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第一章 学園編
第31話 ザマアミロ再び ~舞踏会のパートナー
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元婚約者のダミアン・ダントンとは婚約破棄のあの日からしばらくは学園内で会わないように避けていた。
しかし、今ではとっくに忘れてしまっていた。
なんで、いきなり声を掛けてくるんだろう?
「もしよければ、今度の舞踏会でエスコートさせてもらえないだろうか。ぼくたちは、半年も婚約していた仲じゃないか」
は……?
あまりのことに目が点になったのがわかった。
よくもまあこんなセリフを言えるもんだ。
厚顔無恥とはこのことか。
聖女になりそうだから、より戻してこい! とか、どうせパパの命令なんでしょ。
さすがのセシリアも私と同じく目が点、あきれて口が半開きになってる。
彼女が怒り出す前に追っ払おう。
「あら、ダミアンさん、変な帯のような物がウニョウニョと出てますよ。ほら」
そう言って地面の上の彼の黒い影を指差した。
もちろん影からは別になにも出ていない。
「私に近づいたから怒ったのかもしれませんねえ……」
そう言って、ちょっとためたあとニヤーと気味悪そうな笑みを浮かべてダミアンを見る。
「影が」
「な、なに?」
まだ前回のことを良く覚えているのか、ダミアンはギョッとして自分の影を見下ろした。
「まあ、大変。影が脚にはい上がって胴体に巻き付き始めました!」
「やめろー、くるな!」
ダミアンはなにもない物を引き剥がそうとするように、自分のシャツをつかんで引っ張る。
セシリアは私たちのやりとりをポカンとしてみている。
「あっ、首に届きました!」
「ひー、やめろ-、助けてくれー!」
そう言って首に巻き付いたものを取るように手を動かしながら、あわてて走り去る。
体のバランスを崩して、バッタリと顔から地面に前のめりに倒れ込んだ。
「うわー、痛そう……」
セシリアが思わず声に出すほどの勢いで、ダミアンは顔から地面に突っ込んでいった。
起き上がると顔中すり傷、鼻血がダラダラと流れていた。
「た、助けてくれ、殺されるー」
おびえるように自分の影を見ながら起き上がるダミアンを不思議そうにセシリアがながめている。
「なんなの、あいつ?」
「さあ、どうしたんでしょうね」
顔中血まみれで慌てふためいて走り去るダミアンを見送る。
心の中で唱える言葉は、ザマアミロ。
まあ、あんなヤツのことはどうでもいいわ。
今日は早く家に帰って考えないと。
舞踏会のこと、どうやって切りだそう?
彼、ダンスはできるのかな?
家に帰ると、屋敷の門の前に今では見慣れたエリザ様の白い大きな馬車がとまっていた。
あれ?
エリザ様がなにしにこられたんだろう?
めずらしく応接室にカギがかかっており、母の裁縫の助手に中から開けてもらって入ると母が下着姿のエリザ様の体のあちこちの寸法を測っていた。
不思議そうに入り口にたたずむ私にエリザ様が気づかれた。
「今度、新しいきれいな布でお母様にドレスを縫ってもらうの」
「新しい布?」
採寸が終わって、エリザ様が服を着終わると、母と入れ替わりにシオンが白い反物をいくつか持って入って来た。
「いかがですか?」
そう言って、反物の布を広げて私にさわらせてくれた。
今まで触れたこともないような肌触りと滑らかさ、表面の光沢。
純白と呼びたくなる輝く白さ。
「きれい……」
この布で作ったドレスなら聖女様にふさわしくて、エリザ様にぴったりだ。
「はるか東方の国の布で、虫の幼虫が吐く糸で作られています。フロディアス商会がやっと調達できるようになりました」
「ソフィアとシルビアも欲しいって言ってましたわ」
「それは素晴らしいですね。ぜひ、宣伝していただきましょう」
王国の白バラと白ユリ、それにエリザ様が着たら貴族令嬢たちは我も我もと欲しがるのが目に浮かぶ。
「テレジオ商会が独占して、高級ドレスとして数量限定で販売します。令嬢の皆様にはしばらくお待ちいただきますが こうすれば、かなり高く売れるでしょう」
「そうですね。みんなが同じものを着だしたら、すぐ飽きられてしまいますもの」
シオンは商売の話をするときが一番楽しそう。
やっぱり商売が好きなのね。
「今雇っている人から技術の高い人を選んで四人ぐらい奥様の助手に付けて、一ヶ月で三、四着ぐらいでしょうか」
「まずは今度のシャルル皇太子の舞踏会に出るソフィアとアンジェが優先ね」
布をいじって手触りを楽しんでいた私は驚いてエリザ様を見た。
「えっ、私も着るんですか?」
「あたりまえですわ。販売元のテレジオ商会の娘が着ないなんておかしいでしょう?」
それはそうですけど、赤毛と真っ白なドレス、相性悪いんじゃないだろうか?
「ところでアンジェは今度の舞踏会、どなたにエスコートしていだたくの?」
突然の質問にドギマギしながら答える。
「え、えと、私は特定の人とかいないんで、どうしたものかなと考え中でして」
「そういうことでしたら、身近なところでシオンさんにお願いなさったらどうですか?」
ドキッ! 驚いた私をエリザ様はニッコリと笑って見た。
シオンは意外そうな顔をしている。
「私ですか?」
「ええ、見た目、教養、礼儀作法。どこに出しても恥ずかしくないですし、あなたが隣にいれば変な虫も近寄ってこないでしょう」
まさに今日、変な虫が寄ってきたっけ。
私はうつむきながら勇気を振り絞って口を開く。
「そ、そうですね。さすがはエリザ様、とてもいいお考えと思います。もちろん、シオンさえ良ければだけど」
チラッと上目づかいでシオンの反応を見る。
断るならダンスができないとか着ていく服がないとか、差し障りのない理由を言い訳にするかもしれない。
あっ、シオンがとてもうれしそうに笑った。
「もちろん、よろこんでお引き受けいたします。ダンスは多少の心得がございますので」
エリザ様がこちらを見て片目をつぶった。
エリザ様、慈愛をありがとうございます!
思わず心の中で手を合わせてお礼を言ってしまった。
シャルル皇太子の一時帰国歓迎舞踏会も近付きつつあった。
ドレスも仮縫いが終わって母が試着として私に着せてくれた。
白い柔らかな布のドレスの裾をクルクルと翻してみる。
「とてもきれいよ、アンジェ」
母が私とドレスを見て満足そうに言った。
ほんとにキレイ。
思えば、ドレスを着たのは久しぶりなような気がする。
「あなたー、シオンさーん、もういいわよ」
部屋の外で待っていた父とシオンが母に呼ばれて入って来た。
「おお、こういう姿を見るとアンジェが聖女候補と言われても信じてしまいそうだな」
私が聖女になるかもしれないということを父はいまだに全く信じていない。
「とてもお美しいです、アンジェ様」
「ありがとう、うれしいわ」
心の底からほめてくれたようなシオンに素直に礼を言ってしまう。
「本当ですよ、アンジェ、とても美しくってよ」
やはり試着のために来られたソフィア様が部屋に入ってこられた。
その後ろに金髪の男性が続いていた。
「やあ、アンジェ、とてもきれいだね」
「ニコラ殿下?」
なんで第二王子のニコラ殿下がここに?
もともとソフィア様の家で試着していただく予定だったが、時間が足りない中、仮縫いのドレスを動かすのは大変でしょうと我が家にきていただけることになった。
しかし、ニコラ殿下が付いてこられるとは全く知らなかった。
「実はアンジェにお願いがあるんだが」
なんだろう? 病気の治療とかかな?
「今度の舞踏会で、キミをエスコートさせてもらえないだろうか?」
「えっ、私を?」
驚きながらも一瞬、シオンの方を見るが彼も驚いていた。
しかし、今ではとっくに忘れてしまっていた。
なんで、いきなり声を掛けてくるんだろう?
「もしよければ、今度の舞踏会でエスコートさせてもらえないだろうか。ぼくたちは、半年も婚約していた仲じゃないか」
は……?
あまりのことに目が点になったのがわかった。
よくもまあこんなセリフを言えるもんだ。
厚顔無恥とはこのことか。
聖女になりそうだから、より戻してこい! とか、どうせパパの命令なんでしょ。
さすがのセシリアも私と同じく目が点、あきれて口が半開きになってる。
彼女が怒り出す前に追っ払おう。
「あら、ダミアンさん、変な帯のような物がウニョウニョと出てますよ。ほら」
そう言って地面の上の彼の黒い影を指差した。
もちろん影からは別になにも出ていない。
「私に近づいたから怒ったのかもしれませんねえ……」
そう言って、ちょっとためたあとニヤーと気味悪そうな笑みを浮かべてダミアンを見る。
「影が」
「な、なに?」
まだ前回のことを良く覚えているのか、ダミアンはギョッとして自分の影を見下ろした。
「まあ、大変。影が脚にはい上がって胴体に巻き付き始めました!」
「やめろー、くるな!」
ダミアンはなにもない物を引き剥がそうとするように、自分のシャツをつかんで引っ張る。
セシリアは私たちのやりとりをポカンとしてみている。
「あっ、首に届きました!」
「ひー、やめろ-、助けてくれー!」
そう言って首に巻き付いたものを取るように手を動かしながら、あわてて走り去る。
体のバランスを崩して、バッタリと顔から地面に前のめりに倒れ込んだ。
「うわー、痛そう……」
セシリアが思わず声に出すほどの勢いで、ダミアンは顔から地面に突っ込んでいった。
起き上がると顔中すり傷、鼻血がダラダラと流れていた。
「た、助けてくれ、殺されるー」
おびえるように自分の影を見ながら起き上がるダミアンを不思議そうにセシリアがながめている。
「なんなの、あいつ?」
「さあ、どうしたんでしょうね」
顔中血まみれで慌てふためいて走り去るダミアンを見送る。
心の中で唱える言葉は、ザマアミロ。
まあ、あんなヤツのことはどうでもいいわ。
今日は早く家に帰って考えないと。
舞踏会のこと、どうやって切りだそう?
彼、ダンスはできるのかな?
家に帰ると、屋敷の門の前に今では見慣れたエリザ様の白い大きな馬車がとまっていた。
あれ?
エリザ様がなにしにこられたんだろう?
めずらしく応接室にカギがかかっており、母の裁縫の助手に中から開けてもらって入ると母が下着姿のエリザ様の体のあちこちの寸法を測っていた。
不思議そうに入り口にたたずむ私にエリザ様が気づかれた。
「今度、新しいきれいな布でお母様にドレスを縫ってもらうの」
「新しい布?」
採寸が終わって、エリザ様が服を着終わると、母と入れ替わりにシオンが白い反物をいくつか持って入って来た。
「いかがですか?」
そう言って、反物の布を広げて私にさわらせてくれた。
今まで触れたこともないような肌触りと滑らかさ、表面の光沢。
純白と呼びたくなる輝く白さ。
「きれい……」
この布で作ったドレスなら聖女様にふさわしくて、エリザ様にぴったりだ。
「はるか東方の国の布で、虫の幼虫が吐く糸で作られています。フロディアス商会がやっと調達できるようになりました」
「ソフィアとシルビアも欲しいって言ってましたわ」
「それは素晴らしいですね。ぜひ、宣伝していただきましょう」
王国の白バラと白ユリ、それにエリザ様が着たら貴族令嬢たちは我も我もと欲しがるのが目に浮かぶ。
「テレジオ商会が独占して、高級ドレスとして数量限定で販売します。令嬢の皆様にはしばらくお待ちいただきますが こうすれば、かなり高く売れるでしょう」
「そうですね。みんなが同じものを着だしたら、すぐ飽きられてしまいますもの」
シオンは商売の話をするときが一番楽しそう。
やっぱり商売が好きなのね。
「今雇っている人から技術の高い人を選んで四人ぐらい奥様の助手に付けて、一ヶ月で三、四着ぐらいでしょうか」
「まずは今度のシャルル皇太子の舞踏会に出るソフィアとアンジェが優先ね」
布をいじって手触りを楽しんでいた私は驚いてエリザ様を見た。
「えっ、私も着るんですか?」
「あたりまえですわ。販売元のテレジオ商会の娘が着ないなんておかしいでしょう?」
それはそうですけど、赤毛と真っ白なドレス、相性悪いんじゃないだろうか?
「ところでアンジェは今度の舞踏会、どなたにエスコートしていだたくの?」
突然の質問にドギマギしながら答える。
「え、えと、私は特定の人とかいないんで、どうしたものかなと考え中でして」
「そういうことでしたら、身近なところでシオンさんにお願いなさったらどうですか?」
ドキッ! 驚いた私をエリザ様はニッコリと笑って見た。
シオンは意外そうな顔をしている。
「私ですか?」
「ええ、見た目、教養、礼儀作法。どこに出しても恥ずかしくないですし、あなたが隣にいれば変な虫も近寄ってこないでしょう」
まさに今日、変な虫が寄ってきたっけ。
私はうつむきながら勇気を振り絞って口を開く。
「そ、そうですね。さすがはエリザ様、とてもいいお考えと思います。もちろん、シオンさえ良ければだけど」
チラッと上目づかいでシオンの反応を見る。
断るならダンスができないとか着ていく服がないとか、差し障りのない理由を言い訳にするかもしれない。
あっ、シオンがとてもうれしそうに笑った。
「もちろん、よろこんでお引き受けいたします。ダンスは多少の心得がございますので」
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エリザ様、慈愛をありがとうございます!
思わず心の中で手を合わせてお礼を言ってしまった。
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ドレスも仮縫いが終わって母が試着として私に着せてくれた。
白い柔らかな布のドレスの裾をクルクルと翻してみる。
「とてもきれいよ、アンジェ」
母が私とドレスを見て満足そうに言った。
ほんとにキレイ。
思えば、ドレスを着たのは久しぶりなような気がする。
「あなたー、シオンさーん、もういいわよ」
部屋の外で待っていた父とシオンが母に呼ばれて入って来た。
「おお、こういう姿を見るとアンジェが聖女候補と言われても信じてしまいそうだな」
私が聖女になるかもしれないということを父はいまだに全く信じていない。
「とてもお美しいです、アンジェ様」
「ありがとう、うれしいわ」
心の底からほめてくれたようなシオンに素直に礼を言ってしまう。
「本当ですよ、アンジェ、とても美しくってよ」
やはり試着のために来られたソフィア様が部屋に入ってこられた。
その後ろに金髪の男性が続いていた。
「やあ、アンジェ、とてもきれいだね」
「ニコラ殿下?」
なんで第二王子のニコラ殿下がここに?
もともとソフィア様の家で試着していただく予定だったが、時間が足りない中、仮縫いのドレスを動かすのは大変でしょうと我が家にきていただけることになった。
しかし、ニコラ殿下が付いてこられるとは全く知らなかった。
「実はアンジェにお願いがあるんだが」
なんだろう? 病気の治療とかかな?
「今度の舞踏会で、キミをエスコートさせてもらえないだろうか?」
「えっ、私を?」
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