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第二話 悪魔と弟子としあわせの鳥
騙された悪魔(2)
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小指程度の大きさをした黒い物が箱の隅っこのほうにあった。ほわほわの毛をまとったそれには小さな羽根がついていた。それは力なく箱の中に横たわっている。
「なんとかわゆいひな鳥ちゃん! これはつばめだね! つばめのひなだね!」
「はい!」
そう彼が答えた瞬間、あたしはパタンとメモ帳を閉じて立ち上がった。ぐいっとお師匠先生の腕を引っ張って立たせようとしたが、お師匠先生は石のように固まって動こうとしない。
「立ってください。帰りますよ」
「なんだい! 話を聞けって言ったのはきみなのに!」
「必要ありません」
「だって、小鳥よ? ひなよ? 言うなれば、この子はきみの同胞じゃないか!」
「同胞なんかじゃないです!」
あたしがピシャリと言い捨てたから、お師匠先生は「ひやっ」と身を縮ませた。伺うようにあたしを見ると、首をすぼめたまま「おっかないなあ」とぼやいた。
どうやらお師匠先生はスズメとツバメが因縁深き仲であることをご存じないらしい。
あたしがまだスズメのひなであったころ、母が毎夜、枕元で『ツバメだけはゆるしちゃならん』と話してくれたことを思い出す。
それは遠い、遠い昔から、脈々と語り継がれてきたものだった。彼らのせいであたしたちスズメがどれほど肩身の狭い思いをすることになったか。暖かくなって、ぽっと現れた渡り鳥に日常の住処を荒らされるあたしたちが、どれほど苦労することになったかを語り継ぐものでもあった。
つまるところ、この身に宿る『ツバメ憎し』の遺伝子は転生したってそう簡単に消え去るもんじゃあないんである。
「同胞じゃなくったってさ。鳥は鳥じゃないかい?」
「鳥は鳥でも、ツバメだけはだめなんです!」
「あ、そう。まあ、別に手伝ってくれなくったって、わたしゃ一向、構やしないけどね。だってこれ、元々私への相談事だし?」
きみはあくまでおまけだし――とでも言いたげな目でお師匠先生があたしを見た。その目があまりにも冷たくて、あたしはぐっと唇をかみしめた。なんだか悔しいのと、悲しいのと、寂しいのと、怒れるのとで、ぐっちゃぐっちゃになる。
ツンと鼻の奥が痛くなって、目頭が熱くなる。それを堪えながら、あたしは「それだけじゃありませんよ」と気丈に振舞って見せた。
「人間が野鳥の子を拾っちゃったら、その子はもう二度と親鳥から生きていく術を学べなくなります。野生には返せなくなっちゃうんです」
「そんなら野生なんかに返さずに、ずっと飼ってあげたらいいじゃない?」
「それもダメ! 野鳥の飼育は法律で禁止されてるんだから!」
「人間の世界の罰則でしょ? 私に関係ないじゃん」
「彼には関係あるでしょ!」
びしっと川村さんを指さす。お師匠先生は「な~る」と頷いたきり、口を閉じた。
「だもんで、悪いことは言わんから、その子を巣に返すか、巣の近くに置いて親鳥の来るのを見守るか、どっちかにしてあげて。これはあなたのためだよ、川村さん」
小さな命を必死になって守りたいと思ってくれる優しい人だって、それはわかるし、とてもうれしいとも思う。
だけど、ルールで決められている以上、彼のためにも、ひなのためにも最善の方法を取るべきなんだ。
「そうできるなら……そうしてあげたいよ。でも無理……なんだ」
消え入りそうなか細い声で川村さんが言った。ひなの入った小箱をぎゅうっと胸に抱き、うつむいていた彼が顔を上げた。その両の目からポロポロと大粒の涙をこぼしながら、彼は絞り出すように続けた。
「巣も壊されて……親鳥も兄弟たちも……みんな殺されちゃって……助かったのはこの子だけで……だもんで……ぼく……絶対、この子だけは助けたくってお世話してるんだけど……どんどん弱ってきちゃって……」
たしかにひな鳥には元気がない。必死で生きようとしているんだろう。口をパクパクと動かしている姿は『助けて』と訴えているように見える。
ああ、ダメだ。これはダメだ。ダメなやつだ。ツバメ嫌いの遺伝子を脈々と受け継ぐあたしでさえ、胸アツになっているぐらいだから。当然、この手の話に弱い、かつ可愛いもの大好きお師匠先生が激アツにならないわけがない。
ズビビビビビビビッ……と盛大に鼻をすする音が聞こえて、あたしはゆっくりとそっちに視線を向けた。お師匠先生が泣いていた。若男の仮面の下は涙と鼻水の大洪水に違いない。このまま泣かせておくと、調理室がため池になってしまいかねないので、あたしは早々に腹を括るしかなかった。
「しょんない(仕方ない)ですね。この子を野生に返すためのお手伝いなら、してあげますよ」
と、あたしが言った瞬間、ピタリとお師匠先生が泣き止んだ。彼はゆっくりとこちらを振り返り、じいっとあたしを見た。
「その言葉に二言はないかい?」
「この身に賭けて誓いましょう」
憎き宿敵であれど鳥は鳥。そして元スズメのプライドに賭けて、絶対に大人にしてみせるんである。
「そうか! さすが私の弟子だ! よく言った! そう言ってくれるって、私は最初っから信じてたよお」
あたしの背中を干した布団のごとくバンバン叩きながら、お師匠先生は笑った。何を言っておられるか。さっきはあたしのことをまるでゴミを見るみたいな冷たい目で見ていたのに。都合のいいことはきれいさっぱり忘れてしまう。ただ、これがお師匠先生たるところであるんだが。
「そういうわけで、川村くん。この案件、すべて私が丸く収めて進ぜよう。大船に乗った気でいてくれたまえ」
アッハッハッハとお師匠先生は、ボディビルダーがパンプアップした胸筋を見せびらかすように大きく胸を張りながら高らかに笑った。
なんだか嫌な予感がした。ぞわりっと首のあたりが寒くなったのはきっと勘違いじゃない。
その予感通り、お師匠先生は若男の仮面を一気に剥ぎ取り、ぽーんっと後ろへ投げ飛ばした。素顔があらわになった途端「あっ、黒沼先生!」と川村さんが叫んだ。
しかし、事はこれで済むわけがなかった。天にも昇る勢いでテンション爆上がり中のお師匠先生は、上着の内ポケットからサッと黒いタクトを取り出すと、軽く小指を立てつつ構えた。
「お師匠先生、なにを!」
「なにをだって? それを聞くのは野暮と言うもんさ」
そう答えるや否や、お師匠先生の背中からバサリと大きな音を立てて、片方だけになってしまった真っ黒い翼が姿を見せた。
「うわあっ!」
翼が巻き起こした突風に煽られて、川村さんがその場に尻もちをついた。漆黒の片翼を広げるお師匠先生を見上げた彼は「あわわわわ」と歯の根をガチガチと鳴らした。
しかしお師匠先生は躊躇することなく、川村さんめがけてシャランッとタクトを振るった。タクトの先端から飛び出した桃色の星屑やら白抜きハートやらが川村さんの頭上へと、これでもか、これでもかとシャンシャンと降り注ぐ。箱の中でぐったりと横になっていたひなは弱弱しくも必死に口を開け、お師匠先生が降りかけた魔法の粉を懸命に食べはじめた。そして……
ボウンッ……!
川村さんの手の中で小さな爆発音がしたかと思うと、もこもこと白い煙が上がった。それに驚いた彼は思わず箱を取り落としてしまう。
「わあ! ちゅんた!」
ツバメのひななのに、なぜ『ちゅんた』なんだ。それはスズメにつける鉄板ネームではないかと心の中でツッコみつつ、あたしはじっと成り行きを見守った。
急いで拾い上げようとした川村さんが正座に直ったところで凍り付いた。何度か瞬きを繰り返す。目をこする。こっちを見る。あたしは目を反らした。お師匠先生は「うふふ」と嬉しそうに笑った。
「ぴいっ!」
ひなが鳴いた。川村さんは眉間にしわを寄せた険しい顔で首を傾げながら、しげしげとひなを見つめた。
「えっと……ちゅん……た?」
「ぴいっ!」
ペンギンサイズになったひな鳥が、これまたみかん箱くらいの大きさに変化した小箱の中で「そうだよ!」と言わんばかりに「ぴいっ。ぴいっ」と、それはそれは元気に、鳴いてみせたんだった。
「なんとかわゆいひな鳥ちゃん! これはつばめだね! つばめのひなだね!」
「はい!」
そう彼が答えた瞬間、あたしはパタンとメモ帳を閉じて立ち上がった。ぐいっとお師匠先生の腕を引っ張って立たせようとしたが、お師匠先生は石のように固まって動こうとしない。
「立ってください。帰りますよ」
「なんだい! 話を聞けって言ったのはきみなのに!」
「必要ありません」
「だって、小鳥よ? ひなよ? 言うなれば、この子はきみの同胞じゃないか!」
「同胞なんかじゃないです!」
あたしがピシャリと言い捨てたから、お師匠先生は「ひやっ」と身を縮ませた。伺うようにあたしを見ると、首をすぼめたまま「おっかないなあ」とぼやいた。
どうやらお師匠先生はスズメとツバメが因縁深き仲であることをご存じないらしい。
あたしがまだスズメのひなであったころ、母が毎夜、枕元で『ツバメだけはゆるしちゃならん』と話してくれたことを思い出す。
それは遠い、遠い昔から、脈々と語り継がれてきたものだった。彼らのせいであたしたちスズメがどれほど肩身の狭い思いをすることになったか。暖かくなって、ぽっと現れた渡り鳥に日常の住処を荒らされるあたしたちが、どれほど苦労することになったかを語り継ぐものでもあった。
つまるところ、この身に宿る『ツバメ憎し』の遺伝子は転生したってそう簡単に消え去るもんじゃあないんである。
「同胞じゃなくったってさ。鳥は鳥じゃないかい?」
「鳥は鳥でも、ツバメだけはだめなんです!」
「あ、そう。まあ、別に手伝ってくれなくったって、わたしゃ一向、構やしないけどね。だってこれ、元々私への相談事だし?」
きみはあくまでおまけだし――とでも言いたげな目でお師匠先生があたしを見た。その目があまりにも冷たくて、あたしはぐっと唇をかみしめた。なんだか悔しいのと、悲しいのと、寂しいのと、怒れるのとで、ぐっちゃぐっちゃになる。
ツンと鼻の奥が痛くなって、目頭が熱くなる。それを堪えながら、あたしは「それだけじゃありませんよ」と気丈に振舞って見せた。
「人間が野鳥の子を拾っちゃったら、その子はもう二度と親鳥から生きていく術を学べなくなります。野生には返せなくなっちゃうんです」
「そんなら野生なんかに返さずに、ずっと飼ってあげたらいいじゃない?」
「それもダメ! 野鳥の飼育は法律で禁止されてるんだから!」
「人間の世界の罰則でしょ? 私に関係ないじゃん」
「彼には関係あるでしょ!」
びしっと川村さんを指さす。お師匠先生は「な~る」と頷いたきり、口を閉じた。
「だもんで、悪いことは言わんから、その子を巣に返すか、巣の近くに置いて親鳥の来るのを見守るか、どっちかにしてあげて。これはあなたのためだよ、川村さん」
小さな命を必死になって守りたいと思ってくれる優しい人だって、それはわかるし、とてもうれしいとも思う。
だけど、ルールで決められている以上、彼のためにも、ひなのためにも最善の方法を取るべきなんだ。
「そうできるなら……そうしてあげたいよ。でも無理……なんだ」
消え入りそうなか細い声で川村さんが言った。ひなの入った小箱をぎゅうっと胸に抱き、うつむいていた彼が顔を上げた。その両の目からポロポロと大粒の涙をこぼしながら、彼は絞り出すように続けた。
「巣も壊されて……親鳥も兄弟たちも……みんな殺されちゃって……助かったのはこの子だけで……だもんで……ぼく……絶対、この子だけは助けたくってお世話してるんだけど……どんどん弱ってきちゃって……」
たしかにひな鳥には元気がない。必死で生きようとしているんだろう。口をパクパクと動かしている姿は『助けて』と訴えているように見える。
ああ、ダメだ。これはダメだ。ダメなやつだ。ツバメ嫌いの遺伝子を脈々と受け継ぐあたしでさえ、胸アツになっているぐらいだから。当然、この手の話に弱い、かつ可愛いもの大好きお師匠先生が激アツにならないわけがない。
ズビビビビビビビッ……と盛大に鼻をすする音が聞こえて、あたしはゆっくりとそっちに視線を向けた。お師匠先生が泣いていた。若男の仮面の下は涙と鼻水の大洪水に違いない。このまま泣かせておくと、調理室がため池になってしまいかねないので、あたしは早々に腹を括るしかなかった。
「しょんない(仕方ない)ですね。この子を野生に返すためのお手伝いなら、してあげますよ」
と、あたしが言った瞬間、ピタリとお師匠先生が泣き止んだ。彼はゆっくりとこちらを振り返り、じいっとあたしを見た。
「その言葉に二言はないかい?」
「この身に賭けて誓いましょう」
憎き宿敵であれど鳥は鳥。そして元スズメのプライドに賭けて、絶対に大人にしてみせるんである。
「そうか! さすが私の弟子だ! よく言った! そう言ってくれるって、私は最初っから信じてたよお」
あたしの背中を干した布団のごとくバンバン叩きながら、お師匠先生は笑った。何を言っておられるか。さっきはあたしのことをまるでゴミを見るみたいな冷たい目で見ていたのに。都合のいいことはきれいさっぱり忘れてしまう。ただ、これがお師匠先生たるところであるんだが。
「そういうわけで、川村くん。この案件、すべて私が丸く収めて進ぜよう。大船に乗った気でいてくれたまえ」
アッハッハッハとお師匠先生は、ボディビルダーがパンプアップした胸筋を見せびらかすように大きく胸を張りながら高らかに笑った。
なんだか嫌な予感がした。ぞわりっと首のあたりが寒くなったのはきっと勘違いじゃない。
その予感通り、お師匠先生は若男の仮面を一気に剥ぎ取り、ぽーんっと後ろへ投げ飛ばした。素顔があらわになった途端「あっ、黒沼先生!」と川村さんが叫んだ。
しかし、事はこれで済むわけがなかった。天にも昇る勢いでテンション爆上がり中のお師匠先生は、上着の内ポケットからサッと黒いタクトを取り出すと、軽く小指を立てつつ構えた。
「お師匠先生、なにを!」
「なにをだって? それを聞くのは野暮と言うもんさ」
そう答えるや否や、お師匠先生の背中からバサリと大きな音を立てて、片方だけになってしまった真っ黒い翼が姿を見せた。
「うわあっ!」
翼が巻き起こした突風に煽られて、川村さんがその場に尻もちをついた。漆黒の片翼を広げるお師匠先生を見上げた彼は「あわわわわ」と歯の根をガチガチと鳴らした。
しかしお師匠先生は躊躇することなく、川村さんめがけてシャランッとタクトを振るった。タクトの先端から飛び出した桃色の星屑やら白抜きハートやらが川村さんの頭上へと、これでもか、これでもかとシャンシャンと降り注ぐ。箱の中でぐったりと横になっていたひなは弱弱しくも必死に口を開け、お師匠先生が降りかけた魔法の粉を懸命に食べはじめた。そして……
ボウンッ……!
川村さんの手の中で小さな爆発音がしたかと思うと、もこもこと白い煙が上がった。それに驚いた彼は思わず箱を取り落としてしまう。
「わあ! ちゅんた!」
ツバメのひななのに、なぜ『ちゅんた』なんだ。それはスズメにつける鉄板ネームではないかと心の中でツッコみつつ、あたしはじっと成り行きを見守った。
急いで拾い上げようとした川村さんが正座に直ったところで凍り付いた。何度か瞬きを繰り返す。目をこする。こっちを見る。あたしは目を反らした。お師匠先生は「うふふ」と嬉しそうに笑った。
「ぴいっ!」
ひなが鳴いた。川村さんは眉間にしわを寄せた険しい顔で首を傾げながら、しげしげとひなを見つめた。
「えっと……ちゅん……た?」
「ぴいっ!」
ペンギンサイズになったひな鳥が、これまたみかん箱くらいの大きさに変化した小箱の中で「そうだよ!」と言わんばかりに「ぴいっ。ぴいっ」と、それはそれは元気に、鳴いてみせたんだった。
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