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最終章 暗黒竜編
第74話 祖父の影 ~作られた大聖女
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辺境伯は輝く双翼に驚いて声を上げた。
「こ、これは!」
「ええ、ご存じですね」
イスから立ち上がり、大げさに両腕を広げてみせる。
私は大聖女、大聖女……。
堂々と振る舞って、辺境伯の信頼を勝ち取るのよ。
「二千年前の大聖女ルシア以来の双翼の大聖女。なぜ、今になって復活したか、おわかりですか?」
「いや、わからぬが……」
「それは、暗黒竜を倒すためなのです!」
力を込めて片手でガッツポーズ。
「なんだと……」
「ルシアの封印から二千年、効力はすでに弱まり暗黒竜の復活は近づいています。いくらフロディアス家が人柱を捧げても、もはや止めることはできません!」
「なに、それは本当か?」
「本当です」
私は力強くうなずく。
女神ルミナスが言ってたぐらいですからね。
ただ、どれだけ近づいてるかはわかりません……てなことは顔には出さず、堂々と胸を張る。
「だからこそ双翼の大聖女は今よみがえったのです! 暗黒竜を倒すために!」
「じゃが、二千年前に大聖女ルシアですら倒せなかった相手じゃぞ」
ここで自信ありげな笑みをニヤリ。
「私には女神ルミナスに直接授けられた秘策があります」
「バカな、女神ルミナスに会ったとでも言うのか」
「ええ、昨日、王都の大神殿の地下でお会いしました」
辺境伯、これには目をむいて驚いた。
「な、なんと? 本当なのか!」
「暗黒竜を倒すにはシオンの闇の力、そして女神ルミナスの秘策にもシオンが必要なのです」
「その秘策とは、いったいどのようなものなのじゃ?」
秘策の内容を思い出し、顔がみるみる真っ赤になっていく。
「そ、それは言えません。秘策とはそういうものではないですか」
「ふむ……」
よしよし。辺境伯、考え込み始めた。
「じゃが、シオンはアンジェちゃんを戦わせたくないから人柱の道を選んだのじゃぞ」
「戦うか戦わないは私が決めます!」
一緒に戦う! 私はそう決めた。
「さあ、フロディアス家二千年の宿命を今こそ断ち切りましょう!」
私は握手を求めて手を差し出す。
「あなたの代で終わらせるのです。女神ルミナスの最大の加護を得た双翼の大聖女たる私に賭けなさい!」
なんて偉そうな上から目線の態度……。
言ってて恥ずかしくなり、照れくさくて表情が崩れそうになる。
それを必死でこらえて、毅然として態度をなんとか保つ。
「今こそ決断の時です!」
あくまでも堂々と手を差し出し続ける。
辺境伯は私を見つめると、力なくうつむいた。
「わかった……。頼む、シオンを助けてやってくれ」
そう言って辺境伯は私の手を両手でギュッと握りしめた。
その顔は再び、孫を思う優しいおじいさんの顔に変わっていた。
「では、シオンのところに連れていっていただけますね」
大聖女ぶりもだいぶ板についてきたものだなあ、と自分で感心してしまった。
辺境伯と馬車に乗り、郊外の山道を上っていく。
向かい合って座る辺境伯が不思議そうに私を見ているのに気づいた。
「シオンからは、おとなしい、少し内気な少女と聞いておったんじゃがなあ……」
そうかあ、そうなんだ……。
『聖女殺し』に襲われてからは、ろくにシオンと話もできてないから以前のイメージがまだ強いのかも。
精神的に強くなったと言えば聞こえはいいけど、実際には乱暴、粗暴、がさつになっただけかもしれない。
最近、テーブルを素手で二回もたたき割ったし……。
今度シオンと会ったとき、『アンジェは変わった』とか『こんなのアンジェじゃない』とか言われたらどうしよう。
考えるほどにズーンと落ち込んでいく私を辺境伯は首をかしげて見るが、なぐさめるように私に言う。
「さっきの堂々とした姿は、まるでラティウス……、アンジェちゃんのおじいさんを見てるようじゃったよ」
祖父は私が八歳のときに亡くなったので、遊んでもらったような記憶しか残っていない。
「祖父とはどういった関係だったのですか?」
「ラティウスは歴史好きで特に建国伝説を研究していてな、我が家の歴史の調査で何度か来て、その縁で商売も一緒にやったという関係じゃ。そういった歴史の本や古文書がかなりあったはずじゃがな」
今の我が家の書斎にはチェス以外の本はほとんどない。
祖父の蔵書はきっと価値もわからず父が売り払ったに違いない。
「封印や暗黒竜を見せたこともあった。我が家の宿命を知って、暗黒竜を倒す方法を探してくれていたよ」
辺境伯は懐かしそうに笑った。
「その一つが大聖女ルシアを復活させることで、ルシアの転生伝説はかなり研究していたようじゃった」
私は驚いて辺境伯を見た。
母がルシアの転生者だということを私は言ってない。
「その転生伝説ってなんですか?」
私はしらばっくれて聞いてみた。
「大聖女ルシアは死んだ後も現世の誰かに生まれ変わり続けていて、大災厄が再び訪れたとき復活して民を救うという古い民間伝承じゃ。今では知ってる人もおらんぐらいじゃな。女神ルミナスに会ったとき、なにか言ってなかったかな?」
「いいえ、特になにも……」
私は再びしらばっくれた。
「そうじゃろう。マジメにいろいろ調べていたようだが、わしには庶民の夢物語、都市伝説にしか思えん」
ハッと気がついた。
もともと母を見つけてきたのは祖父だった。
しっかり者の貧乏子爵令嬢、しかも美人。
祖父が非常に気に入って父との縁談を進めたとよく両親が言っていた。
祖父は初めから母が大聖女ルシアの生まれ変わりと知っていたのではないだろうか?
そして父と結婚させ、なんからの方法で女神ルミナスの力を抑え、母に眠るルシアの力を娘に遺伝させるようにした。
「ラティウス……、おじいさんはアンジェちゃんに魔力があることを知っていたよ」
えっ?
「四歳のときに我が家に連れてきたのは、当家の暗黒魔法で魔力を封印できないかという相談のためじゃった。偶然、封印できてしまったがな。あまり小さいうちから魔法を使うのは良くないから、と言っていた」
祖父は父と母にすら私の魔力について話していなかった。
全ては、私の強大な魔力を誰にも知られず隠しておきたかったからではないのか。
祖父が死んだ今となっては確認のしようもない。
「孫娘のアンジェちゃんが大聖女になるとは、ラティウスもあの世で喜んでるじゃろう」
私は祖父によって作られた大聖女なのかもしれない。
しかし、目的は暗黒竜を倒すため!
「おじいちゃん、ありがとう。そう言わないといけませんね」
辺境伯はウンウンと優しそうにうなずいた。
馬車が山の頂上付近に停まって外に出ると向こうにやや低い別の山が見え、頂上には火山の火口のような巨大なくぼみがあった。
木々は生えておらず、むき出しの岩肌の中腹に塀で囲まれた黒い建物が建っていた。
辺境伯がその山を指差した。
「あの山の地下に暗黒竜は眠っている」
馬車はその山に向かって進んでいった。
黒い建物の塀の門の前につくと、剣を構えた警備の兵が数人、馬車に近寄ってきた。
「十三年前、シオンとアンジェちゃんが忍び込んで以来、一般の人は絶対に近づけないようにしておる」
辺境伯は警備の人に指示を出して門を開けさせた。
馬車はその先の神殿のような黒い建物の前に進むが、ここも警備の兵が何人も立っていた。
馬車から降りて建物の中に入って廊下を進んでいく。
辺境伯は足を止めて壁に掛かっている一枚の大きな絵を指差した。
縦横数メートルはあろうかという大きな絵。
「二千年前にここで行われた暗黒竜との最後の戦いじゃ。千年以上前に描かれた絵だそうだ」
白い聖女服を着て背中に四色の羽、双翼のある大聖女ルシアと黒い甲冑を着て槍を構える勇者ディアスが巨大な暗黒竜と向き合っている姿が描かれていた。
大聖女ルシアはやはり金髪。
暗黒竜はピピが最終形態と呼んだドラゴンの姿に似て、四本の脚、背中に大きな羽。
しかし、不思議なことに長い首と頭は三つ描かれていた。
「頭が三つあるんですか?」
「いいや、今眠っている実物の頭は一つだけじゃ。たぶん伝説が誇張されたのじゃろう」
ルシアの髪も金髪だし、時間が経つと物語として格好いいように脚色されるのね。
辺境伯は廊下の一番奥の部屋のドアを持ってきたカギで開けた。
その部屋に入っていくと床に地下へと続く階段があった。
「下は冷えるから、これを着ていきなさい」
そう言って、壁に掛かっていた長いコートのような男物の上着を渡してくれた。
それを着て、辺境伯に続いて長い階段を降りていく。
下まで降りると、通路があってその先は洞窟へとつながっていた。
洞窟を奥へ奥へと進んでいくと、光で明るくなっている広い空間へと入っていった。
そこは小さいころの記憶と一致する空間。
直径数十メートルの大きな魔方陣を取り囲む何十本もの光を放つ人の背丈ほどの水晶の柱。
この柱はもともと人だったのかと思うと寒気を感じてしまう。
「光魔法を発動させないように注意するんじゃよ」
暗黒竜の力を押さえ込んでいる暗黒魔法の力を弱めることになったら、目覚めさせてしまうかもしれない。
「こっちじゃ」
辺境伯の後に続いて何本もの柱を過ぎていくと、辺境伯が立ち止まって一本の柱を指差した。
その柱は黒っぽく濁った半透明だが、中に人が立ったまま閉じ込められているのがボンヤリと見える。
「シオン⁉」
柱の中に目を閉じて眠っているように立っているシオンがいた。
「こ、これは!」
「ええ、ご存じですね」
イスから立ち上がり、大げさに両腕を広げてみせる。
私は大聖女、大聖女……。
堂々と振る舞って、辺境伯の信頼を勝ち取るのよ。
「二千年前の大聖女ルシア以来の双翼の大聖女。なぜ、今になって復活したか、おわかりですか?」
「いや、わからぬが……」
「それは、暗黒竜を倒すためなのです!」
力を込めて片手でガッツポーズ。
「なんだと……」
「ルシアの封印から二千年、効力はすでに弱まり暗黒竜の復活は近づいています。いくらフロディアス家が人柱を捧げても、もはや止めることはできません!」
「なに、それは本当か?」
「本当です」
私は力強くうなずく。
女神ルミナスが言ってたぐらいですからね。
ただ、どれだけ近づいてるかはわかりません……てなことは顔には出さず、堂々と胸を張る。
「だからこそ双翼の大聖女は今よみがえったのです! 暗黒竜を倒すために!」
「じゃが、二千年前に大聖女ルシアですら倒せなかった相手じゃぞ」
ここで自信ありげな笑みをニヤリ。
「私には女神ルミナスに直接授けられた秘策があります」
「バカな、女神ルミナスに会ったとでも言うのか」
「ええ、昨日、王都の大神殿の地下でお会いしました」
辺境伯、これには目をむいて驚いた。
「な、なんと? 本当なのか!」
「暗黒竜を倒すにはシオンの闇の力、そして女神ルミナスの秘策にもシオンが必要なのです」
「その秘策とは、いったいどのようなものなのじゃ?」
秘策の内容を思い出し、顔がみるみる真っ赤になっていく。
「そ、それは言えません。秘策とはそういうものではないですか」
「ふむ……」
よしよし。辺境伯、考え込み始めた。
「じゃが、シオンはアンジェちゃんを戦わせたくないから人柱の道を選んだのじゃぞ」
「戦うか戦わないは私が決めます!」
一緒に戦う! 私はそう決めた。
「さあ、フロディアス家二千年の宿命を今こそ断ち切りましょう!」
私は握手を求めて手を差し出す。
「あなたの代で終わらせるのです。女神ルミナスの最大の加護を得た双翼の大聖女たる私に賭けなさい!」
なんて偉そうな上から目線の態度……。
言ってて恥ずかしくなり、照れくさくて表情が崩れそうになる。
それを必死でこらえて、毅然として態度をなんとか保つ。
「今こそ決断の時です!」
あくまでも堂々と手を差し出し続ける。
辺境伯は私を見つめると、力なくうつむいた。
「わかった……。頼む、シオンを助けてやってくれ」
そう言って辺境伯は私の手を両手でギュッと握りしめた。
その顔は再び、孫を思う優しいおじいさんの顔に変わっていた。
「では、シオンのところに連れていっていただけますね」
大聖女ぶりもだいぶ板についてきたものだなあ、と自分で感心してしまった。
辺境伯と馬車に乗り、郊外の山道を上っていく。
向かい合って座る辺境伯が不思議そうに私を見ているのに気づいた。
「シオンからは、おとなしい、少し内気な少女と聞いておったんじゃがなあ……」
そうかあ、そうなんだ……。
『聖女殺し』に襲われてからは、ろくにシオンと話もできてないから以前のイメージがまだ強いのかも。
精神的に強くなったと言えば聞こえはいいけど、実際には乱暴、粗暴、がさつになっただけかもしれない。
最近、テーブルを素手で二回もたたき割ったし……。
今度シオンと会ったとき、『アンジェは変わった』とか『こんなのアンジェじゃない』とか言われたらどうしよう。
考えるほどにズーンと落ち込んでいく私を辺境伯は首をかしげて見るが、なぐさめるように私に言う。
「さっきの堂々とした姿は、まるでラティウス……、アンジェちゃんのおじいさんを見てるようじゃったよ」
祖父は私が八歳のときに亡くなったので、遊んでもらったような記憶しか残っていない。
「祖父とはどういった関係だったのですか?」
「ラティウスは歴史好きで特に建国伝説を研究していてな、我が家の歴史の調査で何度か来て、その縁で商売も一緒にやったという関係じゃ。そういった歴史の本や古文書がかなりあったはずじゃがな」
今の我が家の書斎にはチェス以外の本はほとんどない。
祖父の蔵書はきっと価値もわからず父が売り払ったに違いない。
「封印や暗黒竜を見せたこともあった。我が家の宿命を知って、暗黒竜を倒す方法を探してくれていたよ」
辺境伯は懐かしそうに笑った。
「その一つが大聖女ルシアを復活させることで、ルシアの転生伝説はかなり研究していたようじゃった」
私は驚いて辺境伯を見た。
母がルシアの転生者だということを私は言ってない。
「その転生伝説ってなんですか?」
私はしらばっくれて聞いてみた。
「大聖女ルシアは死んだ後も現世の誰かに生まれ変わり続けていて、大災厄が再び訪れたとき復活して民を救うという古い民間伝承じゃ。今では知ってる人もおらんぐらいじゃな。女神ルミナスに会ったとき、なにか言ってなかったかな?」
「いいえ、特になにも……」
私は再びしらばっくれた。
「そうじゃろう。マジメにいろいろ調べていたようだが、わしには庶民の夢物語、都市伝説にしか思えん」
ハッと気がついた。
もともと母を見つけてきたのは祖父だった。
しっかり者の貧乏子爵令嬢、しかも美人。
祖父が非常に気に入って父との縁談を進めたとよく両親が言っていた。
祖父は初めから母が大聖女ルシアの生まれ変わりと知っていたのではないだろうか?
そして父と結婚させ、なんからの方法で女神ルミナスの力を抑え、母に眠るルシアの力を娘に遺伝させるようにした。
「ラティウス……、おじいさんはアンジェちゃんに魔力があることを知っていたよ」
えっ?
「四歳のときに我が家に連れてきたのは、当家の暗黒魔法で魔力を封印できないかという相談のためじゃった。偶然、封印できてしまったがな。あまり小さいうちから魔法を使うのは良くないから、と言っていた」
祖父は父と母にすら私の魔力について話していなかった。
全ては、私の強大な魔力を誰にも知られず隠しておきたかったからではないのか。
祖父が死んだ今となっては確認のしようもない。
「孫娘のアンジェちゃんが大聖女になるとは、ラティウスもあの世で喜んでるじゃろう」
私は祖父によって作られた大聖女なのかもしれない。
しかし、目的は暗黒竜を倒すため!
「おじいちゃん、ありがとう。そう言わないといけませんね」
辺境伯はウンウンと優しそうにうなずいた。
馬車が山の頂上付近に停まって外に出ると向こうにやや低い別の山が見え、頂上には火山の火口のような巨大なくぼみがあった。
木々は生えておらず、むき出しの岩肌の中腹に塀で囲まれた黒い建物が建っていた。
辺境伯がその山を指差した。
「あの山の地下に暗黒竜は眠っている」
馬車はその山に向かって進んでいった。
黒い建物の塀の門の前につくと、剣を構えた警備の兵が数人、馬車に近寄ってきた。
「十三年前、シオンとアンジェちゃんが忍び込んで以来、一般の人は絶対に近づけないようにしておる」
辺境伯は警備の人に指示を出して門を開けさせた。
馬車はその先の神殿のような黒い建物の前に進むが、ここも警備の兵が何人も立っていた。
馬車から降りて建物の中に入って廊下を進んでいく。
辺境伯は足を止めて壁に掛かっている一枚の大きな絵を指差した。
縦横数メートルはあろうかという大きな絵。
「二千年前にここで行われた暗黒竜との最後の戦いじゃ。千年以上前に描かれた絵だそうだ」
白い聖女服を着て背中に四色の羽、双翼のある大聖女ルシアと黒い甲冑を着て槍を構える勇者ディアスが巨大な暗黒竜と向き合っている姿が描かれていた。
大聖女ルシアはやはり金髪。
暗黒竜はピピが最終形態と呼んだドラゴンの姿に似て、四本の脚、背中に大きな羽。
しかし、不思議なことに長い首と頭は三つ描かれていた。
「頭が三つあるんですか?」
「いいや、今眠っている実物の頭は一つだけじゃ。たぶん伝説が誇張されたのじゃろう」
ルシアの髪も金髪だし、時間が経つと物語として格好いいように脚色されるのね。
辺境伯は廊下の一番奥の部屋のドアを持ってきたカギで開けた。
その部屋に入っていくと床に地下へと続く階段があった。
「下は冷えるから、これを着ていきなさい」
そう言って、壁に掛かっていた長いコートのような男物の上着を渡してくれた。
それを着て、辺境伯に続いて長い階段を降りていく。
下まで降りると、通路があってその先は洞窟へとつながっていた。
洞窟を奥へ奥へと進んでいくと、光で明るくなっている広い空間へと入っていった。
そこは小さいころの記憶と一致する空間。
直径数十メートルの大きな魔方陣を取り囲む何十本もの光を放つ人の背丈ほどの水晶の柱。
この柱はもともと人だったのかと思うと寒気を感じてしまう。
「光魔法を発動させないように注意するんじゃよ」
暗黒竜の力を押さえ込んでいる暗黒魔法の力を弱めることになったら、目覚めさせてしまうかもしれない。
「こっちじゃ」
辺境伯の後に続いて何本もの柱を過ぎていくと、辺境伯が立ち止まって一本の柱を指差した。
その柱は黒っぽく濁った半透明だが、中に人が立ったまま閉じ込められているのがボンヤリと見える。
「シオン⁉」
柱の中に目を閉じて眠っているように立っているシオンがいた。
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