神の魔力と紙防御 ~転生で神の魔力を貰ったけど、同時に貰ったのは紙の防御力になりました。これは祝福ですか? いいえ、呪いです〜

双華

文字の大きさ
上 下
21 / 23
第1章 地方都市ガメル(仮

第15話 続・来客のようです

しおりを挟む
久々の更新です。すみません。
次はもう少し早くします!
────────────

 初めての依頼をこなした次の日、今日はギルドに昨日の依頼の報告と訓練に行く予定である。

 謎の予言についてはとりあえず深く考えない事にした。考えても分からないし!


 今はいつも通り、サラさんとカミラと3人で質素だけど楽しい朝食タイムだ。

「へぇ、今日ケイはギルドの訓練なんだ? 頑張ってね」

 カミラに言われなくても、もちろん頑張るつもりだ。合格を貰って街の外にも出てみたいからね。

───ガン!ガン!

 そんな感じで朝食を楽しんでいると、こちらもいつも通り、壁を蹴るような音が聞こえてきた。

 想定していなかったその音にビクッとなり、その衝撃でまたどこかの骨が折れた。防御力マイナス半端ないっす。うう、痛い・・・。あ、治った。

 でもおかしいな。音の原因は昨日排除したはずなんだけどなぁ。

「あらあら、今日もお客様かしら?」

 サラさんは今日も平常運転だ。

「何だろう? ちょっと見てきますね」

 そう言って俺は席を立つ。

「ケイ、気をつけてね」

「もちろん、気をつけるよ」

 痛いのは嫌だからね。もう既に痛い目にあったけど。


 扉を開けて外に出る。するとそこには昨日の2人が居た。ヤスとか呼ばれていた小太りの男と細身のチンピラ風の男だ。

「いらっしゃいませ。本日は我が教会にどのような御用事でしょうか?」

 とりあえず昨日と同じセリフを言ってみたものの、こいつらは1日で釈放されたんだろうか?

 お役所仕事と言えば無駄に時間がかかるイメージなのに、この世界の役所はスピーディーなのかな? でも明らかに一般市民に迷惑を掛けている奴らを直ぐ釈放とかしちゃダメでしょ。

「で、出てきやしたぜ」

「だ、大丈夫だ。今日は用心棒の先生が居る。
 先生! お願いします」

 細身の男がそう言うと、少し後ろの路地裏から大柄な男が出てきた。身長は2メートル近くあり、筋肉隆々。髪はボサボサ。髭も生え放題のその姿は毛皮の服とか着せたら盗賊の頭領かと思えるほどだ。残念ながら普通の革鎧を着ている。

「おいおい、お前らこんなガキにやられたのか? マジかよ。
 ま、俺は報酬さえ貰えば良いから、どんな相手でも容赦はしないがな! ガハハハ」

「おい、ガキ! このお方はこの街で最強、Bランク冒険者のトメト様だ。
 昨日のようにはいかないぜ!」

 どうやら地上げ屋の2人は冒険者を用心棒に雇ったらしい。その用心棒は未だにガハハと笑っている。

《・・・隙だらけですが、拘束しますか?》

 知識の泉が提案してくる。

 あ、うん。お願いします。色々言われると五月蝿そうだったので口も塞いでおいて?

《それでは森魔法・捕縛の蔦を発動します》

「ガハハ・・・。は? ムグゥ! ムグゥ!」

 結果、あっと言う間に盗賊の頭領、もといBランク冒険者のトメトさんは拘束されてしまった。

 油断をしてたのかも知れないけど、Bランク冒険者でもサクッと拘束できる森魔法ヤバイです。いや、まだこの人が弱いだけで、普通のBランク冒険者には通用しないって説も残って──

《魔力を込めれば込めるほど、蔦の強度や速度は上がります。マスターの神の魔力ならドラゴンでも拘束可能でしょう》

 ──なかった。何? やっぱりドラゴンとかいるの? しかも拘束出来ちゃうの? あー、うん、まあ、いいや。(現実逃避)

「えっと・・・さて、頼みの綱の先生は拘束しましたが、どうしますか?」

 気を取り直して、一瞬で拘束されてしまった用心棒を見て唖然としている2人に声をかける。

「や、ヤス。ずらかるぞ!」

 いやいや、今逃すとまた明日もやって来そうだし、逃す訳ないでしょ?

《森魔法・捕縛の蔦を発動します》

 ドラゴンをも拘束する(らしい)この蔦から、たかが地上げ屋が逃れられる訳もなく。数秒後には2人も拘束されてその場に転がっていた。

「さて、昨日確かに憲兵に引き渡したはずでしたが、何で今日もここに居るのでしょうか?」

 俺は笑顔で2人に問いかける。

「ひ、ひぃぃ。こ、殺さないでくれ!」

 目は笑っていない俺の笑顔を見て、そんな事を言い出した。そんな怖い顔をしてたかな?

「人聞きが悪いですね。さすがに殺したりはしないですよ? ちょっと痛い目にはあってもらうかも知れないですが」

 と思ったけど、朝早い時間とは言え人通りも増えてくるので、まずは教会うちの中にご招待しましょう。

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?

伽羅
ファンタジー
 転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。  このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。  自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。 そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。 このまま下町でスローライフを送れるのか?

【スキルコレクター】は異世界で平穏な日々を求める

シロ
ファンタジー
神の都合により異世界へ転生する事になったエノク。『スキルコレクター』というスキルでスキルは楽々獲得できレベルもマックスに。『解析眼』により相手のスキルもコピーできる。 メニューも徐々に開放されていき、できる事も増えていく。 しかし転生させた神への謎が深まっていき……?どういった結末を迎えるのかは、誰もわからない。

魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜

西園寺わかば
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。 4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。 そんな彼はある日、追放される。 「よっし。やっと追放だ。」 自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。 - この話はフィクションです。 - カクヨム様でも連載しています。

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった! でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、 他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう! 主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!? はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!? いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。 色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。 *** 作品について *** この作品は、真面目なチート物ではありません。 コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております 重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、 この作品をスルーして下さい。 *カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

異世界転生!俺はここで生きていく

おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。 同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。 今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。 だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。 意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった! 魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。 俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。 それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ! 小説家になろうでも投稿しています。 メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。 宜しくお願いします。

世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜

ワキヤク
ファンタジー
 その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。  そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。  創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。  普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。  魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。  まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。  制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。  これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

神に同情された転生者物語

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。 すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。 悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。

処理中です...