生贄の巫女は祈りを捧げる~輝国禍乱編~

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守国から来た巫女7

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今日も諭按さんとの勉強会だったが、一区切りついたので休憩がてら2人でお茶を飲むことになった。

「幼少の国王様はどんな方だったのですか?」

勉強のさなか諭按さん自身についても聞き、その中でも国王様の家庭教師をしていたと耳にした。今の国王様の事を少なからず身近で見てきた存在だ。

ここにきてまだ数日しかたっていないがあれ以来国王様とはお会いしていない。

守国について知りたいと言っていたので、そのうち話をする機会があるかもしれない。ただ、次会うまでに少しでも国王様の事を知っておこうと思った。

なんせ私の周りの人間は国王への評価が偏っているようだし、諭按さんなら正当な評価を得られそうに感じた。

「あの方は頭はいいのに集中力がない方ですぐ部屋を抜け出しては街に出かけていましたね」

「部屋どころか城自体から・・・」

「ええ、好奇心旺盛な方ですから座って受ける座学などは性に合わないのでしょう。今も近隣への視察はなるべく行くようにしていますからね。何でも自分で見聞きして確認したいのでしょう」

「好奇心旺盛・・・だから守国にも興味を持ってくださった・・・とか?」

「まあ、守国は不思議な国ですね。衛山様からお聞きした話のみになりますがとても素敵な国だということは伺っています。守国の者しか扱えない力や物の怪など私からすると文献の中だけのことを実際に聞くことができとても面白い国だと思っていますよ」

「あ、ありがとうございます。国王様は守国の事はどのくらいご存じなのでしょうか?」

「さぁ、昔前国王が守国に滞在されたことがありますがその当時はついていってはいないのでもしかすると前国王のお話を聞いて興味を持たれたのかもしれませんね」

前国王は面白おかしく話をされるのが得意でしたから。そう言い諭按さんはお茶を口に入れる。

”嬢ちゃん!”

以前一度だけ会ったことのある輝国の人。

輝国の国王一行が父に招待をされて数日守国に滞在したことがあった。

私は幼すぎてその時のことをあまり覚えていないが、輝国の人がとても良くしてくれたくさん遊んでくれたことは覚えている。

その時、輝国の話や他の国の事を聞きいつか守国から出て他の国を特に輝国を見たいと思うようにり輝国へ憧れていた理由だ。

ここに来れば会えるかとも思っていたがそうもいかないらしい。なんせ私はその当時の記憶はあるが顔はもうおぼろげにしか覚えていない。

私がここにいる間に会えたらいいけど・・・。

「祈様?考え事ですか?」

「いえ!大丈夫です。好奇心旺盛な方でしたら守国の話をしたら質問攻めにあいそうですね」

「きっとそうなるでしょうね。面倒くさいと思われたら遠慮なく李桜を呼ぶといいですよ。すぐに連れ帰ってくれますから」

前にもそういった経験があるのか諭按さんに国王様の対処法まで教えてもらえた。

「そろそろ再開しましょうか」

「はい、お願いします」

茶器を片付け私は勉強の続きにとりかかった。
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