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case8 大石菜々美『優しい少女と白い魔法使い』
第45話【モニタリング】魔法を見せてくれてありがとう!
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「いらっしゃいませっ! あっ、お兄ちゃん!」
「無事に退院できて元気になってよかったですね、菜々美さん」
川で溺れていたのを助けてもらった事件から半年後のうららかな春の日に、その人たちはねこねこふぁんたじあにやってきた。
あの日のお礼をしたくても、お兄ちゃんの住んでいる場所が遠くてなかなか行けない。
なんとかもう一度会って、きちんとお礼をしたいと真奈お姉ちゃんに相談したら、こうして二人に会う機会を作ってくれた。
にっこりと優しい笑みを浮かべている黒髪のお兄ちゃんの隣で、ツンッと鼻先を上に向けたすまし顔の白い猫ちゃんが座っている。
「あっ、この子がクロちゃんの言ってた菜々美ちゃんなんですね!」
お兄ちゃんの彼女さんだろうか。
肩まであるまっすぐなサラサラの髪のかわいらしいお姉ちゃんが並んでいた。
お姉ちゃんは「なるほど」と顎に手を添えて、ひとりうなずいている。
「あの……」
「あっ、ごめんなさい! その、クロちゃんに菜々美ちゃんのことは聞いていて。って言っても信じられないか……」
お姉ちゃんが大きく肩を落としてため息を吐いた。
それからワシワシと頭を掻いて「ええっと、どうやって説明しよっかなあ」とブツブツとつぶやいている。
「お姉ちゃんもクロちゃんを知ってるの?」
「う、うんっ! クロちゃんが久能さんに話をしているのを傍で一緒に聞いていただけなんだけど」
「このお姉ちゃんたちがクロちゃんのことを悪い霊から守ってくれたんだよ、菜々美ちゃん。とっても強かったんですから」
「いえいえいえいえいえ、私はなにも! 全部、そう! 全部、この方のおかげだから!」
お姉ちゃんはそう言うと、傍らで不機嫌そうな顔をしている猫をさっと抱き上げて、私の前に突き出した。
手足をぶらつかせてお腹が丸裸の姿になってしまった猫さんの顔がますます不機嫌に歪んでいった。
両耳はピンっと張った状態で外に向けたまま寝かせる。
通称『イカ耳』。
このしぐさをするときのねこさんたちはイライラしたり、不満を持っていたりする。
外に耳を向けることでしっかり聞こえているぞをアピールしている白猫ちゃんの前に、あたしは膝を抱えてしゃがんだ。
「クロちゃんを守ってくれてありがとう」
イカ耳の白夜ちゃんはフンッとそっぽを向いた。
ちらりと横目であたしを見て、ゆっくりとまぶたを伏せる。
「あれ? 白夜様ったら照れてるんですかね?」
「まあ、白夜さんはツンデレさんですからね。きっと10年後の菜々美さんの姿を妄想して内心ウハウハしているんだと思いますよ。本当に変態なんです、この人。節操なしの甲斐性なし!」
「って、久能先生。甲斐性なしは……」
「だって女性にまったくモテたことないんですからあ。モテたいなら私のように饒舌にならないと、ねえ、菜々美ちゃん?」
ニッコリとお兄ちゃんはほほ笑んだ。
白猫ちゃんは「シャーッ」と一度大きく口を開けて威嚇した後、『相手にするのも腹が立つわ』というようにカウンターにいる真奈お姉ちゃんのほうへと歩いていってしまった。
「あの……お兄ちゃん。あの男の人はどうなっちゃったの?」
「ああ、鳥羽山のことですね」
カウンターに飛び乗って、ちょこんとお座りをして真奈お姉ちゃんに挨拶をする白猫ちゃんを見つめながらお兄ちゃんが話す。
半年前のことは今でもときどき思い出す。
一体あの後どうなったのか。
事件として報道されないか、テレビにかじりついたり、インターネットで検索したりしたけど、結局、今もあの人のことはわからずじまいなんだ。
ただ、あの事件の後すぐに公園のねこさんたちがみんな保護されて、新しい飼い主さんの元へ行くことになった。
つらい思いをする子は神守公園からはいなくなったことは、すごくうれしいことだった。
「ちゃんと捕まりましたよ。鬼みたいに怖い、柴犬似のおじさんがいっぱい取り調べてくれています。きっともう二度と戻ってこられないでしょうね、今度こそ」
「鬼みたいに怖い柴犬……が想像できないよ、お兄ちゃん」
「う~ん。そうですかあ。ここにも時々顔を出しているみたいなんですけどねえ」
お兄ちゃんが小さく首を傾げたとき、カウンターに座った白猫ちゃんが早くしろと言いたげにこっちを見て「ウナア」と鳴いた。
「久能さん、白夜様が怒ってますよ」
「仕方ないですね。あかりさん、真奈さんにコーラフロートを頼んでもらってもいいですか? バニラ増量で。あとあかりさんもなんでも好きなものを頼んでくださいね。いつもおじい様のお世話をしてもらっているお礼です」
「あっ、はい。わかりました」
お姉ちゃんがカウンターへ駆けていく。
白猫ちゃんの近くに座って真奈お姉ちゃんに注文をするお姉ちゃんを見つめたまま、「今日ここへ来たのはひとつ教えたいことがあったからなんです」とお兄ちゃんは告げた。
「教えたいこと?」
「ええ。菜々美さんはクロちゃんがどうなったかを知らないでしょう?」
お兄ちゃんの質問にわたしはこくんと首を縦に振った。
川から助け出された後の記憶はわたしにはない。
クロちゃんの願いを叶えるためにお兄ちゃんが現れたくらいしか知らないままだ。
クロちゃんの家族っぽい猫たちには最後に会えたけれど――
「天国で家族と会えたのかな?」
「いやあ、それがね。どうしてもあなたの傍にいたいっていうもんですから。一緒に連れてきたんですよ。で、今、あなたの傍にいるんですよ、クロちゃん」
「え?」
何度もまばたきをしてお兄ちゃんを見る。
お兄ちゃんはフフッと小さくほほ笑んだ。
あたしの耳に片手を添えて、「プレゼントを用意するって約束したでしょ?」とこそっと告げた。
屈めていた身を起こしたお兄ちゃんがババババッと目にもとまらぬ速さで素早く両手を動かす。
同時に病院でも聞いた不思議な呪文のようなものを唱えた。
お兄ちゃんが呪文を唱え終えたとき、わたしの足にふわっとやわらかなものが触れたんだ。
急いで足元に目を向ける。
黒い毛の小さな体をしたねこさんがいた。
わたしの足にその小さな体をこすりつけている。
心臓がバクバクする。
――うそ、うそ、うそ!?
「クロちゃん……!」
名前を呼ぶと、金色のまん丸の目がわたしの顔を見上げた。
そして「ンニャン」と短く返事をした。
――ああっ!
クロちゃんが何度も何度もあたしの足に体をこすりつけている。
くるくるとあたしの周りを歩いて回る。
まるで生きてそこにいるみたいに――
「お兄ちゃん……」
「はい?」
「魔法、見せてくれてありがとう!」
「小さな命を救おうと頑張ってくれた二人へのちょっとしたお礼です」
クロちゃんのあごの下をさすってやる。
うれしそうにゴロゴロと喉を鳴らした。
「お兄ちゃん、あのね。菜々美ね。大きくなったら警察官になるよ! クロちゃんみたいな子がいなくなるように、悪いヤツを捕まえるから!」
「ええ。菜々美さんなら絶対にいい警察官になれると思います。だってあなたは優しくて強い子ですから」
「うん!」
あたしは大きくうなずいてから、もう一度足元を見る。
クロちゃんの姿は見えなかった。
魔法はもう解けちゃったんだ。
でもわかったから。
ずっと一緒にいてくれることがわかったから、それでいいんだ。
お兄ちゃんと目が合った。
とてもうれしそうにフフッと笑うから、つられてわたしも笑ってしまった。
「さて、なにをいただこうかな?」
お兄ちゃんがカウンターへ向かう。
わたしもその後ろを追おうとして一歩を踏み出した。
だけどそこで足をとめて、振り返る。
ねこねこふぁんたじあのねこさんたちに混じって、クロちゃんも楽しそうにわたしたちを見ている――そんな気がした。
「ウナア」
「はやくこっちに座れ」と催促するかのように、白猫ちゃんがこっちを向いて鳴いていた。
【END】
「無事に退院できて元気になってよかったですね、菜々美さん」
川で溺れていたのを助けてもらった事件から半年後のうららかな春の日に、その人たちはねこねこふぁんたじあにやってきた。
あの日のお礼をしたくても、お兄ちゃんの住んでいる場所が遠くてなかなか行けない。
なんとかもう一度会って、きちんとお礼をしたいと真奈お姉ちゃんに相談したら、こうして二人に会う機会を作ってくれた。
にっこりと優しい笑みを浮かべている黒髪のお兄ちゃんの隣で、ツンッと鼻先を上に向けたすまし顔の白い猫ちゃんが座っている。
「あっ、この子がクロちゃんの言ってた菜々美ちゃんなんですね!」
お兄ちゃんの彼女さんだろうか。
肩まであるまっすぐなサラサラの髪のかわいらしいお姉ちゃんが並んでいた。
お姉ちゃんは「なるほど」と顎に手を添えて、ひとりうなずいている。
「あの……」
「あっ、ごめんなさい! その、クロちゃんに菜々美ちゃんのことは聞いていて。って言っても信じられないか……」
お姉ちゃんが大きく肩を落としてため息を吐いた。
それからワシワシと頭を掻いて「ええっと、どうやって説明しよっかなあ」とブツブツとつぶやいている。
「お姉ちゃんもクロちゃんを知ってるの?」
「う、うんっ! クロちゃんが久能さんに話をしているのを傍で一緒に聞いていただけなんだけど」
「このお姉ちゃんたちがクロちゃんのことを悪い霊から守ってくれたんだよ、菜々美ちゃん。とっても強かったんですから」
「いえいえいえいえいえ、私はなにも! 全部、そう! 全部、この方のおかげだから!」
お姉ちゃんはそう言うと、傍らで不機嫌そうな顔をしている猫をさっと抱き上げて、私の前に突き出した。
手足をぶらつかせてお腹が丸裸の姿になってしまった猫さんの顔がますます不機嫌に歪んでいった。
両耳はピンっと張った状態で外に向けたまま寝かせる。
通称『イカ耳』。
このしぐさをするときのねこさんたちはイライラしたり、不満を持っていたりする。
外に耳を向けることでしっかり聞こえているぞをアピールしている白猫ちゃんの前に、あたしは膝を抱えてしゃがんだ。
「クロちゃんを守ってくれてありがとう」
イカ耳の白夜ちゃんはフンッとそっぽを向いた。
ちらりと横目であたしを見て、ゆっくりとまぶたを伏せる。
「あれ? 白夜様ったら照れてるんですかね?」
「まあ、白夜さんはツンデレさんですからね。きっと10年後の菜々美さんの姿を妄想して内心ウハウハしているんだと思いますよ。本当に変態なんです、この人。節操なしの甲斐性なし!」
「って、久能先生。甲斐性なしは……」
「だって女性にまったくモテたことないんですからあ。モテたいなら私のように饒舌にならないと、ねえ、菜々美ちゃん?」
ニッコリとお兄ちゃんはほほ笑んだ。
白猫ちゃんは「シャーッ」と一度大きく口を開けて威嚇した後、『相手にするのも腹が立つわ』というようにカウンターにいる真奈お姉ちゃんのほうへと歩いていってしまった。
「あの……お兄ちゃん。あの男の人はどうなっちゃったの?」
「ああ、鳥羽山のことですね」
カウンターに飛び乗って、ちょこんとお座りをして真奈お姉ちゃんに挨拶をする白猫ちゃんを見つめながらお兄ちゃんが話す。
半年前のことは今でもときどき思い出す。
一体あの後どうなったのか。
事件として報道されないか、テレビにかじりついたり、インターネットで検索したりしたけど、結局、今もあの人のことはわからずじまいなんだ。
ただ、あの事件の後すぐに公園のねこさんたちがみんな保護されて、新しい飼い主さんの元へ行くことになった。
つらい思いをする子は神守公園からはいなくなったことは、すごくうれしいことだった。
「ちゃんと捕まりましたよ。鬼みたいに怖い、柴犬似のおじさんがいっぱい取り調べてくれています。きっともう二度と戻ってこられないでしょうね、今度こそ」
「鬼みたいに怖い柴犬……が想像できないよ、お兄ちゃん」
「う~ん。そうですかあ。ここにも時々顔を出しているみたいなんですけどねえ」
お兄ちゃんが小さく首を傾げたとき、カウンターに座った白猫ちゃんが早くしろと言いたげにこっちを見て「ウナア」と鳴いた。
「久能さん、白夜様が怒ってますよ」
「仕方ないですね。あかりさん、真奈さんにコーラフロートを頼んでもらってもいいですか? バニラ増量で。あとあかりさんもなんでも好きなものを頼んでくださいね。いつもおじい様のお世話をしてもらっているお礼です」
「あっ、はい。わかりました」
お姉ちゃんがカウンターへ駆けていく。
白猫ちゃんの近くに座って真奈お姉ちゃんに注文をするお姉ちゃんを見つめたまま、「今日ここへ来たのはひとつ教えたいことがあったからなんです」とお兄ちゃんは告げた。
「教えたいこと?」
「ええ。菜々美さんはクロちゃんがどうなったかを知らないでしょう?」
お兄ちゃんの質問にわたしはこくんと首を縦に振った。
川から助け出された後の記憶はわたしにはない。
クロちゃんの願いを叶えるためにお兄ちゃんが現れたくらいしか知らないままだ。
クロちゃんの家族っぽい猫たちには最後に会えたけれど――
「天国で家族と会えたのかな?」
「いやあ、それがね。どうしてもあなたの傍にいたいっていうもんですから。一緒に連れてきたんですよ。で、今、あなたの傍にいるんですよ、クロちゃん」
「え?」
何度もまばたきをしてお兄ちゃんを見る。
お兄ちゃんはフフッと小さくほほ笑んだ。
あたしの耳に片手を添えて、「プレゼントを用意するって約束したでしょ?」とこそっと告げた。
屈めていた身を起こしたお兄ちゃんがババババッと目にもとまらぬ速さで素早く両手を動かす。
同時に病院でも聞いた不思議な呪文のようなものを唱えた。
お兄ちゃんが呪文を唱え終えたとき、わたしの足にふわっとやわらかなものが触れたんだ。
急いで足元に目を向ける。
黒い毛の小さな体をしたねこさんがいた。
わたしの足にその小さな体をこすりつけている。
心臓がバクバクする。
――うそ、うそ、うそ!?
「クロちゃん……!」
名前を呼ぶと、金色のまん丸の目がわたしの顔を見上げた。
そして「ンニャン」と短く返事をした。
――ああっ!
クロちゃんが何度も何度もあたしの足に体をこすりつけている。
くるくるとあたしの周りを歩いて回る。
まるで生きてそこにいるみたいに――
「お兄ちゃん……」
「はい?」
「魔法、見せてくれてありがとう!」
「小さな命を救おうと頑張ってくれた二人へのちょっとしたお礼です」
クロちゃんのあごの下をさすってやる。
うれしそうにゴロゴロと喉を鳴らした。
「お兄ちゃん、あのね。菜々美ね。大きくなったら警察官になるよ! クロちゃんみたいな子がいなくなるように、悪いヤツを捕まえるから!」
「ええ。菜々美さんなら絶対にいい警察官になれると思います。だってあなたは優しくて強い子ですから」
「うん!」
あたしは大きくうなずいてから、もう一度足元を見る。
クロちゃんの姿は見えなかった。
魔法はもう解けちゃったんだ。
でもわかったから。
ずっと一緒にいてくれることがわかったから、それでいいんだ。
お兄ちゃんと目が合った。
とてもうれしそうにフフッと笑うから、つられてわたしも笑ってしまった。
「さて、なにをいただこうかな?」
お兄ちゃんがカウンターへ向かう。
わたしもその後ろを追おうとして一歩を踏み出した。
だけどそこで足をとめて、振り返る。
ねこねこふぁんたじあのねこさんたちに混じって、クロちゃんも楽しそうにわたしたちを見ている――そんな気がした。
「ウナア」
「はやくこっちに座れ」と催促するかのように、白猫ちゃんがこっちを向いて鳴いていた。
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