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四席と呼ばれる者達5
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後日、国王様に呼ばれ朝から執務室に向かっていた。
鈴麗が伝言を預かったそうだが内容は来てから話すとのことで詳しくは教えてくれなかったそう。
「でも、大事な話があるっていってたけど何だろう?」
色々と考えてはみたものの答えは出ず、いつの間にか執務室の前まで来ていた。
軽く扉を叩くと中から返事が聞こえる。
「祈です」
「入ってくれ!」
「失礼いたします」
国王様の返答を聞いてゆっくりと扉を開ける。
中に入ると円卓を囲むように国王を含め5人が席についていた。
よく見ると最近どこかで見たような顔ぶれの人物ばかりだ。
「国王様、この方達は?」
「ああ、紹介しよう。こちつらが我が国の最高幹部、四席だ!」
そう言って国王様は一人ひとり紹介を始める。
「まず、東席・明蒼玉。蒼玉は近衛隊である青龍を率いている隊長だ」
以前見かけた時は横顔しか見えなかったが、正面から見ると切れ長の目がとても印象に残る蒼玉と紹介された女性は椅子に座ったままこちらに微笑んだ。
「次に南席・秦李桜。李桜の事は巫女殿も知っての通りオレの補佐をする傍ら、救護隊である朱雀を率いている」
何度も会っているはずなのに新しい立場で会うと少し変な感じがする。
李桜さんもそうだったのか少し困ったような顔をしながらこちらに一礼してきた。
「次は西席・彗霞蝶。霞蝶は輝国の隠密部隊である白虎の隊長を務めている」
「この間ぶり~♪これからよろしくね」
上機嫌にこちらに挨拶をしてくれた霞蝶と呼ばれた女の子は、以前書庫で会った時にその身軽さに驚いたが隠密部隊と聞けば納得する。
「最後に、北席・劉慈影。慈影も近衛隊の1つである玄武を率いている隊長だ」
以前見かけた時は飄々としていると感じたが片目をつぶりながらこちら小さく手を振りのを見ると飄々としているのではなく軽薄なのだと考えを改めた。
「巫女殿の紹介はすでにこちらで済ませている。何かあったらこいつらの事も遠慮せず頼ってくれ」
国王様にそう言われ改めて四席の皆さんを見渡す。
全員私とあまり年齢が変わらないと思うがどこか貫禄も伺える。
これが国の最高幹部と言われる方々・・・。
「さて、役者がそろったな。じゃあ、行くとするか!」
国王様の掛け声とともに李桜さん以外の四席のみなさんが扉に向かって歩き出す。
「どちらへ行かれるのですか?」
「もちろん、菊花のところだが?」
当たり前だろ?というような顔でこちらを見られるが、これがこの方達の恒例なのだろう。
「国王!今から会議ですよ。しかも四席も揃って出席する大事な定例会議です!」
と思っていたがそうでもなかったようだ。
扉に向かって歩き出す国王と李桜さん以外の四席を呼び止める。
「私達がいなくても問題ないわよ」
「李桜はもう少し頭を柔らかくした方がいいと思うよ」
「ねぇ、早く行こーよ!」
順に東席・北席・西席の面々が答えていく。
あ、これは李桜さんだけが大変なやつだ。
諭按さんが問題児と言っていた意味が少し分かった気がする・・・。
「止めても無駄だぞ、李桜。さあ、巫女殿も行くぞ!」
「まったく貴方達は・・・。後で諭按さんに怒られても知りませんからね」
なんとか李桜さんの了承と言ってもいいのか定かではないが一応許しを得たということで、全員で菊花さんのお店に向かう。
道中、四席のみなさんが任務から帰ってくると必ず花茶でお茶をするのだと国王様が教えてくれた。
この輪の中に入れたことが嬉しく、ここでなら派遣期間中も安心して楽しく過ごしていける・・・この時の私はそう思っていた。
鈴麗が伝言を預かったそうだが内容は来てから話すとのことで詳しくは教えてくれなかったそう。
「でも、大事な話があるっていってたけど何だろう?」
色々と考えてはみたものの答えは出ず、いつの間にか執務室の前まで来ていた。
軽く扉を叩くと中から返事が聞こえる。
「祈です」
「入ってくれ!」
「失礼いたします」
国王様の返答を聞いてゆっくりと扉を開ける。
中に入ると円卓を囲むように国王を含め5人が席についていた。
よく見ると最近どこかで見たような顔ぶれの人物ばかりだ。
「国王様、この方達は?」
「ああ、紹介しよう。こちつらが我が国の最高幹部、四席だ!」
そう言って国王様は一人ひとり紹介を始める。
「まず、東席・明蒼玉。蒼玉は近衛隊である青龍を率いている隊長だ」
以前見かけた時は横顔しか見えなかったが、正面から見ると切れ長の目がとても印象に残る蒼玉と紹介された女性は椅子に座ったままこちらに微笑んだ。
「次に南席・秦李桜。李桜の事は巫女殿も知っての通りオレの補佐をする傍ら、救護隊である朱雀を率いている」
何度も会っているはずなのに新しい立場で会うと少し変な感じがする。
李桜さんもそうだったのか少し困ったような顔をしながらこちらに一礼してきた。
「次は西席・彗霞蝶。霞蝶は輝国の隠密部隊である白虎の隊長を務めている」
「この間ぶり~♪これからよろしくね」
上機嫌にこちらに挨拶をしてくれた霞蝶と呼ばれた女の子は、以前書庫で会った時にその身軽さに驚いたが隠密部隊と聞けば納得する。
「最後に、北席・劉慈影。慈影も近衛隊の1つである玄武を率いている隊長だ」
以前見かけた時は飄々としていると感じたが片目をつぶりながらこちら小さく手を振りのを見ると飄々としているのではなく軽薄なのだと考えを改めた。
「巫女殿の紹介はすでにこちらで済ませている。何かあったらこいつらの事も遠慮せず頼ってくれ」
国王様にそう言われ改めて四席の皆さんを見渡す。
全員私とあまり年齢が変わらないと思うがどこか貫禄も伺える。
これが国の最高幹部と言われる方々・・・。
「さて、役者がそろったな。じゃあ、行くとするか!」
国王様の掛け声とともに李桜さん以外の四席のみなさんが扉に向かって歩き出す。
「どちらへ行かれるのですか?」
「もちろん、菊花のところだが?」
当たり前だろ?というような顔でこちらを見られるが、これがこの方達の恒例なのだろう。
「国王!今から会議ですよ。しかも四席も揃って出席する大事な定例会議です!」
と思っていたがそうでもなかったようだ。
扉に向かって歩き出す国王と李桜さん以外の四席を呼び止める。
「私達がいなくても問題ないわよ」
「李桜はもう少し頭を柔らかくした方がいいと思うよ」
「ねぇ、早く行こーよ!」
順に東席・北席・西席の面々が答えていく。
あ、これは李桜さんだけが大変なやつだ。
諭按さんが問題児と言っていた意味が少し分かった気がする・・・。
「止めても無駄だぞ、李桜。さあ、巫女殿も行くぞ!」
「まったく貴方達は・・・。後で諭按さんに怒られても知りませんからね」
なんとか李桜さんの了承と言ってもいいのか定かではないが一応許しを得たということで、全員で菊花さんのお店に向かう。
道中、四席のみなさんが任務から帰ってくると必ず花茶でお茶をするのだと国王様が教えてくれた。
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