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古風な町のお友達
苦労は買ってでもしろって言うけれど・・・
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最近モモタは、可愛い三毛猫のみーちゃんとお友達になりました。
2匹はいつも一緒です。日向ぼっこをしたり、ごはんを食べたり、毎日楽しく仲良く過ごしていました。
みーちゃんは、可愛いだけではありません。誰とでも仲良くなれる性格でした。
ですから、飼い猫、野良猫、分け隔てなく誰とでもお友達になれる子です。
そのため多くのオス猫が、このみーちゃんに想いを寄せていました。
ある時、あまりにみーちゃんと仲が良すぎるモモタに嫉妬したオス猫が、1匹でいたモモタを見つけて、やって来ました。
モモタより二回りほど大きい猫でしたが、モモタは怖いと思いません。別に毛を逆立てていたわけではありませんでしたから。
モモタにとってこのオス猫は、お話したことのないお友達です。どんな用かな? と思って、首を傾げて考えました。
オス猫は、モモタのそばに腰を下ろすと、景色を見ながら言いました。
「お前な、最近調子に乗っているようだけれど、気をつけろよ。猫生そんなに甘くないからな。
今が楽しいからって、楽しんでばかりいちゃいけないぞ」
突然、お説教じみたことを言われて、モモタは呆気にとられました。
オス猫の話は続きます。
「モモタはまだまだ子供だ。背伸びすんな。
おれは今の大きさになるまでイチャイチャできなかったんだ。
いいか? まだ早いからやめときな」
そう言って、オス猫は去っていきました。
何日か経ったある日の昼下がり。モモタはみーちゃんと一緒にネズミを捕まえて、一緒に食べました。
それを見ていたオス猫は、みーちゃんがご主人様に連れられてお家に帰った後、モモタのそばにやって来て言いました。
「お前が3日連続ネズミが捕れるなんて、生意気だぞ。
俺なんか、お前くらいの大きさの時は、3日3晩追いかけまわしてようやく1匹取れたんだ。
お前はまだ若いんだから、そのくらいしなきゃ、立派な茶トラになれないぞ」
また別の日の事です。モモタがみーちゃんと一緒に、猫好きの人が住んでいるお家を回って、おやつツアーを楽しんだ後のことでした。
やっぱり1匹になったモモタのもとに、オス猫がやって来て言いました。
「可愛い声でにゃあにゃあ鳴いて、すぐに人間にごはんをねだるなんてみっともない。
俺なんて、1日がかりで鳴いて、ようやく魚のお腹のわたをもらえる程度だよ。
だから忙しいったらありゃしない。
すぐにごはん貰えて一日中暇なモモタとは違うんだぜ」
モモタは話を聞いていて、何が自慢なのか分かりませんでした。
2匹はいつも一緒です。日向ぼっこをしたり、ごはんを食べたり、毎日楽しく仲良く過ごしていました。
みーちゃんは、可愛いだけではありません。誰とでも仲良くなれる性格でした。
ですから、飼い猫、野良猫、分け隔てなく誰とでもお友達になれる子です。
そのため多くのオス猫が、このみーちゃんに想いを寄せていました。
ある時、あまりにみーちゃんと仲が良すぎるモモタに嫉妬したオス猫が、1匹でいたモモタを見つけて、やって来ました。
モモタより二回りほど大きい猫でしたが、モモタは怖いと思いません。別に毛を逆立てていたわけではありませんでしたから。
モモタにとってこのオス猫は、お話したことのないお友達です。どんな用かな? と思って、首を傾げて考えました。
オス猫は、モモタのそばに腰を下ろすと、景色を見ながら言いました。
「お前な、最近調子に乗っているようだけれど、気をつけろよ。猫生そんなに甘くないからな。
今が楽しいからって、楽しんでばかりいちゃいけないぞ」
突然、お説教じみたことを言われて、モモタは呆気にとられました。
オス猫の話は続きます。
「モモタはまだまだ子供だ。背伸びすんな。
おれは今の大きさになるまでイチャイチャできなかったんだ。
いいか? まだ早いからやめときな」
そう言って、オス猫は去っていきました。
何日か経ったある日の昼下がり。モモタはみーちゃんと一緒にネズミを捕まえて、一緒に食べました。
それを見ていたオス猫は、みーちゃんがご主人様に連れられてお家に帰った後、モモタのそばにやって来て言いました。
「お前が3日連続ネズミが捕れるなんて、生意気だぞ。
俺なんか、お前くらいの大きさの時は、3日3晩追いかけまわしてようやく1匹取れたんだ。
お前はまだ若いんだから、そのくらいしなきゃ、立派な茶トラになれないぞ」
また別の日の事です。モモタがみーちゃんと一緒に、猫好きの人が住んでいるお家を回って、おやつツアーを楽しんだ後のことでした。
やっぱり1匹になったモモタのもとに、オス猫がやって来て言いました。
「可愛い声でにゃあにゃあ鳴いて、すぐに人間にごはんをねだるなんてみっともない。
俺なんて、1日がかりで鳴いて、ようやく魚のお腹のわたをもらえる程度だよ。
だから忙しいったらありゃしない。
すぐにごはん貰えて一日中暇なモモタとは違うんだぜ」
モモタは話を聞いていて、何が自慢なのか分かりませんでした。
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