可愛い女子高生に転生したあたしの第二の人生が、イケメン悪魔によってめちゃくちゃになっています

恵喜 どうこ

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第一話 悪魔と弟子と猫の雨

猫の雨とお師匠先生

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 猫の雨が降っている。茶トラ、さばトラ、きじトラ、白に黒にハチワレちゃん。小さいのから大きいの。どの子も誰かに抱っこされているみたいに、まあるい姿勢でちょっとずつ、ちょっとずつ、七色の虹の掛かった夕焼けの空からふわんふわんと降ってきていた。

 このまま振り続ければ、グラウンドはかわいい猫たちでみっちみっちに埋まっちゃうだろう。猫好きにはたまらない大絶景だけど、猫嫌いには死ぬほど怖い地獄絵図。

 実際、すでにグラウンドではけたたましいほど奇声、嬌声が上がっている。そりゃ、そうだ。放課後の部活動中にかわいい猫たち(猫嫌いには恐ろしい猫たち)が雨あられと降ってくるんだから。天変地異の前触れかとパニックになっている人だっているにちがいない。まったく、なんてことをしでかしてくれたんだ。

 こんなへんてこりんな雨を降らす人物を、あたしはひとりしか知らない。

「お師匠先生!」

 あたしはハアハアと肩で息をつきながら、勢いよく扉を開けて屋上へ乗り込んだ。扉を開けた瞬間、ぶわりと夏服の、軽くなったスカートをまくり上げるような強風が吹き抜けた。らしくもなく「きゃっ」なんて声を上げて、すかさず裾を抑える。

 風が止むと屋上の柵の前にはカラスみたいに真っ黒な衣装に身を包んだ細身の男性がひとり、ヘラヘラにやけ面で空を見上げているのが目に入った。その身を包む服と競るほど黒いサラサラヘアをポニーテールに縛った彼は、あたしの叫び声に微塵も驚くことなく、穏やかな笑みを湛えながら振り返った。




「これは、これはすずめくん。そんなに息を切らせてどうされました?」
「いいから! 猫たち、元に戻してください!」

 あたしは大きな声で叫んだ。途端、彼は顔を曇らせた。

「無理ですよ、そんなこと」
「無理でもなんでもやりなさい!」
「やだったらやだ!」

 いい大人――見た目年齢は二十代半ば――のお師匠先生は、ぷっくりと怒ったふぐみたいにほっぺたを膨らませて抵抗した。そう返されるのは想定の内だし、理由だって聞かなくたってわかる。そしてこんなことぐらいでめげるあたしでもない。

「なにをガキみたいなこと言ってんですか! このまんまじゃ、校内がパニックじゃん!」

 お師匠先生の隣に並び「ほらっ」とグラウンドを指さす。上ばかりしか見ていなかった彼は「ほえ」と下を見て奇妙な声を上げた。降って来る猫をどうしたものかと右往左往する群衆を確認した彼は、あっはっはっと愉快な笑い声を立てた。

「なんて面白き景色だ! ねえ、すずめくん! こんな素敵な景色はこの間のチワワ事件以来じゃないかい?」

 そう言われて、あたしは大きなため息を吐き出した。

 『チワワ事件』とは、お師匠先生が先月、五月の初めころに起こした事件である。校舎内を縦横無尽に百匹のチワワが駆け巡った。そのチワワはお師匠先生が魔法で出したものだけど、ちゃんと実体があるから、捕まえるのにたいへんな苦労をする羽目になった。

 なにせ、原因を作った張本人が「かわいいから捕まえたくない。消したくない。いつまでも愛でていたい」と駄々をこねまくり「いいから早く捕まえろ」というあたしの指示を徹底拒否したからだ。

 師匠の尻ぬぐいは弟子がするしかない。というわけで、あたしがひとり、チワワのかわいいおしりを汗だくで追い回し、傷まみれ、埃まみれのヘロヘロ状態で捕まえ、それでも気力を振り絞ってきちんとあるべき場所へお返しさせたのである。

 そもそもあの事件にしたって、本来は特定の一匹だけを魔法で召喚すればよかったはずなのに、「チワワがたくさん群れている姿を愛でたい」というお師匠先生のワガママで、校内がひっくり返るような大騒動に発展してしまったんだ。それでいてお師匠先生はまったく反省しない。それどころか「今度はポメラニアンにしようかな。コーギーのプリケツもいいなあ」なんて、よからぬことを目論んでいるから気が気でない。

 そういう苦労を思い出すと、辟易するとともにはらわたが煮えくり返る。だってお師匠先生ときたら、チワワを追い回すあたしを見て「牧羊犬みたいでかわいい」とひとりのんびりお茶を片手に、高みの見物を決め込んでいたんだから。

 沸騰してくるはらわたをどおどおと落ち着かせ、あたしはお師匠先生をきりりと睨みつけた。
 女生徒たちの腰を砕けさせる破壊力満点のイケメン笑顔にだって、あたしは動じやしない。外見は芸能スカウトが数多やってくるだろうレベルのかっこよさでも、中身はずだい(まったく)ダメだって知っているから惑わされない。笑顔でやり過ごせるほど、情にほだされることもない。なぜなら、あたしは元々、人間じゃなかったんだから――

「そもそも、虹の橋から連れ出すのって『白猫のみいちゃん』だけでしょ?」
「そうなんだけど。白猫のみいちゃんを探しても、たくさん出てくるんだよ。ところてんみたいに次から次に」
「依頼者の鈴木さん家のみいちゃんは一匹しかいないでしょ!」
「全国でどれだけ鈴木さんがいると思ってるの? さらに静岡県は全国一、鈴木さんが多いんだよ! 声掛けしたってめちゃくちゃいたに決まってるじゃない」
「浜松市中区の恒星こうせい学園に在籍してる鈴木愛さんなら限定されるでしょ?」
「そうかもしれん! だけど虹の橋で待ってる子たちが自分たちも行きたいって目で見てきたら、きみは断れるかね? 断れないよねえ? だもんで、みんな呼んであげなきゃってなったの!」

 鳩並みに胸を張って、大いに開き直るお師匠先生に、あたしは「またか」と開いた口がふさがらなかった。
可愛いものが大好きな彼が、猫たちの哀願顔を目の当たりにして「ここは私にお任せ」とばかりに胸を叩いてみせた姿がありありと想像できる。こんなことなら虹の橋の問い合わせ窓口に、あたしもちゃんと立ち会えばよかったと悔やまれる。

 されど人間の身となれば、なかなか思うようには都合がつけられない。しかも女子高生というか、学生というものは想像以上に忙しい。

 それに加えて悪魔の弟子としても、人間としてもまだまだ半人前のあたしは、時間戻しとか身代わりの魔法とかいう上級魔法はからきし使えない。できて数秒、時間を止めるくらい。ゆえにまじめに学生生活を送るしかない。

 とはいえ、一番はあたしが授業を受けている時間、特に授業を受け持っていないお師匠先生が暇を持て余しに余し、こんな退屈なら依頼を片付けちゃおうかななんて思ったのが悪いんだ。どんだけ口酸っぱく制止しても、己の衝動に抗えない――それが我がお師匠先生なのだ。

「これ、どうやって収拾するつもりなんですか?」

 あたしがずいっと身を寄せて迫ると、お師匠先生はすうっと背を反らして「そうだねえ」と思案顔を作った。

「まだしばらくこのまんまでもいいじゃないかい?」

 ほら、可愛いし――とお師匠先生はどこまでも悠長だ。危機感がまったくない。この状況で、どうしてそんなにのんびりしていられるのか。おそらく、彼もまた『人間』ではないからだろう。

 だからって、彼の言うままにはしておけない。猫好きたちは猫まみれになって狂喜乱舞してるし、猫嫌いたちは止まらないくしゃみと鼻水に泣きながら逃げまどっている。地上に降り立った猫たちは、そんな人間の足元を華麗にすり抜けて思い思いに走り回っている。こうなると校内から外に出て行ってしまうのも時間の問題だ。

「相談者の鈴木愛さんを呼んで、みいちゃんと対面させて、猫たちを戻します!」
「ええ! 他の子たちだって飼い主さんに一目会いたいって思って下りて来たんだよ! 私、絶対に会わせてあげるって約束しちゃったのに! だって、これでちゃんと会わせてあげたら、一気に課題クリアじゃない! だけど会わせなかったら、私の評判がた落ちで、相談も来なくなっちゃう! 私の罪がいつまでも許されないままになってしまうし、ひいてはすずめくん! 弟子のきみの不甲斐なさまでが広がってしまうよ! 人のうわさは怖いんだから!」

 むむっとあたしは口を引き結んだ。こういうことはよく口が回る。言い訳させたら天下一品なんだから、この人は。

 でも……とあたしは降りて来たたくさんの猫たちを見た。虹の橋は亡くなったペットたちが飼い主さんとの再会を待つ天国の手前にある場所。長い、長い時間を仲間たちと一緒に飼い主さんが来るのを待っている彼らの気持ちを考えると、このまま一目も会わせることなく帰すのはひどくしのびなく思える。加えて、お師匠先生の言葉もあたしの威勢をそぐには十分だ。相談が来ないのは困るんだ、お師匠先生にしても、あたしにしても。

「背に腹は代えられない……」
「よく言った、すずめくん」

 お師匠先生はふわりと笑った。この笑顔はズルい。構えていないときのお師匠先生の笑顔の破壊力に、あたしの胸は小さくときめいてしまう。なんて顔で笑うんだよ、この人は。少年みたいに純粋で、まっ白無垢で、キラキラした……まさしく悪魔の微笑。
 見惚れるあたしの前で、お師匠先生はジャケットの内ポケットからするりと黒いタクトを取り出してみせた。  

「さあ、みんな。行っておいで」

 軽やかに振るう。振るうたびに先端から桃色の星屑やら白抜きハートやらがあふれ出し、グラウンドへ降り注ぐ。キラキラ光る星屑やハートを浴びた猫たちが一匹、また一匹、シャボン玉に包まれてポンっと姿を消していく。安堵と悲哀の声が混じって聞こえるが、お師匠先生は意に介さず、魔法をかけ続ける。

 しかしてグラウンドには一匹の白猫ちゃんが残った。真っ白い毛に長い尻尾。ゴールドの大きな目。ピンクの鼻の上に、ゴマ粒程度の模様がある。あの猫こそ、鈴木愛さんちで飼われていたみいちゃんに違いない。

「お師匠先生、あの子です!」
「みたいだねえ。食べちゃいたくなるほど可愛いなあ」
「物騒なこと言わんで!」
「あら、やだ。そんなに顔を真っ赤にして怒るなんて。すずめくんったらやきもちかい?」
「そんなわけあるか!」

 お師匠先生は「あら、残念」とにやにや笑いながら、ぐうっと背を丸めると、勢いよく体を反らした。その瞬間、あたしの目の前は真っ黒になる。柔らかで艶やかな黒い羽根があたしの頬を撫でると、センチメンタルな気持ちがふつっと鎌首をもたげた。

 でも、それはほんの一瞬のこと。

「私たちも行くよ」

 お師匠先生の大きな手があたしに差し伸べられた。あたしは導かれるように彼の手を取った。

 あたしの手を柔らかく握った彼は、トンっと軽やかにコンクリートの床を蹴る。背中の黒い大きな片翼が開き、ぶわりと風を起こした。あたしの体はその風に掬い取られるように宙に浮く。

 お師匠先生は片翼を巧みに動かし、風となってみいちゃんの下へ飛んだ。
「最後の猫を死守せよ」と鼻息荒い猫好きさんたちに囲まれ、万事休すと怯えるみいちゃんの頭上で彼はあたしに「ほらっ」と指示を出した。

「怖いんですけど」
「なにを怖気づいてんだい。心頭滅却しんとうめっきゃくすれば猫もまた涼しって言うだろう。怖いなんて勘違いさ」
「勘違いなもんか! これは本能!」
「さっき、背に腹は代えられないって言ったのはどこの誰だったかなあ。本能なんて忘れちまえ! ほら!」
「うええええん」

 あたしはお師匠先生に泣く泣くぶら下がりながら、残った手を伸ばしてみいちゃんを暴徒と化した猫好きさんたちから華麗に救い出した。

 あたしの腕の中に抱かれたみいちゃんを確認すると、お師匠先生はそのまま武道館に向かって飛ぶ。グラウンドから聞こえてくる「我々の猫がデカカラスにさらわれた」「忌々いまいましいデカカラスを追撃せよ」「デカカラスから猫を救い出せ」という絶叫を背に受けたお師匠先生はがっくりとうなだれながら「せめてイケカラスと形容してほしかったなあ」とぼやいた。

 どのみちカラスに変わりないじゃんと、あたしは心のなかでツッコんだ。

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