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我が道を行く黒丸の話
やせ我慢って餓死するの?
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ブンブンブブーン、ブンブブーン♪黒くて丸くて可愛い蜂のりっちゃんが、1匹でお散歩していました。
たまたま通りかかったモモタの頭の上を過ぎていきます。
モモタがいる木々の向こうにあるけもの道から、声が聞こえてきました。見ると、前にモモタをバカにしたウジたちでした。
「お、黒丸の良い女がいるぞ、蜂にしておくなんてもったいないな、俺たちと一緒にハエ生をエンジョイしないかい?」
「ほら俺らと一緒にうんこを食べようぜ」
「あはははは、どうせ食べれっこないさ」
「それじゃあ、蜜蜂に蜜をもらって一緒に舐めようぜ。
おーい、養蜂園から蜜もらってきておくれよーい」
りっちゃんは見向きもしません。ウジは存在すらしない、といったふうに飛んで行きます。
ウジたちは、今度はモモタをからかい始めました。
「ほーらほら、弱虫猫、こっちに来て俺らと勝負しようぜーい」
「無理無理、あの猫、温室育ちの家猫だから、ウンチで泳げるほど強くないさ」
モモタは、いたたまれなくなって、その場を離れました。
ウジたちは、モモタの背中に向かって笑います。
「体が大きいからって大したことないな。猫は情けないよ。小さな僕らを怖がっちゃってさ」
しばらくしてお散歩を再開しモモタは、樹海の奥の方に咲き乱れるツツジの上を飛び回るリッちゃんを見つけました。
「りっちゃん、あんなに言われて大丈夫?
僕もいろいろ言われて、あの道通れなくなっちゃった」
リッちゃんは花びらに座って、蜜をなめながら言いました。
「赤ちゃん相手に情けないなぁ。
あなたは通れなくなったのかもしれないけれど、わたしは通らなくなったのよ。同じにしないで」
そう突き放されたモモタは、俯きました。それを見たリッちゃんは同情して言います。
「モーモだってそうなのよ、モーモは道の真ん中にビチビチうんこがあったら避けるでしょ?わざわざ踏みに行かないじゃない。
それなのに、そこにウジがいるからって、避けるのは負けたことになるのなんておかしいでしょう?
モーモは弱いから避けて歩いたんじゃないわ、わざわざ踏みたくもないビチビチうんこを我慢して踏まないといけないなんていわれはないのよ」
「でも、あんな風に言われたら、つらい気持ちになっちゃうよ」
「わたしたちは住んでいる世界が違うのよ。猫とウジならなおさらだわ。
わざわざ相手に合せて比べてもしょうがないでしょう?
モーモは猫なのに、ウジらしさで比べてどうするの?」
「でも、むこうが比べてくるんだ。それで僕は弱虫だって。
りっちゃんだってそう言われているでしょう?」
「ウジどもは分かっていないのよ、わたしも蜜が捕れるって。
わたしの見た目が毛の生えたハエみたいだからって、ハエと同じだと思っているのよ」
満開のツツジを飛び回って集めた蜜を大事そうに片しながら、リッちゃんは続けて言いました。
「ウジはビチビチうんこの中が天国だとでも思っているのかしら?
それとも誰もよりつかない所にいられるから、自分たちは特別だとでも思っているのかしら?
わたしたちは相手にしなくていいの。よけずに踏みに行けるのが強さじゃないわ。避けていけるのが力なのよ」
きれいで可愛いのに結構ヒドイこという蜂でした。
たまたま通りかかったモモタの頭の上を過ぎていきます。
モモタがいる木々の向こうにあるけもの道から、声が聞こえてきました。見ると、前にモモタをバカにしたウジたちでした。
「お、黒丸の良い女がいるぞ、蜂にしておくなんてもったいないな、俺たちと一緒にハエ生をエンジョイしないかい?」
「ほら俺らと一緒にうんこを食べようぜ」
「あはははは、どうせ食べれっこないさ」
「それじゃあ、蜜蜂に蜜をもらって一緒に舐めようぜ。
おーい、養蜂園から蜜もらってきておくれよーい」
りっちゃんは見向きもしません。ウジは存在すらしない、といったふうに飛んで行きます。
ウジたちは、今度はモモタをからかい始めました。
「ほーらほら、弱虫猫、こっちに来て俺らと勝負しようぜーい」
「無理無理、あの猫、温室育ちの家猫だから、ウンチで泳げるほど強くないさ」
モモタは、いたたまれなくなって、その場を離れました。
ウジたちは、モモタの背中に向かって笑います。
「体が大きいからって大したことないな。猫は情けないよ。小さな僕らを怖がっちゃってさ」
しばらくしてお散歩を再開しモモタは、樹海の奥の方に咲き乱れるツツジの上を飛び回るリッちゃんを見つけました。
「りっちゃん、あんなに言われて大丈夫?
僕もいろいろ言われて、あの道通れなくなっちゃった」
リッちゃんは花びらに座って、蜜をなめながら言いました。
「赤ちゃん相手に情けないなぁ。
あなたは通れなくなったのかもしれないけれど、わたしは通らなくなったのよ。同じにしないで」
そう突き放されたモモタは、俯きました。それを見たリッちゃんは同情して言います。
「モーモだってそうなのよ、モーモは道の真ん中にビチビチうんこがあったら避けるでしょ?わざわざ踏みに行かないじゃない。
それなのに、そこにウジがいるからって、避けるのは負けたことになるのなんておかしいでしょう?
モーモは弱いから避けて歩いたんじゃないわ、わざわざ踏みたくもないビチビチうんこを我慢して踏まないといけないなんていわれはないのよ」
「でも、あんな風に言われたら、つらい気持ちになっちゃうよ」
「わたしたちは住んでいる世界が違うのよ。猫とウジならなおさらだわ。
わざわざ相手に合せて比べてもしょうがないでしょう?
モーモは猫なのに、ウジらしさで比べてどうするの?」
「でも、むこうが比べてくるんだ。それで僕は弱虫だって。
りっちゃんだってそう言われているでしょう?」
「ウジどもは分かっていないのよ、わたしも蜜が捕れるって。
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満開のツツジを飛び回って集めた蜜を大事そうに片しながら、リッちゃんは続けて言いました。
「ウジはビチビチうんこの中が天国だとでも思っているのかしら?
それとも誰もよりつかない所にいられるから、自分たちは特別だとでも思っているのかしら?
わたしたちは相手にしなくていいの。よけずに踏みに行けるのが強さじゃないわ。避けていけるのが力なのよ」
きれいで可愛いのに結構ヒドイこという蜂でした。
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