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第2章 学園入学編
従話 ポチの冒険(6)
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我輩はポチ。前世の記憶を持ったまま、この世界では魔物として生をうけた。そして我輩、何と今日で6歳の誕生日なのだ!
前世ではご主人に拾われて育てられた為、正確な誕生日は分からなかった。
だけど、今回は産まれた時から意識が有ったので、自分の誕生日はしっかり把握しているのだ。更に【アナウンス】のスキルが勝手に教えてくれる。便利すぎてヤバいのだ。さっきも、
《年齢が上がりました。
6歳になりました》
とか教えてくれたのだ。
それを配下のみんなに話したら、アレよアレよと言う間にお祝いムードになり、今は何故かダンジョン内の一室で我輩、飾り付けられているのだ。
主犯は緑の悪魔。今はご主人にグリモンと名付けられたオネエなのだ。
「うーん。ボスにはこっちのピンクのリボンの方が似合うかしら? オレンジも捨てがたいわねぇ」
リボンなんて何処から出してるんだろうか? まあ、コイツら悪魔の5人に関しては深く考えたら負けなのだ。色々とイレギュラーな存在なのだ。
我輩はなすがまま、なされるがまま、まな板の上のコイ状態なのだ。なるようになれなのだ。
何人か面白おかしく、見学してる配下もいるのだ。見てないで助けて欲しいのだ。
「ちょっと、グリモン! ぽっちんになにしてるのさ! ・・・あ、楽しそう。ボクもやりたい!」
また面倒なのが来たのだ。アースドラゴンのアドラン、精霊のジンに次ぐ3人目の我輩直轄の配下、魔エルフのマルフなのだ。
魔エルフって何なのだ? と本人に聞いたら、人と魔人の関係と同じような感じで、エルフに対して魔エルフという種族が居るんだと言っていたのだ。エルフではあるが、どちらかと言えば妖精に近い感じらしいく、体内には魔石もあり魔物にカテゴライズされているのだ。
優秀だけど、イタズラ好きな困ったちゃんなのだ。そして我輩の事をぽっちんって呼ぶのだ。微妙に恥ずかしいのだ。
「どうせなら、このフサフサの毛に色を付けたらどうかな!?」
悪魔に悪魔な提案をするマルフ。
「あら、良いわねぇ。何色がいいかしら、」
危険なのだ! この2人が揃うと危険なのだ! この1年でイヤと言う程学んだのだ。我輩、いつもおもちゃにされるのだ。ここは一先ず・・・。
「ダメよぉ。ボス逃げようとしてるでしょ? 雰囲気で丸分かりよぉ。イエモン!」
「ガッテンでやんす!」
我輩が逃げようと考えてたら、先読みしたグリモンが黄色の悪魔に指示を出したのだ。元々はイエローと呼ばれていたけど、今はイエモンなのだ。名前にツッコミを入れる事はタブーとは言え、イエモンって・・・。お茶なのだ? ロックバンドなのだ?
そしてこのイエモン、元々は索敵が得意な悪魔だったが、配下に加わってからは結界系のスキルも覚えたのだ。つまり・・・。
「《多重結界》でやんす!」
「ふふっ。さあボス、もうこの部屋からは逃げられないわよぉ」
退路が結界で塞がれたのだ。もちろん、本気を出したらイエモンの結界くらい破壊できるのだ。だけど、配下の悪ふざけに本気を出すのも大人気ない気がするので、それは出来ないのだ。・・・ん? 我輩まだ6歳だから、大人じゃないのだ? 大人じゃないのに大人気ない。哲学なのだ。
そして、リボンやフリフリな飾りを付けられていく我輩。
更に、カラフルな色に染め上げられていく我輩。
誕生日なのに何かの罰ゲームなのだ!? 配下のみんなも毎日頑張ってくれているし、たまには息抜きも必要だと、割り切るしかないのかなのだ!?
〈殿ー! 殿ー!〉
む! 救世主なのだ! 救世主現るなのだ! 話がそらせるのだ。
「アドランから【念話】連絡なのだ。ちょっと止まるのだ!」
「あら、仕方ないわねぇ」
何とか止まってくれたのだ。何だかんだ言いながらも、我輩の言う事はちゃんと聞いてくれるのが救いなのだ。
〈アドランどうしたのだ?〉
〈今日は殿の誕生日だと聞いたでござる。6歳おめでとうでござるよ〉
そ、それだけ? お祝いは嬉しいけど、それだけなのだ? アドランは我輩の救世主じゃなかったのだ!?
〈アドラン、ありがとうなのだ。でもそれだけなのだ? 我輩、今自尊心が大ピンチなのだ。鏡がないから何とか自尊心を保っているのだ! 【念話】終わっちゃうのだ?〉
〈何が起きているかは、分からないでござるが、本題はまだあるでござる。待って欲しいでござる〉
やっぱり救世主なのだ。さあ、このバカ騒ぎを吹き飛ばすような話をするのだ。因みにボケは必要ないのだ。本題をよろしくなのだ。
〈それじゃあ、早速本題でござる。この階層の、階層主の部屋と思われる扉を発見したでござる。結構大きな扉で、大きなハンマーの装飾が施されてるでござる〉
〈おお! ついに発見なのだ!? 我輩も直ぐに向かうのだ!〉
この階層の探索を始めて早16日。結構かかったのだ。
このダンジョンは10階層毎に階層主が配置されている。ここは約1年前に悪魔5人を仲間にしてから丁度30階層進んだところなのだ。
人海戦術で攻略も効率的に進んでいるとは言え、ダンジョンの複雑性も上がってきているし、出現する魔物も凶悪になってきているのだ。中々先に進めないのだ。
「ストップ! ストップなのだ! ついに階層主の扉が発見されたのだ。先に行くのだ。みんな付いてくるのだ。イエモンは結界解除なのだ」
我輩がそう言うと、イエモンはすぐに結界を解除してくれたのだ。結界の解除を確認すると我輩は【マップ】でアドランを把握して【転移】する。
【転移】はここ10階層前の階層主を倒した時に習得したスーパーレアスキルで、行ったことのある場所に瞬時に移動できるスキルなのだ。移動出来る対象は自分だけなのだが、【マップ】と組み合わせたら、行ったことなくてもマーキングしてある知り合いのところに移動出来るチートスキルになったのだ。
しかし、急いで【転移】してしまったので、次のマルフの台詞を聞き逃したのが、後々悔やまれたのだ。
「あ、ぽっちん。体がカラフルでリボンがついたままだよ・・・って、あーもう行っちゃった。仕方ない。ボクもいこうかな」
前世ではご主人に拾われて育てられた為、正確な誕生日は分からなかった。
だけど、今回は産まれた時から意識が有ったので、自分の誕生日はしっかり把握しているのだ。更に【アナウンス】のスキルが勝手に教えてくれる。便利すぎてヤバいのだ。さっきも、
《年齢が上がりました。
6歳になりました》
とか教えてくれたのだ。
それを配下のみんなに話したら、アレよアレよと言う間にお祝いムードになり、今は何故かダンジョン内の一室で我輩、飾り付けられているのだ。
主犯は緑の悪魔。今はご主人にグリモンと名付けられたオネエなのだ。
「うーん。ボスにはこっちのピンクのリボンの方が似合うかしら? オレンジも捨てがたいわねぇ」
リボンなんて何処から出してるんだろうか? まあ、コイツら悪魔の5人に関しては深く考えたら負けなのだ。色々とイレギュラーな存在なのだ。
我輩はなすがまま、なされるがまま、まな板の上のコイ状態なのだ。なるようになれなのだ。
何人か面白おかしく、見学してる配下もいるのだ。見てないで助けて欲しいのだ。
「ちょっと、グリモン! ぽっちんになにしてるのさ! ・・・あ、楽しそう。ボクもやりたい!」
また面倒なのが来たのだ。アースドラゴンのアドラン、精霊のジンに次ぐ3人目の我輩直轄の配下、魔エルフのマルフなのだ。
魔エルフって何なのだ? と本人に聞いたら、人と魔人の関係と同じような感じで、エルフに対して魔エルフという種族が居るんだと言っていたのだ。エルフではあるが、どちらかと言えば妖精に近い感じらしいく、体内には魔石もあり魔物にカテゴライズされているのだ。
優秀だけど、イタズラ好きな困ったちゃんなのだ。そして我輩の事をぽっちんって呼ぶのだ。微妙に恥ずかしいのだ。
「どうせなら、このフサフサの毛に色を付けたらどうかな!?」
悪魔に悪魔な提案をするマルフ。
「あら、良いわねぇ。何色がいいかしら、」
危険なのだ! この2人が揃うと危険なのだ! この1年でイヤと言う程学んだのだ。我輩、いつもおもちゃにされるのだ。ここは一先ず・・・。
「ダメよぉ。ボス逃げようとしてるでしょ? 雰囲気で丸分かりよぉ。イエモン!」
「ガッテンでやんす!」
我輩が逃げようと考えてたら、先読みしたグリモンが黄色の悪魔に指示を出したのだ。元々はイエローと呼ばれていたけど、今はイエモンなのだ。名前にツッコミを入れる事はタブーとは言え、イエモンって・・・。お茶なのだ? ロックバンドなのだ?
そしてこのイエモン、元々は索敵が得意な悪魔だったが、配下に加わってからは結界系のスキルも覚えたのだ。つまり・・・。
「《多重結界》でやんす!」
「ふふっ。さあボス、もうこの部屋からは逃げられないわよぉ」
退路が結界で塞がれたのだ。もちろん、本気を出したらイエモンの結界くらい破壊できるのだ。だけど、配下の悪ふざけに本気を出すのも大人気ない気がするので、それは出来ないのだ。・・・ん? 我輩まだ6歳だから、大人じゃないのだ? 大人じゃないのに大人気ない。哲学なのだ。
そして、リボンやフリフリな飾りを付けられていく我輩。
更に、カラフルな色に染め上げられていく我輩。
誕生日なのに何かの罰ゲームなのだ!? 配下のみんなも毎日頑張ってくれているし、たまには息抜きも必要だと、割り切るしかないのかなのだ!?
〈殿ー! 殿ー!〉
む! 救世主なのだ! 救世主現るなのだ! 話がそらせるのだ。
「アドランから【念話】連絡なのだ。ちょっと止まるのだ!」
「あら、仕方ないわねぇ」
何とか止まってくれたのだ。何だかんだ言いながらも、我輩の言う事はちゃんと聞いてくれるのが救いなのだ。
〈アドランどうしたのだ?〉
〈今日は殿の誕生日だと聞いたでござる。6歳おめでとうでござるよ〉
そ、それだけ? お祝いは嬉しいけど、それだけなのだ? アドランは我輩の救世主じゃなかったのだ!?
〈アドラン、ありがとうなのだ。でもそれだけなのだ? 我輩、今自尊心が大ピンチなのだ。鏡がないから何とか自尊心を保っているのだ! 【念話】終わっちゃうのだ?〉
〈何が起きているかは、分からないでござるが、本題はまだあるでござる。待って欲しいでござる〉
やっぱり救世主なのだ。さあ、このバカ騒ぎを吹き飛ばすような話をするのだ。因みにボケは必要ないのだ。本題をよろしくなのだ。
〈それじゃあ、早速本題でござる。この階層の、階層主の部屋と思われる扉を発見したでござる。結構大きな扉で、大きなハンマーの装飾が施されてるでござる〉
〈おお! ついに発見なのだ!? 我輩も直ぐに向かうのだ!〉
この階層の探索を始めて早16日。結構かかったのだ。
このダンジョンは10階層毎に階層主が配置されている。ここは約1年前に悪魔5人を仲間にしてから丁度30階層進んだところなのだ。
人海戦術で攻略も効率的に進んでいるとは言え、ダンジョンの複雑性も上がってきているし、出現する魔物も凶悪になってきているのだ。中々先に進めないのだ。
「ストップ! ストップなのだ! ついに階層主の扉が発見されたのだ。先に行くのだ。みんな付いてくるのだ。イエモンは結界解除なのだ」
我輩がそう言うと、イエモンはすぐに結界を解除してくれたのだ。結界の解除を確認すると我輩は【マップ】でアドランを把握して【転移】する。
【転移】はここ10階層前の階層主を倒した時に習得したスーパーレアスキルで、行ったことのある場所に瞬時に移動できるスキルなのだ。移動出来る対象は自分だけなのだが、【マップ】と組み合わせたら、行ったことなくてもマーキングしてある知り合いのところに移動出来るチートスキルになったのだ。
しかし、急いで【転移】してしまったので、次のマルフの台詞を聞き逃したのが、後々悔やまれたのだ。
「あ、ぽっちん。体がカラフルでリボンがついたままだよ・・・って、あーもう行っちゃった。仕方ない。ボクもいこうかな」
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