上 下
103 / 134
三ノ巻  たどる双路の怪仏探し

三ノ巻34話  最強の怪仏

しおりを挟む

 何者だ、そう問われてにらまれ、かすみは口を開けた。それから、頬を引きつらせた。
 何者も何もあるものか。こっちが聞きたいぐらいだ、この怪仏が何なのか――いや。そもそもなぜかすみに、突然怪仏の力が現れたのか。
 あるいはそれは、帝釈天が言うように。かすみが潜在的に望んでいたことなのかも知れないが――黒幕を止める力、平和な学校生活を崇春たちと送るため、怪仏事件を終わらせる力を――。
 それがなぜ、今? 

 自分で問うてみて、かすみはまた口を開ける。
 そうだ、目の前のことに必死で、そこまで考えていなかったが。どうしてこんな力を得たのか。何が原因で? 

 思い返せば鈴下は言っていた、かすみが吉祥天をんだとき。『なぜあの怪仏が出ない』『どれだけ準備したと思ってるんだ』と。
 そしてかすみが問い詰めると認めた、自らが賀来に怪仏を憑けた黒幕と。

 だが。鈴下はこうも言っていた、毘沙門天を目にしたとき。『叶うぞあの人の――私たちの望みが』『私と一緒にあの人のもとへ』と。
 それは帝釈天も同じく、『我と共に来るがよい、あの御方のもとに』と――鈴下のことではない、震える鈴下を指して『かの者』と言っていた――。

 そして鈴下はこうも言っていた。賀来をその手にかけようとしたときに。『彼とて自らを本地としない怪仏を使いこなせるわけじゃあない、吉祥果きっしょうかは二つきり――一つは回収させてもらう』
 吉祥果、というものが何を指すのかは分からないが。鈴下の口ぶりからすれば、怪仏を生み出す要因となるもの。それを賀来とかすみに憑けた。

 つまりは。
黒幕は他にいる。――少なくとも、鈴下の上にもう一人。
 そしてその人物が――吉祥果、という何かを使って――賀来とかすみに怪仏を憑けた。

 そう考えてふと気づいた。ある意味ではこれは、思惑通りなのかもしれない。かすみと賀来の、賀来を囮として黒幕の接触を待つ作戦の。紆余曲折あったとはいえ、実際に黒幕の一人、鈴下はあぶり出せたのだから。
 そこまで考えて、また気づいた。
 昨晩に帝釈天と接触して以降、黒幕に情報が――賀来に怪仏を憑け得るような悩みがあると――伝わったとして。それ以降に賀来とかすみが共通して接触した人物、二人に怪物を憑け得る、黒幕たる可能性のある人物は。平坂たちが戦い、すでに怪仏の力を封じてある黒田を除くとすれば。
 鈴下と、生徒会長――東条紫苑しおん

 表情を消してかすみは言う。
「……そんなことより。あなたまで、あの人みたいなことを言うんですね」
 いぶかしげに眉を寄せる、帝釈天へ重ねて言う。
「もう、その人からもお誘いは受けています。承諾してはいませんけど……その人のもとに来い、って。生徒会に入らないか、って……生徒会長、東条紫苑さんから」
 帝釈天の目を見据えて続ける。
「その人が、黒幕。そうですね」

 帝釈天は目を瞬かせ、首をかしげた。
「――……さて。そのような名、いったいどこから出てきたものかな」

「質問しているのは私です。答えて下さい」
 今日の休み時間、かすみと賀来はずっと一緒にいた。そして怪仏騒ぎにかかりっ切りだった以上、崇春たちの他、特に接触した者はない。下校時、生徒会の二人と会うまでは。

 いったいどのようにして、怪仏を憑けられたのかは分からない。少なくとも、かつて百見が広目天の力で見せてくれた、黒幕が怪仏を憑けるやり方――悩みを相談する斉藤に、怪仏の姿をした黒いもやのようなものを与えていた――とは違うようだ。
 だが、今回はそもそも状況が違う。斉藤は『怪仏・閻摩えんま天』を与えられていたのに対し、かすみたちの場合は――毘沙門天の出現を期待されていたようだが――何の怪仏が現れるか分からなかったはず。
 だからこそ、吉祥天が現れたときに鈴下は怒り。だからこそ、賀来を殺して吉祥果を回収し、怪仏を出現させ直そうとした――あるいは、何らかの怪仏を発生させることが、吉祥果というものの効力なのか――。
 そのため、今回のことを斉藤のときと比べるのは難しいのだが。少なくとも、何の接触もなく怪仏を発現させることはできないだろう。そう考えればやはり黒幕は――少なくともその一人は――東条紫苑。その可能性が、限りなく高い。

 帝釈天は息をこぼし、苦く笑った。
「――ふ、くはは。なかなかに面白い問いだが。我の口からあの御方の名、明かすわけにもいかぬな」

 かすみは目をそらさない。
「つまり、正解。そういうことで、いいんですね」

 帝釈天は肩をすくめる。
「――我にも立場というものがある……そう察してほしいものよ。さて……それで、如何いかにしようと? 知らぬ仲でもなし、汝のいうその方の下、ついてくれるとでもいうのか」

 無論、あり得ない。
 ここでやることはただ一つ。この場をどうにか脱して――賀来と斉藤も無事に――、崇春らに黒幕の正体を伝えること。

 帝釈天は口を開く。
「――汝の腹積もりは。他の仲間に黒幕の名を伝える、そのために我を倒してこの場を逃れる。そういったことであろうな。なれど――させると思うたか」
 開いて掲げた、帝釈天の大きな手に。地に落ちていた金色の独鈷が飛びくる。再び握られたそれが音を立てて火花を散らした。

 その目を見据えながらかすみは言う。
「別に、あなたを倒す必要はありません。だから……引きませんか、お互い」
 辺りを――倒れた賀来と斉藤を、鈴下を、呻いている怪仏たちを見て続ける。
「それぞれ、介抱すべき人たちがいます……お互いに引いて、痛み分けと――」

 さえぎるように帝釈天が言う。口の両端を吊り上げて――まるで牙を剥くように――、笑って。
「――ほう、面白い提案よ。互いに引いて、汝が情報を持ち帰って。それで痛み分けとはな!」
 言うなり、独鈷杵ヴァジュラから電光が上がる。火花を散らしつつ、剣の形を取ろうとした――

 それが、吹き飛ばされた。
 そばから吹き上がった黒いもや。気流の、いや激流の勢いを持って流れ出たそれによって。吹き上がる端から火花の欠片となって、散らされた。

「――オ、オ、オ……ォヲヲヲヲッッ!」
 刀八毘沙門天。四つの顔で天を仰いでえる、その怪仏から上がる、黒いもやによって。かすみが命じたわけでもなく。

「――な……!?」
 頬を引きつらせた帝釈天は、武器を毘沙門天に向けるが。そこから放たれた幾筋もの電光、その全てが。黒い気流に軌道を逸らされ、あるいは渦を巻くもやにぶち当たって散り。あるいは呑まれて、くすぶり消えた。
「――なん、だと……!」

 毘沙門天は帝釈天を見据え、歯を軋らせ。声を上げる。
「――オオ、オ……ク……引キ、裂ク……叩キ、潰ス」
 かすみが命じたわけでもなく。毘沙門天は持っていたげきを地に突き立て、手放した。空いたその手に、地に刺さっていた黒い独鈷杵どっこしょが飛び来たり、握られる。
「――オォォォオ! 【血河けつが……けっかい】」
 帝釈天へと向けた独鈷と宝塔から。さらに黒く流れ出たもやが、渦巻く濁流となって放たれた。

「――がああぁぁ!?」
 叫んだ帝釈天はその波を受け、打ち流されたが。

「え……わああああっ!?」
 その後ろにいたかすみにまで、黒い波は迫り。帝釈天と共に、押し流されていた。

 水とは違う、冷たさのない黒い激流。風の流れとは違う、ざらりとした感触の黒い気流。渦を巻くそれに呑まれ、浮き上げられては何度も地に叩きつけられ。わけも分からぬまま、気づけば地面に倒れていた。
「ぐ……う……」
 体が、重い。水に濡れているわけでもないのに、黒いもやが未だ体にまとわりついて。あるいはそれに、打ちつけられた痛みも加わってか。首を起こして辺りを見回すのが精一杯だった。

 そばには帝釈天の大きな体が横たわり、身を震わせながら手をつき、体を起こそうとして――崩れ落ちた。
 後ろでは波に巻き込まれたか、鈴下があお向けに横たわり、空を仰いだまま胸を大きく上下させている。
 そして帝釈天と反対側、横の方に目をやれば。未だ賀来と斉藤が倒れ、そばに吉祥天が伏していた。

「――おのれ……!」
 どうにか身を起こした帝釈天がうなり、幾筋もの稲妻を放つが。その全てが毘沙門天の周りで渦巻く黒いもやに呑まれ、いなされ。どうにかかいくぐったものも全て、その刀に打ち散らされていた。
 独鈷杵ヴァジュラを握り締めたまま帝釈天がつぶやく。
「――まさか、これほどとは……! これが刀八毘沙門天、天部てんぶにて、否――あるいは仏典中の神仏、その怪仏にて最強の力……」

 独鈷と宝刀を掲げ、残る手でそれぞれ刀を構え。毘沙門天は空を仰いだ。
「――ォオオ……、ヲヲ……! 斬リ、裂ク……! 叩キ壊ス――何モカモヲ、阻ム全テヲ……!」

 天に吼えるその声は、その言葉は。かすみにも覚えがあった。胸の内で叫んだ言葉、毘沙門天に願った言葉。
 ――そうだ引き裂いて、こんな霧。そうだ叩き潰して、どんな悪意も企みも。そうだ斬り裂いて、全ての敵を。そうだ叩き壊して。何もかもを。阻む全てを――。

 毘沙門天が前を向き、八つの目が注がれた。未だ倒れたままの鈴下に。

 そうだ、とかすみは思う、見慣れた色のその目を見ながら。
 毘沙門天はあるいは、かすみが願っていたとおり。怪仏事件の黒幕――そう思っていた――、鈴下を。止めようとしているのではないか。
 ただ。その力で、倒れた鈴下にそれをやれば。間違いなく、今度は死ぬ。

 震える手で身を起こし、かすみは叫ぶ。
「やめなさい、やめて毘沙門天! そこまではだめ! それに、黒幕は他に!」

 聞いた風もなく、毘沙門天は歯を軋らせ。歪んだ顔で鈴下をにらみ。今、全ての刀を頭上へ構えた。黒いもやをそこへまとわりつかせながら。

 だめだった、だめだった。止めようと強く念じているのに、かすみの意思など知らぬかのように。毘沙門天の動きは止まらない。
 かすみは首を振り回すように辺りを見回し、考える――どうしたらいい、どうしたら。鈴下だけではない、辺りには賀来たちもいる、きっと巻き込まれる。かすみ自身も立ち上がることさえおぼつかない。
 このままでは。死ぬ、この場の全員が。

 そしてそれでも、毘沙門天は止まらず。その刀の周りに、なおも濃く黒く速く、気流となったもやが渦を巻く。やがてそれは形作った、一本の――大木のような太さ、長さの――気流の刀を。

 思わず、きつく目をつむった。
 助けて。そう思った。
 助けて――誰か、誰でもいい、神様仏様――は、ある意味目の前にいるのだが。
 ――助けて。崇春さん――。

 そう願った、そのとき。
六根清浄ろっこんしょうじょう六根清浄ろっこんしょうじょう――」
 そんな声が遠く聞こえた。歩んでくる足音と共に。
 ただ、それは。野太く響く崇春の声ではなかった。聞き覚えのない声、繊細さを感じさせて細く、しかし遠く通る、やや高い男の声。

懺悔さんげ懺悔さんげ、六根清浄、六根清浄――」
 白い霧の向こうから、姿を現したその男は。細い身を、一言で言えば山伏やまぶしの装束に包んでいた。
 足袋たび草鞋わらじきの足、裾を絞った白いはかま。白い衣の首元には、丸い房飾りのついた布が、大きな首飾りのように垂れ下がっている。手には木の杖、背には木の箱をリュックのように背負っている。
 そして、困ったように眉の下がる、線の細い顔はなぜか。尼僧にそうがかぶるような、白い布の頭巾ずきんにゆったりと包まれていた。齢は若いのか、そうでないのか分からないが。かすみよりはずっと上のようだった。

 困ったような眉で、困ったような顔のまま。男は、困ったような声を発した。
「あの……お取り込みのところ申しわけございませんが。困ります」
 かすみにではなく毘沙門天にでもなく、倒れたまま目を瞬かせる帝釈天に向かい。深く頭を下げた後、顔を上げて言う。
「困ります、勘違いなさっては。恐縮です、最強の怪仏はこの拙僧せっそうつかさどるところ――」
 片手を胸に当ててみせる、男の後ろで。ごう、と音を立て、突然炎が渦を巻いて上がった。

 その背丈を大きく越えて舞った炎、それが治まった後には。
 炎を背にした怪仏がいた。男の背をわずかに越える背丈、青い肌に簡素な衣をまとい、ただ一本の剣を手にした、鬼のような形相の怪仏が。

 男は深々と頭を下げた。帝釈天と毘沙門天、倒れている吉祥天に向かってそれぞれ、一度ずつ。
 顔を上げてまっすぐ、静かに言う。
「怪仏の皆様方に対しまして、大変恐縮ですが。拙僧せっそう南贍部宗なんせんぶしゅうが僧。最強、の調伏師ちょうぶくし……至寂しじゃくと申します。最強、の怪仏はこの拙僧せっそうの守護仏。『大日大聖不動明王だいにちだいしょうふどうみょうおう』、なのです」

 不動明王、そう呼ばれた怪仏が剣を振るうと。
斬り開かれた、辺りに散って漂う黒いもやが。白く、鋭く。そして、その身に宿す炎に照らされ、赤く。

「恐縮です」
 頭を下げる至寂の白い衣は。燃え上がる炎に照らされ赤く、揺らめくその陰りに黒く。だんだらに染まって見えた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~

雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。

借金背負ったので兄妹で死のうと生還不可能の最難関ダンジョンに二人で潜ったら瀕死の人気美少女配信者を助けちゃったので連れて帰るしかない件

羽黒 楓
ファンタジー
借金一億二千万円! もう駄目だ! 二人で心中しようと配信しながらSSS級ダンジョンに潜った俺たち兄妹。そしたらその下層階で国民的人気配信者の女の子が遭難していた! 助けてあげたらどんどんとスパチャが入ってくるじゃん! ってかもはや社会現象じゃん! 俺のスキルは【マネーインジェクション】! 預金残高を消費してパワーにし、それを自分や他人に注射してパワーアップさせる能力。ほらお前ら、この子を助けたければどんどんスパチャしまくれ! その金でパワーを女の子たちに注入注入! これだけ金あれば借金返せそう、もうこうなりゃ絶対に生還するぞ! 最難関ダンジョンだけど、絶対に生きて脱出するぞ! どんな手を使ってでも!

王族に拾われましたがまわりの人はよく思ってないみたいです

ルー
ファンタジー
リリンは両親に捨てられ道端にいたところ、どこかの有力貴族の護衛に邪魔だと言われる。彼らが去って悲しくて泣いていたときある美少女に声をかけられた。さっきの出来事と同じ結末になるのが怖くて俯いていたらその美少女はリリンを拾ってくれた。彼女の名前はハルシルフィ。この国の王族だった。王族の養子となり仲間入りをはたしたが、まわりの侍女や、執事、護衛達はよく思っていないらしい。嫌がらせを受けていました。ついに耐えられず、リリンは脱走してしまった。

狂愛

いっき
恋愛
彼の家に呼ばれて幸せいっぱいのはずの私は……

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。 そして夢をみた。 日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。 その顔を見て目が覚めた。 なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。 数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。 幼少期、最初はツラい状況が続きます。 作者都合のゆるふわご都合設定です。 1日1話更新目指してます。 エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。 お楽しみ頂けたら幸いです。 *************** 2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます! 100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!! 2024年9月9日  お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます! 200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!!

転生者、有名な辺境貴族の元に転生。筋肉こそ、力こそ正義な一家に生まれた良い意味な異端児……三世代ぶりに学園に放り込まれる。

Gai
ファンタジー
不慮の事故で亡くなった後、異世界に転生した高校生、鬼島迅。 そんな彼が生まれ落ちた家は、貴族。 しかし、その家の住人たちは国内でも随一、乱暴者というイメージが染みついている家。 世間のその様なイメージは……あながち間違ってはいない。 そんな一家でも、迅……イシュドはある意味で狂った存在。 そしてイシュドは先々代当主、イシュドにとってひい爺ちゃんにあたる人物に目を付けられ、立派な暴君戦士への道を歩み始める。 「イシュド、学園に通ってくれねぇか」 「へ?」 そんなある日、父親であるアルバから予想外の頼み事をされた。 ※主人公は一先ず五十後半の話で暴れます。

処理中です...