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※離れたくない
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※影視点
生まれた時からずっと一緒にいたゼロさんがいなくなり驚いて泣いた。
ポロポロと知らない感情が溢れてきて止まらない。
なんでいなくなったの?僕が嫌いになったの?
いつも暖かく包み込んでくれるのに、寂しくて冷たいよ。
問いかけても誰も答えないし、何も聞こえない。
僕は生まれたばかりの未熟な存在で弱くて脆い。
怖い、怖いよ…
しばらくずっと泣いて泣いて、泣き疲れて眠った。
いつもは優しく慰めてくれる彼がいない。
また目を開けたら真っ暗な場所で一人ぼっちになる。
もう、目を開けるのは嫌だ。
僕、これからどうしたらいいのか分からないよ、ゼロさん…
「ツカサッ!!」
ゼロさんの声が暗闇で響いて、伏せていた顔を上げる。
これは幻聴なのだろうか…幻聴でも縋りたい。
暗闇の向こう側になにかが見える。
手を伸ばすと暖かい手に握られ暗闇から引きずり出すように引っ張られた。
強く抱きしめられて大好きなニオイがして背中に腕を回す。
僕が今まで求めていたそれはあの人の温もり。
…しばらくお互い何も話さず、ただ抱きしめ合っていた。
離れたらまた何処かに行ってしまいそうで怖かった。
「ツカサ、一人にしてごめん」
「ううん…またゼロさんに会えたからいいの」
お互い見つめ合い、微笑むとどちらかか分からない口付けをした。
小さく口を開くと、温かな舌が伸びてきて僕の舌を撫でる。
数時間離れていただけで随分久しぶりのような気がして夢中になった。
こうして触れ合っている時がとても安心して身体の芯から喜んでいると分かる。
触れられるところが、熱くなっていき身体がびくんと反応した。
このまま本当に溶けてゼロさんの一部になれたらいいのになと思った。
もっともっとゼロさんを感じたいって思う事は悪い事なのかな?
ゼロさんのキスに応えるように僕も一生懸命舌を伸ばす。
こんな強欲で浅ましく欲しる僕は、嫌いかな?
「はっ、ふぅっんっ」
「ちゅっ…はぁ、ツカサ」
長くボーッとするような口付けが終わり僕はゼロさんに寄りかかる。
ゼロさんは頭や背中を優しく撫でてくれて気持ちがいい。
…幸せな気分、これが好きって事なんだと自然と分かった。
いつもゼロさんが僕に教えてくれる感情はこういう気持ちだったんだね。
全部ゼロさんに与えられた、今度は僕がゼロさんに与えたい。
名前を呼ばれるだけで嬉しくてたまらなくなる。
僕が僕として生まれて、こんなに嬉しい事はない。
雰囲気に呑まれてつい自分の気持ちを口にしてしまった。
浅ましい僕の感情、ゼロさんに伝えるつもりはなかった。
「ゼロさん、僕…もっとゼロさんを感じたい」
ピクッと背中を撫でるゼロさんの手が反応した。
やっぱり、ダメだったのかな?不安になりゼロさんの顔色を伺う。
もしこれで僕から離れてしまったらと思うと恐怖で震えが止まらない。
ゼロさんは何も言わず僕をジッと見つめていた。
その瞳は僕の事を嫌いという感じはしなかった。
いつもより熱い眼差しでドキッと胸が高鳴った。
なんだろう、いつも優しいゼロさんが優しさの裏に僕を支配しようとしている強い気持ちが透けて見えてしまい震えた。
怖いから震えてるんじゃない、支配される事への喜びを感じていた。
縛られる、もっともっと…僕を…
「ツカサ、意味分かってるのか?」
「?」
「何も知らないならやめた方がいい…ツカサを傷付けたくない」
僕が傷付くってどうして?なんでそう思うの?
ゼロさんがしてくれる事なら傷つかないのに…
知らないのなら、何でも教えてほしい。
僕が嫌だと思う事はゼロさんと離れる事だけだよ?
ちょっと離れただけであんなに悲しく苦しくなったんだ、もう…味わいたくない気持ちだった。
それにゼロさんが与えてくれる事なら僕は嬉しいよ。
だって僕はゼロさんで出来ているようなものだから…
ゼロさんの頬に触れて、見つめ合って僕の気持ちを目で訴えた。
「ゼロさんがしてくれる事なら何でも嬉しいよ?だって、ゼロさんの事大好きだから」
「ツカサ!」
ガバッとゼロさんが僕に抱きつき、その勢いで押し倒された。
痛くはないが驚いて目を丸くすると、ほんのり頬が赤いゼロさんが見えた。
髪に触れられて小さく口付けられた。
…こんな表情のゼロさん初めてだ、もっといろんな顔が見たい。
僕の気持ちは欲望を許されたら、どんどん欲深くなっていった。
すぐにゼロさんの首に腕を回して抱きしめる。
さっきとは違い軽く触れるだけのキスをした。
…こんなんじゃ足りない、もっと溶け合うようなキスがほしい。
今度は僕が最初にゼロさんに舌を伸ばすと、応えてくれた。
くちゅくちゅと音を立てながらキスをして、気持ちがだんだんと高鳴った。
「ツカサ、痛いかもしれない…それでもいいか?」
「…うん、いいよ…ゼロさんが与えてくれるなら痛みでも受け入れるよ」
僕が微笑むとゼロさんは「聖母だ…」と呟き、よく分からず首を傾げる。
ゼロさんは僕が痛くて泣いちゃうと思っているのだろうか。
確かに泣き虫だけど、ゼロさんの愛なら全然平気だ。
痛くて苦しくても、きっと僕はそれを幸福だと感じるだろう。
指を絡ませて、さっきよりも深い口付けしながらもう片手は僕のシャツに滑り込んだ。
冷たい手のひらが腰回りをゆっくりと確かめるように這う。
少しくすぐったくて身をよじり変な気分になった。
ぞわぞわとした未知なる感覚だった。
それは不快ではない、この先に待っているものに期待してしまう。
生まれた時からずっと一緒にいたゼロさんがいなくなり驚いて泣いた。
ポロポロと知らない感情が溢れてきて止まらない。
なんでいなくなったの?僕が嫌いになったの?
いつも暖かく包み込んでくれるのに、寂しくて冷たいよ。
問いかけても誰も答えないし、何も聞こえない。
僕は生まれたばかりの未熟な存在で弱くて脆い。
怖い、怖いよ…
しばらくずっと泣いて泣いて、泣き疲れて眠った。
いつもは優しく慰めてくれる彼がいない。
また目を開けたら真っ暗な場所で一人ぼっちになる。
もう、目を開けるのは嫌だ。
僕、これからどうしたらいいのか分からないよ、ゼロさん…
「ツカサッ!!」
ゼロさんの声が暗闇で響いて、伏せていた顔を上げる。
これは幻聴なのだろうか…幻聴でも縋りたい。
暗闇の向こう側になにかが見える。
手を伸ばすと暖かい手に握られ暗闇から引きずり出すように引っ張られた。
強く抱きしめられて大好きなニオイがして背中に腕を回す。
僕が今まで求めていたそれはあの人の温もり。
…しばらくお互い何も話さず、ただ抱きしめ合っていた。
離れたらまた何処かに行ってしまいそうで怖かった。
「ツカサ、一人にしてごめん」
「ううん…またゼロさんに会えたからいいの」
お互い見つめ合い、微笑むとどちらかか分からない口付けをした。
小さく口を開くと、温かな舌が伸びてきて僕の舌を撫でる。
数時間離れていただけで随分久しぶりのような気がして夢中になった。
こうして触れ合っている時がとても安心して身体の芯から喜んでいると分かる。
触れられるところが、熱くなっていき身体がびくんと反応した。
このまま本当に溶けてゼロさんの一部になれたらいいのになと思った。
もっともっとゼロさんを感じたいって思う事は悪い事なのかな?
ゼロさんのキスに応えるように僕も一生懸命舌を伸ばす。
こんな強欲で浅ましく欲しる僕は、嫌いかな?
「はっ、ふぅっんっ」
「ちゅっ…はぁ、ツカサ」
長くボーッとするような口付けが終わり僕はゼロさんに寄りかかる。
ゼロさんは頭や背中を優しく撫でてくれて気持ちがいい。
…幸せな気分、これが好きって事なんだと自然と分かった。
いつもゼロさんが僕に教えてくれる感情はこういう気持ちだったんだね。
全部ゼロさんに与えられた、今度は僕がゼロさんに与えたい。
名前を呼ばれるだけで嬉しくてたまらなくなる。
僕が僕として生まれて、こんなに嬉しい事はない。
雰囲気に呑まれてつい自分の気持ちを口にしてしまった。
浅ましい僕の感情、ゼロさんに伝えるつもりはなかった。
「ゼロさん、僕…もっとゼロさんを感じたい」
ピクッと背中を撫でるゼロさんの手が反応した。
やっぱり、ダメだったのかな?不安になりゼロさんの顔色を伺う。
もしこれで僕から離れてしまったらと思うと恐怖で震えが止まらない。
ゼロさんは何も言わず僕をジッと見つめていた。
その瞳は僕の事を嫌いという感じはしなかった。
いつもより熱い眼差しでドキッと胸が高鳴った。
なんだろう、いつも優しいゼロさんが優しさの裏に僕を支配しようとしている強い気持ちが透けて見えてしまい震えた。
怖いから震えてるんじゃない、支配される事への喜びを感じていた。
縛られる、もっともっと…僕を…
「ツカサ、意味分かってるのか?」
「?」
「何も知らないならやめた方がいい…ツカサを傷付けたくない」
僕が傷付くってどうして?なんでそう思うの?
ゼロさんがしてくれる事なら傷つかないのに…
知らないのなら、何でも教えてほしい。
僕が嫌だと思う事はゼロさんと離れる事だけだよ?
ちょっと離れただけであんなに悲しく苦しくなったんだ、もう…味わいたくない気持ちだった。
それにゼロさんが与えてくれる事なら僕は嬉しいよ。
だって僕はゼロさんで出来ているようなものだから…
ゼロさんの頬に触れて、見つめ合って僕の気持ちを目で訴えた。
「ゼロさんがしてくれる事なら何でも嬉しいよ?だって、ゼロさんの事大好きだから」
「ツカサ!」
ガバッとゼロさんが僕に抱きつき、その勢いで押し倒された。
痛くはないが驚いて目を丸くすると、ほんのり頬が赤いゼロさんが見えた。
髪に触れられて小さく口付けられた。
…こんな表情のゼロさん初めてだ、もっといろんな顔が見たい。
僕の気持ちは欲望を許されたら、どんどん欲深くなっていった。
すぐにゼロさんの首に腕を回して抱きしめる。
さっきとは違い軽く触れるだけのキスをした。
…こんなんじゃ足りない、もっと溶け合うようなキスがほしい。
今度は僕が最初にゼロさんに舌を伸ばすと、応えてくれた。
くちゅくちゅと音を立てながらキスをして、気持ちがだんだんと高鳴った。
「ツカサ、痛いかもしれない…それでもいいか?」
「…うん、いいよ…ゼロさんが与えてくれるなら痛みでも受け入れるよ」
僕が微笑むとゼロさんは「聖母だ…」と呟き、よく分からず首を傾げる。
ゼロさんは僕が痛くて泣いちゃうと思っているのだろうか。
確かに泣き虫だけど、ゼロさんの愛なら全然平気だ。
痛くて苦しくても、きっと僕はそれを幸福だと感じるだろう。
指を絡ませて、さっきよりも深い口付けしながらもう片手は僕のシャツに滑り込んだ。
冷たい手のひらが腰回りをゆっくりと確かめるように這う。
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