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第1章 地方都市ガメル(仮
第8話 捕縛しました
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「ちっ! 何の手品だ!? 急にガキが増えやがったぞ。どうなってやがるんだ!」
良い感じに混乱してくれているので、今の内に確認しよう。どうやったらこの分身体は動いてくれるんだろうか?
《基本スタンスを決めて頂けると、私が動かします。
その内、慣れたらマスターもマニュアルで何体かは同時に動かせるようになりますよ》
出来るのかな? 思考加速とか、並列思考とかそんな感じのスキルが必要な気がする。
《あ、説明していませんでしたが、魔力を消費する事で思考の加速は可能です。
と言っても、常人なら精々2倍の加速を数秒が限界ですけどね》
神の魔力を持つ俺なら?
《10倍程度の加速なら無制限で可能ですね。
因みに、この頭の中のやり取りは加速10倍程度の速度で行われています》
知識の泉とやり取りをしている間は時が止まったように感じるとは思っていたけど、そう言う事だったのか。
《それで分身体の基本スタンスはどうしますか?》
基本スタンスか。ガンガン行こうぜとか、命を大事にでいいのかな?
《それはアバウト過ぎるので、もう少し細かくお願いします》
あ、ごめん冗談だよ。それじゃあ、俺に危害を加えないように、取り押さえるだけで良いよ。
とりあえず捕まえて役所に引き渡そう。本当は殺人罪なんだけど、俺は生きてるから、脅迫と暴行の容疑で。まあ、ケイ少年も仮死状態で死んではいないので、結果的には殺人未遂なんだけど証明出来ないしね。
《承知しました。捕獲する際に腕の2本か3本は折ってしまっても構わないでしょうか?》
いえ、人間には腕は2本しかありません。とりあえず取り押さえるだけで頼むよ。
《冗談です。では、サクッと終わらせますね》
冗談で返されてしまった。スキルなのに結構人間臭いところもあるんだね。
そんな事を考えていると、先頭の列の右端に居た俺が消える。
正確には消えたような速さで細い奴の方に移動したようで、次の瞬間には細い奴が取り押さえられていた。
「ぐはっ! な、何だ? 何が起きた!?」
細い奴も気付かない間に取り押さえられたようだ。世界最強の戦士レベルのステータス半端ないな。少なくとも加速していても俺の目には捉えられない速さだった。
もしかして10人も出す必要なかった?
《取り押さえましたが、森魔法・捕縛の蔦で捕縛しますか?》
ロープの代わりに蔦で拘束するって事かな? よろしく。
森魔法万能過ぎるな。
《それでは森魔法・捕縛の蔦を発動します》
そうすると、俺の足元から蔦が伸びていき、気を失っているヤスと細い奴をグルグル巻きにしてしまった。
良かった。今回は予想通りの魔法だった。
《捕縛の蔦は対象者が死なない程度に生命力・体力・魔力を吸い取り続けますので、捕縛した対象は逃亡する元気すらなくなります。奪ったモノは見えない魔力の繋がりで、マスターに還元されます》
あ、はい。これまた予想以上でした。でも、逃げる事も出来ないなら好都合かな。このまま役所に突き出そう。
「サラさん、カミラ。もう出てきても大丈夫ですよ」
地上げ屋が2人とも動けない事を確認したら、部屋で待っていてと言ったのに入口の隙間から覗いていた2人に出てくるように促す。
「うふふ、森の賢者って凄いのねぇ。
まさか捕まえちゃうなんて思わなかったわー」
「ホント、心配したんだからねっ!
何なのよその魔法は。どうしてケイが10人もいるのよ」
あっと、分身体を消すの忘れてた。消しておこう。
「心配かけてすみませんでした。
天職と一緒に覚えたスキルで何とかなりそうだったので」
いや、しかし森魔法が予想以上、と言うか予想の斜め上で助かった。
自動回復があるから、最悪でも死ぬことはないだろうし、昨日みたいに殴られて吹っ飛べば、満足して帰ってくれるかなとか思ってたんだよね。
「カミラ、俺はこの2人を見張ってるから憲兵を呼んできてくれるかな?」
「そうね。あの腰の重い憲兵たちでも現行犯で捕縛したコイツらなら連れて行ってくれるわよね」
教会として、何度も憲兵に助けを求めてはいたが、地上げなどは他でも行われていて、特定の場所に張り込むなどは出来ないと断られていたのだ。
今回はもう捕まえて縛ってあるので、連れて行って然るべき対応をしてくれるだろう。
そう、地上げ屋の騒動はこれで一件落着。この時の俺はそう簡単に考えていた。
良い感じに混乱してくれているので、今の内に確認しよう。どうやったらこの分身体は動いてくれるんだろうか?
《基本スタンスを決めて頂けると、私が動かします。
その内、慣れたらマスターもマニュアルで何体かは同時に動かせるようになりますよ》
出来るのかな? 思考加速とか、並列思考とかそんな感じのスキルが必要な気がする。
《あ、説明していませんでしたが、魔力を消費する事で思考の加速は可能です。
と言っても、常人なら精々2倍の加速を数秒が限界ですけどね》
神の魔力を持つ俺なら?
《10倍程度の加速なら無制限で可能ですね。
因みに、この頭の中のやり取りは加速10倍程度の速度で行われています》
知識の泉とやり取りをしている間は時が止まったように感じるとは思っていたけど、そう言う事だったのか。
《それで分身体の基本スタンスはどうしますか?》
基本スタンスか。ガンガン行こうぜとか、命を大事にでいいのかな?
《それはアバウト過ぎるので、もう少し細かくお願いします》
あ、ごめん冗談だよ。それじゃあ、俺に危害を加えないように、取り押さえるだけで良いよ。
とりあえず捕まえて役所に引き渡そう。本当は殺人罪なんだけど、俺は生きてるから、脅迫と暴行の容疑で。まあ、ケイ少年も仮死状態で死んではいないので、結果的には殺人未遂なんだけど証明出来ないしね。
《承知しました。捕獲する際に腕の2本か3本は折ってしまっても構わないでしょうか?》
いえ、人間には腕は2本しかありません。とりあえず取り押さえるだけで頼むよ。
《冗談です。では、サクッと終わらせますね》
冗談で返されてしまった。スキルなのに結構人間臭いところもあるんだね。
そんな事を考えていると、先頭の列の右端に居た俺が消える。
正確には消えたような速さで細い奴の方に移動したようで、次の瞬間には細い奴が取り押さえられていた。
「ぐはっ! な、何だ? 何が起きた!?」
細い奴も気付かない間に取り押さえられたようだ。世界最強の戦士レベルのステータス半端ないな。少なくとも加速していても俺の目には捉えられない速さだった。
もしかして10人も出す必要なかった?
《取り押さえましたが、森魔法・捕縛の蔦で捕縛しますか?》
ロープの代わりに蔦で拘束するって事かな? よろしく。
森魔法万能過ぎるな。
《それでは森魔法・捕縛の蔦を発動します》
そうすると、俺の足元から蔦が伸びていき、気を失っているヤスと細い奴をグルグル巻きにしてしまった。
良かった。今回は予想通りの魔法だった。
《捕縛の蔦は対象者が死なない程度に生命力・体力・魔力を吸い取り続けますので、捕縛した対象は逃亡する元気すらなくなります。奪ったモノは見えない魔力の繋がりで、マスターに還元されます》
あ、はい。これまた予想以上でした。でも、逃げる事も出来ないなら好都合かな。このまま役所に突き出そう。
「サラさん、カミラ。もう出てきても大丈夫ですよ」
地上げ屋が2人とも動けない事を確認したら、部屋で待っていてと言ったのに入口の隙間から覗いていた2人に出てくるように促す。
「うふふ、森の賢者って凄いのねぇ。
まさか捕まえちゃうなんて思わなかったわー」
「ホント、心配したんだからねっ!
何なのよその魔法は。どうしてケイが10人もいるのよ」
あっと、分身体を消すの忘れてた。消しておこう。
「心配かけてすみませんでした。
天職と一緒に覚えたスキルで何とかなりそうだったので」
いや、しかし森魔法が予想以上、と言うか予想の斜め上で助かった。
自動回復があるから、最悪でも死ぬことはないだろうし、昨日みたいに殴られて吹っ飛べば、満足して帰ってくれるかなとか思ってたんだよね。
「カミラ、俺はこの2人を見張ってるから憲兵を呼んできてくれるかな?」
「そうね。あの腰の重い憲兵たちでも現行犯で捕縛したコイツらなら連れて行ってくれるわよね」
教会として、何度も憲兵に助けを求めてはいたが、地上げなどは他でも行われていて、特定の場所に張り込むなどは出来ないと断られていたのだ。
今回はもう捕まえて縛ってあるので、連れて行って然るべき対応をしてくれるだろう。
そう、地上げ屋の騒動はこれで一件落着。この時の俺はそう簡単に考えていた。
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