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強すぎて強くなれないオオタカの話
勇気と無謀と勇み足
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いつもモモタが遊んでいる森の奥には、もっと深い森がありました。
この森のある場所の木々には、全く鳥が住んでいません。
小さなお友達は全く寄り付かないこの場所の中心には、この森の王者オオタカの巣があったからです。
それなのに、なぜかタヌキがいました。モモタと同じくらいの大きさですから、オオタカに見つかれば、鷹掴みされて連れて行かれてしまうかもしれません。
タヌキは、平然とオオタカの巣のある木の下にやって来て、ヒナに向かて言いました。
「もう羽が生え揃っていますね。いまにでも飛べるのではありませんか?」
「まだまださ」
「まさかご謙遜を。もう向こうの青ゲラの子は飛び立ちましたよ。
君よりも小さいのにすごいですね。なのに、君が飛べないなんてことありまえんよ」
巣には3羽のヒナがいましたが、2羽の弟はまだ薄い灰色の羽毛に包まれていましたから、飛び立つ勇気がありません。
もう飛べると言われたお兄ちゃんを憧れの目で見つめています。
ですが、お兄ちゃんも勇気がありませんでした。
生まれて2か月とはいえ、王者としてのプライドがあります。失敗して笑われでもしたら、とても恥ずかしい思いをしてしまいます。
そんなお兄ちゃんを見透かして、タヌキは言いました。
「失敗しても恥ずかしくありません。誰もいませんから。
そうだ、朝早くに飛んでみるのはどうです?
日の出と共になら、100%誰にも見られませんから、失敗しても良いじゃありませんか。みんな失敗して成長するんですから」
オオタカのお兄ちゃんは迷っていましたが、同時に巣の外への興味も溢れています。それに、自分の力を試したいとも思いました。
タヌキは続けます。
「まだご飯はお母さんが捕って来てくれているのでしょう?
昼間の内にしっかりと寝て、早起きするんです。
疲れて休んでいるお母さんとお父さんを起こさないようにして、練習するんです。
そして、サプライズで飛んでみせて、2羽をびっくりさせましょう」
兄弟たちは心配してひきとめますが、お兄ちゃんは言いました。
「そうだね、そうしてみるよ」
次の日の朝早く、ようやく空が白み始めた頃、こっそりと枝の上で羽をはばたかせる1羽のオオタカのお兄ちゃんがいました。
「よし、やろう」
お兄ちゃんは、決心を固めて枝を蹴ります。スィーと飛んで地面にぽてっ。
・・・飛んではみたものの低空飛行で行ったり来たり。高く飛べません。
何度頑張っても高く飛べません。
「はあはあ、どうしよう。巣に戻れないぞ」
そこへ、偶然タヌキが通りかかりました。
「オオタカのお兄さん、大丈夫ですよ、僕が巣に連れて行ってあげましょう」
「ありがとう、タヌキさん」
ホッとしたオオタカは、タヌキにくわえられて、タカの巣がある木の方へと消えていきました。
この森のある場所の木々には、全く鳥が住んでいません。
小さなお友達は全く寄り付かないこの場所の中心には、この森の王者オオタカの巣があったからです。
それなのに、なぜかタヌキがいました。モモタと同じくらいの大きさですから、オオタカに見つかれば、鷹掴みされて連れて行かれてしまうかもしれません。
タヌキは、平然とオオタカの巣のある木の下にやって来て、ヒナに向かて言いました。
「もう羽が生え揃っていますね。いまにでも飛べるのではありませんか?」
「まだまださ」
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君よりも小さいのにすごいですね。なのに、君が飛べないなんてことありまえんよ」
巣には3羽のヒナがいましたが、2羽の弟はまだ薄い灰色の羽毛に包まれていましたから、飛び立つ勇気がありません。
もう飛べると言われたお兄ちゃんを憧れの目で見つめています。
ですが、お兄ちゃんも勇気がありませんでした。
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そんなお兄ちゃんを見透かして、タヌキは言いました。
「失敗しても恥ずかしくありません。誰もいませんから。
そうだ、朝早くに飛んでみるのはどうです?
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オオタカのお兄ちゃんは迷っていましたが、同時に巣の外への興味も溢れています。それに、自分の力を試したいとも思いました。
タヌキは続けます。
「まだご飯はお母さんが捕って来てくれているのでしょう?
昼間の内にしっかりと寝て、早起きするんです。
疲れて休んでいるお母さんとお父さんを起こさないようにして、練習するんです。
そして、サプライズで飛んでみせて、2羽をびっくりさせましょう」
兄弟たちは心配してひきとめますが、お兄ちゃんは言いました。
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「ありがとう、タヌキさん」
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