41 / 89
第一章
41
しおりを挟む
エスルデ砦の入口を守る者に、討伐隊の正規軍の一人と思われる者が話しかけている。
「実はハモンド様の命を受けて、帝都より物資や兵士などが来ることになっている。」
たくさん来るなら上の方に話しといてくれと返答されたので、正規軍の者はそれについて言った。
「運び込みで来るだけなので、それほど大人数ではない。また、砦の上の方では、了解済みの話だ。
もしかしたら何回かにわけて来るかもしれない。来たらすぐ砦の中へ入れてくれ。」
上の方で話がついているのなら了解した、と入口の守備は言い、心の中で思った。
…砦の上の方が、帝国の一部の者に相当な金を握らされて、
何やら協力しているという噂があるが、どうやら本当のようだな。本来なら、帝国の人間をこんなに簡単に通したりしないからな。
しかも、ことは帝国の内部抗争に関わるものだという噂も、聞こえて来ていた。
首を突っ込まないほうが良さそうだ。下手すると自分の命が危ないかもわからない。
そやつらが来たら、何も考えずにすぐに通そう…
何かあっても、予め通せと言われてたので通しました、といえば、
こちらはそんなに問題にはならないはずだ。自分の命の方が遥かに大事だ。
彼は思い、交代になる仲間にもそう伝えたのだった。
実はギズモンドを追い落とそうと策謀を巡らせていたのは、何を隠そう、
同じ討伐隊の仲間である大貴族の子息ハモンドであった。
そして今会話した正規軍の男は、ハモンドの腰巾着だった。
彼は、ハリボテの魔王や炎を出す器具に使う材料が足りなくなってきたので、帝国に送るよう、依頼の使いをハモンドに変わって手配したところだった。
さらに、物資が届いた時に、門のところで変に運び込みを止められ、ギズモンド側に中身がさらされることがないよう、すぐ通せとここまで話をしに来ていたのだ。
ちなみにギズモンド側には、この件については、
こちらで滞在するため砦で不足する食糧や武器などの補充を頼んだと言い訳している。
念のため、目眩ましにそれらの物資も一式運んでこいと指示はだしたのだった。
一方、サタヴァは鍛冶屋の住まいの周辺を散策しているうちに、植物の種類がこれまでの地域と違うのに興味をそそられ、思ったより遠くまで来てしまっていた。
薬草は見つけた分は採取したが、きりがなさそうなのでここまでとした。
そろそろ戻らないといけない。
そう思いながら来た道を帰ろうとしている折、ふと木々に隠れるようにしてあった泉が目についた。
毒をもつ植物をじかに触ったことを思い出し、そこで少し体を洗った。
先程の匂いを出す植物の毒性がついたままだと、耐性をもつサタヴァは良くても、周りが具合が悪くなる可能性があるからだ。
ついでに垢も落とした。
鍛冶屋の住まいには入浴設備はあったが、知らない者が勝手に使うのはどうだろうかと思ったためでもある。
簡単に洗い終わった後で、何やら看板が立っているのに気づいた。
看板には「本日休業」とあった。サタヴァが読める字と帝国標準語の併記で記されていた。
サタヴァは泉の周りを見たが、店などはなかった。
店は潰れて、看板だけが残っていたのだろうかと思いながら、皆のいる鍛冶屋の住まいへ急いだ。
その頃、鍛冶屋の住まいでは、ヤトルがぼんやりと起きだし、クガヤはそこの風呂を沸かして入っていた。
風呂は水を汲んで、下から火を燃やして温めるたぐいのものだった。
井戸の近くに大きめの筒が設置されており、
一旦つるべで汲み上げた水を、筒の上の開いている部分に入れ、風呂桶のところまで水が流れて入る方式となっているのだ。
サタヴァが帰って来たら、クガヤが風呂からあがって来たとこで、
勝手に入って大丈夫かとか、何か言いたくなったサタヴァだったが、
あつい風呂に入ると毒が早く抜けるということを思い出し、
ヤトルから先に入らせ、結局自分も入った。
風呂上がりに、周りを見て来てなにかあったかと聞かれ、少しとってきた薬草を出したり、泉があったようだがここから遠いと話した。
「水については、ここのすぐそばの井戸を使えばいいから、そんなところまで行かなくていいんじゃないですかね?」
「泉かあ、誰もいなかったんなら、怪しい仙女の泉とやらじゃなさそうだな。」
一同は食事をした。
猫の明王ルクが出てきて、
サタヴァにクーンクーンと甘えて来たので、干し肉をほらお供えだぞといいながらルクにわけてあげた。
「鳴き方が犬みたいだな、この猫」クガヤがルクに指をかがせながら言う。
「ルクはアォーンと遠吠えも時々してるぞ」
「それ本当に猫なんですかね。この猫、アーシイアさんの仲間で、不思議な力持ってるんですよね。サタヴァさんの従魔ってやつですかね。」ヤトルはそう言いながらも、ルクをなぜなぜしている。
ルクは「サタヴァが従魔」とのべた。
この場合、「ルクは」という主語が
省略された形式とすると、ルクはサタヴァの従魔である、という意味になるが、そういう形式ではない。
ごく単純に、サタヴァの方が従魔、とルクは言っているのだった。
サタヴァはお世話をさせて頂いております、とルクに返事をした。
また、犬猫ではなく明王であるとルクは続いて言ったが、
ルクの話は全てサタヴァしか理解しておらず、
他の二人にはミャーオと鳴いてるようにしか聞こえないらしかった。
「ところで、少し前から、妙な夢を見るんだ。わりと怖い感じなんだ。
これから休むんだろうが、また見るかもわからん。」サタヴァが言った。
「あー、色々あったもんな、夢見も悪くなるさ。
ここに夢のためのお守りあるよ、これを近くに置いて寝たらいいかもしれないぞ?
悪い夢を絡め取ってくれるんだとさ」
クガヤが木枠に網や鳥の羽をはったお守りとやらを探してきて、サタヴァによこした。
「なんか良くここにあるものがわかってるよなあ」
「ガキの頃ここへ来た折に、色んな場所のぞき込んで嗅ぎ回ってたからな。
それにしても、おやじさん、俺のこと覚えててくれたらいいんだけどな。
大人になったからわからなくなったとか、俺を覚えてなかったとかなら、俺ただの空き巣みたいだからな。
なんか盗んだとかいうわけじゃないけどさ。」
サタヴァはそのお守りを近くに置いて休むようにした。
「実はハモンド様の命を受けて、帝都より物資や兵士などが来ることになっている。」
たくさん来るなら上の方に話しといてくれと返答されたので、正規軍の者はそれについて言った。
「運び込みで来るだけなので、それほど大人数ではない。また、砦の上の方では、了解済みの話だ。
もしかしたら何回かにわけて来るかもしれない。来たらすぐ砦の中へ入れてくれ。」
上の方で話がついているのなら了解した、と入口の守備は言い、心の中で思った。
…砦の上の方が、帝国の一部の者に相当な金を握らされて、
何やら協力しているという噂があるが、どうやら本当のようだな。本来なら、帝国の人間をこんなに簡単に通したりしないからな。
しかも、ことは帝国の内部抗争に関わるものだという噂も、聞こえて来ていた。
首を突っ込まないほうが良さそうだ。下手すると自分の命が危ないかもわからない。
そやつらが来たら、何も考えずにすぐに通そう…
何かあっても、予め通せと言われてたので通しました、といえば、
こちらはそんなに問題にはならないはずだ。自分の命の方が遥かに大事だ。
彼は思い、交代になる仲間にもそう伝えたのだった。
実はギズモンドを追い落とそうと策謀を巡らせていたのは、何を隠そう、
同じ討伐隊の仲間である大貴族の子息ハモンドであった。
そして今会話した正規軍の男は、ハモンドの腰巾着だった。
彼は、ハリボテの魔王や炎を出す器具に使う材料が足りなくなってきたので、帝国に送るよう、依頼の使いをハモンドに変わって手配したところだった。
さらに、物資が届いた時に、門のところで変に運び込みを止められ、ギズモンド側に中身がさらされることがないよう、すぐ通せとここまで話をしに来ていたのだ。
ちなみにギズモンド側には、この件については、
こちらで滞在するため砦で不足する食糧や武器などの補充を頼んだと言い訳している。
念のため、目眩ましにそれらの物資も一式運んでこいと指示はだしたのだった。
一方、サタヴァは鍛冶屋の住まいの周辺を散策しているうちに、植物の種類がこれまでの地域と違うのに興味をそそられ、思ったより遠くまで来てしまっていた。
薬草は見つけた分は採取したが、きりがなさそうなのでここまでとした。
そろそろ戻らないといけない。
そう思いながら来た道を帰ろうとしている折、ふと木々に隠れるようにしてあった泉が目についた。
毒をもつ植物をじかに触ったことを思い出し、そこで少し体を洗った。
先程の匂いを出す植物の毒性がついたままだと、耐性をもつサタヴァは良くても、周りが具合が悪くなる可能性があるからだ。
ついでに垢も落とした。
鍛冶屋の住まいには入浴設備はあったが、知らない者が勝手に使うのはどうだろうかと思ったためでもある。
簡単に洗い終わった後で、何やら看板が立っているのに気づいた。
看板には「本日休業」とあった。サタヴァが読める字と帝国標準語の併記で記されていた。
サタヴァは泉の周りを見たが、店などはなかった。
店は潰れて、看板だけが残っていたのだろうかと思いながら、皆のいる鍛冶屋の住まいへ急いだ。
その頃、鍛冶屋の住まいでは、ヤトルがぼんやりと起きだし、クガヤはそこの風呂を沸かして入っていた。
風呂は水を汲んで、下から火を燃やして温めるたぐいのものだった。
井戸の近くに大きめの筒が設置されており、
一旦つるべで汲み上げた水を、筒の上の開いている部分に入れ、風呂桶のところまで水が流れて入る方式となっているのだ。
サタヴァが帰って来たら、クガヤが風呂からあがって来たとこで、
勝手に入って大丈夫かとか、何か言いたくなったサタヴァだったが、
あつい風呂に入ると毒が早く抜けるということを思い出し、
ヤトルから先に入らせ、結局自分も入った。
風呂上がりに、周りを見て来てなにかあったかと聞かれ、少しとってきた薬草を出したり、泉があったようだがここから遠いと話した。
「水については、ここのすぐそばの井戸を使えばいいから、そんなところまで行かなくていいんじゃないですかね?」
「泉かあ、誰もいなかったんなら、怪しい仙女の泉とやらじゃなさそうだな。」
一同は食事をした。
猫の明王ルクが出てきて、
サタヴァにクーンクーンと甘えて来たので、干し肉をほらお供えだぞといいながらルクにわけてあげた。
「鳴き方が犬みたいだな、この猫」クガヤがルクに指をかがせながら言う。
「ルクはアォーンと遠吠えも時々してるぞ」
「それ本当に猫なんですかね。この猫、アーシイアさんの仲間で、不思議な力持ってるんですよね。サタヴァさんの従魔ってやつですかね。」ヤトルはそう言いながらも、ルクをなぜなぜしている。
ルクは「サタヴァが従魔」とのべた。
この場合、「ルクは」という主語が
省略された形式とすると、ルクはサタヴァの従魔である、という意味になるが、そういう形式ではない。
ごく単純に、サタヴァの方が従魔、とルクは言っているのだった。
サタヴァはお世話をさせて頂いております、とルクに返事をした。
また、犬猫ではなく明王であるとルクは続いて言ったが、
ルクの話は全てサタヴァしか理解しておらず、
他の二人にはミャーオと鳴いてるようにしか聞こえないらしかった。
「ところで、少し前から、妙な夢を見るんだ。わりと怖い感じなんだ。
これから休むんだろうが、また見るかもわからん。」サタヴァが言った。
「あー、色々あったもんな、夢見も悪くなるさ。
ここに夢のためのお守りあるよ、これを近くに置いて寝たらいいかもしれないぞ?
悪い夢を絡め取ってくれるんだとさ」
クガヤが木枠に網や鳥の羽をはったお守りとやらを探してきて、サタヴァによこした。
「なんか良くここにあるものがわかってるよなあ」
「ガキの頃ここへ来た折に、色んな場所のぞき込んで嗅ぎ回ってたからな。
それにしても、おやじさん、俺のこと覚えててくれたらいいんだけどな。
大人になったからわからなくなったとか、俺を覚えてなかったとかなら、俺ただの空き巣みたいだからな。
なんか盗んだとかいうわけじゃないけどさ。」
サタヴァはそのお守りを近くに置いて休むようにした。
1
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道
コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。
主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。
こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。
そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。
修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。
それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。
不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。
記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。
メサメサメサ
メサ メサ
メサ メサ
メサ メサ
メサメサメサメサメサ
メ サ メ サ サ
メ サ メ サ サ サ
メ サ メ サ ササ
他サイトにも掲載しています。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

神々に見捨てられし者、自力で最強へ
九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。
「天職なし。最高じゃないか」
しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。
天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?
カタナヅキ
ファンタジー
現実世界で普通の高校生として過ごしていた「白崎レナ」は謎の空間の亀裂に飲み込まれ、狭間の世界と呼ばれる空間に移動していた。彼はそこで世界の「管理者」と名乗る女性と出会い、彼女と何時でも交信できる能力を授かり、異世界に転生される。
次に彼が意識を取り戻した時には見知らぬ女性と男性が激しく口論しており、会話の内容から自分達から誕生した赤子は呪われた子供であり、王位を継ぐ権利はないと男性が怒鳴り散らしている事を知る。そして子供というのが自分自身である事にレナは気付き、彼は母親と供に追い出された。
時は流れ、成長したレナは自分がこの世界では不遇職として扱われている「支援魔術師」と「錬金術師」の職業を習得している事が判明し、更に彼は一般的には扱われていないスキルばかり習得してしまう。多くの人間から見下され、実の姉弟からも馬鹿にされてしまうが、彼は決して挫けずに自分の能力を信じて生き抜く――
――後にレナは自分の得た職業とスキルの真の力を「世界の管理者」を名乗る女性のアイリスに伝えられ、自分を見下していた人間から逆に見上げられる立場になる事を彼は知らない。
※タイトルを変更しました。(旧題:不遇職に役立たずスキルと馬鹿にされましたが、実際はそれほど悪くはありません)。書籍化に伴い、一部の話を取り下げました。また、近い内に大幅な取り下げが行われます。
※11月22日に第一巻が発売されます!!また、書籍版では主人公の名前が「レナ」→「レイト」に変更しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる