神の魔力と紙防御 ～転生で神の魔力を貰ったけど、同時に貰ったのは紙の防御力になりました。これは祝福ですか？ いいえ、呪いです〜

プロローグ

プロローグ②

「祝福３つ！？」

　その破格の内容に、俺は思わず大きな声で聞き返す。

「そう、３つだよー。
　通常は１つ、１０人目や２０人目の区切りの人は２つプレゼントしてきたんだ。
　１００人目の君は３つプレゼントするよ！」

　３つか・・・。それならガチャにしても全部ハズレって事はないとは思うけど・・・。

「２つガチャで１つ選択ってのは・・・」

「うん、無しだね。ガチャを３回か、無難な祝福を３つ選ぶか、どちらかだよ」

　やっぱりそんなに甘くないかぁ。って何か流されてたけど、そもそも本当に神様なんだろうか？　ノリは軽いし、俺は死んだって実感もないし。

　まあ、それは今考えても仕方ないか。このまま流れに身を任せよう。

「因みにガチャはどんな確率ですか？」

「お、ガチャやってくれるのかな？
　折角準備したのに無難な祝福を選ぶ人が多くてね。
　それで、ガチャの内訳だけど、ハズレは控えめに４パーセント、そして選択式にした場合と同じような内容の無難な祝福が３０パーセント、残りの６１パーセントは通常選択出来ないレアな祝福でレアが４０パーセント、激レアが２０パーセント、そして超激レアが１パーセントだよ！
　ガチャの性質上、レア度が高くても内容を選べないけど、性能は破格だからね」

　なるほど、レア以上が６割オーバーなら３回回せばほぼ出るだろう。

　そうだ、一応内容も確認しておかないと。

「ん？　祝福の内容かい？
　そしたらまずボクの世界の仕組みの説明からだね。
　まずは最初に言ったように、ステータス制だよ。
　生命力、体力、魔力、攻撃力、防御力、速さの６種類だ。
　平均的な成人男性がレベル１０でステータス値１００前後だよ。後、上限値は９９９９に設定してある。
　そして、祝福の内容だけど選択できるステータス系だと、生命力２倍とか体力２倍とかだね。
　それがガチャのレアだと４倍、激レアだと１０倍になる。後、激レアには生命力限界突破みたいな祝福もあって９９９９以上にステータスを上げられるようになるよ。
　そうなると超激レアが気になるよね？　気になるって言って？
　何と、超激レアは神の生命力や神の体力と言って、システム上の上限値に固定されるんだ。９９９９じゃないよ。システムの上限だ。まだ引いた人は居ないけどね」

　ふむふむ。俺はゲーム好きだったから何となく理解できるけど、転生者がみんな俺みたいなゲーム好きとは限らないから、理解しないまま転生した人も居るんじゃないかな。

　でも、レアでもステータス４倍は魅力的だな。超激レアは期待してないけど、激レアくらいなら運が良かったら１つくらい出るかも知れない。

「後はスキル系の祝福だね。
　その前にスキルについての説明だ。
　ボクの世界は１５歳になったら全員、天職と言うモノを与えられる。
　あ、与えるのはボクなんだけど、システムで自動化してるから、ボクが関与する事は滅多にないかな。
　そして、スキルはそれぞれの天職毎に覚えられるモノが決まってるよ。誰でも覚えられるスキルもあるけどね。
　例えば天職が剣士だと、剣のスキルや攻撃力アップとか、魔法使いだと火魔法や風魔法とかね。
　後、料理人なら料理とか鍛治師なら鍛治とかかな？
　転生者に関しては祝福次第で最適な天職を付与する事にしてるから安心してね」

　説明長いな・・・。でも大事な所だから聞いておかないと。

「それで、スキル系の祝福だけど選べる範囲では武器系スキルレベル＋１とか、魔法系スキル＋１とかだね。レアになると＋２、激レアだと＋５だよ。
　スキルレベルはスキルを使い続けると上がっていくんだけど、そう簡単には上がらなくてレベル１が普通、２で熟練者、３で達人の域、４以上はほぼ居ない。５になるともう伝説級だ。スキルレベルは一応１０まであるんだけどね。
　そしてお察しの通り、超激レアを引くと＋１０だよ」

　ここまで聞いて、俺の心は既に固まった。もちろん・・・。

「ガチャにします！」

「その言葉を待ってたよー。
　じゃあ、早速行っとくかい？」

　神様が指をパチンと鳴らす。すると目の前に真っ赤なガチャマシンが現れた。

　高さが２メートルくらいあり、ハンドルも車のハンドルくらい大きい。

「先に説明しておくね。
　白はハズレ、銅がノーマル、銀がレア、金が激レアだよ。そして超激レアは虹色だ！」

　その説明を聞きながら俺は大きなハンドルを掴む。

「そいやぁぁぁ！」

　そして謎の掛け声と共にハンドルを回した。