38 / 84
第一章 学園編
第38話 従騎士決定戦
しおりを挟む
私の従騎士に手を上げて立候補したシオンをニコラ王子が不思議そうに見た。
「あなたは確か、この前の舞踏会でアンジェと踊っていた……」
「はい。テレジオ家の執事です。シオンとお呼びください」
「執事? 剣はできるのか?」
「剣はダメですが、槍は多少の心得がございます」
ニコラ王子がちょっとあきれたような顔で私を見た。
「アンジェ、彼は強いのか?」
「強いです。た……」
たぶん、と付け足しそうになってあわてて口を閉じる。
三人の悪党を一瞬で倒したところを見たが、その強さがどれだけのものかが私には見当がつかない。
レビンさんはうつむく私を見た後で、シオンを見据えた。
「では、単純に勝負して決めませんか。どちらがアンジェを守るのにふさわしいかを」
「ええ、そうしましょう」
シオンはなんのためらいもなくレビンさんの提案を受け入れた。
さっきのローランさんの言ったことを聞いてなかったの?
レビンさんは王国でも十指に入る強さ。
どうするの?
公爵家の広い庭の一角にある剣の稽古場。
稽古着に着替えたシオンとレビンさんがそれぞれ練習用の木の剣と長い木の槍を持って向き合った。
あまり詳しくはないが、普通の槍よりも長い気がする。
残りの人たちは私を含めて離れたところから二人の勝負を見守る。
「ローラン、この勝負どう見ますか?」
シルビア様が隣に立つローランさんに尋ねた。
「間合いだけを考えれば当然、長い槍が有利。しかし、踏み込んで剣の間合いになれば剣が有利」
シオンの長い槍を指差す。
「あの槍、普通よりもかなり長いですね。接近戦になったときに剣をさばく技量があるかどうか」
隣のザックさんがそれを聞いてブツブツとぼやいた。
「なんか考えがあるんだろ。あいつ、頭いいからなあ。トランプで負け続けだぜ、まったく……」
ミラ様がジロッとザックさんをにらんだ。
「いくら負けた?」
「……給料一ヶ月分」
「アホウ」
シオンが槍の真ん中を両手で持ち、すごい速度で回し始める。
ヒュンヒュンヒュンと槍の柄が風を切る大きな音が起こった。
そして、旋回させたままの槍を右、左と器用に動かし続けた後、ピタッと正面に槍を構えてみせる。
ローランさんがそれを見て感心するようにつぶやいた。
「ほう。技量はありそうですね」
試合開始前、稽古場の真ん中でシオンと向き合ったまま、レビンさんが口を開いた。
「あなたは、テレジオ家にはいつからいるのですか?」
「今年の四月です」
「そうですか、ボクは去年、アンジェが入学したときからずっと見ていたんですよ!」
そう言いながらレビンさんが剣を打ち込み、試合が始まった。
すごい速度で何度も打ち込まれる剣を槍の柄の両側を使ってシオンは受けつづけ、カンカンカンと木のぶつかる音が響いた。
「おおー、剣の兄ちゃん、押してるねえ。やっぱ強えな」
そう言ったミラ様をローランさんはチラッと見た。
「いえ、ご覧下さい。打ち込みを返されるたびに間合いが少しずつ開いてます。ほら、もうじき槍の間合いに入ります」
その瞬間、レビンさんの顔面を狙った鋭い突きが入り、一瞬顔をそらしてかわすが、二度、三度と突きが顔面を狙う。
間一髪でそれらの突きをかわすが、空中で弧を描いた槍が横殴りで右足首をめがけて打ち込まれる。
「うわっ!」
レビンさんは後ろに飛び退いてかわすが、バランスが崩れたところを槍の柄が今度は左足首を狙って打ち込まれる。
それをかわして前に出ようとすると、逆側の柄の先端で顔面を狙われ、また後ろに下がらせられる。
「剣同士の戦いではあり得ない場所への攻撃ですので対処できていないようです」
「そりゃあ正々堂々と戦う騎士様の学校じゃ教わんねえだろ。長い槍はこのためかい。えげつないねえー」
ローランさんの説明にザックさんが合いの手を入れた。
「あんなところを狙うとは卑怯ではないか!」
レビンさんの不利な状況にニコラ王子が思わず声を上げた。
ザックさんが笑いながら言う。
「でんかー、足元の土の中から飛び出してくる魔獣だっているんですぜ。戦場に卑怯もへったくれもねえっす」
「う、うむ。確かにそうである」
王子を恐れもしないザックさんの発言だったが、納得されたニコラ王子はそのまま黙ってしまった。
足首への攻撃でバランスを崩したレビンさんの頭めがけて槍の柄が振り下ろされるが、両手で構えた剣でなんとか受けとめる。
しかし、逆側の柄が下から弧を描いて剣を打って思いっきり跳ね上げた。
手から離れた剣が宙を舞い防御をなくした額の真ん中に突きが入る。
当たる瞬間に槍の先端はピタリと止まった。
レビンさんは目を見開いたまま動きがとまり、そのまま、ぺたんとしりもちをついてしまった。
「まいった……」
シオンはレビンさんに近寄って手を差し伸べた。
「あざとい攻め方で申し訳ありません」
「いえ、戦いに言い訳無しです。ボクの負けです」
差し出された手を取って立ち上がったレビンさんにシオンが近寄り、耳元でなにかささやいたように見えた。
ニコラ王子とソフィア様の手前、私の方に歩いてくるシオンに、なにも言えずにいるが、なんとか目でありがとうと伝えようと頑張ってみる。
シオンは無言だが笑顔で私にうなずいてくれた。
「着替えて参ります」
そう言って、シオンが私たちから離れるのと入れ替わりでレビンさんが頭をかきながら戻って来た。
「すまん、ニコラ、ソフィア。彼は強かったよ」
「ねえ、最後に彼はなんて言ってたの?」
「意味はわからないけど『私はずっとアンジェ様を見てきました。ご容赦ください』だって」
私をずっと見てきた?
いつから?
どういうこと?
「アンジェ、あの人はいったい何者なんだ?」
みんなの目がいっせいに私に向けられた。
何者なんだろう?
執事、有能な商売人、槍使い、暗黒魔法騎士、禁術使い……?
「えーと……、『辺境伯の贈り物』です」
みんな、はあ? という顔で私を見た。
こうして私の従騎士はシオンということで無事に決まり、水の聖女の就任式の日を迎えることになった。
「あなたは確か、この前の舞踏会でアンジェと踊っていた……」
「はい。テレジオ家の執事です。シオンとお呼びください」
「執事? 剣はできるのか?」
「剣はダメですが、槍は多少の心得がございます」
ニコラ王子がちょっとあきれたような顔で私を見た。
「アンジェ、彼は強いのか?」
「強いです。た……」
たぶん、と付け足しそうになってあわてて口を閉じる。
三人の悪党を一瞬で倒したところを見たが、その強さがどれだけのものかが私には見当がつかない。
レビンさんはうつむく私を見た後で、シオンを見据えた。
「では、単純に勝負して決めませんか。どちらがアンジェを守るのにふさわしいかを」
「ええ、そうしましょう」
シオンはなんのためらいもなくレビンさんの提案を受け入れた。
さっきのローランさんの言ったことを聞いてなかったの?
レビンさんは王国でも十指に入る強さ。
どうするの?
公爵家の広い庭の一角にある剣の稽古場。
稽古着に着替えたシオンとレビンさんがそれぞれ練習用の木の剣と長い木の槍を持って向き合った。
あまり詳しくはないが、普通の槍よりも長い気がする。
残りの人たちは私を含めて離れたところから二人の勝負を見守る。
「ローラン、この勝負どう見ますか?」
シルビア様が隣に立つローランさんに尋ねた。
「間合いだけを考えれば当然、長い槍が有利。しかし、踏み込んで剣の間合いになれば剣が有利」
シオンの長い槍を指差す。
「あの槍、普通よりもかなり長いですね。接近戦になったときに剣をさばく技量があるかどうか」
隣のザックさんがそれを聞いてブツブツとぼやいた。
「なんか考えがあるんだろ。あいつ、頭いいからなあ。トランプで負け続けだぜ、まったく……」
ミラ様がジロッとザックさんをにらんだ。
「いくら負けた?」
「……給料一ヶ月分」
「アホウ」
シオンが槍の真ん中を両手で持ち、すごい速度で回し始める。
ヒュンヒュンヒュンと槍の柄が風を切る大きな音が起こった。
そして、旋回させたままの槍を右、左と器用に動かし続けた後、ピタッと正面に槍を構えてみせる。
ローランさんがそれを見て感心するようにつぶやいた。
「ほう。技量はありそうですね」
試合開始前、稽古場の真ん中でシオンと向き合ったまま、レビンさんが口を開いた。
「あなたは、テレジオ家にはいつからいるのですか?」
「今年の四月です」
「そうですか、ボクは去年、アンジェが入学したときからずっと見ていたんですよ!」
そう言いながらレビンさんが剣を打ち込み、試合が始まった。
すごい速度で何度も打ち込まれる剣を槍の柄の両側を使ってシオンは受けつづけ、カンカンカンと木のぶつかる音が響いた。
「おおー、剣の兄ちゃん、押してるねえ。やっぱ強えな」
そう言ったミラ様をローランさんはチラッと見た。
「いえ、ご覧下さい。打ち込みを返されるたびに間合いが少しずつ開いてます。ほら、もうじき槍の間合いに入ります」
その瞬間、レビンさんの顔面を狙った鋭い突きが入り、一瞬顔をそらしてかわすが、二度、三度と突きが顔面を狙う。
間一髪でそれらの突きをかわすが、空中で弧を描いた槍が横殴りで右足首をめがけて打ち込まれる。
「うわっ!」
レビンさんは後ろに飛び退いてかわすが、バランスが崩れたところを槍の柄が今度は左足首を狙って打ち込まれる。
それをかわして前に出ようとすると、逆側の柄の先端で顔面を狙われ、また後ろに下がらせられる。
「剣同士の戦いではあり得ない場所への攻撃ですので対処できていないようです」
「そりゃあ正々堂々と戦う騎士様の学校じゃ教わんねえだろ。長い槍はこのためかい。えげつないねえー」
ローランさんの説明にザックさんが合いの手を入れた。
「あんなところを狙うとは卑怯ではないか!」
レビンさんの不利な状況にニコラ王子が思わず声を上げた。
ザックさんが笑いながら言う。
「でんかー、足元の土の中から飛び出してくる魔獣だっているんですぜ。戦場に卑怯もへったくれもねえっす」
「う、うむ。確かにそうである」
王子を恐れもしないザックさんの発言だったが、納得されたニコラ王子はそのまま黙ってしまった。
足首への攻撃でバランスを崩したレビンさんの頭めがけて槍の柄が振り下ろされるが、両手で構えた剣でなんとか受けとめる。
しかし、逆側の柄が下から弧を描いて剣を打って思いっきり跳ね上げた。
手から離れた剣が宙を舞い防御をなくした額の真ん中に突きが入る。
当たる瞬間に槍の先端はピタリと止まった。
レビンさんは目を見開いたまま動きがとまり、そのまま、ぺたんとしりもちをついてしまった。
「まいった……」
シオンはレビンさんに近寄って手を差し伸べた。
「あざとい攻め方で申し訳ありません」
「いえ、戦いに言い訳無しです。ボクの負けです」
差し出された手を取って立ち上がったレビンさんにシオンが近寄り、耳元でなにかささやいたように見えた。
ニコラ王子とソフィア様の手前、私の方に歩いてくるシオンに、なにも言えずにいるが、なんとか目でありがとうと伝えようと頑張ってみる。
シオンは無言だが笑顔で私にうなずいてくれた。
「着替えて参ります」
そう言って、シオンが私たちから離れるのと入れ替わりでレビンさんが頭をかきながら戻って来た。
「すまん、ニコラ、ソフィア。彼は強かったよ」
「ねえ、最後に彼はなんて言ってたの?」
「意味はわからないけど『私はずっとアンジェ様を見てきました。ご容赦ください』だって」
私をずっと見てきた?
いつから?
どういうこと?
「アンジェ、あの人はいったい何者なんだ?」
みんなの目がいっせいに私に向けられた。
何者なんだろう?
執事、有能な商売人、槍使い、暗黒魔法騎士、禁術使い……?
「えーと……、『辺境伯の贈り物』です」
みんな、はあ? という顔で私を見た。
こうして私の従騎士はシオンということで無事に決まり、水の聖女の就任式の日を迎えることになった。
19
お気に入りに追加
452
あなたにおすすめの小説
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
大好きな旦那様はどうやら聖女様のことがお好きなようです
古堂すいう
恋愛
祖父から溺愛され我儘に育った公爵令嬢セレーネは、婚約者である皇子から衆目の中、突如婚約破棄を言い渡される。
皇子の横にはセレーネが嫌う男爵令嬢の姿があった。
他人から冷たい視線を浴びたことなどないセレーネに戸惑うばかり、そんな彼女に所有財産没収の命が下されようとしたその時。
救いの手を差し伸べたのは神官長──エルゲンだった。
セレーネは、エルゲンと婚姻を結んだ当初「穏やかで誰にでも微笑むつまらない人」だという印象をもっていたけれど、共に生活する内に徐々に彼の人柄に惹かれていく。
だけれど彼には想い人が出来てしまったようで──…。
「今度はわたくしが恩を返すべきなんですわ!」
今まで自分のことばかりだったセレーネは、初めて人のために何かしたいと思い立ち、大好きな旦那様のために奮闘するのだが──…。
お堅い公爵様に求婚されたら、溺愛生活が始まりました
群青みどり
恋愛
国に死ぬまで搾取される聖女になるのが嫌で実力を隠していたアイリスは、周囲から無能だと虐げられてきた。
どれだけ酷い目に遭おうが強い精神力で乗り越えてきたアイリスの安らぎの時間は、若き公爵のセピアが神殿に訪れた時だった。
そんなある日、セピアが敵と対峙した時にたまたま近くにいたアイリスは巻き込まれて怪我を負い、気絶してしまう。目が覚めると、顔に傷痕が残ってしまったということで、セピアと婚約を結ばれていた!
「どうか怪我を負わせた責任をとって君と結婚させてほしい」
こんな怪我、聖女の力ですぐ治せるけれど……本物の聖女だとバレたくない!
このまま正体バレして国に搾取される人生を送るか、他の方法を探して婚約破棄をするか。
婚約破棄に向けて悩むアイリスだったが、罪悪感から求婚してきたはずのセピアの溺愛っぷりがすごくて⁉︎
「ずっと、どうやってこの神殿から君を攫おうかと考えていた」
麗しの公爵様は、今日も聖女にしか見せない笑顔を浮かべる──
※タイトル変更しました
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜
星井柚乃(旧名:星里有乃)
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」
「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」
(レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)
美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。
やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。
* 2023年01月15日、連載完結しました。
* ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。お読みくださった読者様、ありがとうございました!
* 初期投稿ではショートショート作品の予定で始まった本作ですが、途中から長編版に路線を変更して完結させました。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
* ブクマ、感想、ありがとうございます。
殿下、あなたが借金のカタに売った女が本物の聖女みたいですよ?
星ふくろう
恋愛
聖女認定の儀式をするから王宮に来いと招聘された、クルード女公爵ハーミア。
数人の聖女候補がいる中、次期皇帝のエミリオ皇太子と婚約している彼女。
周囲から最有力候補とみられていたらしい。
未亡人の自分でも役に立てるならば、とその命令を受けたのだった。
そして、聖女認定の日、登城した彼女を待っていたのは借金取りのザイール大公。
女癖の悪い、極悪なヤクザ貴族だ。
その一週間前、ポーカーで負けた殿下は婚約者を賭けの対象にしていて負けていた。
ハーミアは借金のカタにザイール大公に取り押さえられたのだ。
そして、放蕩息子のエミリオ皇太子はハーミアに宣言する。
「残念だよ、ハーミア。
そんな質草になった貴族令嬢なんて奴隷以下だ。
僕はこの可愛い女性、レベン公爵令嬢カーラと婚約するよ。
僕が選んだ女性だ、聖女になることは間違いないだろう。
君は‥‥‥お払い箱だ」
平然と婚約破棄をするエミリオ皇太子とその横でほくそ笑むカーラ。
聖女認定どころではなく、ハーミアは怒り大公とその場を後にする。
そして、聖女は選ばれなかった.
ハーミアはヤクザ大公から債権を回収し、魔王へとそれを売り飛ばす。
魔王とハーミアは共謀して帝国から債権回収をするのだった。
偽物と断罪された令嬢が精霊に溺愛されていたら
影茸
恋愛
公爵令嬢マレシアは偽聖女として、一方的に断罪された。
あらゆる罪を着せられ、一切の弁明も許されずに。
けれど、断罪したもの達は知らない。
彼女は偽物であれ、無力ではなく。
──彼女こそ真の聖女と、多くのものが認めていたことを。
(書きたいネタが出てきてしまったゆえの、衝動的短編です)
(少しだけタイトル変えました)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる