異世界アンケート無双 ~腕力が無くても知識と調査で無双できるんです~

myura9mo(ミュラクモ)

文字の大きさ
上 下
14 / 25
幼少編

第14話 クラン株式提案

しおりを挟む
 バカーンの役人への引き渡しも済み、私の周りも徐々に落ち着きを取り戻し始めていた。 
  
 数日後、私は冒険者ギルドの視察のため冒険者区へ向かおうとしていた。

 その際に、
 
 「私も連れて行って欲しい…」

 珍しくノワールが申し出てきた。

 「どうしたの?何か用事があるとか?」

 「魔法を教えてくれる人をギルドで探したい…」

 「なるほど、分かった。今日は私もギルドに行くだけだから危険も少ないし一緒に行こうか」

 そうして、ジェイグを含めた3人でギルドへ訪問することにした。




 ギルドに到着し、受付に向かう。

 「こんにちは、ちょっとお聞きしたいんですが、迷宮地区に入るにはいくらくらいかかるんですか?」

 「はい、入場料はお一人様金貨3枚となっております」

 (めちゃくちゃ高い…)

 この世界の通貨価値は、1銅貨=1円、1銀貨=100円、1金貨=1万円くらいの価値である。

 入場だけで1人3万円は、どこぞのテーマパーク以上の金額である。

 他の迷宮ならば、低層でも価値のあるものが手に入る事もあるらしいが、アタナス迷宮のアイテム価値からすると、難易度以外に入場料自体も破綻はたんしているように感じる。

 「ここの入場料は誰が決めているんですか?」

 「入場料は、王都の冒険者ギルド本部にて一律で決められている金額ですね」

 なるほど…。領主側が入る余地がないシステムなのか…。

 「このあたりに冒険者の方たちはいないんですか?」

 「今日は依頼をこなしにいっている方たちが多いですね。本日商業地区の輸送依頼に出かけていた"ライリー冒険団"というクランの方々が戻る予定となっていますが…」

 「なるほど…。では戻ってきたら教えて頂けますか?」

 冒険者たちは、数人で一つのクランという団体を構成しているらしい。

 このギルドを拠点としている中でも有名なクラン"ライリー冒険団"という人たちが今日ギルドに来るかもしれないとの事だったので、しばらくギルドを見学しつつ待つことにした。

 「ノワールは魔法を教えてくれる人を探すって言ってなかったっけ?」
 
 「ん…受付でそういう人がいるか聞いてみる…」

 そう言いながら、受付に向かっていった。
 
 しばらく待っていると、冒険者5人組がギルドへ入ってきた。

 「受付ちゃん!輸送依頼完了してきたぜ!」

 「ライリーさんお疲れ様です。今回の依頼の報酬が…」

 「確かに、これで完了だな!ありがとさん」

 そう言いながら、ライリーと呼ばれた青年は、受付で手続きを行い報酬を受け取っていた。

 「そういえば、あちらにいらっしゃる方がライリー冒険団に用事があると仰っていましたよ」

 「ほほう~、俺たちも有名になったもんだね~。名指しの依頼かな?」

 そう自信に溢れながら、こちらに向かってくる。

 「で、俺たちに何か依頼かい?」
 
 「いや、用事があるのはこちらの方だ」

 「ん?なんだよ 子供の依頼かよ…。坊やサインが欲しいのかい?」

 「貴様!失礼だぞ!こちらにいらっしゃる方は…」

 怒りをあらわにするジェイグを制止ながら、自己紹介を始める。

 「はじめまして、私はラフィアットと申します。この度は迷宮について、色々質問したくてこのギルドにきました」

 「お、おう。なんかえらい大人びた子供だな…。俺がリーダーのライリーだ。すまないが俺たちは忙しいんだ。迷宮攻略の準備もある。他をあたってもらえないだろうか?」

 「ちょっとだけでも話を聞いてください!もしかしたら、迷宮攻略で困っている事を解決できるかもしれません」

 「解決ねえ…。まぁちょっとだけならいいがよ…」

 「ライリー冒険団や他のクランの方々も他の街へ行かずに、この街に残っているってことは、アタナスの迷宮が目的だと思います。ただ、アタナスの迷宮は低層でも難易度が高く、回復薬や予備武器の手入れなど色々な事に初期費用として掛かってしまう。だから、迷宮攻略になかなか踏み入れられず、安い依頼をこなして少しづつお金を貯めている状況とお見受けします」

 と、前もって市場調査にて調べた内容を話す。

 「おいおい、すごいな。冒険者の間では普通に話してる事だけど、よく子供のあんたがそんな事調べられたな…。ああ、その通りだ。そしてこの迷宮には、とてつもない宝が眠っていると俺は確信している。でも金が中々溜まらなくて攻略に踏み出せずモヤモヤしているのが現状だ。この街の依頼は安い依頼が多すぎる。かといって他の街へ行って登録を変えて稼いだとしても、時間がかかりすぎるから今はこれしかやりようがない状況だ」

 「やっぱりそういう事ですね…。失礼な事をお聞きしますが、皆様はどれくらいお強いのでしょうか?本当に攻略はできるのでしょうか?」

 「うっ、えらい直球で攻めてくるな…。一応2度ほど戻り生還はできている。あと少しでお宝にありつけそうなんだが、もう一歩のところで消耗品が足らなくて戻る羽目になってしまった。その時よりは経験を積んで強くなっているし、次こそはお宝ゲット確実よ」

 「分かりました。後でギルドの方とも話そうと思いますが、ライリー冒険団の株式を発行してみませんか?」

 「カブリツキ?」

 「カブシキです!」
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

貞操逆転世界の男教師

やまいし
ファンタジー
貞操逆転世界に転生した男が世界初の男性教師として働く話。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

成長チートと全能神

ハーフ
ファンタジー
居眠り運転の車から20人の命を救った主人公,神代弘樹は実は全能神と魂が一緒だった。人々の命を救った彼は全能神の弟の全智神に成長チートをもらって伯爵の3男として転生する。成長チートと努力と知識と加護で最速で進化し無双する。 戦い、商業、政治、全てで彼は無双する!! ____________________________ 質問、誤字脱字など感想で教えてくださると嬉しいです。

ペット(老猫)と異世界転生

童貞騎士
ファンタジー
老いた飼猫と暮らす独りの会社員が神の手違いで…なんて事はなく災害に巻き込まれてこの世を去る。そして天界で神様と会い、世知辛い神様事情を聞かされて、なんとなく飼猫と共に異世界転生。使命もなく、ノルマの無い異世界転生に平凡を望む彼はほのぼののんびりと異世界を飼猫と共に楽しんでいく。なお、ペットの猫が龍とタメ張れる程のバケモノになっていることは知らない模様。

転生してテイマーになった僕の異世界冒険譚

ノデミチ
ファンタジー
田中六朗、18歳。 原因不明の発熱が続き、ほぼ寝たきりの生活。結果死亡。 気が付けば異世界。10歳の少年に! 女神が現れ話を聞くと、六朗は本来、この異世界ルーセリアに生まれるはずが、間違えて地球に生まれてしまったとの事。莫大な魔力を持ったが為に、地球では使う事が出来ず魔力過多で燃え尽きてしまったらしい。 お詫びの転生ということで、病気にならないチートな身体と莫大な魔力を授かり、「この世界では思う存分人生を楽しんでください」と。 寝たきりだった六朗は、ライトノベルやゲームが大好き。今、自分がその世界にいる! 勇者? 王様? 何になる? ライトノベルで好きだった「魔物使い=モンスターテイマー」をやってみよう! 六朗=ロックと名乗り、チートな身体と莫大な魔力で異世界を自由に生きる! カクヨムでも公開しました。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...