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第4章 魔界編(仮)

第7話 従魔契約完了と今後

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週2更新と言う事もあり、話がなかなか進展しなくて申し訳ありません。
そろそろ話が動く予定ですのでもう暫くお付き合い下さいm(_ _)m
─────────────

「リョーマ、さっきの人でこの村の住人は全員リョーマの従魔になったよ」

 この村の長、アンナさんからそんな説明を受けた。やっと村人全員と従魔契約が完了したみたいだ。疲れたぁ。

 グリモールが俺の従魔である事を素直に説明して、その後も紆余曲折はあったが村の全員が俺の従魔(グリモールの配下)になる事になった。

 しかし、この場に居ない(と言うか世界が違う?)従魔の配下に設定するには予想以上に魔力を消費するようで、今のレベルでは1日に10人が限界だった。

 毎日レベルは上がっていたので、少しづつ魔力も上がり、村の住人96人を従魔にするのにかかったのは7日だった。

 その間、俺は村長むらおさの家に住まわせて貰っていた。魔力に余裕があれば【万物創造】で自分の家を作る事も出来るけど、村人を従魔にする為に魔力を使ってたからね。

 そして、毎晩ポチに会う夢を見てる気がするんだけど、夢だからか起きたら全く覚えていない。本人と言うか本犬? が目の前で寝てるとは言え、夢で会った事を覚えていないのは少し寂しい。まあ、夢なんだけどね。

「それにしても凄まじいですね。【従魔超強化】ですか? この村の戦力が一気に高まりました。
 先日狩りにも行きましたが、今まで苦戦していた魔物を難なく狩れただけでなく、レベルもかなり上がりましたよ」

 そう言うのは、俺をこの村まで案内してくれた青年。名前はミヅキと言うらしい。

「ホントね。予言は間違ってなかった。最初にリョーマの従魔になるって聞いた時は半信半疑だったけど、ここまでの恩恵があるとは。
 しかも私たち悪魔王グリモール様の直轄配下でしょ? ホントに夢のようね」

 この村の人たちは例外なくグリモールを信仰していた。一応、アンナさんは巫女で遊戯の女神の【神託】を聞く事ができるけど、ずっと音沙汰がなかった神様だし、そこまで信仰されていなかったようだ。

「期待に応えられたみたいで良かったです。
 さて、それで今後の事ですが・・・」

「ええ、【神託】では「配下を増やして自軍を強化しろ」だったわね。
 この村全体を配下にしても特に変化はなかったのよね?」

 まだ最後の人を配下にしたばかりだから分からないけど、特に変化はないのかな?

《配下が10名を超えた時、僅かに従魔ポチに変化が有りましたが、その後は大きな変化は観測できていません》

 【アナウンス】さんが言うならそうなんだろう。今96人だから100人くらいで何か起きないかな?

「はい。今のところ変化は無いですね。
 でもこれ以上配下を増やそうと思ったら、あの山を越えないといけないんですよね?」

 この7日の間に聞いた話によると、ここから俺が来た方向。つまり荒野の方向には何もないそうだ。魔界の果て。そう呼ばれる荒野が広がっているだけらしい。

 そして荒野から目印にしてやってきたこの大山脈、その山の向こうにはそこそこ豊潤な土地が広がっていて、色々な悪魔族が住んでいるそうだ。

 因みに少し試してみたけど、村の周りの魔物は何故か従魔にできないようだった。

「そう伝わっているわ。ここ数百年、山の向こうとは交流がないから本当のところは分からないけどね。
 私達の一族は予言を信じて、この地に留まり続けてたの」

 この村は外界との交流も少なく、文明も結構退化してきたらしい。本来、魔界はもう少し文明レベルが高いそうだ。

 しかし、文明レベルが退化してしまったとは言え、ここにはアレがあった。日本人のソウルフード。そう、お米だ!

 俺も約8年ぶりに米を食べる事ができた。ただ、ここの食べ方は玄米をお粥にして食べる方法だけで、精米して炊くと言う調理法がなかった。そこは今後教えて行こうと思う。俺もうろ覚えだけどね。

「そうだ。1つ気になることがあったんですが」

「何かな?」

「ここに来る前、荒野で1人の鬼人に会ったんです。
 少年だと思うけど、お腹を空かせていて食べ物を上げるとまた去って行きました」

 この1週間従魔契約が忙しくて半分忘れかけてたけど、不思議な子だったな。最初は普通に話してたのに急に喋らなくなったり。

「荒野に鬼人の子? 私は心当たりないわ。
 カンナ、ミヅキ、何か知ってる?」

 アンナが妹と狩人に質問する。

「いえ、私は心当たりないです。
 狩に行くのも近くの森までで、荒野には行かないですしね」

「私も心当たりないかな。あ、ないです。
 私は村から出る事も無いですしね」

 どうやら2人とも知らないようだ。カンナは無理やり丁寧な言葉で話さなくても良いとは言ってるけど、滅相もないとか言って丁寧な言葉遣いを貫いている。最初の数分で挫折した姉を見習えば良いのに。もう少しフレンドリーに接したいな。

「うーん。そうですか。また村人の人たちにも聞いてみますね」

 仕方ない。この件は保留かな。でも、またやって来そうな気もするんだよね。そんな【予感】がする。山の麓に集落がある事も知ってたし。

「それで話を戻しますが、この山はどうやって越えるんですか?」

 標高は軽く前世の世界の最高記録を更新して1万メートルを超えている。普通に登ると遭難する未来しか見えない。

「ああ、それはね。中腹にあるダンジョンが山の反対側に繋がってるんだよ」

 なるほど山を越えるよりは危険度が少ないって事かな? いや、俺のステータスなら普通に越える事も出来るかも知れないけど、生身で標高1万メートル超えは空気が薄い未知の世界だしね。

「けど冬になるから春までは無理かな?
 雪に埋もれて入口も分からなくなるから」

 あら、そう言う事なら多少無理しても山を越えるしかないのか。

「そうそう、山を越えるのはオススメできないよ。
 山の上は空気がからね」

 まさか空気がないとか! ここで越冬決定!?
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みんなの感想(112件)

瑠璃色
2021.03.13 瑠璃色

双華さん、お元気ですか?
うちのポチを楽しみにしてます。ポチの話を聞くのが、大好きです😆💕

解除
craftsman
2021.02.22 craftsman

もう更新は無いのでしょうか?

解除
P
2020.11.08

第4章めっちゃ楽しみです!
毎回更新をワクワクしながら待ってます!
ポチの『哲学なのだ』が可愛くて好きですw

双華
2020.11.08 双華

感想ありがとうございます!

応援頂けると励みになります!
4章も頑張りますm(_ _)m

解除

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