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モモタとママと虹の架け橋
第七十三話 嵐の後の新たな出会い
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モモタは、意識がもうろうとする中で、鳥のさえずりを聞きました。はたと気がついて見上げると、梢の間から朝日が射しています。疲労困憊しきっていて、何も考えられません。
フラフラしながら水のないところまで行って胸を見ると、疲れ切ったアゲハちゃんが眠っています。モモタの心に唯一浮かんだのは、無事でよかった、という想いだけでした。
とても安心したのでしょう。そう思えた瞬間、モモタは、全身の力が抜けてぐったりと水辺に横になり、そのまま気を失ってしまいました。
ちょうどその頃です。嵐が過ぎた海で、モモタたちを連れてやってきたクジラたちは、朝ごはんにお魚を食べていました。
そこに通りかかったペリカンが、クジラたちを見つけて話しかけました。
「ここら辺では見ない家族だね」
シトが答えます。
「北の方から来たんだ。何でもママに会いたくて、虹の雫を集めている猫がいるんだけれど、彼をここまで連れてきてあげたんだ」
ペリカンがびっくりした様子で叫びました。
「何だって? 虹の雫だって? どこにいるの?」
「あの島だよ」シトが崩れた大きな木が生える島を見やります。
ペリカンはお礼を言って、猫の様子を見に行くことにしました。
嵐の直撃を受けた島は大惨事でした。そこら中が冠水していて、木々は根から倒されています。太い幹の木ですら、真ん中辺から折れていました。それだけ大きな嵐だったのです。
ペリカンは、すぐにモモタを見つけました。緑とこげ茶色の大地で、モモタのオレンジめいた茶トラ模様はとても目立ったからです。ペリカンは慌ててモモタのもとに飛来して降り立ちました。モモタは、川に後ろ足を浸した状態でグッタリとしていたからです。
雨宿りにでも失敗して流されたのか、と思ったペリカンが様子を窺います。周りを見渡すと、坂の下のほうに、オオタカとネズミも倒れているのが見えました。
この辺では見かけないお友だちだったので、このモモタっていう猫の連れだろう、と思ったペリカンは、くわえて猫のそばに置いて、看病してやることにしました。口に真水をいっぱい貯めて、アゲハちゃんにかからないようにモモタを洗ってやります。キキとチュウ太も洗ってやりました。
しばらくすると、たくさんのツマベニチョウがやってきました。モモタたちが嵐で大変な目にあっていないか、と心配して探しに来たようです。
みんなでモモタたちにとまって覆い、看病を始めました。濡れていると風邪をひくと思った蝶々たちは、濡れた毛や羽の水分を吸ったり絞ったりして乾かします。
全身至るところを打っているようでしたし、擦り傷もたくさんあったので、傷、打撲、捻挫に効くと伝わる樹液や、葉っぱを嚙んで作ったお薬を塗ってモミモミしてあげます。
アゲハちゃんの翅もだいぶ湿っていたので、丁寧に乾かしてあげました。そして、みんなの鱗粉を少しずつ集めて塗ってあげます。
お昼過ぎになって目を覚ましたモモタたちに、ペリカンが魚を取ってきてあげました。アゲハちゃんには、ツマベニチョウたちがお花を摘み取ってきてあげます。
モモタたちはみんな疲れていたので、人間の男の人ほども大きいペリカンを目の当たりにしても、驚くことすらできません。しばらくして、カンタンと名乗ったペリカンが訊きました。
「君たち、虹の雫を集めているんだってね」
その瞬間、アゲハちゃんが叫びました。
「そうだわ! 青い雫! どこいったかしら!」
アゲハちゃんはフラフラしながら飛ぼうとしますが、まだ飛べません。バランスを崩してへたり込みます。
他の雫は、千夏お姉ちゃんがくれた巾着袋に入っていて、モモタの首輪にぶら下がっていますが、青い雫はアゲハちゃんが貰った物なので、アゲハちゃんが大事そうに持っていたのです。一晩添い寝した後モモタにあげるつもりでいたのですが、昨夜の嵐で失くしてしまったようです。
「どうしよう、モモちゃん」
アゲハちゃんは、申し訳なさそうにモモタを見ます。
「いいよ。あんな嵐だもん。失くしたってしょうがないよ」モモタは優しく言いました。「僕たちが最初いたところから、この下までの小川のどこかにあるはずだよ」
「でも、探すの大変よ。出てくるかしら」
モモタが笑います。
「僕たちどれだけ広い範囲を探して冒険してきたの? こんなところわけないよ。それに、お魚もおいしいし、蜜も樹液も美味しいんでしょ? 当分ここにいたっていいじゃない」
すると、それを聞いていたツマベニチョウの女の子たちが言いました。
「わたしたちも一緒に探すわ。さっちゃんを助けてくれた恩蝶々ですもの。手伝わせて」
モモタたちが訊くと、さっちゃんのお姉ちゃんたちと、同じくらいに生まれたお友だちたちでした。
「エイエイオー」と元気にはしゃぐ子供たちに引き寄せられて、お母さんやお父さんたちもやってきて言います。
「わたしたちも手伝うわ。だから、アゲハちゃんたちは休んでいてちょうだい」
「ほんとー? ありがとう」とアゲハちゃん。
その会話が終わるや否や、遠くから嫌味な若者の声が聞こえます。
「失くした青い石探せだとよ。迷惑なやつらだぜ。俺らは家がなくなって大変だって時に何で石なんて」
「本当だよな。あのオチビだけで迷惑だったのによ」
「どうする?」と焼けたような声が最初の二匹に訊きます。
最初の声が「帰ろうぜ」と言いました。
子供たちとお母さんたちがつらそうにしています。お父さんたちは「気にするな」と言いました。
「あら、帰るの?」とアゲハちゃんが、ぶっきらぼうな男たちに言いました。
「ああ、悪いか?」嫌味な若者が答えます。「お前らが勝手に失くしたんだ。無理に手伝わせる権利なんてないだろ」
「そうね。でも手伝った方がいいわよ。そうしないと大変なことになるんだから」
「なんでだよ」
「だってまた屋久杉みたいな木が生まれたらどうするの? この島大惨事よ。その時わたしたちいないかもしれないじゃない。だって、わたしたちを乗せてくれているクジラはずっとここに留まってくれるわけではないんだから」
「っ――」嫌味な若者が何か言おうとします。
アゲハちゃんは、それを遮って言いました。
「見つからなかった時、探してくれたみんなは思うでしょうね。あいつらが手伝ってくれなかったから見つからなかったんだって。みんなで協力すべき時にしなかったあなたたちは、一生後ろ指さされるでしょうね」
嫌味な若者は、「うぐぐぐぐ」と唸りました。
彼と一緒にいた蝶たちが言いました。
「やばいよ。森が燃えたらさ。青いのと赤いのとで違うけど、天の宝物殿だっけ? 何だか分かんないけど、そんなところにあったものだから、絶対何か起こると思うぜ」
仕方がないので、嫌味な若者たちは、虹の雫捜索隊に加わります。
アゲハちゃんの話を聞いていた多くの蝶々が加わりました。それ以外の虫たちもです。もしかしたら、何も言わずに手伝わずに帰ろうとしたツマベニチョウもいたかもしれません。関係ない虫たちは見ていただけかもしれません。ですが、アゲハちゃんの話のおかげで、みんな手伝ってくれました。一生後ろ指虫生なんてまっぴらです。
みんなで大捜索しているのを見ながら、チュウ太が言いました。
「虹の雫って大変なものだったんだな。森を燃やしちゃうなんてさ」
すると、アゲハちゃんが言いました。
「燃えないわよ」
「なんで言い切れるんだよ」
「だって、燃える石は虹の雫じゃないもの」
「何で分かるのさ」
「だって、それが虹の雫だったのなら、そこら中が大慌てよ。だって他に六つもあるんですもの。燃えるかどうかは別にして、とんでもないことになっているんじゃないかしら」
「え? でも大変なことになるって思ったから、嫌味なやつにけしかけたんだろ」
「あら、そんなことしていないわよ。わたしは、屋久杉と同じような木が生まれたらって話をしただけよ。彼らがかってに燃える石と虹の雫がおんなじだって信じていたから探しに行ったのよ」
チュウ太絶句です。
ちなみに、案外早く青い雫は見つかりました。
フラフラしながら水のないところまで行って胸を見ると、疲れ切ったアゲハちゃんが眠っています。モモタの心に唯一浮かんだのは、無事でよかった、という想いだけでした。
とても安心したのでしょう。そう思えた瞬間、モモタは、全身の力が抜けてぐったりと水辺に横になり、そのまま気を失ってしまいました。
ちょうどその頃です。嵐が過ぎた海で、モモタたちを連れてやってきたクジラたちは、朝ごはんにお魚を食べていました。
そこに通りかかったペリカンが、クジラたちを見つけて話しかけました。
「ここら辺では見ない家族だね」
シトが答えます。
「北の方から来たんだ。何でもママに会いたくて、虹の雫を集めている猫がいるんだけれど、彼をここまで連れてきてあげたんだ」
ペリカンがびっくりした様子で叫びました。
「何だって? 虹の雫だって? どこにいるの?」
「あの島だよ」シトが崩れた大きな木が生える島を見やります。
ペリカンはお礼を言って、猫の様子を見に行くことにしました。
嵐の直撃を受けた島は大惨事でした。そこら中が冠水していて、木々は根から倒されています。太い幹の木ですら、真ん中辺から折れていました。それだけ大きな嵐だったのです。
ペリカンは、すぐにモモタを見つけました。緑とこげ茶色の大地で、モモタのオレンジめいた茶トラ模様はとても目立ったからです。ペリカンは慌ててモモタのもとに飛来して降り立ちました。モモタは、川に後ろ足を浸した状態でグッタリとしていたからです。
雨宿りにでも失敗して流されたのか、と思ったペリカンが様子を窺います。周りを見渡すと、坂の下のほうに、オオタカとネズミも倒れているのが見えました。
この辺では見かけないお友だちだったので、このモモタっていう猫の連れだろう、と思ったペリカンは、くわえて猫のそばに置いて、看病してやることにしました。口に真水をいっぱい貯めて、アゲハちゃんにかからないようにモモタを洗ってやります。キキとチュウ太も洗ってやりました。
しばらくすると、たくさんのツマベニチョウがやってきました。モモタたちが嵐で大変な目にあっていないか、と心配して探しに来たようです。
みんなでモモタたちにとまって覆い、看病を始めました。濡れていると風邪をひくと思った蝶々たちは、濡れた毛や羽の水分を吸ったり絞ったりして乾かします。
全身至るところを打っているようでしたし、擦り傷もたくさんあったので、傷、打撲、捻挫に効くと伝わる樹液や、葉っぱを嚙んで作ったお薬を塗ってモミモミしてあげます。
アゲハちゃんの翅もだいぶ湿っていたので、丁寧に乾かしてあげました。そして、みんなの鱗粉を少しずつ集めて塗ってあげます。
お昼過ぎになって目を覚ましたモモタたちに、ペリカンが魚を取ってきてあげました。アゲハちゃんには、ツマベニチョウたちがお花を摘み取ってきてあげます。
モモタたちはみんな疲れていたので、人間の男の人ほども大きいペリカンを目の当たりにしても、驚くことすらできません。しばらくして、カンタンと名乗ったペリカンが訊きました。
「君たち、虹の雫を集めているんだってね」
その瞬間、アゲハちゃんが叫びました。
「そうだわ! 青い雫! どこいったかしら!」
アゲハちゃんはフラフラしながら飛ぼうとしますが、まだ飛べません。バランスを崩してへたり込みます。
他の雫は、千夏お姉ちゃんがくれた巾着袋に入っていて、モモタの首輪にぶら下がっていますが、青い雫はアゲハちゃんが貰った物なので、アゲハちゃんが大事そうに持っていたのです。一晩添い寝した後モモタにあげるつもりでいたのですが、昨夜の嵐で失くしてしまったようです。
「どうしよう、モモちゃん」
アゲハちゃんは、申し訳なさそうにモモタを見ます。
「いいよ。あんな嵐だもん。失くしたってしょうがないよ」モモタは優しく言いました。「僕たちが最初いたところから、この下までの小川のどこかにあるはずだよ」
「でも、探すの大変よ。出てくるかしら」
モモタが笑います。
「僕たちどれだけ広い範囲を探して冒険してきたの? こんなところわけないよ。それに、お魚もおいしいし、蜜も樹液も美味しいんでしょ? 当分ここにいたっていいじゃない」
すると、それを聞いていたツマベニチョウの女の子たちが言いました。
「わたしたちも一緒に探すわ。さっちゃんを助けてくれた恩蝶々ですもの。手伝わせて」
モモタたちが訊くと、さっちゃんのお姉ちゃんたちと、同じくらいに生まれたお友だちたちでした。
「エイエイオー」と元気にはしゃぐ子供たちに引き寄せられて、お母さんやお父さんたちもやってきて言います。
「わたしたちも手伝うわ。だから、アゲハちゃんたちは休んでいてちょうだい」
「ほんとー? ありがとう」とアゲハちゃん。
その会話が終わるや否や、遠くから嫌味な若者の声が聞こえます。
「失くした青い石探せだとよ。迷惑なやつらだぜ。俺らは家がなくなって大変だって時に何で石なんて」
「本当だよな。あのオチビだけで迷惑だったのによ」
「どうする?」と焼けたような声が最初の二匹に訊きます。
最初の声が「帰ろうぜ」と言いました。
子供たちとお母さんたちがつらそうにしています。お父さんたちは「気にするな」と言いました。
「あら、帰るの?」とアゲハちゃんが、ぶっきらぼうな男たちに言いました。
「ああ、悪いか?」嫌味な若者が答えます。「お前らが勝手に失くしたんだ。無理に手伝わせる権利なんてないだろ」
「そうね。でも手伝った方がいいわよ。そうしないと大変なことになるんだから」
「なんでだよ」
「だってまた屋久杉みたいな木が生まれたらどうするの? この島大惨事よ。その時わたしたちいないかもしれないじゃない。だって、わたしたちを乗せてくれているクジラはずっとここに留まってくれるわけではないんだから」
「っ――」嫌味な若者が何か言おうとします。
アゲハちゃんは、それを遮って言いました。
「見つからなかった時、探してくれたみんなは思うでしょうね。あいつらが手伝ってくれなかったから見つからなかったんだって。みんなで協力すべき時にしなかったあなたたちは、一生後ろ指さされるでしょうね」
嫌味な若者は、「うぐぐぐぐ」と唸りました。
彼と一緒にいた蝶たちが言いました。
「やばいよ。森が燃えたらさ。青いのと赤いのとで違うけど、天の宝物殿だっけ? 何だか分かんないけど、そんなところにあったものだから、絶対何か起こると思うぜ」
仕方がないので、嫌味な若者たちは、虹の雫捜索隊に加わります。
アゲハちゃんの話を聞いていた多くの蝶々が加わりました。それ以外の虫たちもです。もしかしたら、何も言わずに手伝わずに帰ろうとしたツマベニチョウもいたかもしれません。関係ない虫たちは見ていただけかもしれません。ですが、アゲハちゃんの話のおかげで、みんな手伝ってくれました。一生後ろ指虫生なんてまっぴらです。
みんなで大捜索しているのを見ながら、チュウ太が言いました。
「虹の雫って大変なものだったんだな。森を燃やしちゃうなんてさ」
すると、アゲハちゃんが言いました。
「燃えないわよ」
「なんで言い切れるんだよ」
「だって、燃える石は虹の雫じゃないもの」
「何で分かるのさ」
「だって、それが虹の雫だったのなら、そこら中が大慌てよ。だって他に六つもあるんですもの。燃えるかどうかは別にして、とんでもないことになっているんじゃないかしら」
「え? でも大変なことになるって思ったから、嫌味なやつにけしかけたんだろ」
「あら、そんなことしていないわよ。わたしは、屋久杉と同じような木が生まれたらって話をしただけよ。彼らがかってに燃える石と虹の雫がおんなじだって信じていたから探しに行ったのよ」
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