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自信なさげな駿馬の話
考えない、まず動く
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緑の牧草に紛れて、見慣れない猫がいます。空を旋回する鷹は、毎日モモタを見ていました。
いつも小さなネズミを捕まえていた鷹にとって、猫のモモタは格好の獲物です。子猫1匹でしたが、捕まえれば、ヒナたちは1日お腹いっぱいです。
モモタはいつも大きな動物といるのに、今日は1匹で遊んでいました。
「わっ!痛い!助けてー!!」
幸太郎が振り返ると、鷹に捕まったモモタが、モガモガもがいています。
幸太郎はとっさに走り出しました。必死に走りました。どの馬よりも速く走りました。
あと3馬身という距離で、鷹の高度は上がっていき、ついには馬の高さを超えていきます。
「こーたろーくーん!!」
「モモタ―!!」
苦しくなって、モモタがもうだめだと思ったその時です。幸太郎は前足を高く掲げました。
そして、力いっぱい後ろ足で地面を蹴り押しました。
牧場のみんなが息を飲みます。豚よりもノロマだった幸太郎の足は、誰よりも早かったのです。
鷹は首を上げて急上昇を試みました。すかさず、幸太郎も首を上げます。
見ていた馬たちが言いました。
「届かないぞ!!」
「あの猫はダメだ!!」
そうみんなが思ったときに、幸太郎が叫びました。
「モモタ――!!」
モモタが目を開けると、唇をビラビラはためかせる馬の顔がありました。
「幸太郎君!!」
モモタが伸ばした前足の爪が首にたちますが、幸太郎は必死にこらえます。
爪が引っ掛かったアゴを下げると、鷹は引っ張り落とされました。
「ありがとー、幸太郎君」
そう言ったモモタを、幸太郎はゼイゼイと息を荒げて、見下ろしました。
「幸太郎君?」
幸太郎は、何も言わずにモモタをくわえて、背中に投げて乗せ、走り出しました。
そのまま、壊れていない柵を飛び越えて、どこまでも走って行きました。
いつも小さなネズミを捕まえていた鷹にとって、猫のモモタは格好の獲物です。子猫1匹でしたが、捕まえれば、ヒナたちは1日お腹いっぱいです。
モモタはいつも大きな動物といるのに、今日は1匹で遊んでいました。
「わっ!痛い!助けてー!!」
幸太郎が振り返ると、鷹に捕まったモモタが、モガモガもがいています。
幸太郎はとっさに走り出しました。必死に走りました。どの馬よりも速く走りました。
あと3馬身という距離で、鷹の高度は上がっていき、ついには馬の高さを超えていきます。
「こーたろーくーん!!」
「モモタ―!!」
苦しくなって、モモタがもうだめだと思ったその時です。幸太郎は前足を高く掲げました。
そして、力いっぱい後ろ足で地面を蹴り押しました。
牧場のみんなが息を飲みます。豚よりもノロマだった幸太郎の足は、誰よりも早かったのです。
鷹は首を上げて急上昇を試みました。すかさず、幸太郎も首を上げます。
見ていた馬たちが言いました。
「届かないぞ!!」
「あの猫はダメだ!!」
そうみんなが思ったときに、幸太郎が叫びました。
「モモタ――!!」
モモタが目を開けると、唇をビラビラはためかせる馬の顔がありました。
「幸太郎君!!」
モモタが伸ばした前足の爪が首にたちますが、幸太郎は必死にこらえます。
爪が引っ掛かったアゴを下げると、鷹は引っ張り落とされました。
「ありがとー、幸太郎君」
そう言ったモモタを、幸太郎はゼイゼイと息を荒げて、見下ろしました。
「幸太郎君?」
幸太郎は、何も言わずにモモタをくわえて、背中に投げて乗せ、走り出しました。
そのまま、壊れていない柵を飛び越えて、どこまでも走って行きました。
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