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近所で出会ったお友達の話
人も鳥も猫も、優しさに違いはないんだね
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ある団地で、雀の夫婦が世話しなく働いていました。
ゴミ捨て場を囲う低い壁の上に乗っかっていたフルーツの缶詰の空缶に、巣を作ろうというのです。
「雀さん、お家を作るのは大変だね」
「本当だわ、この近くの木々は満員だし、最近のお家は、軒下がないでしょう?建てる所が無くって、ヤになっちゃうわ」
ですが、雀が枝を取りに行っている間に、お掃除の人がやって来て、缶をかたしてしまいました。
「まあ大変、急がなくっちゃ、卵を温める時期が過ぎちゃうわ」
今度は、自転車置場の自転車のカゴに入っていたお菓子の空袋の中に巣を作り始めます。
ですが、自転車の持ち主がやって来て、乗って行ってしまいました。
「ああ、なんて事なの、お家がどこかに行ってしまったわ」
なげく新妻雀を新郎雀がなぐさめます。
「諦めちゃいけないよ。
もう一度作ろうじゃないか」
今度は、貯水槽の上に引っ掛かっていた紙袋の中に、巣を作り始めます。
ですが、今度は強い風が吹いて、飛んで行ってしまいました。
「もうダメよ、あなた、私は諦あきらめました」
「何言っているんだ。
僕たちの可愛い赤ちゃんを抱きたくないのかい?今回がダメだったからって、次回がダメとは限らないじゃいか。
まだ卵を温める時期は終わっていないよ。
時間一杯頑張ろうじゃないか」
新郎に促された新妻は、何とか気を持ち直し、今度はベランダの手すりに干してあった布団と手すりの隙間に、巣を作り始めました。
「温っかそうなお家だね、これなら卵も安心して孵れるね」
モモタの言葉に、夫婦は満足げです。
ですが、なんて事でしょう。早速卵を生もうとした矢先、お布団は取り込まれてしまいました。
「私たちとても運が弱いのね。
ゴメンなさい、私もう疲れたわ。
今年はもう諦めましょう」
「こんなに作っても、どこかに行ってしまうなんて、神様が作るなと言っているのかもしれないな」
2人は自暴自棄になってしまいました。自分たちのご飯も探さずに、道路にゴロンです。
「なんで諦めてしまうの?
さっき言ってたじゃないか、時間一杯頑張ろうって。
それに、そんな所に寝てたら、ひかれてしまうよ」
夫婦は、何をする気力も湧かない様子です。
「見てごらんよ、あそこに沢山の箱がるよ。
あそこにお家を作れば良いじゃないか。
僕んちのお庭にも巣箱があって、小鳥が住んでいるよ。
もう1度頑張ってみようよ」
仕方なく、夫婦は箱の中に巣を作りはじめました。
卵を生んで温めはじめると、急に箱の扉が開いて、人間と目が合います。扉を閉めた人間は、どこかに行ってしまいました。
「やっぱりダメね私たち。
私、卵を置いて行けないわ、あなただけ行ってちょうだい」
「何言ってあるんだ!君だけを置いていけないよ」
そうこうする内に、さっきの人が大家さんを連れて戻って来ました。
夫婦はお家が壊されると覚悟しましたが、何も起きません。
「雀さん、あの人達、どうしたんだろうね」
「分からないわ、でも、もう時間がないし、神様にお祈りしながら温めましょう」
日が落ちる前に大家さんが戻って来て、巣の扉についていた番号を、別の扉に付け替えました。
それから、ヒナが孵って巣立つまで、1度も扉は開きませんでした。
ゴミ捨て場を囲う低い壁の上に乗っかっていたフルーツの缶詰の空缶に、巣を作ろうというのです。
「雀さん、お家を作るのは大変だね」
「本当だわ、この近くの木々は満員だし、最近のお家は、軒下がないでしょう?建てる所が無くって、ヤになっちゃうわ」
ですが、雀が枝を取りに行っている間に、お掃除の人がやって来て、缶をかたしてしまいました。
「まあ大変、急がなくっちゃ、卵を温める時期が過ぎちゃうわ」
今度は、自転車置場の自転車のカゴに入っていたお菓子の空袋の中に巣を作り始めます。
ですが、自転車の持ち主がやって来て、乗って行ってしまいました。
「ああ、なんて事なの、お家がどこかに行ってしまったわ」
なげく新妻雀を新郎雀がなぐさめます。
「諦めちゃいけないよ。
もう一度作ろうじゃないか」
今度は、貯水槽の上に引っ掛かっていた紙袋の中に、巣を作り始めます。
ですが、今度は強い風が吹いて、飛んで行ってしまいました。
「もうダメよ、あなた、私は諦あきらめました」
「何言っているんだ。
僕たちの可愛い赤ちゃんを抱きたくないのかい?今回がダメだったからって、次回がダメとは限らないじゃいか。
まだ卵を温める時期は終わっていないよ。
時間一杯頑張ろうじゃないか」
新郎に促された新妻は、何とか気を持ち直し、今度はベランダの手すりに干してあった布団と手すりの隙間に、巣を作り始めました。
「温っかそうなお家だね、これなら卵も安心して孵れるね」
モモタの言葉に、夫婦は満足げです。
ですが、なんて事でしょう。早速卵を生もうとした矢先、お布団は取り込まれてしまいました。
「私たちとても運が弱いのね。
ゴメンなさい、私もう疲れたわ。
今年はもう諦めましょう」
「こんなに作っても、どこかに行ってしまうなんて、神様が作るなと言っているのかもしれないな」
2人は自暴自棄になってしまいました。自分たちのご飯も探さずに、道路にゴロンです。
「なんで諦めてしまうの?
さっき言ってたじゃないか、時間一杯頑張ろうって。
それに、そんな所に寝てたら、ひかれてしまうよ」
夫婦は、何をする気力も湧かない様子です。
「見てごらんよ、あそこに沢山の箱がるよ。
あそこにお家を作れば良いじゃないか。
僕んちのお庭にも巣箱があって、小鳥が住んでいるよ。
もう1度頑張ってみようよ」
仕方なく、夫婦は箱の中に巣を作りはじめました。
卵を生んで温めはじめると、急に箱の扉が開いて、人間と目が合います。扉を閉めた人間は、どこかに行ってしまいました。
「やっぱりダメね私たち。
私、卵を置いて行けないわ、あなただけ行ってちょうだい」
「何言ってあるんだ!君だけを置いていけないよ」
そうこうする内に、さっきの人が大家さんを連れて戻って来ました。
夫婦はお家が壊されると覚悟しましたが、何も起きません。
「雀さん、あの人達、どうしたんだろうね」
「分からないわ、でも、もう時間がないし、神様にお祈りしながら温めましょう」
日が落ちる前に大家さんが戻って来て、巣の扉についていた番号を、別の扉に付け替えました。
それから、ヒナが孵って巣立つまで、1度も扉は開きませんでした。
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