猫のモモタ

緒方宗谷

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おせっかいな蜜蜂の話

みんなの仕事はあなたの仕事

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 モモタは、一生懸命に蜜を集める蜂達を見るのが、とても大好きでした。今日も蜜蜂みっちゃんは忙しそうに働いています。
 「働き蜂さん、はいこれ用意しておいてあげたから、やっておいてください」
 「う、うん、わかった」
 働き蜂にお仕事を用意してあげたみっちゃんは、すぐそばにいた別の働き蜂にも、お仕事を用意してあげていました。
 「ここに花粉が溜まっているから、これを集めると良いわ」
 「そうだね・・・、やっておくよ」
 モモタはそれを見て、先回りしてお仕事の準備をしておくなんて、みっちゃん偉いなー、と思いました。
 「みっちゃんがお仕事を段取りしてくれて助かるね」
 モモタが、一休みにやってきた働き蜂をねぎらうと、ため息をつきながら答えます。
 「それが違うんだよ、あれ全部みっちゃんのやり残しなんだよ」
 事情を聞こうとしたとき、みっちゃんがモモタの肩にとまる蜜蜂を呼んで、言いました。
 「一まとめにした花粉はどこかしら」
 「そこにあるよ。
  みっちゃんの右側のお花の上さ」
 「どこ?どこかしら、教えてくださーい」
 仕方なく、働き蜂はそばまで行ってあげて、みっちゃんの目の前にある花粉の玉を指さしてあげました。
 花粉を持っていくみっちゃんを見送ったあと、働き蜂がモモタに言いました。
 「みっちゃんは悪気はないんだけどね。
  誰もしたがらない仕事をしてくれるから、助かってはいるんだけど、他の蜜蜂に指示すたがるから、それに気を取られて自分仕事が遅いんだ」
 実は、仕事を増やされていた働き蜂達なのでした。


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