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piece5 剛士の部屋で、剛士のベッドで

どうしてそんな可愛いの?

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ベッドに横たわり、ぴったりと寄り添う。
剛士に腕枕をされ、悠里は幸せに浸っていた。
柔らかく髪を撫でてくれる剛士の指が、心地よい。

「……ああ、クソぉ」
「えっ?」
甘い沈黙を破り、唐突に悔しがる剛士に、悠里は目を丸くする。
剛士は、悠里の前髪を掻き上げ、額に唇を落とした。
「早かったなあ、俺」

苦笑しながら、剛士は傍らの悠里を抱き寄せる。
意味を測りかねて、悠里は首を傾げた。
「あと2、3回は、お前をいかせたかったのに」
悠里の長い髪を指に絡め、剛士はそこにキスをする。
「お前が可愛くて。気持ち良すぎて……我慢できなかった」
「や…やだ……っ」
真っ赤になりながら、悠里は彼の腕から逃れようとする。
「駄目。離れるなよ」
剛士が笑い、悠里の身体を捕まえる。
そして甘い微笑を浮かべて、悠里の目を覗き込んだ。

「ずっと、俺の傍にいてくれるんだろ?」
「ゴ、ゴウさん……」
「悠里」
ちゅっと優しい音を立てて、剛士が彼女にキスをする。
「……愛してる」
愛おしそうに髪を撫で、もう一度、思いを込めて。
剛士は大切な彼女に唇を重ねる。

「ゴウさん……」
小さな手が、きゅっとしがみついてきた。
「私、も……愛してる」
「悠里」
優しい声で彼女を呼び、剛士は悠里を抱えて仰向けになった。
「きゃっ」
「お前、どうしてそんな可愛いの?」

バランスを崩して、剛士の上にのし掛かる体勢になってしまい、悠里は頬を染める。
「もう、ゴウさんったら……」
「はは、悪い悪い」
剛士は明るく笑い、悠里の頭を撫でた。
「俺の部屋に悠里がいるのが、嬉しくてさ」
「ゴウさん……」

彼の口から紡がれる可愛らしい喜びに、悠里の胸は暖かく弾んだ。
悠里は甘えるように、剛士の筋肉質な胸に身を預けた。
「私も、すごく嬉しい……ありがとう、ゴウさん」








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