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第1章 地方都市ガメル(仮
第15話 続・来客のようです
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久々の更新です。すみません。
次はもう少し早くします!
────────────
初めての依頼をこなした次の日、今日はギルドに昨日の依頼の報告と訓練に行く予定である。
謎の予言についてはとりあえず深く考えない事にした。考えても分からないし!
今はいつも通り、サラさんとカミラと3人で質素だけど楽しい朝食タイムだ。
「へぇ、今日ケイはギルドの訓練なんだ? 頑張ってね」
カミラに言われなくても、もちろん頑張るつもりだ。合格を貰って街の外にも出てみたいからね。
───ガン!ガン!
そんな感じで朝食を楽しんでいると、こちらもいつも通り、壁を蹴るような音が聞こえてきた。
想定していなかったその音にビクッとなり、その衝撃でまたどこかの骨が折れた。防御力マイナス半端ないっす。うう、痛い・・・。あ、治った。
でもおかしいな。音の原因は昨日排除したはずなんだけどなぁ。
「あらあら、今日もお客様かしら?」
サラさんは今日も平常運転だ。
「何だろう? ちょっと見てきますね」
そう言って俺は席を立つ。
「ケイ、気をつけてね」
「もちろん、気をつけるよ」
痛いのは嫌だからね。もう既に痛い目にあったけど。
扉を開けて外に出る。するとそこには昨日の2人が居た。ヤスとか呼ばれていた小太りの男と細身のチンピラ風の男だ。
「いらっしゃいませ。本日は我が教会にどのような御用事でしょうか?」
とりあえず昨日と同じセリフを言ってみたものの、こいつらは1日で釈放されたんだろうか?
お役所仕事と言えば無駄に時間がかかるイメージなのに、この世界の役所はスピーディーなのかな? でも明らかに一般市民に迷惑を掛けている奴らを直ぐ釈放とかしちゃダメでしょ。
「で、出てきやしたぜ」
「だ、大丈夫だ。今日は用心棒の先生が居る。
先生! お願いします」
細身の男がそう言うと、少し後ろの路地裏から大柄な男が出てきた。身長は2メートル近くあり、筋肉隆々。髪はボサボサ。髭も生え放題のその姿は毛皮の服とか着せたら盗賊の頭領かと思えるほどだ。残念ながら普通の革鎧を着ている。
「おいおい、お前らこんなガキにやられたのか? マジかよ。
ま、俺は報酬さえ貰えば良いから、どんな相手でも容赦はしないがな! ガハハハ」
「おい、ガキ! このお方はこの街で最強、Bランク冒険者のトメト様だ。
昨日のようにはいかないぜ!」
どうやら地上げ屋の2人は冒険者を用心棒に雇ったらしい。その用心棒は未だにガハハと笑っている。
《・・・隙だらけですが、拘束しますか?》
知識の泉が提案してくる。
あ、うん。お願いします。色々言われると五月蝿そうだったので口も塞いでおいて?
《それでは森魔法・捕縛の蔦を発動します》
「ガハハ・・・。は? ムグゥ! ムグゥ!」
結果、あっと言う間に盗賊の頭領、もといBランク冒険者のトメトさんは拘束されてしまった。
油断をしてたのかも知れないけど、Bランク冒険者でもサクッと拘束できる森魔法ヤバイです。いや、まだこの人が弱いだけで、普通のBランク冒険者には通用しないって説も残って──
《魔力を込めれば込めるほど、蔦の強度や速度は上がります。マスターの神の魔力ならドラゴンでも拘束可能でしょう》
──なかった。何? やっぱりドラゴンとかいるの? しかも拘束出来ちゃうの? あー、うん、まあ、いいや。(現実逃避)
「えっと・・・さて、頼みの綱の先生は拘束しましたが、どうしますか?」
気を取り直して、一瞬で拘束されてしまった用心棒を見て唖然としている2人に声をかける。
「や、ヤス。ずらかるぞ!」
いやいや、今逃すとまた明日もやって来そうだし、逃す訳ないでしょ?
《森魔法・捕縛の蔦を発動します》
ドラゴンをも拘束する(らしい)この蔦から、たかが地上げ屋が逃れられる訳もなく。数秒後には2人も拘束されてその場に転がっていた。
「さて、昨日確かに憲兵に引き渡したはずでしたが、何で今日もここに居るのでしょうか?」
俺は笑顔で2人に問いかける。
「ひ、ひぃぃ。こ、殺さないでくれ!」
目は笑っていない俺の笑顔を見て、そんな事を言い出した。そんな怖い顔をしてたかな?
「人聞きが悪いですね。さすがに殺したりはしないですよ? ちょっと痛い目にはあってもらうかも知れないですが」
と思ったけど、朝早い時間とは言え人通りも増えてくるので、まずは教会の中にご招待しましょう。
次はもう少し早くします!
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初めての依頼をこなした次の日、今日はギルドに昨日の依頼の報告と訓練に行く予定である。
謎の予言についてはとりあえず深く考えない事にした。考えても分からないし!
今はいつも通り、サラさんとカミラと3人で質素だけど楽しい朝食タイムだ。
「へぇ、今日ケイはギルドの訓練なんだ? 頑張ってね」
カミラに言われなくても、もちろん頑張るつもりだ。合格を貰って街の外にも出てみたいからね。
───ガン!ガン!
そんな感じで朝食を楽しんでいると、こちらもいつも通り、壁を蹴るような音が聞こえてきた。
想定していなかったその音にビクッとなり、その衝撃でまたどこかの骨が折れた。防御力マイナス半端ないっす。うう、痛い・・・。あ、治った。
でもおかしいな。音の原因は昨日排除したはずなんだけどなぁ。
「あらあら、今日もお客様かしら?」
サラさんは今日も平常運転だ。
「何だろう? ちょっと見てきますね」
そう言って俺は席を立つ。
「ケイ、気をつけてね」
「もちろん、気をつけるよ」
痛いのは嫌だからね。もう既に痛い目にあったけど。
扉を開けて外に出る。するとそこには昨日の2人が居た。ヤスとか呼ばれていた小太りの男と細身のチンピラ風の男だ。
「いらっしゃいませ。本日は我が教会にどのような御用事でしょうか?」
とりあえず昨日と同じセリフを言ってみたものの、こいつらは1日で釈放されたんだろうか?
お役所仕事と言えば無駄に時間がかかるイメージなのに、この世界の役所はスピーディーなのかな? でも明らかに一般市民に迷惑を掛けている奴らを直ぐ釈放とかしちゃダメでしょ。
「で、出てきやしたぜ」
「だ、大丈夫だ。今日は用心棒の先生が居る。
先生! お願いします」
細身の男がそう言うと、少し後ろの路地裏から大柄な男が出てきた。身長は2メートル近くあり、筋肉隆々。髪はボサボサ。髭も生え放題のその姿は毛皮の服とか着せたら盗賊の頭領かと思えるほどだ。残念ながら普通の革鎧を着ている。
「おいおい、お前らこんなガキにやられたのか? マジかよ。
ま、俺は報酬さえ貰えば良いから、どんな相手でも容赦はしないがな! ガハハハ」
「おい、ガキ! このお方はこの街で最強、Bランク冒険者のトメト様だ。
昨日のようにはいかないぜ!」
どうやら地上げ屋の2人は冒険者を用心棒に雇ったらしい。その用心棒は未だにガハハと笑っている。
《・・・隙だらけですが、拘束しますか?》
知識の泉が提案してくる。
あ、うん。お願いします。色々言われると五月蝿そうだったので口も塞いでおいて?
《それでは森魔法・捕縛の蔦を発動します》
「ガハハ・・・。は? ムグゥ! ムグゥ!」
結果、あっと言う間に盗賊の頭領、もといBランク冒険者のトメトさんは拘束されてしまった。
油断をしてたのかも知れないけど、Bランク冒険者でもサクッと拘束できる森魔法ヤバイです。いや、まだこの人が弱いだけで、普通のBランク冒険者には通用しないって説も残って──
《魔力を込めれば込めるほど、蔦の強度や速度は上がります。マスターの神の魔力ならドラゴンでも拘束可能でしょう》
──なかった。何? やっぱりドラゴンとかいるの? しかも拘束出来ちゃうの? あー、うん、まあ、いいや。(現実逃避)
「えっと・・・さて、頼みの綱の先生は拘束しましたが、どうしますか?」
気を取り直して、一瞬で拘束されてしまった用心棒を見て唖然としている2人に声をかける。
「や、ヤス。ずらかるぞ!」
いやいや、今逃すとまた明日もやって来そうだし、逃す訳ないでしょ?
《森魔法・捕縛の蔦を発動します》
ドラゴンをも拘束する(らしい)この蔦から、たかが地上げ屋が逃れられる訳もなく。数秒後には2人も拘束されてその場に転がっていた。
「さて、昨日確かに憲兵に引き渡したはずでしたが、何で今日もここに居るのでしょうか?」
俺は笑顔で2人に問いかける。
「ひ、ひぃぃ。こ、殺さないでくれ!」
目は笑っていない俺の笑顔を見て、そんな事を言い出した。そんな怖い顔をしてたかな?
「人聞きが悪いですね。さすがに殺したりはしないですよ? ちょっと痛い目にはあってもらうかも知れないですが」
と思ったけど、朝早い時間とは言え人通りも増えてくるので、まずは教会の中にご招待しましょう。
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