僕でも恋人になれるのなら僕も…彼の、恋人に…
身長差で上目遣いでゼロさんを見る、なんかゼロさん…目が獲物を狙う肉食獣みたい?
怖いというよりゾクッと気持ちが高鳴った。
この感情の名前は何?
ゼロさんの服をギュッと握る。
「ぼ、僕で良かったら…もらってくれますか?」
「あぁ、末長く幸せになろう…俺のツカサ」
ゼロさんに口付けられて初めての気持ちを感じた。
これは、嬉しいという気持ち…
もっと彼を知りたいという気持ち…
きっと、これが恋なのだろう。
僕はまだよく分からない。
…でも、時間は長くゆっくり過ぎて行くから焦らなくてもいい。
唇が離れて名残惜しかったから、今度は僕から口付けた。
ゼロさんは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに僕の腰に腕を回しギュッと抱きしめながら応えてくれた。
舌を入れられピクッと身体が反応してしまい恥ずかしかった。
でもゼロさんに抱きしめられたら逃げる事も出来ない。
ちゅっちゅっとどれくらいの時間唇を合わせていたのか分からない時間は過ぎていき、唇が離れた。
「ツカサ、俺のツカサ…かわいい」
「…っあ」
首筋に舌が這い、立ってるのがやっとなくらい足に力が入らなくなる。
ゼロさんは頭を撫でてくれてふわふわしたいい気持ちになりながら眠りについた。
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