猫のモモタ

緒方宗谷

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村の片隅にいたお友達

言っている事とやっている事が違うじゃない

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 放課後、小学生が楽しく帰ってきました。その進む先ある松の梢にいるカラスが言いました。
 「カア、カア、こんにちは、仲良くしようよ」
 プリプリプリッ、うんちをプリッ 
 「きゃっ、うんち!カラスのフンが落ちてきたわ」
 幸い当たりませんでしたが、女の子は駆けて逃げていきました。
 「こんにちは、僕は良いカラスだよ」
 そう言うカラスは、こんどは、小石をくわえていました。
 ピューン、コツン。
 「痛い!カラスが石落としてきた!あっぶねー」
 「カハカハカハ」
 モモタは、笑っているカラスに言いました。
 「人間と仲良くしたいんじゃないの?そんなことしたら、仲良くなれないよ?」
 「やあ、僕の大の親友のモモタ君、仲良く遊ぼうぜ」
 「痛い!」 
 そう言って舞い降りてきたカラスは、モモタの背中に爪を立てます。モモタは、一目散に逃げました。
 「あ、良い石発見」
 ある時、くわえやすくて大きい石を見つけたカラスは、道に降りました。
 ちょうどその時、車が走ってきて、キキッッ~!!ドカッ!
 危ないところで逃げましたが、なんとカラスは、肩をぶつけてしまったのです。
 「痛いよー、痛いよー、助けてー」
 「あ、カラスがいる。
  イラズラされるから、早くいこうよ」
 人間の女の子たちは、避けて行きます。
 「誰か助けてー、僕黒いから、暗くなったら誰も見えなくて、車にひかれちゃうよ」
 でも誰も助けてくれません。
 それを見つけたモモタも近づく勇気がありません。嘘だったらどうしよう、つつかれたらどうしようと、思ったのです。背中の傷も、行かないでと言っているようにうずきました。
 カラスは、仕方なく自力で道のわきの草むらにはって行きます。
 「あいたたたたた、なんてみんなヒドイんだ、誰も助けてくれないなんて」
 肩を怪我したカラスは、すぐに飛べなかったので、何日も草むらの中で過ごしていなければなりませんでした。雨に降られてずぶ濡れです。
 モモタは、思いました。
 「言っている事とやってる事がちがうと、信じてもらうのは大変なんだね」




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