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第3章 王都騒乱編
従話 ポチの冒険(11)
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我輩はポチ。ご主人の従魔を束ねる存在なのだ。
今日は約1年ぶりに大きな空間の歪が現れた。我輩は飛び込みたいのをグッと堪えて、従魔のシルクとゴブ・リーンの造ったガルム隊が歪を通るのを見送ったのだ。
ん? 歪に突っ込もうとして弾き飛ばされたりはしてないのだ。たまたま触れたら吹き飛ばされただけなのだ。
「よし、久々にみんな集まった事だし、今日はもうダンジョン探索も中止してのんびりするのだ」
そう、今日は久しぶりに我輩直轄の6人が揃っているのだ。空間の歪ができた事で、全員に招集をかけたからなのだ。
「じゃあ、久々に宴会でもしようよ」
そう言って来たのは魔エルフのマルフなのだ。宴会とかが大好きなのだ。
「殿! 拙者はまた殿の面白い話が聞きたいでござる」
これはまた宴会から我輩が前世でご主人と一緒にみていたアニメの話をする流れなのだ。
このメンバーで宴会が始まると今日どころか数日はダンジョン探索が中止になってしまうのだ。
「今日は少しみんなでのんびりするだけなのだ。またすぐにダンジョン探索を始めるのだ」
とか言いつつも、宴会になってしまったのだ。解せぬのだ。
「なるほど、そのクルセイダーは私に通ずるものがありますね」
我輩が素晴らしい世界に転移するアニメの話をしてると、痛いの大好きな悪魔のアクモンがそんな事を言い出したのだ。確かに、ドMなのは共通しているのだ。
《配下のゴブ・リーンを通じて、ガルム1号アガルム、2号イガルム、3号ウガルム、4号エガルム、5号オガルム、6号カガルム、7号キガルム、8号クガルム、9号ケガルム、10号コガルムと命名されました。
これにより、ガルム隊が正式に2次配下となります》
そんな話をしていたら、急に【アナウンス】が流れたのだ。ガルムにご主人が名前を付けて従魔的な扱いになったのだ。
「ゴブ、聞いて欲しいのだ。ガルム隊が正式に従魔になったのだ」
我輩は【アナウンス】された内容をガルムの製作者であるゴブ・リーンに伝える。
「フハハハ! さすが主殿じゃ。まさかゴーレムであるガルムまで従魔にしてしまうとは。
いやはや、ワシの常識がどこまでも通用しない。楽しませてもらえるのぉ。
名前も中々にセンスが光っておる。うむ、素晴らしい」
そもそもゴブ・リーンには常識がそこまで無いと思うけど、本人には言えないのだ。そして、名前はアイウエオ順に付けただけの気がするけど、それもスルーなのだ。
だけど、ガルム隊は無事にご主人と合流できたという事なのだ。良かったのだ。
「殿! 見るでござる。また空間の歪が発生してるでござるよ!」
そんな話をしていると、急にアドが叫び出したのだ。アドが言う方向をみると、確かに大きな空間の歪が発生している。
「なんなのだ!? また空間の歪ができたのだ!?」
「ほう、これは興味深い。まさか1年ぶりにできた大きな歪がまた数時間で開くとはの」
ゴブ・リーンも興味津々なのだ。
あっ! これはご主人と直接【念話】で話すチャンスなのだ!?
「我輩、ちょっとガルムに【念話】を送るのだ!」
〈ガルム2号・・・えっとイガルムなのだ? 聞こえるのだ? 聞こえてたら応答するのだ〉
〈これはポチ殿。【念話】が届くとは一体何が? して、どうなさいました?〉
やったのだ! 無事に【念話】できたのだ。
〈また次元の歪が発生したのだ。今日は空間の歪祭りなのだ!
今なら【念話】で結界の外と会話ができるのだ〉
〈なるほど、左様でございましたか。と、言う事はご主人様が消えた事と関係がありそうでございますね〉
ん? 今、イガルムは何て言ったのだ? ご主人が・・・消えた?
〈イガルム、我輩はご主人とグループ【念話】で会話がしたいのだ。繋いでもらえないかなのだ〉
〈申し訳ございません。ご主人様はご友人と共に、行方が分からなくなっております〉
イガルムから返ってきたのは、そんな言葉だったのだ。そんな・・・やっと直接会話ができるんじゃないかと思ったのに、まさかのおあずけなのだ。我輩、おあずけは好きじゃないのだ。
〈過去からの情報を整理すると、ダンジョンの主の所に呼び出されているものと考えられます〉
なるほど、今回の空間の歪はご主人が呼ばれた事で発生したものだったのだ。折角ご主人と会話ができると思ったけど、ご主人は行方不明。でもご主人が呼ばれてなかったらこの空間の歪は発生しなかった。ん? ・・・こんがらがってきたのだ。
「どうじゃ? 主殿とは会話できそうかの?」
「ダメだったのだ。ご主人はまたご主人様の言う自称神様、このダンジョンの主のところに呼び出されているみたいなのだ」
「なるほどのぉ。この空間の歪はそれでできたものなのじゃな」
この1年で何度もご主人とメッセージのやり取りをして色々と推定はしているのだ。
〈ポチ殿。せめて何かメッセージを残されてはいかがでしょうか? 私がお伝えさせて頂きます〉
メッセージなのだ? 確かに普通なら1回送るのに10日以上必要なメッセージが今なら送り放題なのだ。何か伝える事・・・。
急に何かメッセージとか言われると逆に頭が真っ白になって出てこないのだ。この歪もいつ消えるか分からないのに、ピンチなのだ!
「何か・・・、ご主人へ伝えるメッセージは何かないのかなのだ。思いつかないのだ」
「殿! こういう時は焦らず、じっくりと。そして安心してもらえるようなメッセージを考えるでござる」
「焦らずじっくり考えている間に歪が閉じたら、アドは責任を取ってくれるのだ?」
「無理でござる」
言い切られたのだ。けど、ご主人が安心するようなコメントは一理あるのだ。
〈ではイガルム、悪いけどご主人にメッセージをお願いするのだ。
ご主人、直接話ができなくて残念なのだ。
でも大丈夫、近い内に直接会って話ができる。我輩そんな気がしてならないのだ。
だから今は寂しいけど我慢するのだ。会える日を楽しみにしているのだ。
そう伝えて欲しいのだ〉
〈承知いたしました。間違いなくお伝えさせて頂きます〉
〈ありがとうなのだ。よろしく頼むのだ〉
ご主人を安心させるために、とりあえず口から出まかせ言ってしまったのだ。
でも近い内に直接会って話がしたいのは事実だから問題ないのだ?
しかし、この言葉が本当に近い内に現実になるとは、今の我輩には知る余地もなかったのだ。
今日は約1年ぶりに大きな空間の歪が現れた。我輩は飛び込みたいのをグッと堪えて、従魔のシルクとゴブ・リーンの造ったガルム隊が歪を通るのを見送ったのだ。
ん? 歪に突っ込もうとして弾き飛ばされたりはしてないのだ。たまたま触れたら吹き飛ばされただけなのだ。
「よし、久々にみんな集まった事だし、今日はもうダンジョン探索も中止してのんびりするのだ」
そう、今日は久しぶりに我輩直轄の6人が揃っているのだ。空間の歪ができた事で、全員に招集をかけたからなのだ。
「じゃあ、久々に宴会でもしようよ」
そう言って来たのは魔エルフのマルフなのだ。宴会とかが大好きなのだ。
「殿! 拙者はまた殿の面白い話が聞きたいでござる」
これはまた宴会から我輩が前世でご主人と一緒にみていたアニメの話をする流れなのだ。
このメンバーで宴会が始まると今日どころか数日はダンジョン探索が中止になってしまうのだ。
「今日は少しみんなでのんびりするだけなのだ。またすぐにダンジョン探索を始めるのだ」
とか言いつつも、宴会になってしまったのだ。解せぬのだ。
「なるほど、そのクルセイダーは私に通ずるものがありますね」
我輩が素晴らしい世界に転移するアニメの話をしてると、痛いの大好きな悪魔のアクモンがそんな事を言い出したのだ。確かに、ドMなのは共通しているのだ。
《配下のゴブ・リーンを通じて、ガルム1号アガルム、2号イガルム、3号ウガルム、4号エガルム、5号オガルム、6号カガルム、7号キガルム、8号クガルム、9号ケガルム、10号コガルムと命名されました。
これにより、ガルム隊が正式に2次配下となります》
そんな話をしていたら、急に【アナウンス】が流れたのだ。ガルムにご主人が名前を付けて従魔的な扱いになったのだ。
「ゴブ、聞いて欲しいのだ。ガルム隊が正式に従魔になったのだ」
我輩は【アナウンス】された内容をガルムの製作者であるゴブ・リーンに伝える。
「フハハハ! さすが主殿じゃ。まさかゴーレムであるガルムまで従魔にしてしまうとは。
いやはや、ワシの常識がどこまでも通用しない。楽しませてもらえるのぉ。
名前も中々にセンスが光っておる。うむ、素晴らしい」
そもそもゴブ・リーンには常識がそこまで無いと思うけど、本人には言えないのだ。そして、名前はアイウエオ順に付けただけの気がするけど、それもスルーなのだ。
だけど、ガルム隊は無事にご主人と合流できたという事なのだ。良かったのだ。
「殿! 見るでござる。また空間の歪が発生してるでござるよ!」
そんな話をしていると、急にアドが叫び出したのだ。アドが言う方向をみると、確かに大きな空間の歪が発生している。
「なんなのだ!? また空間の歪ができたのだ!?」
「ほう、これは興味深い。まさか1年ぶりにできた大きな歪がまた数時間で開くとはの」
ゴブ・リーンも興味津々なのだ。
あっ! これはご主人と直接【念話】で話すチャンスなのだ!?
「我輩、ちょっとガルムに【念話】を送るのだ!」
〈ガルム2号・・・えっとイガルムなのだ? 聞こえるのだ? 聞こえてたら応答するのだ〉
〈これはポチ殿。【念話】が届くとは一体何が? して、どうなさいました?〉
やったのだ! 無事に【念話】できたのだ。
〈また次元の歪が発生したのだ。今日は空間の歪祭りなのだ!
今なら【念話】で結界の外と会話ができるのだ〉
〈なるほど、左様でございましたか。と、言う事はご主人様が消えた事と関係がありそうでございますね〉
ん? 今、イガルムは何て言ったのだ? ご主人が・・・消えた?
〈イガルム、我輩はご主人とグループ【念話】で会話がしたいのだ。繋いでもらえないかなのだ〉
〈申し訳ございません。ご主人様はご友人と共に、行方が分からなくなっております〉
イガルムから返ってきたのは、そんな言葉だったのだ。そんな・・・やっと直接会話ができるんじゃないかと思ったのに、まさかのおあずけなのだ。我輩、おあずけは好きじゃないのだ。
〈過去からの情報を整理すると、ダンジョンの主の所に呼び出されているものと考えられます〉
なるほど、今回の空間の歪はご主人が呼ばれた事で発生したものだったのだ。折角ご主人と会話ができると思ったけど、ご主人は行方不明。でもご主人が呼ばれてなかったらこの空間の歪は発生しなかった。ん? ・・・こんがらがってきたのだ。
「どうじゃ? 主殿とは会話できそうかの?」
「ダメだったのだ。ご主人はまたご主人様の言う自称神様、このダンジョンの主のところに呼び出されているみたいなのだ」
「なるほどのぉ。この空間の歪はそれでできたものなのじゃな」
この1年で何度もご主人とメッセージのやり取りをして色々と推定はしているのだ。
〈ポチ殿。せめて何かメッセージを残されてはいかがでしょうか? 私がお伝えさせて頂きます〉
メッセージなのだ? 確かに普通なら1回送るのに10日以上必要なメッセージが今なら送り放題なのだ。何か伝える事・・・。
急に何かメッセージとか言われると逆に頭が真っ白になって出てこないのだ。この歪もいつ消えるか分からないのに、ピンチなのだ!
「何か・・・、ご主人へ伝えるメッセージは何かないのかなのだ。思いつかないのだ」
「殿! こういう時は焦らず、じっくりと。そして安心してもらえるようなメッセージを考えるでござる」
「焦らずじっくり考えている間に歪が閉じたら、アドは責任を取ってくれるのだ?」
「無理でござる」
言い切られたのだ。けど、ご主人が安心するようなコメントは一理あるのだ。
〈ではイガルム、悪いけどご主人にメッセージをお願いするのだ。
ご主人、直接話ができなくて残念なのだ。
でも大丈夫、近い内に直接会って話ができる。我輩そんな気がしてならないのだ。
だから今は寂しいけど我慢するのだ。会える日を楽しみにしているのだ。
そう伝えて欲しいのだ〉
〈承知いたしました。間違いなくお伝えさせて頂きます〉
〈ありがとうなのだ。よろしく頼むのだ〉
ご主人を安心させるために、とりあえず口から出まかせ言ってしまったのだ。
でも近い内に直接会って話がしたいのは事実だから問題ないのだ?
しかし、この言葉が本当に近い内に現実になるとは、今の我輩には知る余地もなかったのだ。
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