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心配性の足長蜂の話
どこでも使える力があれば
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巣が壊されたのに、蜜蜂たちは元気いっぱいです。
立ち直るのが早くて、蜂以外のみんなは、唖然としていました。
いつもは、人間が作った蜂蜜用のお花畑で蜜を集めていた蜜蜂でしたが、お暇をもらったと喜んで、お花見ツアーを組んで、お出かけしようと計画を立てています。
すぐにいろんなツアーが出発していきました。
モモタは、仲の良かったルータ君が参加したしたツアーに参加して、一緒にお出かけです。
ルータ君たちは、ツツジの畑や山桜を見つけて大はしゃぎ。
「色々なお花があるだなぁ。知らなかった」
「来てみて!全然蜜のないお花もあるわ」
「ホントだ、ちょっとしかない」
ちょうどその頃、別のツアーに参加していたある1匹が、大きな声でみんなを呼びました。
「ねえ、みんな来てみて。
大きな巣箱があるわ」
みんなが行ってみると、本当に大きな巣箱があります。
「お家にしよう」と1匹の蜜蜂の女王様が言うと、「そうねそうね」と女王様たちが集まって言いました。
ツアーから戻ってきた自慢の働き蜂を呼び寄せて、急きょ巣作りが始まります。たくさんの働き蜂が、どんどんお部屋を作っていきました。
ここは人間が作ったログハウスです。
ですが、今は倉庫として使われているので、誰も住んでいません。
ですから養蜂園の人たちは、誰も気が付きませんでした。
みるみる間に屋根裏は、蜂のお部屋でいっぱいです。
倉庫になっているログハウスのお風呂の天井から、蜜が滴り始めました。
真下には浴槽があります。浴槽にたまっていった蜜は、すぐに浴槽をいっぱいに満たします。
それでも滴る蜜は止まることなく、溢れだしました。
みるみる間に、お菓子のお家の噂は虫たちの間に広がって、甘いの大好きっ子たちが集まります。
ルーク君からその話を聞いたモモタが見にいった時には、倉庫にとまった蝶々で壁が見えません。
見回りにいた養蜂園の人が、それを見つけて不思議に思ました。
中に入ってビックリ仰天。キラキラ輝く蜜でいっぱいです。
いつか何かあるかもしれない、と思って、辺りを飛び回っていた足長蜂が、すかさず叫びながら飛んで行きます。
「大変だー大変だー!人間に気が付かれたぞ!」
モモタは、足長蜂を呼びとめて訊きました。
「どうして?ログハウスのお部屋をお家に出来たら、とても素敵だと思うよ。
だって、恐ろしい熊も入って来れないし、スズメバチだって簡単に攻めてこられないよ?」
すると足長蜂は、もっとちゃんと慌ててよ、といった感じで、大変な理由を教えてくれました。
「こんなところに蜜貯めても仕方ないよ。
だって、ここは人間のお家だよ。
お部屋が使えなくなって困るはずさ。
すぐにかたしにきて、お薬撒かれちゃうよ」
それを聞いたログハウスの外にお家を作っていた蝶たちは、心配になって逃げだしました。
ですが、一向にお薬は撒かれません。
そればかりか、住みやすいように、ログハウスの周りの草刈りをしてくれて、お花の苗を植えてくれました。
草木が分けてくれる甘い食べ物はたくさんありますが、キラキラ輝く綺麗な蜜は特別です。
なにものにも代えがたい蜜なのです。
モモタはルーク君を褒めて言いました。
「どこでも誰もが引っ張りだこ。
蜜蜂ってすごいんだなぁ」
立ち直るのが早くて、蜂以外のみんなは、唖然としていました。
いつもは、人間が作った蜂蜜用のお花畑で蜜を集めていた蜜蜂でしたが、お暇をもらったと喜んで、お花見ツアーを組んで、お出かけしようと計画を立てています。
すぐにいろんなツアーが出発していきました。
モモタは、仲の良かったルータ君が参加したしたツアーに参加して、一緒にお出かけです。
ルータ君たちは、ツツジの畑や山桜を見つけて大はしゃぎ。
「色々なお花があるだなぁ。知らなかった」
「来てみて!全然蜜のないお花もあるわ」
「ホントだ、ちょっとしかない」
ちょうどその頃、別のツアーに参加していたある1匹が、大きな声でみんなを呼びました。
「ねえ、みんな来てみて。
大きな巣箱があるわ」
みんなが行ってみると、本当に大きな巣箱があります。
「お家にしよう」と1匹の蜜蜂の女王様が言うと、「そうねそうね」と女王様たちが集まって言いました。
ツアーから戻ってきた自慢の働き蜂を呼び寄せて、急きょ巣作りが始まります。たくさんの働き蜂が、どんどんお部屋を作っていきました。
ここは人間が作ったログハウスです。
ですが、今は倉庫として使われているので、誰も住んでいません。
ですから養蜂園の人たちは、誰も気が付きませんでした。
みるみる間に屋根裏は、蜂のお部屋でいっぱいです。
倉庫になっているログハウスのお風呂の天井から、蜜が滴り始めました。
真下には浴槽があります。浴槽にたまっていった蜜は、すぐに浴槽をいっぱいに満たします。
それでも滴る蜜は止まることなく、溢れだしました。
みるみる間に、お菓子のお家の噂は虫たちの間に広がって、甘いの大好きっ子たちが集まります。
ルーク君からその話を聞いたモモタが見にいった時には、倉庫にとまった蝶々で壁が見えません。
見回りにいた養蜂園の人が、それを見つけて不思議に思ました。
中に入ってビックリ仰天。キラキラ輝く蜜でいっぱいです。
いつか何かあるかもしれない、と思って、辺りを飛び回っていた足長蜂が、すかさず叫びながら飛んで行きます。
「大変だー大変だー!人間に気が付かれたぞ!」
モモタは、足長蜂を呼びとめて訊きました。
「どうして?ログハウスのお部屋をお家に出来たら、とても素敵だと思うよ。
だって、恐ろしい熊も入って来れないし、スズメバチだって簡単に攻めてこられないよ?」
すると足長蜂は、もっとちゃんと慌ててよ、といった感じで、大変な理由を教えてくれました。
「こんなところに蜜貯めても仕方ないよ。
だって、ここは人間のお家だよ。
お部屋が使えなくなって困るはずさ。
すぐにかたしにきて、お薬撒かれちゃうよ」
それを聞いたログハウスの外にお家を作っていた蝶たちは、心配になって逃げだしました。
ですが、一向にお薬は撒かれません。
そればかりか、住みやすいように、ログハウスの周りの草刈りをしてくれて、お花の苗を植えてくれました。
草木が分けてくれる甘い食べ物はたくさんありますが、キラキラ輝く綺麗な蜜は特別です。
なにものにも代えがたい蜜なのです。
モモタはルーク君を褒めて言いました。
「どこでも誰もが引っ張りだこ。
蜜蜂ってすごいんだなぁ」
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