#秒恋4 恋の試練は元カノじゃなくて、元カノの親友だった件。

ReN

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piece8 ずっと話したかった

全部、ぶち壊した

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ザアッと、ひときわ冷たい風が屋上を駆け抜けていった。
エリカは、パチパチと瞬きを繰り返した。

「キスして、勢いで、それ以上のことをしてるところを、思いっきり剛士と、勇誠の当時のキャプテンに見られたんだ」

終わったよね、とエリカは自虐的に呟いた。

「私は、最低だ。高木さんは、私から好きって言うまで、何もしてこなかったんだよ。なのに高木さんは、見つかった瞬間、さも自分から口説いたような言い方をして、私を庇ったんだ」


何も言えず悠里はただ、エリカの声に聞き入る。
拓真から大体の話を聞いていたとはいえ、当事者――それも元恋人であるエリカの口から、当時の状況を聞くのは辛かった。

それに、拓真から聞いた話や、カンナの言った内容とは違っている部分も多い。
いま語られているエリカの心情は、剛士すら知らないことも、含まれているのではないだろうか――


話し続けるエリカの手が、微かに震えた。

「そのせいで、高木さんはキャプテンに一発ぶん殴られちゃうし。一番殴る立場にいるはずの剛士は、必死にキャプテンのこと止めてくれてるしさ。もう、地獄絵図」

悠里の目を見つめるのに耐えられなくなったのだろう。
エリカは、ふっと顔を伏せた。


「卒業式の日。式の後に勇誠とマリ女合同で、送る会の予定もあった。私が浮気したのは、その会場」
最悪でしょ?と、エリカは手を額に当て、罪を振り絞る。

「両方のバスケ部メンバーに知られて。送る会はもちろん、その後に予定されてた合同の活動も、全部取りやめ」
エリカは無理やりに顔を上げ、はあっと大きな溜め息をついた。
そうして、キリッとした瞳を閉じる。

「私ひとりで、全部、ぶち壊しちゃった」

エリカは小さな声で呟いた。
「両方のバスケ部が積み上げてきた交流も。剛士が、がんばってきたことも。未来も。私がフラフラしたせいで、全部。全部台無し」

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