神の魔力と紙防御 ~転生で神の魔力を貰ったけど、同時に貰ったのは紙の防御力になりました。これは祝福ですか? いいえ、呪いです〜

双華

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第1章 地方都市ガメル(仮

第9話 仕事をきめます

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 地上げ屋の2人は、しばらくしてカミラに連れられてやってきた憲兵に連行された。

 因みに森魔法・捕縛の蔦は半日で消えるように設定しておいたので牢屋に入れるまでは持つだろう。

「便利な魔法もあるもんだな。お前さん中々レアな天職を頂いたみたいで、羨ましい限りだ。
 俺はありきたりな剣士だからな」

 憲兵の人はそんなこと言いながら、一緒に来ていた男に地上げ屋を担がせると帰って行った。

 1人で2人の地上げ屋を担ぐとか、この人の天職は運び屋とか運搬屋とか、そんな感じなんだろうか?

《そうですね。運搬スキルで運搬物の重さが4割くらいになるようです》

 中々に中途半端な感じだけど、この世界はそれが普通だ。俺の天職森の賢者がおかしすぎるんだ。

 因みに、俺のスキルについて便利な魔法で済まされて詮索されなかったのは、この世界の不文律のような物だ。

 基本的に他人の天職を詮索してはならない。何故なら神から授けられる神聖なモノだから。という不文律だ。

 その神様を知ってしまってる俺からしたら、神聖もクソも無いんだけど。

 鑑定についても基本的に持っている人はほぼ居ない。持っているのはとてもレアな天職の人か、それこそ転移者くらいかな? 俺は更に管理者権限で細かく見れちゃうらしいけどね。

《はい。現在この世界の人間で鑑定を持っているのは国に1人~2人くらいです。とても重宝されるスキルですね。
 鑑定の魔道具も有りますが、使い勝手が悪かったりします》

 なるほど、その方向で仕事を探すのもアリなのかな?

《それはお勧めしません。昨日のサラ様のお話にもあったように、貴重な天職や貴重なスキルを持っている事が分かれば、軟禁され自由はほぼなくなるでしょう》

 あー、そうか。賢者系の天職もヤバいって話だったね。鑑定もヤバいか。それじゃあ、どうしようかな。

《選択肢は多数ありますが、当面は冒険者で問題ないかと考えます。寧ろ冒険者にすべきです》

 おおぅ。なんかグイグイ来るね。でも冒険者かぁ。知識の泉に言われて、ケイ少年の知識にある冒険者を思い浮かべる。

 雑用から護衛、素材の採取に魔物退治まで幅広く手掛ける職業。凡そ想像通りだ。

 この世界は神様が日本のゲームや小説をリスペクトして創った世界っぽいし、まあ当然と言えば当然かな。

 ケイ少年も手に職を持っていたわけじゃないし、当面は冒険者で良いのかな?

 そうと決まれば、善は急げだ。

「サラさん、ちょっと出かけて来ますね」

「あらあら、お出かけかしら? 気を付けて行ってくるのよー」

「あっ、ケイどこかに行くの? 私も付いて行っていいかしら?」

 カミラはそう言うが、俺はこれから就職しに行くのだ。家族同伴で行く訳にはいかない。

「いや、俺は今から職に就くため冒険者ギルドに行こうと思うんだ。さすがに一緒には行けないよ」

・・・冒険者ギルドへの登録は就職で良いんだろうか? まあ、細かい事は気にしない。

「えっ! ケイ冒険者になるの!? あんな危険な仕事、ケイにできるの?」

「さっきの地上げ屋たちとのやり取り見てたでしょ? 素晴らしい天職を授かったから大丈夫だよ」

 心配してくれるのはありがたいけど、かといって他の仕事もね。冒険者なら手っ取り早く稼げそうなのも良いし。いや、本来はそんなに甘くないんだろうけど、この天職とスキルなら何とかなるだろう。

「うふふ、カミラちゃん。ケイなら心配しなくても大丈夫よぉ。きっと上手くやるわ」

「そうかしら? 心配だけどサラさんがそう言うなら、私が止める訳にもいかないよね。
 でも、くれぐれも危ない事はしないでね!」

 冒険者が危険な事をしなかったら、何も出来ないような気もするんだけど。

「分かった。出来るだけ危険な依頼は受けないよ。
 だから安心してね」

 とりあえず、こう言わないとこの場は収まりそうにないので、そう言って頷いておいた。

 よし、気を取り直して冒険者ギルドに行きますか!
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