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piece4 悦ぶこと、してあげたい

負けちゃいそう

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剛士は衣服のチャックを下ろし、ゆっくりと自分自身を出した。
そうして、彼女の手に自分の手を重ねて、導く。

「……もう少しだけ、力を入れて……そう、それくらい」

悠里の瞳が、恥ずかしそうに瞬き、長い睫毛が伏せられた。

そんな表情をされるだけでも、気持ちを掻き立てられてしまうのに。
本人は、気づいていないのだろうなと剛士は思った。

もう片方の悠里の手を取り、優しく導く。
「気持ちいいのは、ここと、ここと……この辺り」
彼女の指先で実際に触れさせながら、教えていく。

「はじめはゆっくり……上下に動かして?」
真っ赤な顔をして、悠里はこくりと頷いた。


暖かい手のひらと細い指が彼を包み込み、優しく、優しく動いた。
大きな瞳が、おずおずと問いかけてくる。

剛士は安心させるように、微笑んでみせる。
「そう……上手だよ」
悠里は嬉しそうに目尻を下げると、少しの間、感覚を確かめるようにゆっくりと上下に動かした。


長い髪がさらりと揺れ、悠里の唇が彼自身に近づく。
先の部分にそっとキスをし、剛士を見上げる。

彼女の思わぬ行動に、剛士の胸は脈打った。
手は優しく動かしたまま、悠里は小さな声でねだる。

「ゴウさん……教えて?」
「悠里……」

小さくて柔らかな唇が、微かに開いていて、たまらなくいやらしく見えた。

彼女の愛らしい唇を、温かな舌を、もっと感じたい。
男の欲望を強く刺激され、剛士は思わず小さく笑った。
「……俺、負けちゃいそう」


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