5 / 113
第五話 大をした後に流したら詰まっていて流れないのに、並んでいる人がいたら悲惨だよね の巻
しおりを挟む
パークのヤツ、いつの間にか可愛いフリルのストラップのブラに代わっている。下もお揃い三段フリル。着替えたの気がつかなかった。げっ? もしかしてサブリミナル効果? 生着替えを深層心理に焼きつけられたかも。
ショックが大きいので考えないようにしたローゼが、通商手形のことをパークに訊いていたその時。
「あ~!」とエミリア。「うそつき! パンツ洗ってないじゃない‼」
「ばれたか」パークが「てへっ☆」と舌を出して何故かウィンク。
エミリア……怒るのそこか? なにパンツの山漁ってんの!
ローゼがパークをたしなめた。
「髪まで剃って武道の修行に明け暮れているようなのに、なんて体たらくよ」と怒鳴る。
「勘違いすんな、これはただの若ハゲだぜ」
自慢すんなよ――て、めっちゃ泣いてる。「……こめん……ほんとっごめんなさい」
手下が持ってきた牛丼汁だく紅生姜山盛りを食べながら、パークは「通商手形なんて知らない」と言った。
「格闘家がそんなの食べて大丈夫なの?」ローゼが訊く。
「ああ、俺の血肉は牛丼でできてるんだ。これしか食わねぇ」
偏食過ぎだろ。ハゲてんのそれが原因か?
「野菜だってたくさん食ってるぜ」
「紅生姜ばかりじゃんかよーぅ」とつっこむローゼ。「それ野菜食ってるって言わないかんね」サラダも頼めよ。とん汁付きで。
「心配ご無用。頼んでいるから大丈夫だ。汁だく山盛り牛丼付きで」
牛丼に牛丼つけんなよ。山盛りって、ごはんだけが山盛りだぞ。
「よく見ろ、紅生姜山盛りだ」
ふつー自分で盛る部分だろ? 人にやらせんなよ。「お、でも美味しい」ジパング料理初めて食べたよ、とローゼ感嘆。
パークは結構強いのに何で盗賊なんてやっているのか、とローゼは訊いてみた。
なんかパークは語る気満々。
「あれは忘れもしないいつかの夏だった」
「いつかって言ってる時点で忘れてるよね?」
「まあ良い」
「良くねーよ」と言うローゼを無視したパークが続ける。
「軍人だった頃の話だ。訓練で野営していたある日の夜、目を覚ますと不測の事態に見舞われていた。大惨事だ」
「マジで? なになに? 何があったの?」ローゼが食い入る。
「脱糞してたんだ」
汚ねーな
「だって夢でしてたんだもん♡」
だもん♡ じゃねーよ。
「ただの訓練だって聞いていたのに騙されたぜ。タマのやり取りがあるなんてな」
ややこしいな。タマって命って意味だよね? ね? タマタマじゃないよね?
照れるパーク、超意味深。ねえ答えて! 『違う』って答えて!
「俺は作戦遂行のために、トイレにパンツを流したんだ。だがどうだ、便器の中が真っ茶色の水で溢れているとは!」
聞き流されたよ。証拠隠滅? 詰まったんだろ? それ絶対。
「俺は無視したね。無視してやったね」
繰り返したよ。ばれないって思えたのがスゲー。
「いや、ばれるって思ったさ。俺は焦った。なんとかしなきゃってな。だから女性兵の兵舎に忍び込んだんだ」
「どー飛躍してそうなんの?」
「いくらなんでもノーパンじゃ一目瞭然だからな」
いやまず便器どうにかしろよ。朝並んじゃって大変だぞ。
「俺は気がつかれないように、眠る女の向こうに脱ぎ捨てられたパンティに足を伸ばして摘まみ取ったんだ。そして…………、……、…………――、…………穿いた…――」
何よそのタメ? 何なのよ? 三点リーダーそんだけ使って何やってんの?
「だが、朝一番に鬼教官が俺に言ったね、脱げって。
――だが俺は怖くなかった――」
怖がれよ。
「パンティ穿いていたからだ」
余計怖がれよ。
「だが戦場の状況はめまぐるしく変わりやがる」
戦場じゃないよ。むにゃむにゃおねむの時間だよ。ローゼは「結局どうなったんですか?」と嫌な顔して訊いてみる。
「長いトングで摘ままれた流したはずのパンツで叩かれたんだ。顔面ビチャって。俺のじゃないっスて言ったのに、誰も信じてくれなかった」
当たり前だよ。お前しかいないよ。
「『名前が書いてある』って言ってな。このパーク・ヨードンは俺のパーク・ヨードンじゃありませんって言ったのに無駄だった」
だよね、あんたしかいないもんね、パーク・ヨードン。
「穿いていたパンティもはぎとられて軍を追われた」
よく処刑されなかったよね。つーか処刑されれば良かったのに。何で死んでくれなかったのさ?
「追われる身に陥れられたんだ。みんなまんまと敵の陰謀にはまってな。
だが、得た教訓は大きかった。脱ぎ捨てられた下着をばれないように摘まみ盗む瞬間の緊張感。軍なんて生ぬるい場所は俺の居場所じゃなくなったのさ」
“居場所じゃなくなった”んじゃなくて、“居場所がなくなった”んだよね。ご愁傷様。チーン。
チーンってあっちのチーンじゃないよ。
「分かっているさ。ちんちんのチーンだろ?」(はにかみパーク)
ちげーよ! 言うなよ! Rついちゃうだろ!
誰かに向かってローゼが言った。
「大丈夫、エミリアは寝室にいましたから、聞いていません」
「ローゼさーん」と聞こえたエミリアの声にローゼが振り返ると、喜び勇んでこっちに駆けてくる。手形見っけ?
「洗ってあるパンツ見つけました」
何見つけてんだよ。
急にパークの表情鬼変わり。
「なに⁉ 誰だ俺のコレクション洗ったの!」
洗濯当番に飛び膝蹴り炸裂。それがきっかけで、ローゼたちの侵入事件が明るみになりました。おいおい、今までの騒ぎで気付いてくれよ。結局通商手形はありませんでした。
ショックが大きいので考えないようにしたローゼが、通商手形のことをパークに訊いていたその時。
「あ~!」とエミリア。「うそつき! パンツ洗ってないじゃない‼」
「ばれたか」パークが「てへっ☆」と舌を出して何故かウィンク。
エミリア……怒るのそこか? なにパンツの山漁ってんの!
ローゼがパークをたしなめた。
「髪まで剃って武道の修行に明け暮れているようなのに、なんて体たらくよ」と怒鳴る。
「勘違いすんな、これはただの若ハゲだぜ」
自慢すんなよ――て、めっちゃ泣いてる。「……こめん……ほんとっごめんなさい」
手下が持ってきた牛丼汁だく紅生姜山盛りを食べながら、パークは「通商手形なんて知らない」と言った。
「格闘家がそんなの食べて大丈夫なの?」ローゼが訊く。
「ああ、俺の血肉は牛丼でできてるんだ。これしか食わねぇ」
偏食過ぎだろ。ハゲてんのそれが原因か?
「野菜だってたくさん食ってるぜ」
「紅生姜ばかりじゃんかよーぅ」とつっこむローゼ。「それ野菜食ってるって言わないかんね」サラダも頼めよ。とん汁付きで。
「心配ご無用。頼んでいるから大丈夫だ。汁だく山盛り牛丼付きで」
牛丼に牛丼つけんなよ。山盛りって、ごはんだけが山盛りだぞ。
「よく見ろ、紅生姜山盛りだ」
ふつー自分で盛る部分だろ? 人にやらせんなよ。「お、でも美味しい」ジパング料理初めて食べたよ、とローゼ感嘆。
パークは結構強いのに何で盗賊なんてやっているのか、とローゼは訊いてみた。
なんかパークは語る気満々。
「あれは忘れもしないいつかの夏だった」
「いつかって言ってる時点で忘れてるよね?」
「まあ良い」
「良くねーよ」と言うローゼを無視したパークが続ける。
「軍人だった頃の話だ。訓練で野営していたある日の夜、目を覚ますと不測の事態に見舞われていた。大惨事だ」
「マジで? なになに? 何があったの?」ローゼが食い入る。
「脱糞してたんだ」
汚ねーな
「だって夢でしてたんだもん♡」
だもん♡ じゃねーよ。
「ただの訓練だって聞いていたのに騙されたぜ。タマのやり取りがあるなんてな」
ややこしいな。タマって命って意味だよね? ね? タマタマじゃないよね?
照れるパーク、超意味深。ねえ答えて! 『違う』って答えて!
「俺は作戦遂行のために、トイレにパンツを流したんだ。だがどうだ、便器の中が真っ茶色の水で溢れているとは!」
聞き流されたよ。証拠隠滅? 詰まったんだろ? それ絶対。
「俺は無視したね。無視してやったね」
繰り返したよ。ばれないって思えたのがスゲー。
「いや、ばれるって思ったさ。俺は焦った。なんとかしなきゃってな。だから女性兵の兵舎に忍び込んだんだ」
「どー飛躍してそうなんの?」
「いくらなんでもノーパンじゃ一目瞭然だからな」
いやまず便器どうにかしろよ。朝並んじゃって大変だぞ。
「俺は気がつかれないように、眠る女の向こうに脱ぎ捨てられたパンティに足を伸ばして摘まみ取ったんだ。そして…………、……、…………――、…………穿いた…――」
何よそのタメ? 何なのよ? 三点リーダーそんだけ使って何やってんの?
「だが、朝一番に鬼教官が俺に言ったね、脱げって。
――だが俺は怖くなかった――」
怖がれよ。
「パンティ穿いていたからだ」
余計怖がれよ。
「だが戦場の状況はめまぐるしく変わりやがる」
戦場じゃないよ。むにゃむにゃおねむの時間だよ。ローゼは「結局どうなったんですか?」と嫌な顔して訊いてみる。
「長いトングで摘ままれた流したはずのパンツで叩かれたんだ。顔面ビチャって。俺のじゃないっスて言ったのに、誰も信じてくれなかった」
当たり前だよ。お前しかいないよ。
「『名前が書いてある』って言ってな。このパーク・ヨードンは俺のパーク・ヨードンじゃありませんって言ったのに無駄だった」
だよね、あんたしかいないもんね、パーク・ヨードン。
「穿いていたパンティもはぎとられて軍を追われた」
よく処刑されなかったよね。つーか処刑されれば良かったのに。何で死んでくれなかったのさ?
「追われる身に陥れられたんだ。みんなまんまと敵の陰謀にはまってな。
だが、得た教訓は大きかった。脱ぎ捨てられた下着をばれないように摘まみ盗む瞬間の緊張感。軍なんて生ぬるい場所は俺の居場所じゃなくなったのさ」
“居場所じゃなくなった”んじゃなくて、“居場所がなくなった”んだよね。ご愁傷様。チーン。
チーンってあっちのチーンじゃないよ。
「分かっているさ。ちんちんのチーンだろ?」(はにかみパーク)
ちげーよ! 言うなよ! Rついちゃうだろ!
誰かに向かってローゼが言った。
「大丈夫、エミリアは寝室にいましたから、聞いていません」
「ローゼさーん」と聞こえたエミリアの声にローゼが振り返ると、喜び勇んでこっちに駆けてくる。手形見っけ?
「洗ってあるパンツ見つけました」
何見つけてんだよ。
急にパークの表情鬼変わり。
「なに⁉ 誰だ俺のコレクション洗ったの!」
洗濯当番に飛び膝蹴り炸裂。それがきっかけで、ローゼたちの侵入事件が明るみになりました。おいおい、今までの騒ぎで気付いてくれよ。結局通商手形はありませんでした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
1 / 2
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる