猫のモモタ

緒方宗谷

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お家で出会ったお友達の話

心はお日さま、お部屋を暖めるにはどうすれば良いの?

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 お庭に、えっちらおっちらとうんちを運ぶ小さな虫がいました。
 「センチさん、こんにちは」
 挨拶をしたモモタは、どうしていつもうんちを運んでいるのか、聞いてみました。
 「お庭が片付いていると、過ごしやすいだろう?僕は、そういうお庭を作りたいんだ」
 「自分のじゃないのに?」
 「だから良いのさ。
  みんなで住むお庭だからこそ、一生懸命する価値があるんだよ。
  僕は、お掃除を通して立派になりたいんだ」
 「立派だと思うけど、誰も見てないよ。
  いつも誉めてもらえないじゃない?」
 センチコガネは笑って言いました。
 「誉めてもらうためにしても、良いことは良いことだけれど、誰も見ていないときにすることが、本当の良いことなんだよ。
  だって、良いことのために良いことをいているのだから」
 「じゃあ、誰がナデナデしてくれるの?」
 センチコガネは、少し困った様子です。
 「う~ん、強いて言えばお天道様かな?」
 「どうして?なんでお日さまが誉めてくれるの?」
 モモタには、訳が分かりません。
 「お天道様は、みんなの優しさでできているんだ。
  日向ぼっこをすると、温かくて気持ちが良いでしょ。
  誰かが良いことをすると、それだけ太陽は温かくなる」
 その時のモモタは、結局分かりませんでしたが、何日か考えた後、日向ぼっこをしているときに、ママと佑ちゃんと蛾を思い出しました。
 「家族のためにお掃除してるママは、とても輝いていたな。
  それに、とても楽しそうだった。
  でも、言われて嫌々お片付けした佑ちゃんは、全然輝いてなかった。
  とてもつまらなそうだった。
  逆に、自分のせいで落ちた洗濯物を洗い直すママは、つまらなそう。
  全然輝いていなかった。
  でも、うつらうつらいてて雨に気づかないママのために、お洗濯ものを取り込んだ佑ちゃんは、楽しそうだったな。
  濡れるのを構わず頑張る姿は、とても輝いていたよ」
 モモタは、はっきりと思い出しました。
 「あの後すぐに晴れて、とても暖かになってんだ。
  誰が見ていなくても、誰に誉められなくても、誰かのためにする良いことは、輝くための栄養なんだ!」
 モモタ、もっと耀きたくなりました。





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