猫のモモタ

緒方宗谷

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田舎で出会ったお友達

強がったってダメだよ、弱さの裏返しなんだから

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 大きな川原に、沢山の人間がワイワイ何かやっています。網を持っているので、何かを捕まえたいようです。
 モモタはしばらく見ていましたが、何かが捕まる様子はありません。
 退屈し始めたので、自分でも探してみます。
 「なんだ、君も俺様を捕まえたいのか?人間でもないのに」
 モモタが見ると、くちばしの尖ったトゲトゲ甲羅の亀がいました。
 「君なの?人間は、君を捕まえようとしてるの?」
 「そうさ、彼らは俺様にひどいことをしようとしてるのさ。
  でも、心配なんかいらない、僕には強いアゴがあるからね、来たら思いっきり噛ってやるんだ」
 それを聞いて、モモタは言います。
 「人間はそんなひどいことしないよ」
 モモタは説得しますが、ワニ亀は聞きません。
 「俺様は、ずっと1人でやってきたんだ。
  誰も助けてくれやしない。
  何せ、みんなと違うんだから、顔だって悪いし、甲羅だっていかついし。
  この川に住むみんなだって、意地悪するんだ」
 モモタは信じられません。だって、この川にワニ亀にチョッカイできそうなガキ大将は、いなさそうですから。
 「そら来た!」
 モモタは芦に隠れました。何人かの人間が叫びます。怖くて目を開けられません。
 静かになったので、外に出てみると、虫取網にいるワニ亀が連れていかれます。
 「待って!待ってよ!そのワニ亀どうするの?」
 モモタは車を追いかけました。
 すぐに見失ってしまいましたが、虫達に聞いて回って、水族館にたどり着きました。
 「どうやって入るのかな?奥が見える窓もないし、どうしよう」
 何日も考えていると、肩にとまっていた蚊が言いました。
 「僕が見てきてあげるよ。
  ちょっと待っておいで」
 肩をポリポリかきながらモモタがしばらく待つと、蚊が戻ってきて言いました。
 「中にいたよ、人間が覗けるくらいの低くて大きなガラスの池があって、お昼寝いてた。
  君の言う通りだってさ。
  自分が暴れてるときは、人間は怖く見えたけど、静かになったら優しく見えたって。
  どーいう意味?」
 蚊が聞くので、教えてあげました。
 「相手の姿は、鏡に映った自分なのさ」
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